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一章
〈本と魔法〉(1)
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最近になって気づいたのだが、私のお世話係以外のメイドさん達は私に結構そっけない。
母と比べてもその差は顕著である。
(子供だし、こういうもの? 母が大人で滅茶苦茶美人というのは、確かにあるとは思うけど……)
一応、私は王族と言うことなのだが、それにしては教育等は余り受けてないように思える。
(確かに、3歳だとまだちょっとはやい……のか?)
だが、子供の頃から親につきっきりで勉強勉強と言われてきた昔の私からすると、かなり新鮮だ。
そして同時に危機感も覚える。
(このまま勉強しないのはまずいのではないか?)
読み書きは、母に言ったら熱心に教えてくれたので問題ない。
(学業に関しては、母に相談すべきなのかもしれないが……せっかくだから、出来てびっくりとかを用意したい。)
そう思った私はとりあえずお世話係のメイドさんに書庫の場所を聞き、行ってみる事にした。
これは生まれて初めての冒険だ。
王宮内はとても広い。
私は、貰った地図を片手に王宮内を迷いながら進む。
(空いている時間は私は基本的に一人で居るから、何かしら厄介事が潜んでいるなら、あんまり他の人に見つからない様に行くのが得策……)
忍者みたいに行動してみたかったという本音もある。
というわけで、私は王宮内を人に見つからない様に進んだ。
(誰も気付いた様子は無かったけれど……)
子供の遊び程度の技術だ。
誰かが気付いていたかもしれない。
そして私は、少し時間はかかったものの、なんとか王宮内の書庫にたどり着いた。
図書館位の大きさの書庫には埃がたかっていた。
誰にも使われず、いつの間にか時が止まってしまった様な、そんな印象を受けた。
(そんなに誰も来ないのか?)
恐る恐る書庫に足を踏み入れる。
(魔法学入門とか、魔法を使い始めるには?とかいう本はないだろうか?)
まずは魔法関連の本を探す事にした。
ーーーー1時間後ーーーー
(ないっ!)
魔法をどう応用するか、複雑な魔法陣の書き方、召喚魔法についてなどの本はあったが、魔力の発動のさせ方など基本的な魔法に関するものは見つからなかった。
(はぁー……そろそろ戻るか。)
そう思った時であった。
『カタン』
音のした方をさっと振り向く。
(誰か他に……いた?)
音のした方へこそこそと進む。
しかし私の他には誰も見当たらない。
(気のせい……だったのか?)
そう思った瞬間だった。
『カタン』
音のした方向に顔を向ける。
しかしそっちの方向は、棚しかない。
(ん?)
本棚をよく観察する。
すると、埃が被っていない本が一冊だけあった。
(位置が高いな。)
私は椅子を持ってくる。
椅子の上に登り、本を引き抜こうとする。
(んー、抜けない……なら押してみる?)
本を思い切り押す。
すると『ガコン! キュラキュラキュラキュラ』という音がして、棚が右にスライドし、奥への通路が現れた。
(仕掛け扉って……流石中世ヨーロッパ)
そっとたたずむ石造りの通路が奥への続いている。
上の方には蜘蛛の巣が張っているが、使われた痕跡は在る。
『ゴクッ』
思わず唾を飲む。
(これは……進むしかないでしょう!!)
私は書庫の入り口にあったランプに火をつける。
通路内は暗かったし、純粋にランプに火をつけて見たかったのだ。
(よし、準備万端!)
私は、大きな音を立てない様にそろりそろりと通路を進んだ。
母と比べてもその差は顕著である。
(子供だし、こういうもの? 母が大人で滅茶苦茶美人というのは、確かにあるとは思うけど……)
一応、私は王族と言うことなのだが、それにしては教育等は余り受けてないように思える。
(確かに、3歳だとまだちょっとはやい……のか?)
だが、子供の頃から親につきっきりで勉強勉強と言われてきた昔の私からすると、かなり新鮮だ。
そして同時に危機感も覚える。
(このまま勉強しないのはまずいのではないか?)
読み書きは、母に言ったら熱心に教えてくれたので問題ない。
(学業に関しては、母に相談すべきなのかもしれないが……せっかくだから、出来てびっくりとかを用意したい。)
そう思った私はとりあえずお世話係のメイドさんに書庫の場所を聞き、行ってみる事にした。
これは生まれて初めての冒険だ。
王宮内はとても広い。
私は、貰った地図を片手に王宮内を迷いながら進む。
(空いている時間は私は基本的に一人で居るから、何かしら厄介事が潜んでいるなら、あんまり他の人に見つからない様に行くのが得策……)
忍者みたいに行動してみたかったという本音もある。
というわけで、私は王宮内を人に見つからない様に進んだ。
(誰も気付いた様子は無かったけれど……)
子供の遊び程度の技術だ。
誰かが気付いていたかもしれない。
そして私は、少し時間はかかったものの、なんとか王宮内の書庫にたどり着いた。
図書館位の大きさの書庫には埃がたかっていた。
誰にも使われず、いつの間にか時が止まってしまった様な、そんな印象を受けた。
(そんなに誰も来ないのか?)
恐る恐る書庫に足を踏み入れる。
(魔法学入門とか、魔法を使い始めるには?とかいう本はないだろうか?)
まずは魔法関連の本を探す事にした。
ーーーー1時間後ーーーー
(ないっ!)
魔法をどう応用するか、複雑な魔法陣の書き方、召喚魔法についてなどの本はあったが、魔力の発動のさせ方など基本的な魔法に関するものは見つからなかった。
(はぁー……そろそろ戻るか。)
そう思った時であった。
『カタン』
音のした方をさっと振り向く。
(誰か他に……いた?)
音のした方へこそこそと進む。
しかし私の他には誰も見当たらない。
(気のせい……だったのか?)
そう思った瞬間だった。
『カタン』
音のした方向に顔を向ける。
しかしそっちの方向は、棚しかない。
(ん?)
本棚をよく観察する。
すると、埃が被っていない本が一冊だけあった。
(位置が高いな。)
私は椅子を持ってくる。
椅子の上に登り、本を引き抜こうとする。
(んー、抜けない……なら押してみる?)
本を思い切り押す。
すると『ガコン! キュラキュラキュラキュラ』という音がして、棚が右にスライドし、奥への通路が現れた。
(仕掛け扉って……流石中世ヨーロッパ)
そっとたたずむ石造りの通路が奥への続いている。
上の方には蜘蛛の巣が張っているが、使われた痕跡は在る。
『ゴクッ』
思わず唾を飲む。
(これは……進むしかないでしょう!!)
私は書庫の入り口にあったランプに火をつける。
通路内は暗かったし、純粋にランプに火をつけて見たかったのだ。
(よし、準備万端!)
私は、大きな音を立てない様にそろりそろりと通路を進んだ。
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