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第65話 表現
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翌朝。
三人は郊外へと足を運んでいた。
物見遊山の散歩などでは勿論無い。実技の演習のためにだ。
こうやって歩いていると何の平凡も無い原っぱである。
農夫達はすでにハンナ達より早く街を出ていたのであろう。
すでに野良仕事が一段落し、畑の近くに腰掛けながら、こちらにむかって会釈してくる。
三人もそれにむかって会釈を返し、街路をそれて街から離れていく。
だいぶ歩いたにも関わらず、後ろを振り返れば相変わらず街を囲む塀は、この目で確かめることが出来た。
ここら辺りで良いかもしれない。
魔法の影響を気にすることの無い場所まで来れたので、三人は足を止めた。
「じゃあ、私から良いかしら」
水筒で口を含んだノエルが、待ちきれないと言わんばかりに呟いた。
ハンナとクレイも、別段止める理由も無い。
むしろ向こうから見せてくれるのは歓迎だ。
魔女と従士。二つ合わせての魔法の行使が、この世界では一般的だ。
だから一人で行なうものは半端者と見なされる。
従士がつく前、徒弟の身分と推測されるからだ。
おそらくノエルの旅はそんな感じで見られていたのであろう。
だがウキウキと準備するその姿は、コンプレックスなどは感じさせない。
はやく披露させたくてたまらないといった様子であった。
そんな彼女の様子を確かめて、ハンナは先に譲ったのである。
ノエルは懐から小さい杖を取り出した。
前にも見た、ハンナの物よりずっと小さい杖である。
小柄な杖は片手というより指でも扱えそうであった。
「触ってみる?」
ノエルが尋ねてきたので、ハンナは頷いた。
おずおずと両手で抱え込むようにするハンナに、ノエルは失笑する。
「そんなご大層な物じゃ無いわよ」
「でも、私のものじゃないし」
持ってみてわかるが、重さはそれほどでも無かった。
感じさせる程の重さで、持っていてもずっしりとした感触は受けない。
木肌の手触りは遜色ないが、重さが遙かにこちらのほうが勝っていた。
「軽いわね」
「ええ、でも杖としての役割は充分果たせるわよ」
クスクスと笑うノエルの手には、いつの間にか札が握られていた。
札。いや、カードといった方が良いのか。
手の平サイズのカードが数枚、扇を広げるかのように握られている。
まるでカードゲームのプレイヤーだわ。
ハンナはそう思った。
「触ってみる?」
これまた尋ねてきたのでハンナは頷いた。
杖を返した両の手にカードの束が乗せられる。
その掌から受ける感触は、ハンナが今まで覚えたことのない手触りがした。
滑らかで、しっとりとして、実に手に馴染む。
一枚一枚に魔力がこもっているのだろうか。
カードには多様なイラストが描かれている。
人物だったり物だったり景色だったりと様々だ。
多種多様過ぎて統一性が無い。見返してみても一枚たりとも同じ絵札は無かった。
「気づいたかしら?」
ノエルの悪戯な笑みに、ハンナは答えた。
「ええ、これが貴女の魔道書なのね」
「そうよ、良く分かったわね」
「だって私も魔女ですもの」
見つめ合い二人は笑う。楽しい笑い声の外にあったクレイがへそを曲げる。
「二人だけで伝わってないで、僕にも説明して欲しいんだけど?」
クレイにはただのカードにしか見えなかったのだ。
しかしハンナとノエルは分かってるような顔をする。
それが疎外感を受け、悔しかったのだ。
「ええ、これを見て」
勿論ハンナ、それにノエルもクレイを除け者にしようという考えは無かった。
魔女であるがゆえに魔道具について理解したのである。
ハンナはカードを広げながらクレイへと説明を開始した。
「見て、イラストがいっぱい描いてあるでしょ?」
「ああ、そうだね」
「ノエルって絵心があるのね。私じゃこんな巧く描けないわ」
「そう? ありがとう。でも他人に描いて貰った物もあるわよ」
「えっ、そうなの?」
「ええ、これとこれ。良く描けてるでしょ」
「あ、そうなんだ。知り合い?」
「いいえ、旅で出会えた記念、駄賃というのかしら。一期一会の精神ね」
「いいわね、そういうの」
「いいでしょー」
「ちょっと逸れてきたような気がするけど、僕に教えてくれるとありがたいんだけど」
お預けをくらった犬のような目つきでクレイが見てくる。
ハンナはバツが悪そうに説明を再開した。
「これは私と同じ、魔道書の一種よ」
「魔道書?」
そう言われてクレイはしげしげとカードを見てみるが、それはどうみても書物なんかではない。
カードにしか見えない。
「じゃあ、これならどうかしら。これを見て、クレイはどう思った?」
そんなクレイの疑問に答えるべく、ハンナは手札を並び替えた。
森。家屋。骨。
三枚のカードを見ながらクレイは答える。
「森の中で廃屋を見つけて、中に入れば人の骨を見つけてしまった……かな?」
疑問に包まれながら生み出されるクレイの言葉。
それにハンナは頷きながら、ノエルの方を振り返った。
「と、言うことだけどどうかしら」
「だいたい合ってるわ」
疑問符を浮かべ続けるクレイ。二人が何を言いたいのか分からないのだ。
自分の答えも正解なのかどうなのか。
「私もノエルも、旅で起こったことを記しているのは同じよ。でもやり方が違うの」
「文字と絵ってことかい?」
「そうよ。今までに無いやりかたでしょう?」
得意気なノエル。
随分と思い切った事をする。
少なくともクレイは、他にそのようなことをする魔女の話は聞いた事がなかった。
もしあればハンナが珍しげに話してくれたであろう。
「そんなんで伝わるのかい?」
「でも、あなたは読み取ってくれたじゃない」
「だいたい、だろ。一致した訳じゃないんだし」
「そうね。でも文字だって必ず伝わる訳じゃあないのよ」
ノエルは言う。
文字は伝達の手段であるが、全てを伝えられるわけでは無いのだと。
たとえ書き手が詳細に記しても、そこには主観が入ってしまう。
魔道書ひとつとってもそうだ。
同じ現象を記したとして、魔女二人いれば細部は違った印象を与えるに違いない。
アヤカシ。
この名前一つとっても、そこから浮かびあがる姿は人それぞれだ。
「アヤカシという言葉を聞いて、頭に浮かぶ姿は私と貴方で違うはずよ」
「そりゃそうだろ。アヤカシの形は決まってないんだし」
「そうね。じゃあ森という言葉を聞いて何が浮かびあがるかしら?」
「ええと……」
森と聞いてクレイの頭に浮かびあがったのは、生まれ育った村から眺める景色であった。
山間にある村では木々は豊富だ。何処を眺めても目に入る。
その光景、まさに森であろう。
「クレイが浮かべた物と、私が思い浮かべた物、それは似ているかもしれないけど、細部は違うと断言出来るわ」
間違いないと、ノエルは強く頷く。
クレイはこれには同意する。彼女はクレイの村へと来たことが無いのだ。
あの景色も知らないから、浮かべようが無い。
「だからみんな色々とそれを説明するのに文字を使うけど、長く多く形容する、それは本質からずれていると私は考えるわ」
何となく言いたいことは分かる。
年寄りの話みたいに長々と、結局何を伝えたいのか分からなくなるのだろう。
ノエルはきっとそう言いたいのだ。
「だからノエルは、あえて曖昧にしてるのよ」
「ええ、そうよ。さすが魔女ね」
ハンナの言葉にノエルは微笑んだ。
ごてごてと文字を書き連ねるのが良くないのなら、簡素にしてしまえばいい。
「そこで……イラストかい?」
「そうよ」
「何も絵にしなくたって、簡潔にすればいいんじゃないか」
「それはそれでズレが生じるわ」
「なんだいそれ」
説明が無いなら、勘違いするのも当然ではないか。
そう言いたげなクレイに、ノエルは杖とカードを掲げる。
「こうやって説明すればするほど、やはり本質からズレてしまうわ。だから見せてあげる」
風が、ノエルを中心にして起こる。
ざわざわと円を描くように、段々と強く。
それは彼女から目を逸らすようなものでは無く、むしろ惹き立たせるような風。
「私の魔道書を。私の物語をね」
そしてノエルは詠唱を始めたのであった。
三人は郊外へと足を運んでいた。
物見遊山の散歩などでは勿論無い。実技の演習のためにだ。
こうやって歩いていると何の平凡も無い原っぱである。
農夫達はすでにハンナ達より早く街を出ていたのであろう。
すでに野良仕事が一段落し、畑の近くに腰掛けながら、こちらにむかって会釈してくる。
三人もそれにむかって会釈を返し、街路をそれて街から離れていく。
だいぶ歩いたにも関わらず、後ろを振り返れば相変わらず街を囲む塀は、この目で確かめることが出来た。
ここら辺りで良いかもしれない。
魔法の影響を気にすることの無い場所まで来れたので、三人は足を止めた。
「じゃあ、私から良いかしら」
水筒で口を含んだノエルが、待ちきれないと言わんばかりに呟いた。
ハンナとクレイも、別段止める理由も無い。
むしろ向こうから見せてくれるのは歓迎だ。
魔女と従士。二つ合わせての魔法の行使が、この世界では一般的だ。
だから一人で行なうものは半端者と見なされる。
従士がつく前、徒弟の身分と推測されるからだ。
おそらくノエルの旅はそんな感じで見られていたのであろう。
だがウキウキと準備するその姿は、コンプレックスなどは感じさせない。
はやく披露させたくてたまらないといった様子であった。
そんな彼女の様子を確かめて、ハンナは先に譲ったのである。
ノエルは懐から小さい杖を取り出した。
前にも見た、ハンナの物よりずっと小さい杖である。
小柄な杖は片手というより指でも扱えそうであった。
「触ってみる?」
ノエルが尋ねてきたので、ハンナは頷いた。
おずおずと両手で抱え込むようにするハンナに、ノエルは失笑する。
「そんなご大層な物じゃ無いわよ」
「でも、私のものじゃないし」
持ってみてわかるが、重さはそれほどでも無かった。
感じさせる程の重さで、持っていてもずっしりとした感触は受けない。
木肌の手触りは遜色ないが、重さが遙かにこちらのほうが勝っていた。
「軽いわね」
「ええ、でも杖としての役割は充分果たせるわよ」
クスクスと笑うノエルの手には、いつの間にか札が握られていた。
札。いや、カードといった方が良いのか。
手の平サイズのカードが数枚、扇を広げるかのように握られている。
まるでカードゲームのプレイヤーだわ。
ハンナはそう思った。
「触ってみる?」
これまた尋ねてきたのでハンナは頷いた。
杖を返した両の手にカードの束が乗せられる。
その掌から受ける感触は、ハンナが今まで覚えたことのない手触りがした。
滑らかで、しっとりとして、実に手に馴染む。
一枚一枚に魔力がこもっているのだろうか。
カードには多様なイラストが描かれている。
人物だったり物だったり景色だったりと様々だ。
多種多様過ぎて統一性が無い。見返してみても一枚たりとも同じ絵札は無かった。
「気づいたかしら?」
ノエルの悪戯な笑みに、ハンナは答えた。
「ええ、これが貴女の魔道書なのね」
「そうよ、良く分かったわね」
「だって私も魔女ですもの」
見つめ合い二人は笑う。楽しい笑い声の外にあったクレイがへそを曲げる。
「二人だけで伝わってないで、僕にも説明して欲しいんだけど?」
クレイにはただのカードにしか見えなかったのだ。
しかしハンナとノエルは分かってるような顔をする。
それが疎外感を受け、悔しかったのだ。
「ええ、これを見て」
勿論ハンナ、それにノエルもクレイを除け者にしようという考えは無かった。
魔女であるがゆえに魔道具について理解したのである。
ハンナはカードを広げながらクレイへと説明を開始した。
「見て、イラストがいっぱい描いてあるでしょ?」
「ああ、そうだね」
「ノエルって絵心があるのね。私じゃこんな巧く描けないわ」
「そう? ありがとう。でも他人に描いて貰った物もあるわよ」
「えっ、そうなの?」
「ええ、これとこれ。良く描けてるでしょ」
「あ、そうなんだ。知り合い?」
「いいえ、旅で出会えた記念、駄賃というのかしら。一期一会の精神ね」
「いいわね、そういうの」
「いいでしょー」
「ちょっと逸れてきたような気がするけど、僕に教えてくれるとありがたいんだけど」
お預けをくらった犬のような目つきでクレイが見てくる。
ハンナはバツが悪そうに説明を再開した。
「これは私と同じ、魔道書の一種よ」
「魔道書?」
そう言われてクレイはしげしげとカードを見てみるが、それはどうみても書物なんかではない。
カードにしか見えない。
「じゃあ、これならどうかしら。これを見て、クレイはどう思った?」
そんなクレイの疑問に答えるべく、ハンナは手札を並び替えた。
森。家屋。骨。
三枚のカードを見ながらクレイは答える。
「森の中で廃屋を見つけて、中に入れば人の骨を見つけてしまった……かな?」
疑問に包まれながら生み出されるクレイの言葉。
それにハンナは頷きながら、ノエルの方を振り返った。
「と、言うことだけどどうかしら」
「だいたい合ってるわ」
疑問符を浮かべ続けるクレイ。二人が何を言いたいのか分からないのだ。
自分の答えも正解なのかどうなのか。
「私もノエルも、旅で起こったことを記しているのは同じよ。でもやり方が違うの」
「文字と絵ってことかい?」
「そうよ。今までに無いやりかたでしょう?」
得意気なノエル。
随分と思い切った事をする。
少なくともクレイは、他にそのようなことをする魔女の話は聞いた事がなかった。
もしあればハンナが珍しげに話してくれたであろう。
「そんなんで伝わるのかい?」
「でも、あなたは読み取ってくれたじゃない」
「だいたい、だろ。一致した訳じゃないんだし」
「そうね。でも文字だって必ず伝わる訳じゃあないのよ」
ノエルは言う。
文字は伝達の手段であるが、全てを伝えられるわけでは無いのだと。
たとえ書き手が詳細に記しても、そこには主観が入ってしまう。
魔道書ひとつとってもそうだ。
同じ現象を記したとして、魔女二人いれば細部は違った印象を与えるに違いない。
アヤカシ。
この名前一つとっても、そこから浮かびあがる姿は人それぞれだ。
「アヤカシという言葉を聞いて、頭に浮かぶ姿は私と貴方で違うはずよ」
「そりゃそうだろ。アヤカシの形は決まってないんだし」
「そうね。じゃあ森という言葉を聞いて何が浮かびあがるかしら?」
「ええと……」
森と聞いてクレイの頭に浮かびあがったのは、生まれ育った村から眺める景色であった。
山間にある村では木々は豊富だ。何処を眺めても目に入る。
その光景、まさに森であろう。
「クレイが浮かべた物と、私が思い浮かべた物、それは似ているかもしれないけど、細部は違うと断言出来るわ」
間違いないと、ノエルは強く頷く。
クレイはこれには同意する。彼女はクレイの村へと来たことが無いのだ。
あの景色も知らないから、浮かべようが無い。
「だからみんな色々とそれを説明するのに文字を使うけど、長く多く形容する、それは本質からずれていると私は考えるわ」
何となく言いたいことは分かる。
年寄りの話みたいに長々と、結局何を伝えたいのか分からなくなるのだろう。
ノエルはきっとそう言いたいのだ。
「だからノエルは、あえて曖昧にしてるのよ」
「ええ、そうよ。さすが魔女ね」
ハンナの言葉にノエルは微笑んだ。
ごてごてと文字を書き連ねるのが良くないのなら、簡素にしてしまえばいい。
「そこで……イラストかい?」
「そうよ」
「何も絵にしなくたって、簡潔にすればいいんじゃないか」
「それはそれでズレが生じるわ」
「なんだいそれ」
説明が無いなら、勘違いするのも当然ではないか。
そう言いたげなクレイに、ノエルは杖とカードを掲げる。
「こうやって説明すればするほど、やはり本質からズレてしまうわ。だから見せてあげる」
風が、ノエルを中心にして起こる。
ざわざわと円を描くように、段々と強く。
それは彼女から目を逸らすようなものでは無く、むしろ惹き立たせるような風。
「私の魔道書を。私の物語をね」
そしてノエルは詠唱を始めたのであった。
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