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ユータ
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深穴を降りていくと、交差するように横穴が開いている。便宜上、一つ目の横穴を地下一階、二つ目の横穴を地下二階というふうに呼んでいた。地下何階まであるのかはまだ調査中だ。聞くところによると地下五階までは、探査員が到達したらしい。ダンジョンの名前に相応しく、地下深いほど怪異が凶悪になる。
『しみったれた配信しているな、リョータ』
梯子を降り、亮太がまずは地下二階の湿った地面に足を降ろした時だった。
『あー、ユート……久しぶり』
配信用のゴーグルをつけた探索仲間に声をかけられる。
『よ、リョータの視聴者のみなさんもこんばんは。ユートです。今夜このチャンネルは俺、ユートとコラボ配信でお送りします』
『え? コラボとか嫌なんだけど』
勝手な申し出に亮太は断るが、勇斗は意に介さず亮太の肩に手を回した。
『つれないな。二人のほうが生存率上がるって』
便宜上そういって亮太肩を抱いたまま深穴の奥へ歩き出す。
『ユート、そっちも配信しているんだろ?』
亮太は慌てて自分の配信画面をチェックする。
『やっぱり!』
いつもは亮太の配信は同時接続数が二桁だ。それが三桁に伸び、さらに数字がどんどん増えていた。
亮太のコメント欄にも〈ユート♡〉などの文字が並ぶ。
『ムリムリムリ。ちょっとコメ見ません。ごめん』
勇斗は探査員の中でも怪異の退治率の良く、配信の人気もあるいわゆるインフルエンサーだ。まず顔がいい。いや配信用のヘッドマウントディスプレイをつけているので、視聴者には顔の下半分の輪郭ぐらいしかわからないのだが、それでもあふれ出るオーラのようなものがあって視聴者を魅了していた。そして実際の顔ももてはやされている芸能人のようだった。誰のこともまっすぐに臆することなく見る態度が、彼の自信を表している。
つまり勇斗は亮太と真逆のような性格をしており、それが苦手だった。
亮太の配信閲覧数も跳ねるが、亮太はそれも嫌っていた。
『ええ? 俺とコラボ配信したらすぐにフォロー増えるのに?』
『おれは配信は収益化目指してないの! 配信は動けなくなった時の通報目的なの!』
なぜなら閲覧数が増えるとアンチも増える。フォロー数はむけられた銃口の数でもある。ネットの好意は簡単に悪意にかわる。亮太はそれを身をもって知っていた。
『もったいね。せっかく、配信してるんだから上を目指そうぜ。明日をも知れぬ身なんだし』
『しみったれた配信しているな、リョータ』
梯子を降り、亮太がまずは地下二階の湿った地面に足を降ろした時だった。
『あー、ユート……久しぶり』
配信用のゴーグルをつけた探索仲間に声をかけられる。
『よ、リョータの視聴者のみなさんもこんばんは。ユートです。今夜このチャンネルは俺、ユートとコラボ配信でお送りします』
『え? コラボとか嫌なんだけど』
勝手な申し出に亮太は断るが、勇斗は意に介さず亮太の肩に手を回した。
『つれないな。二人のほうが生存率上がるって』
便宜上そういって亮太肩を抱いたまま深穴の奥へ歩き出す。
『ユート、そっちも配信しているんだろ?』
亮太は慌てて自分の配信画面をチェックする。
『やっぱり!』
いつもは亮太の配信は同時接続数が二桁だ。それが三桁に伸び、さらに数字がどんどん増えていた。
亮太のコメント欄にも〈ユート♡〉などの文字が並ぶ。
『ムリムリムリ。ちょっとコメ見ません。ごめん』
勇斗は探査員の中でも怪異の退治率の良く、配信の人気もあるいわゆるインフルエンサーだ。まず顔がいい。いや配信用のヘッドマウントディスプレイをつけているので、視聴者には顔の下半分の輪郭ぐらいしかわからないのだが、それでもあふれ出るオーラのようなものがあって視聴者を魅了していた。そして実際の顔ももてはやされている芸能人のようだった。誰のこともまっすぐに臆することなく見る態度が、彼の自信を表している。
つまり勇斗は亮太と真逆のような性格をしており、それが苦手だった。
亮太の配信閲覧数も跳ねるが、亮太はそれも嫌っていた。
『ええ? 俺とコラボ配信したらすぐにフォロー増えるのに?』
『おれは配信は収益化目指してないの! 配信は動けなくなった時の通報目的なの!』
なぜなら閲覧数が増えるとアンチも増える。フォロー数はむけられた銃口の数でもある。ネットの好意は簡単に悪意にかわる。亮太はそれを身をもって知っていた。
『もったいね。せっかく、配信してるんだから上を目指そうぜ。明日をも知れぬ身なんだし』
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