33 / 33
最終話.大団円
しおりを挟むその広間中を包む光はたっぷり一呼吸――荒れ狂い。そして、嘘のように収まった。
そして気味の悪いほどの静寂が訪れる。
「う……うう……」
貴族たち全員がリディアから発せられた光に押され、壁にぶつかって昏倒している。
そんな中一人だけ動いている人影があった。
「何……よ……」
それはミズリーだった。
柱につかまったミズリーはなんとか壁に激突せずにそれをやり過ごした。
ミズリーは肩で息をして立ち上がった。
立ち上がったミズリーはリディアたちの方を見た。
そこには――倒れ伏すクライヴと、それに寄り添うように倒れたリディアの姿があった。
ふたりとも目を伏せ――ぴくりとも動かない。
「あは、あはは何よ、死んじゃったのリディア」
ミズリーは体を引きずりながら近づき、リディアを見下ろした。
リディアの胸はもう呼吸をするために動いていなかった。
クライヴも、息をしていない。
「はは、ははははははは! そうよ! 奇跡なんて起こるわけない! 死体に霊力を使って……当たり前じゃない! ば――――ーか!」
呆然とそれを見下ろし、そしてミズリーは狂ったように笑った。
数分はそれで笑っただろうか。
思えばミズリーもこの時あまりのことに正常な判断力を失っていた。
自分たちが、時間をあまり掛けていけない謀略を勧めている最中だという認識が飛んでいたのだから。
リディアに気を取られたミズリーはその貴重な数分という逃亡時間を浪費した。
「この部屋のもの全員動くなッ!」
突然、大広間の扉が開かれ雪崩を打って兵士が入ってきた。
数十人要るこの会場をさらに包み込めるほど百人はゆうに超える数だ。
「シェルザス! お前の企みはもう読めている! ベルナルド公爵が自白したぞ!」
その中心で指揮を取る声が叫んだ。
「この部屋のものは全員連行しろ!」
「あっ……国王……様……そんな……」
兵の最後尾から、悠然と指示を出すのは紛れもなくこの国の王、リュケイオン・ヴァルヘルムだった。
その声を聞いたミズリーは魂を抜かれたようにその場にへたり込んだ。
「なんだこれは……」
部屋を見渡したリュケイオン王は呆然とつぶやいた。
兵たちも全員困惑しているだがその中で、とにかく壁に激突して気絶している犯人たちを捕縛し始めた。
「あ、あれは」
王はせわしなく部屋を見渡しそれを見つけて駆け寄った。
部屋の中心。
手を握り合いながら寄り添い倒れて、ぴくりとも動かないリディアとクライヴがそこには居た。
「く、クライヴ! リディアくん! 間に合わなかったのか!? ヴィエラ! 診てやってくれ!」
慌てたリュケイオン王は、兵の最後尾にいるシスター・ヴィエラを手招きた。
ヴィエラは血相を変えて走り寄ってくる。
「はい! くっ……リディア! ミズリー! 貴女なんてことを!」
駆け寄る途中でヴィエラはミズリーを叱り飛ばした。
その声にはっとしたミズリーは思考を現実に戻した。
自分の仲間であった公爵家の貴族たちがどんどんと逮捕されていく部屋の中を見渡した。
「は、はは。終わり? 私が!?」
心が折れ果てたようにしわがれた声でミズリーは地面を思い切り殴りつけた。
その背から王の厳しい声が届く。
「貴様がミズリー・フェスティアだな! お前は姉まで手に掛けて!」
その糾弾を受けてミズリーは叫んだ。
「違うわよ、リディアが勝手に死んだのよ! こいつは、クライヴを助けようとして、命を全部霊力にしたの!」
「なっ……!? リディア、貴女そこまで」
その説明を聞いたシスター・ヴィエラは顔面を蒼白にしておののいた。
長年、聖女の力を日頃から使いこなすヴィエラからしてその反応になるほどのことだった。
「こいつはいつもそう! 連れ子の私に全部譲って……馬鹿なのよ! だからっ! 死んだの!」
ミズリーはへたりこみながらギャハハハ――と半狂乱で笑いながらリディアを指さした
そんな常軌を逸したミズリーに王は拳を握りしめ詰め寄ろうとし。
ヴィエラも張り手をしようと一歩前にでたその瞬間だった。
「えっ……嘘……」
ヴィエラの戸惑いの声が響いた。
「お前に、リディアを笑う資格があるか?」
若い男の声。
それに、ミズリーのその笑いが、凍りついたように中断した。
彼女の足を誰かの手が掴んでいた。
「く、クライヴ様!? ご無事で!?」
一番近くに居たヴィエラが信じられないようにその手の主の名を呼んだ。
「ミズリー! お前は、本当にやってはいけないことをした!」
男の声が地の底からした。
黒い――涙に濡れた目が、ミズリーを射抜いた。
「おお……おお! クライヴ……!」
王が歓喜の声を上げた。
だがクライヴは周囲の声を全て無視して、ミズリーへと本気の怒りをこめて掴みかかった。
ぽたりと涙のしずくが絨毯に吸い込まれていく。
滂沱の涙を流しながらクライヴはミズリーの足を引きずるようにして立ち上がる。
「く、クライヴ!? そんな、そんなッ!? なんで生きて!?」
確かに心臓が止まっていた。
霊力を阻害する毒が全身を巡っていた。
その上あそこまで血を流した。
何を持ってしても、どうあっても助かるはずがない。
――奇跡でも起きない限り。
「霊獣……ユニコーンは、死者を蘇らせる……」
ヴィエラは呆然とつぶやいた。
自分がかつてリディアの角のことを人に教えるときに例えたものだ。
霊獣ユニコーンの伝説は、万人の病魔を治し――死者を生き返らせるというものだ。
「ミズリ――――ッ!」
クライヴの怒声が部屋中を貫いた。
地の底から沸き起こるような低い声だった。
「なんでだ! お前が欲しがっていた権力や金など俺はなんの未練もなかった! ほしければくれてやったんだ!」
呆然としたミズリーの胸元がクライヴに掴まれる。
そして凄まじい怒気を浴びせられた。
「俺はリディアが……そばにいてくれればそれで良かったのに!」
幽鬼のような凄絶な表情でクライヴは立ち上がり、ミズリーへと一歩ずつ近づいている。
「ああ……あああ……嫌ぁ……来ないで……」
そのあまりの怒りにミズリーは半狂乱になりながら地面をはって無様に逃げる。
「人を殺しておいて、自分はここで殺される覚悟が無いと言うなよ!」
「いやあああああああああああッ!?」
戦場を幾多も駆け巡ったクライヴの怒気はもはや殺意と呼べるものだった。
それを真正面から受けたミズリーは、あまりの恐ろしさに目をむいて意識を失った。
「クライヴ! よせ!」
ミズリーになおも殴りかかろうとして、リュケイオン王がクライヴを後ろから羽交い締めにした。
その静止を受けたクライヴは、身体を止めた。
そして荒く方で息をして握りしめた拳から血を流しながらクライヴは告げた。
「くそっ……お前をここで傷つけたら、リディアが命をかけた意味が……無駄になる……」
誰も犠牲にしないで幸せを得たい、というリディアの言葉をおぼろげな意識でクライヴは聞いていた。
拳を止めたクライヴは、肩を戦慄かせ立ちすくんだ。
その眼下にぽたぽたと滂沱の涙が落ちていく。
「クライヴ……」
リュケイオン王は無言のまま息子の肩に手をおいた。
親としての強い情感がその声にこもっていた。
それを聞いたクライヴは背を向けたまま涙声で返答した。
「父上……俺は……リディアとの結婚を今日……貴方に……お願いするつもりだったんです」
万感の思いの込められたその言葉に、つおいにリュケイオンも落涙した。
「ああ……ああ……彼女なら喜んで、私も……」
リュケイオンはリディアに十字を切り、クライヴの手を握った。
「彼女に……お前が戦う理由を教えてもらったんだ……だから今日……お前に会う決心がついた……」
悔恨のこもった声でリュケイオンはついにクライヴに膝をつくようにひれ伏した。
「すまないクライヴ! 私はお前たちにひどいことをして、その上お前の愛する人を守れなかった……どう償えば……」
クライヴはついに振り向き、すがりつくように父の方を抱きしめた。
そしてクライヴは父の手を握った。
強い――強い力で。
握りつぶすほど強い力で。それをリュケイオンは黙って耐えた。
クライヴのそれは、子供が人混みをおそれ親の手にしがみつくような――すがりつくような、握り方だった。
「父上に会うことが俺の生きる目的だったんです」
その言葉にリュケイオンもついに落涙した。
王はそんなクライヴに言葉で答えず、黙したままクライヴを抱きしめた。
「それが叶ったら俺は……リディアを守るために生きようと思った」
クライヴは父の胸の中で呻くようにつぶやいた。
「クライヴ……何処へ」
そしてクライヴは父の手を離し、ふらりと立ち会った。
クライヴの顔から生気が抜け落ちていた。
「もう俺には……生きる理由が無い……」
このままリディアの後を追いかけそうな声色で、クライヴはリディアの遺体に縋り寄った。
リディアの顔を見つめたクライヴは、ある異変に気づいた。
「リディア……角が……消えていく……」
リディアの角がまるで燃やし尽くされた薪が灰になるようにさらさらと塵になって消えていく。
そして今まで角に隠れていたリディアの顔が――全て外にさらされた。
追いついたリュケイオンがそのリディアの顔を見て、息を呑んだ。
「なんて……美しい……」
兵士の幾人かさえ思わず足を止めてリディアの顔に見惚れた。
角がなくなったリディアの顔は、ここにいる全ての人間が思わず見つめてしまうほど美しかった。
「ああ……それが君の本当の顔か」
クライヴは泣き晴らしながら、リディアの顔をじっと見つめた。
そして無理に笑顔を作って――次の言葉を言った。
「綺麗だよ……君の精神(こころ)みたいに」
そしてクライヴはリディアに縋りより――その唇に自分の唇を重ねた。
刹那。
吐息が、クライヴの頬にかかった。
「う――クライヴ様……」
信じられないことが起きた。
リディアの口が動いた。
周りがざわめいた。
「り、リディア……? いま喋って」
クライヴが驚いてリディアを見る。
ゆっくりとリディアの目が開かれていった。
「ん……」
やがて完全に目を開けたリディアはまぶたを瞬かせ、ぼんやりとつぶやいた。
「あれ……私……おかしいな……全部霊力を……使って……」
すかさずヴィエラがそんなリディアに向けて癒やしの霊力を向ける。
死人のような青白いリディアの顔色が徐々に良くなっていく。
「奇跡……か?」
それを見ながら王がつぶやいた。
「俺の夢じゃないよな。本当に生きてる!」
クライヴは人目をはばからずリディアを思い切り抱きしめた。
あらあらとそんなクライヴを自愛に満ちた目で見つめたヴィエラは、すっと邪魔をしないように二人のそばを離れた。
「う……苦しいですクライヴ様……」
「うるさい……お前はいつも……心配かけて……」
凄まじい力で抱きしめられたリディアは思わずうめいた。
そこで違和感に気づく。
クライヴの胸に顔を埋めたリディアはその感触に、自分の頭に角がないことに気づいた。
「え、あ……!? 角がない私の……」
リディアは慌てて自分の額を触る。そしてその感触の違和感にふらつく足で立ち上がった。
そんなリディアの慌てた姿を見て、ヴィエラがなにかにひらめいたようにつぶやいた。
「そうだわ。あの角は霊力の固まり……リディアは身体の霊力を使い果たしたけど、角に霊力が残っていて、それがリディアに還ったから……」
角が溶けた後の塵をつまみ上げ、ヴィエラはそれを見つめた。
かすかに霊力が奔った後が、その残骸に残っている。
だがそのつぶやきは誰につたわることもなかった。
「リディア! 良かった! もう……離さないぞ!」
立ち上がったリディアをクライヴが抱きすくめた。
それを見た周囲が凄まじい歓声を上げた。
「クライヴ様! おめでとうございます!」
「あんたは勲章だけじゃない! 本物の英雄だ!」
「我々兵は、貴方こそ敬愛致します!」
兵士たちはクライヴの同胞のようなものだ。
それがついに職務を堪えれなくなって祝福の声を上げた。
ここで起こった奇跡に誰もが賞賛を送った。
「リディア様ー! お綺麗ッスよ!」
「こら大声であんまり目立つな! ったく、おめでとうございます」
抱きかかえられたリディアの耳に、歓声の中から聞き覚えのある声がする。
(護衛の人たち! 無事だった!)
自分を三階に送り届けた二人の護衛が傷まみれの腕をふりこちらに声援を送っている。
「ハァハァ……クライヴ様っ! 屋敷の処理にてまどい……カイン一生の不覚です!」
(執事さんも!?)
大騒ぎになった大広間の歓声のさなか飛び込んできた影が頭を下げた。
「奥様……私は今日の償いをするため、終生貴女とクライヴ様のお側いますぞ!」
会場に滑り込むように走り込んできたカインは、ボロボロだった。
暗殺者の対処も壮絶だったようだ。
そんな皆の様々な感情を受け取る中心のクライヴは足元のふらつくリディアを抱き上げた。
「きゃ……」
「父上! クライヴ・ヴァルヘルムはこの度の遠征の功績を持って、リディア・フェスティアとの婚姻を希望します! よろしいですね!」
リディアはお姫様抱っこの形で抱き上げられた。
そして晴れ晴れとした顔でクライヴは、リュケイオン王へと宣言した。
「ああ、リュケイオン・ヴァルヘルム王の名において二人の婚姻を認める!」
会場全体から拍手が沸き起こった。
誰もが若い二人に惜しみない祝福を送った。
リディアはそれを聞き届け――人生で一番の笑顔を浮かべた。
後の歴史書にはこうある。
辺境からも完全に魔物の驚異をなくした、クライヴ・ヴァルヘルム王国元帥を語る際に欠かせない話がある。
その妻、リディア・ヴァルヘルムの聖女としての高名さも同時に語らざるを得まい。
筆頭聖女であるリディア・ヴァルヘルムは数々の難病から人々を救い、“聖女の中の聖女”として語られた。
外に内に王国のさらなる発展を導いたこの夫婦は、将来仲睦まじく――互いに支え合って生きていたとされている。
戯作家にこの夫婦を題材にしないかと聞くと、彼らは一応に苦笑しながら告げる。
「あまりに順風満帆なその夫婦の生涯は、語り部としてはいささか退屈させてしまう」
ほどだと――。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
お飾りの婚約者で結構です! 殿下のことは興味ありませんので、お構いなく!
にのまえ
恋愛
すでに寵愛する人がいる、殿下の婚約候補決めの舞踏会を開くと、王家の勅命がドーリング公爵家に届くも、姉のミミリアは嫌がった。
公爵家から一人娘という言葉に、舞踏会に参加することになった、ドーリング公爵家の次女・ミーシャ。
家族の中で“役立たず”と蔑まれ、姉の身代わりとして差し出された彼女の唯一の望みは――「舞踏会で、美味しい料理を食べること」。
だが、そんな慎ましい願いとは裏腹に、
舞踏会の夜、思いもよらぬ出来事が起こりミーシャは前世、読んでいた小説の世界だと気付く。
中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています
浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】
ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!?
激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。
目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。
もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。
セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。
戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。
けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。
「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの?
これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、
ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。
※小説家になろうにも掲載中です。
転生したら地味ダサ令嬢でしたが王子様に助けられて何故か執着されました
古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄され
恋愛
皆様の応援のおかげでHOT女性向けランキング第7位獲得しました。
前世病弱だったニーナは転生したら周りから地味でダサいとバカにされる令嬢(もっとも平民)になっていた。「王女様とか公爵令嬢に転生したかった」と祖母に愚痴ったら叱られた。そんなニーナが祖母が死んで冒険者崩れに襲われた時に助けてくれたのが、ウィルと呼ばれる貴公子だった。
恋に落ちたニーナだが、平民の自分が二度と会うことはないだろうと思ったのも、束の間。魔法が使えることがバレて、晴れて貴族がいっぱいいる王立学園に入ることに!
しかし、そこにはウィルはいなかったけれど、何故か生徒会長ら高位貴族に絡まれて学園生活を送ることに……
見た目は地味ダサ、でも、行動力はピカ一の地味ダサ令嬢の巻き起こす波乱万丈学園恋愛物語の始まりです!?
小説家になろうでも公開しています。
第9回カクヨムWeb小説コンテスト中間選考通過作品
大根令嬢の雑学無双、王弟殿下を添えて。~ 前世を思い出したので、許婚をほったらかして人助けしまくります!!
古森真朝
恋愛
気弱な伯爵令嬢のカレンは、自分勝手な婚約者レナートに振り回されていた。耐え続けていたある日、舞踏会で何者かに突き飛ばされ、階段から落ちてしまう。
その傷が元で儚く……なるかと思いきや。衝撃で前世を思い出したカレンは一転、かの『ド根性大根』みたいな超・ポジティブ人間になっていた。
『モラハラ婚約者の思惑なんぞ知るか!! 今度こそ好きなことやって、目いっぱい幸せに長生きするんだから!!!』
昔ひたすら読書に耽って身に着けた『雑学』を武器に、うっかり採れ過ぎた作物や、開墾しようとすると不幸に見舞われる土地、不治の病にかかった王族、等々の問題をどんどん解決。
領地の内外で心強い友人が出来たり、いつの間にかものすごく有名になっていたり、何かと協力してくれる王弟ヴィクトルから好意を寄せられたり(注:気付いてない)する中、温かい家族と共に仕事に励んでいく。
一方、前世から因縁のある人々もまた、こちらに転生していて――
身代わりで呪いの公爵に嫁ぎましたが、聖女の力で浄化したら離縁どころか国一番の溺愛妻になりました〜実家が泣きついてももう遅い〜
しょくぱん
恋愛
「お前のような無能は、死神の生贄にでもなっていろ」
魔力なしの無能と蔑まれ、家族に虐げられてきた伯爵令嬢レティシア。 彼女に命じられたのは、近づく者すべてを病ませるという『呪いの公爵』アレクシスへの身代わり結婚だった。
鉄格子の馬車で運ばれ、たどり着いたのは瘴気に満ちた死の城。 恐ろしい怪物のような男に殺される――。 そう覚悟していたレティシアだったが、目の前の光景に絶望よりも先に別の感情が湧き上がる。
(な、何これ……汚すぎるわ! 雑巾とブラシはどこ!?)
実は、彼女が「無能」と言われていたのは、その力が『洗浄』と『浄化』に特化した特殊な聖女の魔力だったから。
レティシアが掃除をすれば、呪いの瘴気は消え去り、枯れた大地には花が咲き、不気味だった公爵城はまたたく間にピカピカの聖域に塗り替えられていく。 さらには、呪いで苦しんでいたアレクシスの素顔は、見惚れるほどの美青年で――。
「レティシア、君は一体何者なんだ……? 体が、こんなに軽いのは初めてだ」
冷酷だったはずの公爵様から、まさかの執着と溺愛。 さらには、呪いが解けたことで領地は国一番の豊かさを取り戻していく。
一方で、レティシアを捨てた実家は、彼女の『浄化』を失ったことで災厄に見舞われ、今さら「戻ってきてくれ」と泣きついてくるが……。
「私は今、お城の掃除と旦那様のお世話で忙しいんです。お引き取りくださいませ」
これは、掃除を愛する薄幸令嬢が、その愛と魔力で死神公爵を救い、最高に幸せな居場所を手に入れるまでのお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる