あなたにとって一番辛いと思われる復讐をご用意させていただきました

asami

文字の大きさ
4 / 174

第二話

しおりを挟む
  次に応募したのはリサイクル工場だった。バイトではなく正社員の募集である、これもバイトじゃないないか! と言われればそうだが一応それについての理由も最後に書こうと思う。リサイクル品を回収するドライバーと重機などを工場内で操作して作業をする二つがあったのだが応募したのは後者だった。そこの応募資格はフォークリフトやバックホーやトラクターショベル、ショベルローダー等の重機などの作業資格を一つでも所持していることであった。自分は以前フォークリフトやショベルローダー等の資格を意味もなく取得していたこともあったため応募したらすぐにメールで面接日程の案内がきた。工場は近くに二つ、後から聞いた話なのだがさらにもう一つありいずれも10分ちょっと歩けば通える距離である。しかしグーグルマップ通りにいかなかったのがまずかったのか結構時間ギリギリになってしまい危うく遅れてしまうところだった。なんとか走って時間ギリギリで息を切らしながら到着して、そのまま面接を受け始めることにした。面接でははじめに給料について--試用期間から月給27万スタートでボーナスは年に3回、年収は一年目で390万ほどになるのだとか土曜の休みは隔週だとか、残業は1時間ほどあるとかそういうことを説明され、逆に面接官からは
「副業はしてないか、する予定がないか?」
とか
「体力はあるか?」
といった質問を受けた。もちろんずっとニート状態だったため正直に
「全く自信はありません!」
と答えそうになったがさすがにそれはまずいのはわかっていたため一応以前スポーツをやっていたからあると答えたが明らかに嘘を言っているという感じはぬぐえなかっただろう。合否は一週間ほどで郵送、不採用の場合は履歴書を返してもらうということだったが結果はこの時点で明らかだった。そのときはまーそうだろうなーみたいな感覚であったが自宅から近いというのは魅力でありその後も何度も募集が出るたびに応募を繰り返した、正社員だけでなくバイトの募集もあったが
どれも落とされ続けた。というかそれからは応募しても不採用の返信すらしてこなかったのである。応募がちゃんとされていたのか確認の電話をしたら
「一度不採用にしたんだから何度も応募してくるな迷惑だ!」
といった態度を取られて切られてしまった。もちろんこれだけでなく様々なバイトや仕事を探して応募しては落ちた。その中で一度食品工場のアルバイトが受かったことがあり面接まで受けたのだが、そこは不採用だった。理由は「経験がないので」というものだった。しかし自分は以前食品工場で働いていたことがあったのでその旨を伝えたら「でも今は働いてないですよね?」と返されてしまった。確かにそうではあるが、だったらなぜ不採用なのかと聞くと
「経験があっても未経験者を雇うことはあります」
と言われたのだ。つまりは未経験者は雇わないということなのだろう。
「経験がなくても大丈夫です!」
と面接官に何度も訴えたのだがそれは聞き入れられなかった。そして結局そのバイトも不採用だった。
「経験がなくても大丈夫です!」
という自分の言葉は、ただ単に未経験の人でも雇ってくださいという意味ではなく、未経験でもできる仕事ならどんな仕事でも受けますという意味だったのだが、どうやらこの企業にはそれが伝わらなかったようだ。
それから自分はまた違うバイトを探そうとしていた。今度はもっと給料が高ければいいと思い、時給の高い仕事を探し始めた。
「未経験者でも大丈夫」
という求人情報に目が行きがちだが、それはつまりは経験がないから給料は低くていいということなのだろうか? 自分はそうは思わない。むしろ未経験者だからこそ高い給料をもらえるべきだと思うのだ。しかし現実ではそうはならないのも知っているし、それがこの世の中の仕組みなのだということもわかっている。だから自分がやることは一つだ。バイトや仕事を探すのではなく、自分で作ることだ。
しかしそのためにはどうすればいいのかがわからない。その答えを見つけるために、自分は以前ネットで見つけた内容を思い出した。それはネットの記事で「自分の価値は自分で作る」という内容のものだった。その内容を簡単に説明すると自分が今まで経験したことや身につけたことをアピールして就職につなげていくというものだった。
例えば自分が以前スポーツをやっていたならその経験を活かせる仕事を探してみるといった具合だ。そしてこの考えは正社員だけでなくバイトやパートの募集にも当てはまる。
つまりは「経験がなくても大丈夫です」という求人に応募するよりも、自分が今までに経験したことや身につけたことをアピールしたほうが採用されやすいということらしい。なるほど確かにその通りだと自分は納得した。
そして自分はその考えを実践するために、まずは自分が以前スポーツをやっていたことをアピールすることにした。しかしただ単にそれを言ってもあまり効果がないかもしれないと思い、少し工夫を凝らしてみることにした。それはスポーツで得た能力や技術などを履歴書に書き込むのではなく面接時に披露してみようと考えたのである。もちろんまだ面接も受けていないのにアピールしたところで、信じてもらえないかもしれないがそれでもやってみようと思ったのだ。そしていざ実行する日が来た。
自分の番が来て自己紹介をすることになったのだがそこで自分は「以前スポーツをやっていました」と宣言した後に実際にプレーをしてみせようと思ったのだがその前に面接官からこう言われたのだ。
「ではまずあなたの得意なことを教えてください」
と言われたので自分はすかさず答えた。
「はい!私は野球が得意です!」
と自信満々に答えたところ面接官は「あっ、そうですか」
とだけ言いすぐに次の質問に入った。自分は内心はらはらしながらその後も何個か質問に答えた後に面接官からこう言われたのだ。
「では最後にあなたの長所を教えてください」
と言われたので自分はまたもや自信満々に答えたのだった。
「はい!私の長所は野球が得意で、さらにスポーツ全般が好きです!」
と言ったところ面接官はまたしても渋い顔をしてこう言ったのだ。
「わかりました。それではまたの機会によろしくお願いします」
そして自分は面接室を後にし、帰宅することになったのだがその帰り道にふと思った。
「あれっ?俺なんかまずいこと言ったかな」と。
そして自宅に戻りネットで調べてみたところどうやら自分の発言が問題だったらしいことがわかったのだ。
それは「スポーツが得意です」という一言だった。この一言は一見するととても良いことのように聞こえるかもしれないが実は大きな落とし穴があったのだ。というのもスポーツというのは野球やサッカーなどのチームで行うものだけではなく個人で行うものもあるからだ。つまり自分が得意なのは野球だけではなく、サッカーもテニスも水泳もダンスや歌唱など幅広くあるのだ。
しかし面接官はそのどれか一つが得意だと勘違いしてそれで終わりにしてしまったようだ。だから「スポーツ全般が好きです」という発言に対して面接官は「あっ、そうですか」としか言えなかったのだ。
そして自分はこの失敗から学ぶことにした。自分が得意なことは何か?それをアピールするためにはどうすればいいのか?ということを考えながら日々を過ごした結果、ついに答えが見つかったのである。それは自分の好きなことを仕事にするということだ。
例えば自分が好きな食べ物について聞かれると自分は寿司と答えるが、面接官は「それはどんな寿司が好きなの?」と聞いてきたのだ。つまりは寿司全般が好きか、それとも特定のネタが好きかということを聞かれたのである。だから自分は自分の好きなものを答えたのだ。しかしというかやはり不採用になってしまった。

「なぜグーグルマップ通りにいかなかったのですか、文明の利器を信じなさい!!」
ビビビビリビリビリィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!

「うぐぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」

俺はこれを何回受けることになるのだろうか……?

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

聖女召喚されて『お前なんか聖女じゃない』って断罪されているけど、そんなことよりこの国が私を召喚したせいで滅びそうなのがこわい

金田のん
恋愛
自室で普通にお茶をしていたら、聖女召喚されました。 私と一緒に聖女召喚されたのは、若くてかわいい女の子。 勝手に召喚しといて「平凡顔の年増」とかいう王族の暴言はこの際、置いておこう。 なぜなら、この国・・・・私を召喚したせいで・・・・いまにも滅びそうだから・・・・・。 ※小説家になろうさんにも投稿しています。

悪役令嬢を陥れようとして失敗したヒロインのその後

柚木崎 史乃
ファンタジー
女伯グリゼルダはもう不惑の歳だが、過去に起こしたスキャンダルが原因で異性から敬遠され未だに独身だった。 二十二年前、グリゼルダは恋仲になった王太子と結託して彼の婚約者である公爵令嬢を陥れようとした。 けれど、返り討ちに遭ってしまい、結局恋人である王太子とも破局してしまったのだ。 ある時、グリゼルダは王都で開かれた仮面舞踏会に参加する。そこで、トラヴィスという年下の青年と知り合ったグリゼルダは彼と恋仲になった。そして、どんどん彼に夢中になっていく。 だが、ある日。トラヴィスは、突然グリゼルダの前から姿を消してしまう。グリゼルダはショックのあまり倒れてしまい、気づいた時には病院のベッドの上にいた。 グリゼルダは、心配そうに自分の顔を覗き込む執事にトラヴィスと連絡が取れなくなってしまったことを伝える。すると、執事は首を傾げた。 そして、困惑した様子でグリゼルダに尋ねたのだ。「トラヴィスって、一体誰ですか? そんな方、この世に存在しませんよね?」と──。

『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』

夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」 教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。 ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。 王命による“形式結婚”。 夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。 だから、はい、離婚。勝手に。 白い結婚だったので、勝手に離婚しました。 何か問題あります?

完結 報復を受ける覚悟の上での事でしょう?

音爽(ネソウ)
恋愛
目覚めたら、そこは記憶にない世界だった……

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

完結 そんなにその方が大切ならば身を引きます、さようなら。

音爽(ネソウ)
恋愛
相思相愛で結ばれたクリステルとジョルジュ。 だが、新婚初夜は泥酔してお預けに、その後も余所余所しい態度で一向に寝室に現れない。不審に思った彼女は眠れない日々を送る。 そして、ある晩に玄関ドアが開く音に気が付いた。使われていない離れに彼は通っていたのだ。 そこには匿われていた美少年が棲んでいて……

【完結】離縁ですか…では、私が出掛けている間に出ていって下さいね♪

山葵
恋愛
突然、カイルから離縁して欲しいと言われ、戸惑いながらも理由を聞いた。 「俺は真実の愛に目覚めたのだ。マリアこそ俺の運命の相手!」 そうですか…。 私は離婚届にサインをする。 私は、直ぐに役所に届ける様に使用人に渡した。 使用人が出掛けるのを確認してから 「私とアスベスが旅行に行っている間に荷物を纏めて出ていって下さいね♪」

処理中です...