【完結】皇太子も妹も決して許しませんので覚悟してください

asami

文字の大きさ
7 / 61

しおりを挟む
 タカテルは目の前に現れた人物を見て驚いて固まってしまった。
なぜならそこに現れた女性は人間ではなかったからだ。
頭にはヤギのような巻き角、背中にはコウモリを思わせる翼、そして臀部には悪魔のように太い尻尾が生えておりまるで悪魔のようであった。
「ば、化け物!」
「ふん、失礼な奴だねぇ」
「うわあああっ!」
「ふふふ、これで終わりだよぉ!」
ローブの女性はそういうとタカテルに向かって手をかざした。しかし次の瞬間、タカテルの前に何者かが立ちふさがり手を振り払った。
「なにぃ!?」
ローブの女性は驚愕の声を上げると後方に吹き飛ばされていった。
「まったく無茶しやがって」
「タカテルさん、大丈夫ですか?」
「ああ、なんとかな……」
タカテルは自分の前に立つセリーナの顔を見ると頬を赤らめた。
「えっと、助けてくれてありがとな」
「いえ、気にしないで下さい」
セリーナはそう言いながらローブの人物に目を向けた。
「どうやらまだやる気のようですね」
「くそっ、よくも邪魔してくれたねぇ!」
ローブの人物は立ち上がると再びタカテル達に襲い掛かってきた。
「ちっ、しつこい女だな!」
「タカテルさん、ここは私に任せてもらえますか?」
「わかった、頼む」
「はい、任せてください」
セリーナはそう言うとローブの人物に向かって駆け出して行った。
「バカめ!そんな攻撃あたるもんかい!」
セリーナの攻撃をかわすとローブの人物は火球を放った。しかしセリーナはそれを剣の一振りではじき返した。「なにぃ!?」
「今度こそ終わりです!」
セリーナはそのままローブの人物に切りかかった。しかし相手はギリギリのところでそれをかわし距離を取った。
「ふふ、なかなかやるじゃないか」
ローブの人物はそう言うと不敵な笑みを浮かべた。「でもあんたらじゃ私を倒すことはできないよ」
「やってみないとわからないですよ」
「そうかもしれないねぇ、なら試してみるかねぇ!」
ローブの人物は再び火球を放つと今度は連続で放っていった。
「さすがにこれは避けきれないだろう」
ローブの人物はニヤリと笑うとセリーナに向けてさらに火球を放ち続けた。
「くっ!さすがに手数が多すぎますね……」
セリーナは何とか防ごうとしたが徐々に追い詰められていきついには足止めされてしまった。
「これで終わりだ!」
ローブの人物はそう叫ぶと一気に距離を詰めてきた。
「さあ、死になぁ!」
ローブの人物は手に持った短刀でセリーナを切りつけた。しかしその刃が届くことはなかった。
「なんだ?体が動かないだと……」
セリーナは相手の攻撃を受け止めるとその腕を掴み動きを止めていたのだ。
「ふぅ……、危ないところだったぜ」
タカテルはホッと息をつくとローブの人物の背後から近づき剣を構えた。
「悪いがこっちも仕事なんでな」
タカテルはそう言うと剣を一閃させた。するとローブの人物の首は宙を舞い地面に落ちた。
「ふう、なんとかなったな」
「タカテルさん、怪我はありませんか?」
「俺は平気だけど、そっちは大丈夫なのか?」
「はい、問題ないです」
「そうか、それは良かった」
タカテルは安心すると剣を鞘に収めた。
「あの、タカテルさん、ありがとうございました」
「ん?何のことだ?」
「その……さっき私のこと庇ってくれたことです」
「ああ、あれか。別に大したことじゃないよ」
「それでも嬉しかったんです。だからお礼を言いたくて」
「そっか、まあ無事でよかったよ」
タカテルは照れくさそうに頭を掻いた。「それよりも早く二人を追いかけよう」
「はい、急ぎましょう」
二人はそういうと急いで広場を抜けて町の中心部へと向かった。
「くそっ、どこに行ったんだ?」
タカテルは辺りを見回しながら必死に探していた。しかしその姿を見つけることはできなかった。
「おかしいですね、この辺にいると思ったのですが」
セリーナも首を傾げながら辺りを探していた。
「やっぱり町の外に出たのか」
「その可能性が高いかもしれませんね」
「そうだな、仕方がない。俺達も町の外へ出るぞ」
「わかりました」
タカテル達は来た道を戻ろうとしたその時、突然地面が揺れ始めた。
「な、なんだ!?地震か!?」
「いえ、違います!何かが近づいてきています!」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】猫を被ってる妹に悪役令嬢を押し付けられたお陰で人生180度変わりました。

本田ゆき
恋愛
「お姉様、可愛い妹のお願いです。」 そう妹のユーリに乗せられ、私はまんまと悪役令嬢として世に名前を覚えられ、終いには屋敷を追放されてしまった。 しかし、自由の身になった私に怖いものなんて何もない! もともと好きでもない男と結婚なんてしたくなかったし堅苦しい屋敷も好きでなかった私にとってそれは幸運なことだった!? ※小説家になろうとカクヨムでも掲載しています。 3月20日 HOTランキング8位!? 何だか沢山の人に見て頂いたみたいでありがとうございます!! 感想あんまり返せてないですがちゃんと読んでます! ありがとうございます! 3月21日 HOTランキング5位人気ランキング4位…… イッタイ ナニガ オコッテンダ…… ありがとうございます!!

森に捨てられた令嬢、本当の幸せを見つけました。

玖保ひかる
恋愛
[完結] 北の大国ナバランドの貴族、ヴァンダーウォール伯爵家の令嬢アリステルは、継母に冷遇され一人別棟で生活していた。 ある日、継母から仲直りをしたいとお茶会に誘われ、勧められたお茶を口にしたところ意識を失ってしまう。 アリステルが目を覚ましたのは、魔の森と人々が恐れる深い森の中。 森に捨てられてしまったのだ。 南の隣国を目指して歩き出したアリステル。腕利きの冒険者レオンと出会い、新天地での新しい人生を始めるのだが…。 苦難を乗り越えて、愛する人と本当の幸せを見つける物語。 ※小説家になろうで公開した作品を改編した物です。 ※完結しました。

死に物狂いで支えた公爵家から捨てられたので、回帰後は全財産を盗んで消えてあげます 〜今さら「戻れ」と言われても、私は隣国の皇太子妃ですので〜

しょくぱん
恋愛
「お前のような無能、我が公爵家の恥だ!」 公爵家の長女エルゼは、放蕩者の父や無能な弟に代わり、寝る間も惜しんで領地経営と外交を支えてきた。しかし家族は彼女の功績を奪った挙句、政治犯の濡れ衣を着せて彼女を処刑した。 死の間際、エルゼは誓う。 「もし次があるのなら――二度と、あいつらのために働かない」 目覚めると、そこは処刑の二年前。 再び「仕事」を押し付けようとする厚顔無恥な家族に対し、エルゼは優雅に微笑んだ。 「ええ、承知いたしました。ただし、これからは**『代金』**をいただきますわ」 隠し金庫の鍵、領地の権利書、優秀な人材、そして莫大な隠し資産――。 エルゼは公爵家のすべてを自分名義に書き換え、着々と「もぬけの殻」にしていく。 そんな彼女の前に、隣国の冷徹な皇太子シオンが現れ、驚くべき提案を持ちかけてきて……? 「君のような恐ろしい女性を、独り占めしたくなった」 資産を奪い尽くして亡命した令嬢と、彼女を溺愛する皇太子。 一方、すべてを失った公爵家が泣きついてくるが、もう遅い。 あなたの家の金庫も、土地も、働く人間も――すべて私のものですから。

第一王子に裏切られた私は意外と身近に転生しました。さぁ復讐を始めましょう……

水城ゆき
恋愛
公爵令嬢のメリアンナは知ってしまった。婚約者である第一王子アストレアが自分の屋敷のメイドであるミレーナにラブレターを送った事を。 憤怒したメリアンナは二人の恋を実らせまいと行動するが、その作戦が上手くいきかけた時。 突然現れたミレーナを見て、思わずアストレアは抱きしめていたメリアンナを突き飛ばした。 メリアンナは階段を転落する事になり、そのまま命を落としてしまう。 しかし次に目覚めた時、メリアンナは第二王子の長女として以前の記憶を保ったまま生まれ変わっていたのだ。 ここからメリアンナの復讐が始まる。

そちらがその気なら、こちらもそれなりに。

直野 紀伊路
恋愛
公爵令嬢アレクシアの婚約者・第一王子のヘイリーは、ある日、「子爵令嬢との真実の愛を見つけた!」としてアレクシアに婚約破棄を突き付ける。 それだけならまだ良かったのだが、よりにもよって二人はアレクシアに冤罪をふっかけてきた。 真摯に謝罪するなら潔く身を引こうと思っていたアレクシアだったが、「自分達の愛の為に人を貶めることを厭わないような人達に、遠慮することはないよね♪」と二人を返り討ちにすることにした。 ※小説家になろう様で掲載していたお話のリメイクになります。 リメイクですが土台だけ残したフルリメイクなので、もはや別のお話になっております。 ※カクヨム様、エブリスタ様でも掲載中。 …ºo。✵…𖧷''☛Thank you ☚″𖧷…✵。oº… ☻2021.04.23 183,747pt/24h☻ ★HOTランキング2位 ★人気ランキング7位 たくさんの方にお読みいただけてほんと嬉しいです(*^^*) ありがとうございます!

こうして私は悪魔の誘惑に手を伸ばした

綴つづか
恋愛
何もかも病弱な妹に奪われる。両親の愛も、私がもらった宝物もーー婚約者ですらも。 伯爵家の嫡女であるルリアナは、婚約者の侯爵家次男ゼファーから婚約破棄を告げられる。病弱で天使のような妹のカリスタを抱き寄せながら、真実の愛を貫きたいというのだ。 ルリアナは、それを粛々と受け入れるほかなかった。 ゼファーとカリスタは、侯爵家より譲り受けた子爵領へと移り住み、幸せに暮らしていたらしいのだが。2年後、『病弱』な妹は、出産の際に命を落とす。 ……その訃報にルリアナはひっそりと笑みを溢した。 妹に奪われてきた姉が巻き込まれた企みのお話。 他サイトにも掲載しています。※ジャンルに悩んで恋愛にしていますが、主人公に恋愛要素はありません。

断罪まであと5秒、今すぐ逆転始めます

山河 枝
ファンタジー
聖女が魔物と戦う乙女ゲーム。その聖女につかみかかったせいで処刑される令嬢アナベルに、転生してしまった。 でも私は知っている。実は、アナベルこそが本物の聖女。 それを証明すれば断罪回避できるはず。 幸い、処刑人が味方になりそうだし。モフモフ精霊たちも慕ってくれる。 チート魔法で魔物たちを一掃して、本物アピールしないと。 処刑5秒前だから、今すぐに!

死に戻りの悪役令嬢は、今世は復讐を完遂する。

乞食
恋愛
メディチ家の公爵令嬢プリシラは、かつて誰からも愛される少女だった。しかし、数年前のある事件をきっかけに周囲の人間に虐げられるようになってしまった。 唯一の心の支えは、プリシラを慕う義妹であるロザリーだけ。 だがある日、プリシラは異母妹を苛めていた罪で断罪されてしまう。 プリシラは処刑の日の前日、牢屋を訪れたロザリーに無実の証言を願い出るが、彼女は高らかに笑いながらこう言った。 「ぜーんぶ私が仕組んだことよ!!」 唯一信頼していた義妹に裏切られていたことを知り、プリシラは深い悲しみのまま処刑された。 ──はずだった。 目が覚めるとプリシラは、三年前のロザリーがメディチ家に引き取られる前日に、なぜか時間が巻き戻っていて──。 逆行した世界で、プリシラは義妹と、自分を虐げていた人々に復讐することを誓う。

処理中です...