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第64話 これからのこと
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「ああ疲れた」
どさりと、ベッドに身を埋めるようにしてクレイが呟いた。
旅疲れとは違う疲労が全身を占めている。
あれからノエルと部屋で会話してして、ようやく彼女が去ってくれたのだった。
本当に良く喋る。口が回る、という言葉が頭に浮かんだ。
ノエルは水車。話題は水。水をむければそれがクルクルとよく回り出す。
クレイは饒舌なタイプでは無い。
とはいえ他人が苦手という訳でもなく、ハンナとも普通に喋っていた。
だが、あのように矢継ぎ早に話されては受けにまわってしまう。
「連撃を盾で受け止めるようだったよ……」
息も絶え絶えなクレイを、ハンナは椅子に腰掛けながら見ていた。
ハンナもノエルは喋るほうだなと感じていたが、クレイのような疲労感は無い。
言葉を紡ぐのにも時間が必要である。
ああやって喋ってくれればそれを反芻しながら考えこめるからだ。
仮に自分がああやって勢いよく喋り続けろと言われても、そうはいかないだろう。
あれも一種の才能。
ノエルと話をしているうちに、ハンナは彼女の話術に感心していたの。
「お疲れのようね」
「当たり前だよ」
剣の稽古でもこれほど疲労を覚えたことはない。
しばらく横になっていたかった。
そう思うクレイの耳に、ハンナの声が聞こえた。
「そろそろ夕食だけど食べる?」
クレイは一瞬悩んだが食べることにした。
疲れて休みたいが、それで食事も取らないとなるとどのみち腹が空いてくる。
気が乗らなくても、口に何か入れるべきなのだ。
「もし休みたかったら私だけでも」
「いや、食べるよ」
クレイがベッドから跳ね起きる。
無理しなくても、と声をかけたかったが、いそいそと支度するクレイを見てハンナは止めることにした。
一人で食べるより、二人で食べた方がおいしいに違いない。
「そうね、じゃあ行きましょうか」
「ああ」
以前は来たときに食事が用意されていたが、この街ではそんなことはない。
もしかしたら自分たちが部屋に居ないと用意されないのかもしれない。
まあそんなことは良い。
無かったら自分たちで準備するだけだ。
厨房を借りようと扉に手をかけようとしたとき、その前に向こうから勝手に開いた。
「げ」
「げ、とは何よ」
闖入者を見てクレイが露骨に嫌な顔をする。
二人の部屋にノエルがやってきたのだった。
背の向こうには盆が三つ浮かんでいる。彼女の魔法だろうか。
盆には軽食が並べられていた。
「そろそろ夕食じゃない。だから一緒に食べようと思ってね」
「残念だな、これから二人で食べようと思ってたところさ」
「あの……私は、三人でもいいけど」
「えっ」
「ほら、良いって。アンタだけよ強情張るの」
信頼していた者に梯子を下ろされ、クレイは豆鉄砲で打たれたような顔をハンナへとむけた。
ハンナにしてみれば、別に嫌ではないのだ。
彼女の語りはこちらにはない考えが聞けて楽しいし、考えさせられることもある。
今までは二者だけの話であったが、三者三様の語りは新たな発見に気づくかもしれない。
ハンナはそう思っていたのだ。
だから忌避感は無い。
これは知識欲求がハンナとクレイでは違うためであろう。
だがクレイはこれで癇癪を起こすような人物では無い。
他者の言を聞いて矛を収められる人間なのだ。
そういう人物でなければ従士は務まらない。
非がある場合なら魔女にも意見するが、今の場合はそうでも無い。
この場合は、ノエルとは会話したくないという己の我儘だからだ。
魔女より自分を優先させてはならない。
クレイはそう師より教えられていた。
「……まあ、ハンナがそう言うなら」
「仏頂面ねえ。もっと喜びなさいよ」
葛藤を押さえこんで賛同を表わすクレイを、ノエルがたしなめた。
「夕食に、花二つ。これをしみったれた顔で迎えるのは作法がなってないわよ」
なんと腹が立つ奴。
内心の煮えたぎる思いを吐きたかったが、良い返しは思い浮かばない。
それを飲みこんでいるとますます白面は強くなっていく。
「ノエル、夕食運んできてくれてありがとう。冷める前に食べちゃいましょうか」
「ああそうね。そうしましょう」
ハンナの助け船。
それに頷きノエルが席につく。ハンナも席につく。クレイも席についた。
わだかまる腹の中にスープを流しこみ、気分もようやくおさまる。
「うまいな」
クレイの独白に、他の二人も頷く。
「悪くないわね」
「うん」
怒りながら食事するという器用な真似が出来る者は少ない。
旅路における空腹を埋めるこのひとときは、争うことなど無いのである。
「ところであなた達。一緒に戦う手はずだけど、どんな相手は分かってる?」
「いいえ。ただ街中は何だか祭りのようだったわ」
ノエルの質問。それには答えることが出来なかった。
今日歩き回ってはみたけれど、たいしたことは聞けてはいない。
塀の上の出来事を思い出し、ハンナは複雑な表情を浮かべる。
「あら、何かあった?」
「別に。ただ……見世物のようだなって」
かけてきたノエルに対し、ハンナは素直に思っていた事を吐露した。
アヤカシと戦う行為が興業のようになっているのではないかと。
住民たちに不安の色は全く無かった。
ただ、自分たちの様子を見物したいだけ。
それが、何となく気に入らない。
「あら、良かったじゃない」
「えっ?」
しかしノエルは好意的であった。ハンナは驚きの声をあげてしまう。
「だってほら。街の人がそれほど気にしてないってことは、アヤカシの脅威もたいしたことないってことでしょ。危険になることは起こらないって確信してるからよ。だったら私たちもそんなに苦戦することはないだろうし、良いことじゃない」
などと楽観的なことを言う。でも、とハンナは眉を顰めた。
「だったら尚更だわ。私たちがへまをしたら何を言われるか……」
「あら、ハンナって自分の技に自信ないの?」
「そういうことじゃないけど……」
「俺とハンナは二人でやってきたけど、ノエルの実力をまだ知らないからな」
「あら、私の実力を疑うのかしら」
「疑うもなにも、まだ会ったばかりだろ」
「そうね、会ったばかりだわ」
だから、とノエルは胸を張った
「本番では私の実力を拝ませてあげるわ」
「それが不安なんだよ」
実力が未知数な以上、何があるのか分からないのだ。
クレイの不安は当然なものと言えよう。
「だったら、一度拝見させてくれないかしら」
と、ハンナが言う。
「私の実力もノエルは分からないでしょう? お互いに見せ合えば少なくとも本番でうろたえることはないと思うの」
「なるほど、一理あるわね。と、言うわけで納得して頂けたかしら?」
「俺は不安と言っただけで反対と言ったわけじゃないぞ」
「まあまあ。ノエル、従士とは連れ添ったことは無いの?」
「ええ、無いわ」
「だったら私たちのことも見るべきよ。知らないうちにノエルの術を阻害したくはないしね」
アヤカシとの戦いの前において、互いの長所は知るべきである。
その点について二人の魔女の見識は一致した。
「そういうことであれば……確かにそうね。当日私の魔法であんた達をビックリさせたかったけど、仕方無いわね」
「そういうこと言うから不安なんだよ!」
スプーンと口を動かしながら、三人の話し合いは進む。
とりあえず今日はゆっくりと休み、明日訓練をすることに決まった。
夕食を平らげたノエルは自室に戻り、部屋には二人が残る。
「食べたけど、食べた気がしないよ」
クレイの愚痴にハンナは苦笑する。
今はぎくしゃくとした関係であるが、時間が経つにつれかみ合うようになるだろう。
明日は、そのための一歩である。
そういえば、とハンナは思い出した。
クレイは同年代の少年達とは喋ったことはあるが、少女とはハンナ以外あまり会話したことが無かったのだった。
それも影響しているのかもしれない。
「会った当日だしね。今は休んで明日に備えたら」
「ああ、そうするよ。何しろ何だか、とっても疲れた気がする」
明日もそうなのかと考えると、気が重くなってくる。
だが、旅の疲れはそんなクレイの身体にのし掛かり、眠りへといざなってくれたのであった。
どさりと、ベッドに身を埋めるようにしてクレイが呟いた。
旅疲れとは違う疲労が全身を占めている。
あれからノエルと部屋で会話してして、ようやく彼女が去ってくれたのだった。
本当に良く喋る。口が回る、という言葉が頭に浮かんだ。
ノエルは水車。話題は水。水をむければそれがクルクルとよく回り出す。
クレイは饒舌なタイプでは無い。
とはいえ他人が苦手という訳でもなく、ハンナとも普通に喋っていた。
だが、あのように矢継ぎ早に話されては受けにまわってしまう。
「連撃を盾で受け止めるようだったよ……」
息も絶え絶えなクレイを、ハンナは椅子に腰掛けながら見ていた。
ハンナもノエルは喋るほうだなと感じていたが、クレイのような疲労感は無い。
言葉を紡ぐのにも時間が必要である。
ああやって喋ってくれればそれを反芻しながら考えこめるからだ。
仮に自分がああやって勢いよく喋り続けろと言われても、そうはいかないだろう。
あれも一種の才能。
ノエルと話をしているうちに、ハンナは彼女の話術に感心していたの。
「お疲れのようね」
「当たり前だよ」
剣の稽古でもこれほど疲労を覚えたことはない。
しばらく横になっていたかった。
そう思うクレイの耳に、ハンナの声が聞こえた。
「そろそろ夕食だけど食べる?」
クレイは一瞬悩んだが食べることにした。
疲れて休みたいが、それで食事も取らないとなるとどのみち腹が空いてくる。
気が乗らなくても、口に何か入れるべきなのだ。
「もし休みたかったら私だけでも」
「いや、食べるよ」
クレイがベッドから跳ね起きる。
無理しなくても、と声をかけたかったが、いそいそと支度するクレイを見てハンナは止めることにした。
一人で食べるより、二人で食べた方がおいしいに違いない。
「そうね、じゃあ行きましょうか」
「ああ」
以前は来たときに食事が用意されていたが、この街ではそんなことはない。
もしかしたら自分たちが部屋に居ないと用意されないのかもしれない。
まあそんなことは良い。
無かったら自分たちで準備するだけだ。
厨房を借りようと扉に手をかけようとしたとき、その前に向こうから勝手に開いた。
「げ」
「げ、とは何よ」
闖入者を見てクレイが露骨に嫌な顔をする。
二人の部屋にノエルがやってきたのだった。
背の向こうには盆が三つ浮かんでいる。彼女の魔法だろうか。
盆には軽食が並べられていた。
「そろそろ夕食じゃない。だから一緒に食べようと思ってね」
「残念だな、これから二人で食べようと思ってたところさ」
「あの……私は、三人でもいいけど」
「えっ」
「ほら、良いって。アンタだけよ強情張るの」
信頼していた者に梯子を下ろされ、クレイは豆鉄砲で打たれたような顔をハンナへとむけた。
ハンナにしてみれば、別に嫌ではないのだ。
彼女の語りはこちらにはない考えが聞けて楽しいし、考えさせられることもある。
今までは二者だけの話であったが、三者三様の語りは新たな発見に気づくかもしれない。
ハンナはそう思っていたのだ。
だから忌避感は無い。
これは知識欲求がハンナとクレイでは違うためであろう。
だがクレイはこれで癇癪を起こすような人物では無い。
他者の言を聞いて矛を収められる人間なのだ。
そういう人物でなければ従士は務まらない。
非がある場合なら魔女にも意見するが、今の場合はそうでも無い。
この場合は、ノエルとは会話したくないという己の我儘だからだ。
魔女より自分を優先させてはならない。
クレイはそう師より教えられていた。
「……まあ、ハンナがそう言うなら」
「仏頂面ねえ。もっと喜びなさいよ」
葛藤を押さえこんで賛同を表わすクレイを、ノエルがたしなめた。
「夕食に、花二つ。これをしみったれた顔で迎えるのは作法がなってないわよ」
なんと腹が立つ奴。
内心の煮えたぎる思いを吐きたかったが、良い返しは思い浮かばない。
それを飲みこんでいるとますます白面は強くなっていく。
「ノエル、夕食運んできてくれてありがとう。冷める前に食べちゃいましょうか」
「ああそうね。そうしましょう」
ハンナの助け船。
それに頷きノエルが席につく。ハンナも席につく。クレイも席についた。
わだかまる腹の中にスープを流しこみ、気分もようやくおさまる。
「うまいな」
クレイの独白に、他の二人も頷く。
「悪くないわね」
「うん」
怒りながら食事するという器用な真似が出来る者は少ない。
旅路における空腹を埋めるこのひとときは、争うことなど無いのである。
「ところであなた達。一緒に戦う手はずだけど、どんな相手は分かってる?」
「いいえ。ただ街中は何だか祭りのようだったわ」
ノエルの質問。それには答えることが出来なかった。
今日歩き回ってはみたけれど、たいしたことは聞けてはいない。
塀の上の出来事を思い出し、ハンナは複雑な表情を浮かべる。
「あら、何かあった?」
「別に。ただ……見世物のようだなって」
かけてきたノエルに対し、ハンナは素直に思っていた事を吐露した。
アヤカシと戦う行為が興業のようになっているのではないかと。
住民たちに不安の色は全く無かった。
ただ、自分たちの様子を見物したいだけ。
それが、何となく気に入らない。
「あら、良かったじゃない」
「えっ?」
しかしノエルは好意的であった。ハンナは驚きの声をあげてしまう。
「だってほら。街の人がそれほど気にしてないってことは、アヤカシの脅威もたいしたことないってことでしょ。危険になることは起こらないって確信してるからよ。だったら私たちもそんなに苦戦することはないだろうし、良いことじゃない」
などと楽観的なことを言う。でも、とハンナは眉を顰めた。
「だったら尚更だわ。私たちがへまをしたら何を言われるか……」
「あら、ハンナって自分の技に自信ないの?」
「そういうことじゃないけど……」
「俺とハンナは二人でやってきたけど、ノエルの実力をまだ知らないからな」
「あら、私の実力を疑うのかしら」
「疑うもなにも、まだ会ったばかりだろ」
「そうね、会ったばかりだわ」
だから、とノエルは胸を張った
「本番では私の実力を拝ませてあげるわ」
「それが不安なんだよ」
実力が未知数な以上、何があるのか分からないのだ。
クレイの不安は当然なものと言えよう。
「だったら、一度拝見させてくれないかしら」
と、ハンナが言う。
「私の実力もノエルは分からないでしょう? お互いに見せ合えば少なくとも本番でうろたえることはないと思うの」
「なるほど、一理あるわね。と、言うわけで納得して頂けたかしら?」
「俺は不安と言っただけで反対と言ったわけじゃないぞ」
「まあまあ。ノエル、従士とは連れ添ったことは無いの?」
「ええ、無いわ」
「だったら私たちのことも見るべきよ。知らないうちにノエルの術を阻害したくはないしね」
アヤカシとの戦いの前において、互いの長所は知るべきである。
その点について二人の魔女の見識は一致した。
「そういうことであれば……確かにそうね。当日私の魔法であんた達をビックリさせたかったけど、仕方無いわね」
「そういうこと言うから不安なんだよ!」
スプーンと口を動かしながら、三人の話し合いは進む。
とりあえず今日はゆっくりと休み、明日訓練をすることに決まった。
夕食を平らげたノエルは自室に戻り、部屋には二人が残る。
「食べたけど、食べた気がしないよ」
クレイの愚痴にハンナは苦笑する。
今はぎくしゃくとした関係であるが、時間が経つにつれかみ合うようになるだろう。
明日は、そのための一歩である。
そういえば、とハンナは思い出した。
クレイは同年代の少年達とは喋ったことはあるが、少女とはハンナ以外あまり会話したことが無かったのだった。
それも影響しているのかもしれない。
「会った当日だしね。今は休んで明日に備えたら」
「ああ、そうするよ。何しろ何だか、とっても疲れた気がする」
明日もそうなのかと考えると、気が重くなってくる。
だが、旅の疲れはそんなクレイの身体にのし掛かり、眠りへといざなってくれたのであった。
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