(仮)紅眼の暗殺者

アリエ

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プロローグ

1話  新しい仕事

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夜の暗闇の中に潜む1つの影。その影の持ち主は、家から家へと跳び移っていた。その動きは普通の一般人には、無理である。
それを、影はとてつもない速さで移動していた。たとえ、跳び移る事に成功したとしても、着地の時に音がなり、気付かれる。

更に言えば目立つので、見つかったらお説教行きだ。だが、影は音もなく着地し、誰にも見つかる事はない。
影が、ある家の前で足を止めた。その家は大きく門があり、警備されている。

「ここか。」

そう、呟いて影は門を飛び越えた。その声は、女の子の者だった。そう、影はまだ大人ではない女の子なのだ。
影....いや、少女は家の3階の窓を開け、家の中に侵入する。普通法律では家に勝手に入りる事は犯罪になり、警察に捕まる。そう、"普通"ならばだ。少女は、仕事でこの家に来ている。ただ、少女と依頼人しか知らない。

依頼人は、総理大臣。
そして、依頼内容は...."暗殺"だ。 

少女が入った家には、大臣が住んでいる。その大臣はそこそこ有名で、功績もあり、優秀な人材だ。表の顔ならばだが。
裏では身寄りのない子供を売り、麻薬などで商売をしている。  

商売をしていることは確かなのだが、証拠がない。証拠がないのなら逮捕が出来ないのだ。たとえ証拠があり、逮捕されたとして、死刑はほぼ確定だ。国外まで手をだし、何千人の子供を何年かけて売りだしたのだから。そのため、国は証拠がなく、死刑が確定の時はこうして、暗殺の依頼を出して排除している。

少女は、ある扉の前で止まる。この扉の先は大臣の部屋だ。少女は扉を開けた。中には大きなべッドで眠っている大臣の姿があった。少女は大臣に近づき、真っ黒い服に隠してあったナイフで大臣の首を切った。血が飛び散り、シーツを赤色に染めた。女は大臣の部屋を後にする。大臣を殺したので、依頼は成功。今日の仕事は終わりだ。 

これが少女、別名"紅眼の暗殺者"であるいつもの仕事だ。



 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

東京の裏路地で少女は一人の男と話をしていた。裏路地には人がいる様子がなく、外の光も入ってこない。
普通では相手のことも見えないくらいに、真っ暗である。だが、少女と男はちゃんと相手の方を見て、話をしていた。

「珍しいな。組織が直接会いに来るとは。2年振りか?」

少女は壁にもたれ掛かり腕を組ながら男に聞いた。男のような口調だ。

「もうそんなに経ったのか。"あの日"以来だね。」

男の声はまだ若く、20歳前後ぐらいだと思われた。男は少女の反応を見るかの用に目を細め口角を少しあげ笑った。

「ふん、忘れろ。…それで?用件は?」

少女は男を睨み付ける。 仮面を被っているが、目は見えており、赤い目が光って見える。結構怖い。

「分かったからその目止めて、結構怖いんだから。…それで本題だけど、君に依頼が入った。」

「ん?それなら、直接会わなくても良いんじゃないか?」

少女の言うとおり、いつもは、依頼は組織から電話で来る。情報はメールだ。なので、わざわざ会いに来る必要ない。組織は秘密が多い、国に知られては、いけない情報がたくさんある。そのため、互いの接触は控えている。

「それがね。大きな依頼なんだ。なんだと思う?」

男は面白そうに笑う。少女は考える素振りを見せ、答えた。

「…大きな依頼だと、大頭領の暗殺か?」

「違うよ。それがね、暗殺者の君には意外な依頼なんだよ。……正解は、"護衛"依頼。」

「は?護衛!?」

少女が驚くのも、無理もない。暗殺者は基本的に暗殺の依頼しかこない。護衛なんて物は一切こない。護衛は表側の仕事だ。
裏にも依頼する者がいるが、護衛専門の人がいる。暗殺者に依頼する者など皆無なのだ。
男は少女の反応に満足するかのようにニッコリと笑った。

「それだけなら電話で伝えたんだけど、護衛対象に問題があってさ。その子、女の子なんだけど、裏の組織の殆どから狙われているんだ。困ったことにね。」

と言い、男は肩をすくめる。

「て言うか、どうやったらそんなに狙われるんだ?驚き過ぎてむしろその依頼を引き受けた"上"に呆れるんだが。組織はそんなにリスクがある依頼は引き受けないよな?」

「それは僕も思ったんだけど。上は教えてくれなくてさ。何か事情があるみたいだ。」

「お前も上の人間だろう?何で聞けなかったんだ?」

少女は首を傾げる。少女の記憶なら男は上の人間だったはず。少女を裏に引き入れたのもこの男だ。組織は仲間に入る人間は上が決める。
その為ただの子供だった少女が入れたのは、男のお加減なのだ。
上に影響を与えることができるのは上の人間。すなわち、男は上の人間だ。

「まあ、そうなんだけど。多分、上でも一部の人間しか、知らないかもしれない。」

「そうか。つまり、何にも知らない訳だな。でも、護衛対象の名前ぐらい知っているだろう?」

「ああ。護衛対象は日本人の女の子。名前は広瀬瑞唏、君と同い年さ。性格はおしとやかでしっかり者、来年の4月から東京の光咲高校に通う予定。このくらいかな。」

「ふむ。んで、私は何をしたらいい?護衛経験なんてない。」

「あ、その事なんだけど。君も光咲高校に通ってもらうから。勉強しといてね。大丈夫だろうけど。」

「え。こ、高校!?おい!私、学校通ったことないが!?」

少女は焦りながら言った。だが、男はそんな事かと言い。

「大丈夫大丈夫。普通にしてればいいから。それじゃ、よろしく。入学手続きとか、その他云々は組織がしとくから。また、連絡するよ。」

と、言って帰ろうとする。飛んで。
少女は引き留めようとする。

「おい!待て!!」

男は少女の言葉を無視する。

「じゃあね~~」

そして帰ってしまった。飛んで。
少女は怒りにプルプルと震えながら叫んだ。

「こんのッ野郎ーーーーーー!!!!!」

その夜、10以上の暴力団が壊滅した事件が起こった。証拠もなく、暴力団全員が覚えておらず、誰がやったかわからない。
その事件は、迷宮入りしたのだった。本当に誰がしたのだろうか。けして、誰かさんのせいで一人の少女が腹いせにしたとはけしてないだろう。

そう無いったら無いのだ。



………………………………………たぶん。
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