【完結】皇太子も妹も決して許しませんので覚悟してください

asami

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 「私はこの宿の主人だ……。君はいったい何者なんだね……?」
「俺はこの宿の従業員です……」
「ふむ……。君たちがこの宿の人間だということは分かったのだが、なぜ私のことを知っているのだね?」
「それはロゼさんに教えてもらったんですよ……」
「ロゼ……?」
シンヤの答えを聞くと、宿屋の主人は首を傾げた。
「はい……。ロゼっていう名前の女性ですよ……」
「そんな名前の人間は知らないな……。悪いが人違いではないだろうか……?」
「いえ……。人違いじゃないと思いますよ……。現に俺たちはその人に案内されてここに来たわけですし……」
「確かにそうだが……。しかし、私が知っているロゼという女性はもう何年も前に亡くなっているはずだぞ……」
「えっ……?」
シンヤが驚いていると、サユリナが大きな声を上げた。
「ちょっと待ってほしいのです!この人は何を言っているのですか!?」
「どういうことだ……?」
「私はこの人が嘘をついているように見えないのです!」
「そうなのか……?」
「そうなのです!」
(でも、この人の雰囲気からして本当のことを言ってるようにしか思えないんだよな……)
シンヤは考え事をしていると、宿屋の主人は真剣な表情で話し始めた。
「まあ、いいだろう……。とりあえず、詳しい話は中で聞かせてもらおうじゃないか……」
「わっ……分かりました……」
「では、ついて来なさい……」
シンヤ達は、宿屋の中に入った。
「とりあえず、そこに座りたまえ……」
シンヤ達が椅子に座ると、宿屋の主人はお茶を出してくれた。
「ありがとうございます……」
「それで、君はこの国の王都から来たのかね?」
「はい……。そうですけど……」
「やはりか……。実は最近、この国では謎の病気が流行しているという噂があるんだが……」
「あっ、知っていますよ……」
「そうか……。なら、話が早いな……」
宿屋の主は腕を組みながら話を続けてきた。
「単刀直入に言わせてもらうと、この国にはあまり長居しない方がいいと思う……」
「そうですね……」
「もし、何か困ったことがあったら、いつでもここに来てもらって構わない……」
「ありがとうございます……」
「ところで、一つ聞いてもいいか?」
「はい……。なんでしょうか?」
「君たちは旅をしていると言っていたな……。どこに向かう予定なのだ?」
「とりあえず、近くにある村に向かおうと思っていました……」
「近くの村か……。ここから一番近いところだと、ハガタマ王国か……」
「はい……。そこに向かっていこうと考えてます……」
「そうか……。それならば、ハガタマ王国の近くに私が管理している森があるのだが、そこで薬草を採取してくれないか?」
「分かりました……。報酬は貰えるんですか?」
「もちろんだ……。それと、もう一つ頼みたいことがある……」
「何ですか?」
「その薬を作るために必要な材料を取ってきてほしいのだ……」
「なるほど……。ちなみに、その材料ってどんなものなんですか?」
「その材料というのは、『魔力草』と『聖水』の二つだ……」
「なるほど……。その二つの素材を持ってくればいいんですね?」
「そうだ……。その二つさえあれば、すぐに作れるはずだ……」
「そうですね……。ちなみに、この近くに魔物が出るような場所ってありますか?」
「ああ……。あるぞ……。ここから少し離れたところにある山の中に洞窟があって、その中に強い魔物がいるんだ……。そいつを倒せば、大量の魔石が手に入るはずだ」
「なるほど……。じゃあ、まずはそこに行ってみようかな……」
「気をつけていくといい……。私は君たちの帰りを待っている……」
「分かりました……。それじゃあ、俺達はすぐに出発することにします……」
「よろしく頼むぞ……」
「はい!」
シンヤ達は立ち上がると、宿屋から出て行った。そして、シンヤ達はそのまま街の外に向かって歩いて行く。
「ねえ、シラ-ジさん……。さっきの話を聞いてどう思った……?」
「さっきの話の事かい?別にどうも思ってないさ……」
「本当に……?」
「本当さ……!僕は嘘はつかないよ!」
シラ-ジは笑顔で答えた。
「シラ-ジさんがそう言うなら信じるよ……。ただ、俺はどうしてもあの人が嘘をついているようには見えなかったんだよなぁ……」
「僕もそう思うよ……。だから、きっと彼は嘘なんてついていないのかもしれないね……」
「そうだね……。とりあえず、今から向かう山に行こうか……」
「了解だよ!!」
こうして、シンヤ達は次の目的地である、山の麓の洞窟に向かったのであった。
シンヤ達は森の中に入り、山の中腹を目指して進んでいった。
「はあ……はあ……疲れた……」
「大丈夫……?」
「全然……平気じゃない……。もう無理……」
シンヤは地面に倒れ込んだ。
「シンヤ君……。こんなことでへこたれてたら、これから先大変だと思うよ……?」
「分かってるんだけど……。もう、足が限界なんだよね……」
「仕方がないなぁ……。ほら、乗って……」
サユリナはシンヤに手を差し伸べた。
「えっ……!?」
「早くして……」
「分かったよ……」
シンヤはサユリナの手を取り立ち上がった。
「ごめん……」
「謝ることは無いよ……」
サユリナとシンヤは手を繋いだまま歩き始めた。
(なんか恥ずかしいな……。それにしても、やっぱり女の子の手は柔らかいな……。手汗とか出てないかな?)
シンヤは緊張しながら歩いていると、急にシラ-ジが立ち止まった。
「んっ……?どうかしたの、シラ-ジさん?」
「しーっ!静かにするんだ……」
シンヤは耳を澄ませると、遠くの方から何か音が聞こえてきた。
(これは……、戦闘音……?一体、何と戦っているんだろう……)
シンヤは不安になりながらも、音のする方に近づいていく。すると、そこには大きな熊がいた。
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