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99話 ミレイユサイド
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マーリーは動き回りながら相手の刃を交わし続けていた。辺りは壊れた壁や木、抉られた地面の土が散乱している。
「大層な武器を振り回しやがって、その怪力が本物なら団長に匹敵してたかもしれねぇなぁ」
「偽物と言いたいわけ? なんなら当たってくれてもいいのよ」
「あ~癪に障ったのなら謝るぜ。スキルを有効活用していると言えばよかったな。はっきりとはわからねぇが、あんたのスキルは物体の重さを自由に変えるか、軽くすることができるってとこだろ」
「……ご名答、いつから気づいていた」
「あんたが俺の張った罠をこれ見よがしに切っているときだな。よっぽど鍛錬を積んでなければ、そんなモノを振り続け体力を使うのはナンセンスってわけだ。まぁ俺をよほど格下にみて遊んでたということもあるが、そんときゃ俺の実力不足ってとこだな」
「それじゃあその力の差ってのをわかってくれたかしら」
「いいや、あんたじゃ話にならねぇよ」
マーリーが針の付いた紐を投げ飛ばすと足元に転がった紐にもう一つ針を突き刺す。無数に散らばっているように見えた紐が動き出すと、針の間にいた女を縛り上げる。
「な、なによこれ!?」
「あんたが自力でそれを切れれば脱出できるだろうが……その様子じゃ無理ってこったな」
女から武器を奪うとマーリーは騎士団に後を任せた。
◇
「そいつは毒を使う、注意しろ!」
騎士団の団長がクラーツに叫ぶと、目の前の男は得意気に短剣を回しナイフを投げつけた。クラーツがナイフを弾くとその隙に男は鎧を切り付ける。
「さすが立派な鎧を着ているだけあるな」
クラーツの反撃を回避した男は更に距離をとり、それを追おうとしたクラーツの足元がふらつくと膝をついた。
「なッ!? 体は切られてないはずだ!」
助けに入ろうとした団長をクラーツは手を挙げ遮った。
「へっへっへ、毒なんざ切られなきゃ平気だとでも思ってたかぁ? スキルがありゃこんなこともできるんだぜぇ、覚えとくんだなッ!」
「……そうか、勉強になった」
クラーツは何事もなかったように立ち上がると歩き始める。
「どういうことだ……まさか解毒薬でも飲んでたか?」
「お前は毒を流し込んだ……それができるスキルなのだろう。ならば、その逆もあるという可能性を考えたりはしなかったのか」
クラーツの姿が消えると足音が響く。
「消え――いや、こっちか!?」
男が横にナイフを投げると弾かれた。
「透明化……厄介だが無敵ってわけじゃねぇ。その証拠に――」
男は地面を注視し草が動いた先を切りつける。だがその刃は何もない宙を通過した。
「確かに俺のスキルは無敵じゃない。故に今は己の弱点を知り、相手に学べと団長に言われている。だから一撃受けた。音を出しお前がどう動くのか視たのも学ぶためだ」
「ッ!!」
背後から声がすると男はすぐさま切りかかるが、刃は何にもあたることはなく、いつの間にか姿を現したクラーツは男を殴る。意識を失った男はその場に崩れ落ちた。
男が完全に気絶していることを確認するとクラーツは騎士団へ合図した。
◇
「くっ……あの二人がこうも呆気なくやられるとは!」
「俺も時間をかけすぎたな」
ウェッジがコインを弾き飛ばすと男の前で何かに弾かれたが、コインは跳弾すると男の周りを止まることなく反射し続ける。
「な、なぜ止まらない!?」
「回転ってのは動力源だ、止めないか止まらない限りその力は失われない。まぁお前がやっている空気中の水分を足場にしたり、固める能力ってのも便利なもんだがな」
「知っていたのか……!」
「わかったと言っただろう。スキルに縛られてるようじゃまだまだってこった」
「だ、だが、この程度じゃ俺の防御は崩せんぞ!」
ウェッジがコインを弾くとコイン同士がぶつかり、死角から男の頭に直撃すると男は倒れた。
「はい終わりっと」
跳弾し戻ってきたコインをキャッチするとウェッジは倒れている男を背にした。
「街の方は大丈夫だったか?」
「あぁ、ちゃんと居残り組が対処してるぞ。張り合いのねぇ相手ばかりで暇そうにしてたがな! はっはっはっは!!」
「リヤンさんには船で待機してもらってるのでいつでも動かせます」
「よし、団長が戻り次第すぐに【エナミナル】へ向かう」
「副団長、その様子だとさては面白いことでもあったな?」
「面白いなんてもんじゃないぞ。お前が憧れていた、国を救う英雄になれるチャンスだ」
「……そりゃあちょっとどころじゃねぇな」
マーリーは目を細めると時折轟音が響く教会をみつめた。
「大層な武器を振り回しやがって、その怪力が本物なら団長に匹敵してたかもしれねぇなぁ」
「偽物と言いたいわけ? なんなら当たってくれてもいいのよ」
「あ~癪に障ったのなら謝るぜ。スキルを有効活用していると言えばよかったな。はっきりとはわからねぇが、あんたのスキルは物体の重さを自由に変えるか、軽くすることができるってとこだろ」
「……ご名答、いつから気づいていた」
「あんたが俺の張った罠をこれ見よがしに切っているときだな。よっぽど鍛錬を積んでなければ、そんなモノを振り続け体力を使うのはナンセンスってわけだ。まぁ俺をよほど格下にみて遊んでたということもあるが、そんときゃ俺の実力不足ってとこだな」
「それじゃあその力の差ってのをわかってくれたかしら」
「いいや、あんたじゃ話にならねぇよ」
マーリーが針の付いた紐を投げ飛ばすと足元に転がった紐にもう一つ針を突き刺す。無数に散らばっているように見えた紐が動き出すと、針の間にいた女を縛り上げる。
「な、なによこれ!?」
「あんたが自力でそれを切れれば脱出できるだろうが……その様子じゃ無理ってこったな」
女から武器を奪うとマーリーは騎士団に後を任せた。
◇
「そいつは毒を使う、注意しろ!」
騎士団の団長がクラーツに叫ぶと、目の前の男は得意気に短剣を回しナイフを投げつけた。クラーツがナイフを弾くとその隙に男は鎧を切り付ける。
「さすが立派な鎧を着ているだけあるな」
クラーツの反撃を回避した男は更に距離をとり、それを追おうとしたクラーツの足元がふらつくと膝をついた。
「なッ!? 体は切られてないはずだ!」
助けに入ろうとした団長をクラーツは手を挙げ遮った。
「へっへっへ、毒なんざ切られなきゃ平気だとでも思ってたかぁ? スキルがありゃこんなこともできるんだぜぇ、覚えとくんだなッ!」
「……そうか、勉強になった」
クラーツは何事もなかったように立ち上がると歩き始める。
「どういうことだ……まさか解毒薬でも飲んでたか?」
「お前は毒を流し込んだ……それができるスキルなのだろう。ならば、その逆もあるという可能性を考えたりはしなかったのか」
クラーツの姿が消えると足音が響く。
「消え――いや、こっちか!?」
男が横にナイフを投げると弾かれた。
「透明化……厄介だが無敵ってわけじゃねぇ。その証拠に――」
男は地面を注視し草が動いた先を切りつける。だがその刃は何もない宙を通過した。
「確かに俺のスキルは無敵じゃない。故に今は己の弱点を知り、相手に学べと団長に言われている。だから一撃受けた。音を出しお前がどう動くのか視たのも学ぶためだ」
「ッ!!」
背後から声がすると男はすぐさま切りかかるが、刃は何にもあたることはなく、いつの間にか姿を現したクラーツは男を殴る。意識を失った男はその場に崩れ落ちた。
男が完全に気絶していることを確認するとクラーツは騎士団へ合図した。
◇
「くっ……あの二人がこうも呆気なくやられるとは!」
「俺も時間をかけすぎたな」
ウェッジがコインを弾き飛ばすと男の前で何かに弾かれたが、コインは跳弾すると男の周りを止まることなく反射し続ける。
「な、なぜ止まらない!?」
「回転ってのは動力源だ、止めないか止まらない限りその力は失われない。まぁお前がやっている空気中の水分を足場にしたり、固める能力ってのも便利なもんだがな」
「知っていたのか……!」
「わかったと言っただろう。スキルに縛られてるようじゃまだまだってこった」
「だ、だが、この程度じゃ俺の防御は崩せんぞ!」
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「はい終わりっと」
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「街の方は大丈夫だったか?」
「あぁ、ちゃんと居残り組が対処してるぞ。張り合いのねぇ相手ばかりで暇そうにしてたがな! はっはっはっは!!」
「リヤンさんには船で待機してもらってるのでいつでも動かせます」
「よし、団長が戻り次第すぐに【エナミナル】へ向かう」
「副団長、その様子だとさては面白いことでもあったな?」
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