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第三章【情】
魔女との一夜【R18】
しおりを挟む※今回少しオトナ向けです。
好きでない方は飛ばしましょう…
□ ■ □
ベットに沈む褐色の肌の美女。部屋の明かりは仄かに灯る蝋燭だけで、ゆらりゆらりと官能的な影を作る。
「貴方、素敵ですわぁ」
「長いこと生きてはいるが、『魔女』と夜を共にしたのは初めてだ」
「あら、私が初めてのオンナ、って訳ですわね」
「語弊がないか?」
すり、とすり寄せられる肌の甘さに男の熱が点る。雛のいる宿から移動し、アイーラが泊まる馴染みの宿は大きすぎず小さすぎず、中流階層の旅人が泊まるに適した宿だった。
部屋はそこそこ広く、通りに面した大きな窓もあるが、アイーラはその裸身を惜しげも無く晒しては、テーブルの上の酒杯を取って口にした。
「・・・外のやつらには目の毒だな」
「あら、見えたりしせんわよ?いくら私でもそんな破廉恥な事はしませんわ」
「俺の目の前ではいいのか?」
「好きなだけ、見て下さって構いませんわよ?」
触れる事も、と手を導かれる。女の武器はいくつもあるが、こうして直に触れる肌は熱く滑らかで心地よい。感触を楽しみながら滑らせれば、甘く切ない吐息が耳を震わせる。
「・・・好きなもんだな」
「あら、『魔女』は皆、快楽を求めるものですわよ?そうは見えなくともあのエリカも乱れる時は大変ですの」
「そうは見えなかった、がな」
「ふふ、そう言えば会った事がありますのよね?めずらしいですわ、貴方のように人の世に留まらない男ほど『魔女』はその相手に好みますのに」
「どういう意味だ?」
体はしどけなくも開きながら、俺を見る目は肉食獣のようだ。気を抜くとこっちが主導権を握られる。それはあまり好きじゃない。俺の手に体を預けながら、話す言葉はあまりにも行為にはそぐわないもので。
「『魔女』は普通の人よりも寿命が長い事はご存知かしら?」
「確かにな。魔力によっては歳をとる事すらなくなるとも言うが・・・本当なのか」
「ええ、本当ですわ。私も長い事この姿のままでいますもの。そのおかげでこうしてたくさんの殿方と愛し合う事ができるのですけれど、あん」
体をくねらせ、応える。大胆ではあるが、基本的にこちらの好きなようにしてくれるのはありがたい。男として狩りたい本能をくすぐられるからな。これもまた『魔女』の読み通りなのかもしれないが。
ベッドから離れ、窓際へ。その後から寄り添い、抱き締めて口付ける。窓からは夜の王都が見え、まだ通りには灯りが点々とついているので夜景が綺麗だ。本来ならばもっと灯りは落ちているものだが、今は建国祭という事で遅くまでやっている店もあるのだろう。
「見せびらかすのは、嫌だと言っていませんでした?」
「見せつけるのは俺じゃなくて、お前のそのエロい体だろ?アイーラ」
「見えるはずもなくても、こうしていると見られている感じがして、ん、たまりませんわ」
どうやらこういうプレイも好きらしい。本当にこの『魔女』は色事が好きなようだ。こんなに性に奔放な『魔女』…いや、女は久しぶりに会うな。こちらもたまに大胆な行為をするのは嫌いではないし、たとえ見えていたとしても彼女の欲に火を付けるだけの結果になっていそうだ。
外から見られる、という感覚に昂ったのか、執拗に求めてきた。希望に答えてやれば、先程より更に官能的な声をあげて悶える。その唇からはまたも行為の最中にする会話ではない会話が出てきた。
「貴方のように長い生を生きる方ならば、長い事お相手をしてもらえますでしょう?それに私達は子を成す事を抑制できますから、正にちょうどいい相手ではなくって?」
「っ、は、愛人になれってのか?」
「んん、そんな事言ってませんわ?けれど、毎回違う相手を、探すよりは決まった相手と愛し合う方が、イイ場合もあります、ものっ、」
「・・・やれやれ、本当に『好き』だな?」
「『魔女』にとって性行為というのは、あ、魔力を高め合う行為でもありますのよ?貴方も私とシた事で、少しは変わるのではなくって?」
なんだって?と言い返そうと思ったがこっちも限界が来た。先にアイーラを満足させ、こちらも終える。ベッドまで動くのも面倒なのでソファに腰を下ろすと、俺の上にアイーラが乗ってきた。
「・・・まだ足りないのか?」
「違いますわ、私こうしてジワジワ高め合うのが好きなんですの。それに貴方の魔力は私と相性がいいみたい。交われば交わる程感じちゃいますわ」
「あのなあ」
「という事は、私達『黒の系譜』とは体の相性がいいって事になりますわね?だから雛様も貴方を側に置いているのかしら?」
どういう事だ?そう聞こうと思ったがまたその気になったアイーラに襲われ、そのまま付き合ううちに朝が来た。
起きて身を起こせば、朝からまた強請るアイーラにこちらもヘトヘト…搾り取られる、は決して嘘じゃなかったな…
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