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道中
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「あなたは魔王に似ている、見た目もそうだけれど、なんというか……」
帰りにふと漏らした言葉にアズゼルはぽかんと口を開けている。
「雰囲気、と言ってしまうのは安直かしら。あなたに初めて出会った時、倒れたあなたを見かけた時、魔王と初めて会った時のことが頭に流れてきたの。魔王の生まれ変わりなのかと一瞬疑ったけれど、違ったみたいね」
「なっ、なんて恐れ多い!」
アズゼルは跳ねるように声を上げ、首と手をちぎれそうなほど横に振った。
「僕なんかがあの魔王様と似てるなんてっ、」
「全部否定することも無いかもしれないわよ、あなたの魔力の質はかなり高いからこれからの訓練次第で魔王にも匹敵する力を付けられるかもしれない」
「そんなこと、」
否定ばかりのアズゼルに私はため息を漏らす。自己肯定感の低さは奴隷だったことが理由であろう。
魔族はみな人間より高い魔力を有している。昔はそれにより魔族は驕り人間は魔族を恐れた。それが争いの原因ではあったが、魔族と人の力関係が逆転した今も、対していい状況とは言えない。
私のため息に少し驚いたのか、怖がるように俯いている。私はそんな彼の頭に手を伸ばした。
その時、
「子供二人でこんな森の中で何やってるんだい?」
身の毛もよだつ汚いしゃがれ声だった。
前を向けば屈強な男が4人目の前にいる。山賊かなにかだろうか、手には錆びかけの剣が握られている。
ここはカディネの領地の端、元魔族の国の近くの森である。ここの森は滅多に人も来ない場所で、瘴気が少し漏れているためか動物も来ない。人は体を魔力で守れるため出入りできるが、ここには昔山賊の噂があったため人々が近づくことはない。
今まで私は何度か1人でここに訪れたことがあるが、山賊に出くわしたのは今回が初めてだった。
テールを呼べば事足りるのだが、生憎瘴気の漂うこの森にはテールは入ることが出来ない。まあ、テールなら無理やりにでも入ってきそうなものだが、
「その身なり、貴族だろ。貴族のガキが護衛もなしにこんなとこを出歩いちゃいけないよ。おじさんみたいな山賊に身ぐるみ剥がされちゃうからね」
「この女上玉だ。売りゃ金になる」
気持ち悪い下賎な声だ。人というのは堕ちるとここまで醜い。
「そっちのガキは奴隷か?」
男の1人がアズゼルの腕を掴み手袋をひんむいた。
「手に焼印があるな、魔族かよ。こっちも売れるじゃねぇか」
嬉しそうなその声に私の堪忍袋の緒はキレそうだった。奴隷時代の記憶を思い出しているのか、腕を掴まれたままのアズゼルは震えている。
この10歳の体では男4人を倒して進むのは現実的では無い。
帰りにふと漏らした言葉にアズゼルはぽかんと口を開けている。
「雰囲気、と言ってしまうのは安直かしら。あなたに初めて出会った時、倒れたあなたを見かけた時、魔王と初めて会った時のことが頭に流れてきたの。魔王の生まれ変わりなのかと一瞬疑ったけれど、違ったみたいね」
「なっ、なんて恐れ多い!」
アズゼルは跳ねるように声を上げ、首と手をちぎれそうなほど横に振った。
「僕なんかがあの魔王様と似てるなんてっ、」
「全部否定することも無いかもしれないわよ、あなたの魔力の質はかなり高いからこれからの訓練次第で魔王にも匹敵する力を付けられるかもしれない」
「そんなこと、」
否定ばかりのアズゼルに私はため息を漏らす。自己肯定感の低さは奴隷だったことが理由であろう。
魔族はみな人間より高い魔力を有している。昔はそれにより魔族は驕り人間は魔族を恐れた。それが争いの原因ではあったが、魔族と人の力関係が逆転した今も、対していい状況とは言えない。
私のため息に少し驚いたのか、怖がるように俯いている。私はそんな彼の頭に手を伸ばした。
その時、
「子供二人でこんな森の中で何やってるんだい?」
身の毛もよだつ汚いしゃがれ声だった。
前を向けば屈強な男が4人目の前にいる。山賊かなにかだろうか、手には錆びかけの剣が握られている。
ここはカディネの領地の端、元魔族の国の近くの森である。ここの森は滅多に人も来ない場所で、瘴気が少し漏れているためか動物も来ない。人は体を魔力で守れるため出入りできるが、ここには昔山賊の噂があったため人々が近づくことはない。
今まで私は何度か1人でここに訪れたことがあるが、山賊に出くわしたのは今回が初めてだった。
テールを呼べば事足りるのだが、生憎瘴気の漂うこの森にはテールは入ることが出来ない。まあ、テールなら無理やりにでも入ってきそうなものだが、
「その身なり、貴族だろ。貴族のガキが護衛もなしにこんなとこを出歩いちゃいけないよ。おじさんみたいな山賊に身ぐるみ剥がされちゃうからね」
「この女上玉だ。売りゃ金になる」
気持ち悪い下賎な声だ。人というのは堕ちるとここまで醜い。
「そっちのガキは奴隷か?」
男の1人がアズゼルの腕を掴み手袋をひんむいた。
「手に焼印があるな、魔族かよ。こっちも売れるじゃねぇか」
嬉しそうなその声に私の堪忍袋の緒はキレそうだった。奴隷時代の記憶を思い出しているのか、腕を掴まれたままのアズゼルは震えている。
この10歳の体では男4人を倒して進むのは現実的では無い。
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