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一章
対面です
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――――そう、意気込んだのはいい。
しかし、待ち合わせの場所に来たロゼは今、少し後悔していた。
もう少し相手の事を聞いてから提案にのるべきだったと。
――わ、私の2倍はあるのではないですか!?身長だけで!!その上、体の厚さと横幅まで考えたら………………。ま、魔物ではない、んですよね……?
これ、殺されないよねと身も蓋もないことを考え始めるロゼ。落ち着け。あと失礼。
内心叫び出したくなっているロゼの前に立つ男が、薄い大きな唇を開く。
「……………………………子供が何故ここにいる」
ロゼはピシッと音を立てて固まった。
――――こ、子ども??子どもって私のこと!?いや、確かに私は140センチでちょっと小柄くらいですけど……。この人に比べたらみんな子供なんじゃ……。
「あ、あの、私は子どもでは無いです。新人隊所属の、ロゼ=シュワルツェと申します。ほ、ほら、隊服を着ているでしょう?」
目を回しながら、なんとかロゼは答える。相手の腹を見ながら(顔はムリ!!)。
「…………どこかから盗んだ服ではないよな?」
――――…………っそ、そんなに似合わないんですか!!?なんかショック……
「す、すみません」
「なぜ謝る」
「いや、あ、アハ」
「………」
部屋に帰りたい。今猛烈に部屋に帰りたい。
しばらく沈黙が続いた後、男が口を開いた。
「……ゼルド=ロード」
「え?」
「名前」
「…………っあ、はい!ロードさんですね」
これは恐らく先程ロゼが名乗った返事、ということだろう。なんというか…………コミュニケーションどこいった、な男である。
「……リデナス隊長の隊所属、の火使いの方でお間違い無いですか?」
「ああ、そうだ。お前の訓練に付き合うよう、言われた」
リデナス曰く、これから週二でお互いの訓練と討伐の仕事の合間に練習に付き合ってくれる、ということだ。
「よ、よろしくお願いします」
「ああ」
「……」
「……何故顔を見ない?」
ロゼはあからさまに肩を震わせた。
――――こ、怖いからって、言ってもいいのでしょうか。いえ、普通に考えて失礼ですよね。えと、えと……
「――く、首が痛くて!そう!首が痛くて今上を見れないんです」
「――――……ああ、すまない」
男は2人の身長差に今気づいたように謝った。そして。
「これでいいか?」
あろうことか、しゃがんでロゼに目線を合わせたのである。しかししゃがんだとしてもまだこの男、ゼルド=ロードの方が頭が高い。なんという身長差!!
そして、当のロゼは。
硬直していた。
そう、顔が、目が、バッチリ至近距離で合ってしまったのだ。
やばい、泡吹いて倒れちゃうかも、とよく訳の分からないことを考えていたロゼの目に、ふとゼルドのヘーゼル色の瞳が映りこんだ。
――顔は、物凄い、そうものすっっごい怖いですけど。……案外、優しそうかもしれない。
焦げ茶色の短髪にヘーゼル色の瞳。目はつり気味の三白眼で、色素が薄いため瞳孔が開いているように見える。眉はキリッと太く、堀は深い。高い鼻に薄くて大きい唇、そして日焼けした褐色の肌。
何より、ヘーゼルの瞳の奥には、優しさと知性がある、気がした。
よく見れば整っている。だがしかし、よく見る前に顔を背けて見たこと自体を無かったことにしたくなるくらいには顔が怖い。不思議なものである。
「………お前は、俺が怖くないのか?」
「ぇっ」
不思議そうにゼルドが尋ねる。怖くないわけがない。怖くないわけがないのだが……
「屈んで、くれたので。多分優しい方なのかな、と、思いました」
「……そうか」
なんとなく男の雰囲気が和らいだ、気がした。
しかし、待ち合わせの場所に来たロゼは今、少し後悔していた。
もう少し相手の事を聞いてから提案にのるべきだったと。
――わ、私の2倍はあるのではないですか!?身長だけで!!その上、体の厚さと横幅まで考えたら………………。ま、魔物ではない、んですよね……?
これ、殺されないよねと身も蓋もないことを考え始めるロゼ。落ち着け。あと失礼。
内心叫び出したくなっているロゼの前に立つ男が、薄い大きな唇を開く。
「……………………………子供が何故ここにいる」
ロゼはピシッと音を立てて固まった。
――――こ、子ども??子どもって私のこと!?いや、確かに私は140センチでちょっと小柄くらいですけど……。この人に比べたらみんな子供なんじゃ……。
「あ、あの、私は子どもでは無いです。新人隊所属の、ロゼ=シュワルツェと申します。ほ、ほら、隊服を着ているでしょう?」
目を回しながら、なんとかロゼは答える。相手の腹を見ながら(顔はムリ!!)。
「…………どこかから盗んだ服ではないよな?」
――――…………っそ、そんなに似合わないんですか!!?なんかショック……
「す、すみません」
「なぜ謝る」
「いや、あ、アハ」
「………」
部屋に帰りたい。今猛烈に部屋に帰りたい。
しばらく沈黙が続いた後、男が口を開いた。
「……ゼルド=ロード」
「え?」
「名前」
「…………っあ、はい!ロードさんですね」
これは恐らく先程ロゼが名乗った返事、ということだろう。なんというか…………コミュニケーションどこいった、な男である。
「……リデナス隊長の隊所属、の火使いの方でお間違い無いですか?」
「ああ、そうだ。お前の訓練に付き合うよう、言われた」
リデナス曰く、これから週二でお互いの訓練と討伐の仕事の合間に練習に付き合ってくれる、ということだ。
「よ、よろしくお願いします」
「ああ」
「……」
「……何故顔を見ない?」
ロゼはあからさまに肩を震わせた。
――――こ、怖いからって、言ってもいいのでしょうか。いえ、普通に考えて失礼ですよね。えと、えと……
「――く、首が痛くて!そう!首が痛くて今上を見れないんです」
「――――……ああ、すまない」
男は2人の身長差に今気づいたように謝った。そして。
「これでいいか?」
あろうことか、しゃがんでロゼに目線を合わせたのである。しかししゃがんだとしてもまだこの男、ゼルド=ロードの方が頭が高い。なんという身長差!!
そして、当のロゼは。
硬直していた。
そう、顔が、目が、バッチリ至近距離で合ってしまったのだ。
やばい、泡吹いて倒れちゃうかも、とよく訳の分からないことを考えていたロゼの目に、ふとゼルドのヘーゼル色の瞳が映りこんだ。
――顔は、物凄い、そうものすっっごい怖いですけど。……案外、優しそうかもしれない。
焦げ茶色の短髪にヘーゼル色の瞳。目はつり気味の三白眼で、色素が薄いため瞳孔が開いているように見える。眉はキリッと太く、堀は深い。高い鼻に薄くて大きい唇、そして日焼けした褐色の肌。
何より、ヘーゼルの瞳の奥には、優しさと知性がある、気がした。
よく見れば整っている。だがしかし、よく見る前に顔を背けて見たこと自体を無かったことにしたくなるくらいには顔が怖い。不思議なものである。
「………お前は、俺が怖くないのか?」
「ぇっ」
不思議そうにゼルドが尋ねる。怖くないわけがない。怖くないわけがないのだが……
「屈んで、くれたので。多分優しい方なのかな、と、思いました」
「……そうか」
なんとなく男の雰囲気が和らいだ、気がした。
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