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第四章:新生活の始まり
51 僕も彼も男同士なのに恋なんてありえない
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スタイズさんと二人でお茶を飲みながら取り留めのない話をしているうちに、夕食の時間となったようだ。
家の出入り口のベルが鳴り、メイドのティムさんが入ってきた。
夕食という割には、彼女が持っているのはトレーが一つだけ。
だけど彼女がトレーの端に付いている宝石を触ると一瞬光った後、器に料理が盛りつけられたものがトレーの上に現れたんだ。
ティムさん曰く、このトレーには瞬間移動の魔法が組み込まれているそうだ。
「はああ~、これは便利だなぁ!! さすがは魔術研究所だ」
次々と夕食がテーブルに並べられていくのを見て、スタイズさんが目を丸くしている。
料理が一通り並べられた後、ティムさんが小さな円盤をテーブルに置いた。
医務室で見た、離れた場所にいる人と会話ができる魔道具と同じもののようだ。
「セルテ様、スタイズ様、こちらは通信機というものでして、真ん中にある宝石を触ると私と話をすることができます。何かございましたら、ご遠慮なくこちらでお申し付けくださいませ」
彼女はそう言うとお辞儀をしてその場を離れようとしたのだけど、僕は夕食を見て気になったことがあるので、尋ねてみた。
「あの、給食室のテリーさんって人は、大丈夫だったのでしょうか?」
僕が医務室にいた時に連絡があった、熱いスープが足にかかって火傷をした人だ。
彼の呻き声と連絡してきた女性の叫び声を思い出すと、胸が苦しくなる。
するとティムさんの表情が、困った感じのものに変わったんだ。
「申し訳ございません。テリーさんの状態について、私から詳しいことをお伝えすることは出来かねます。ですが、あとでテリーさんにセルテ様がご心配されていたということは、お伝えしておきます。きっとセルテ様の温かなお気持ちに感激し、今後の治療の励みになることでしょう」
えええっ!??
身内や知り合いでもない、一度も会ったことのない僕の心配で感激するの!?
王族とかならともかく、ちょっと大げさじゃないか?
一般の職員にとって魔術士って、そこまで凄い存在なのか???
そして「今後の治療」ということは、やっぱりすぐに治るものではないようだ。
伝言を断るのもどうかとも思うので、今までの食事に対するお礼も含めて、ティムさんにお願いすることにした。
夕食が済んで二時間ぐらい経ってから、僕は湯浴みをするために一人で湯浴み室に入った。
浴槽の中のお湯は小さな魔道生物によって浄化され、魔道具で一定の温度を保たれているので、いつでも綺麗で温かいお湯に浸かることができる。
壁に付いている円盤を触ると、上からお湯が滝のように流れるようにもなっている。
生家にいた頃は……というか一般的には、大量の水を温めるのは大変なので、湯浴みは数日に一度するくらいだ。
湯につからなくても、身体を拭いたりはするけれど。
魔術研究所に来てからはその辺りのことを気にする必要がないので、毎日湯浴みをすることができるようになった。
温かいお湯に肩まで浸かると、疲れが吹っ飛び、気分が落ち着く……
湯浴み用の魔道具が一般に普及すれば、皆幸せになるだろうに、何でしないのだろう?
それにしても、距離感が近いスタイズさんに「一緒に湯浴みをしよう!」と言われたらどうしようかと思ったけれど、さすがにそこまで近くは無かったので、ある意味ホッとした。
格好良い彼の裸を見てみたくはある。
けれどお互い裸の状態で彼にくっつかれたら、僕の心臓が爆発してしまうかもしれない。
「はぁ……」
僕は浴槽の中で目を閉じて溜息をついた。
どうしてスタイズさんに触れられたり、彼のことを想うと、胸がドキドキするんだろう?
もしかして、これが恋ってやつなのか?
……いやいや、僕も彼も男同士なんだし、そんなのはありえない。
きっと一緒に生活することになって、緊張しているからなんだろう。
そうだ、そうに違いない。
家の出入り口のベルが鳴り、メイドのティムさんが入ってきた。
夕食という割には、彼女が持っているのはトレーが一つだけ。
だけど彼女がトレーの端に付いている宝石を触ると一瞬光った後、器に料理が盛りつけられたものがトレーの上に現れたんだ。
ティムさん曰く、このトレーには瞬間移動の魔法が組み込まれているそうだ。
「はああ~、これは便利だなぁ!! さすがは魔術研究所だ」
次々と夕食がテーブルに並べられていくのを見て、スタイズさんが目を丸くしている。
料理が一通り並べられた後、ティムさんが小さな円盤をテーブルに置いた。
医務室で見た、離れた場所にいる人と会話ができる魔道具と同じもののようだ。
「セルテ様、スタイズ様、こちらは通信機というものでして、真ん中にある宝石を触ると私と話をすることができます。何かございましたら、ご遠慮なくこちらでお申し付けくださいませ」
彼女はそう言うとお辞儀をしてその場を離れようとしたのだけど、僕は夕食を見て気になったことがあるので、尋ねてみた。
「あの、給食室のテリーさんって人は、大丈夫だったのでしょうか?」
僕が医務室にいた時に連絡があった、熱いスープが足にかかって火傷をした人だ。
彼の呻き声と連絡してきた女性の叫び声を思い出すと、胸が苦しくなる。
するとティムさんの表情が、困った感じのものに変わったんだ。
「申し訳ございません。テリーさんの状態について、私から詳しいことをお伝えすることは出来かねます。ですが、あとでテリーさんにセルテ様がご心配されていたということは、お伝えしておきます。きっとセルテ様の温かなお気持ちに感激し、今後の治療の励みになることでしょう」
えええっ!??
身内や知り合いでもない、一度も会ったことのない僕の心配で感激するの!?
王族とかならともかく、ちょっと大げさじゃないか?
一般の職員にとって魔術士って、そこまで凄い存在なのか???
そして「今後の治療」ということは、やっぱりすぐに治るものではないようだ。
伝言を断るのもどうかとも思うので、今までの食事に対するお礼も含めて、ティムさんにお願いすることにした。
夕食が済んで二時間ぐらい経ってから、僕は湯浴みをするために一人で湯浴み室に入った。
浴槽の中のお湯は小さな魔道生物によって浄化され、魔道具で一定の温度を保たれているので、いつでも綺麗で温かいお湯に浸かることができる。
壁に付いている円盤を触ると、上からお湯が滝のように流れるようにもなっている。
生家にいた頃は……というか一般的には、大量の水を温めるのは大変なので、湯浴みは数日に一度するくらいだ。
湯につからなくても、身体を拭いたりはするけれど。
魔術研究所に来てからはその辺りのことを気にする必要がないので、毎日湯浴みをすることができるようになった。
温かいお湯に肩まで浸かると、疲れが吹っ飛び、気分が落ち着く……
湯浴み用の魔道具が一般に普及すれば、皆幸せになるだろうに、何でしないのだろう?
それにしても、距離感が近いスタイズさんに「一緒に湯浴みをしよう!」と言われたらどうしようかと思ったけれど、さすがにそこまで近くは無かったので、ある意味ホッとした。
格好良い彼の裸を見てみたくはある。
けれどお互い裸の状態で彼にくっつかれたら、僕の心臓が爆発してしまうかもしれない。
「はぁ……」
僕は浴槽の中で目を閉じて溜息をついた。
どうしてスタイズさんに触れられたり、彼のことを想うと、胸がドキドキするんだろう?
もしかして、これが恋ってやつなのか?
……いやいや、僕も彼も男同士なんだし、そんなのはありえない。
きっと一緒に生活することになって、緊張しているからなんだろう。
そうだ、そうに違いない。
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