(仮)紅眼の暗殺者

アリエ

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入学編

1話 保護者はいらねえええェェ

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4月

今日はある少女が通う事になる光咲高校の入学式がある。新しくなく、古くもない家の中で、少女は赤色の目を擦りながらリビングにでた。そして、ソファは見たとたん動かなくなった。理由は沢山あるが目の前の光景が1つなのは間違いないだろう。少女の前には、男がいた。

あの、護衛依頼を持って来た男である。
あの、少女が組織に入る事になった原因の男である。あの、憎たらしい男である。男はソファにくつろぎながら言った。

「おはようさん。ぐっすり眠れたかい?」


少女はため息をつき、怒っていそうなめんどくさそうな表情をして呆れながら言った。

「…何でいるんだ………?」

その疑問は最もである。昨日の夜には居なかったし、連絡もなかったのだから。それに今日は入学式があり、任務が始まる。色々準備しなくてはならない。それは、この男も同じだったはずである。依頼を持って来たんだから。

「いやぁ。急に決まってね。伝える暇がなかったんだよ。」

「いや、そっちじゃなくて何しに来たんだ?」

少女はまたため息をつく。朝起きて10分も経たずに本日2度目のため息だ。
男はポリポリと頭をかきながら言いにくそうに言った。

「あー…ほら。保護者は必要だろう?」

刹那、少女の絶叫がこだまする。
少女は長い間親、保護者等と言う存在は居なかった。それより、一人は気楽で好きなのだ。故に、少女は家に人がいる事を嫌う。仕事の時は我慢をして、仕方ないと思っている。だが、仕事意外は我慢ならないのだ。それは男も知っていた。

だから、今日みたいに例え仕事と言われ来たんだとしても。自分の生活に、自分の癒しに支障が出るならば抵抗する。他人、ましてや大嫌いな男の事など少女の知ったことではないのだ!

少女は美少女である。それ故に睨むと迫力がある。その中に少し…いや、とても嫌悪が含まれると……それはそれはとても…

     破壊力抜群である。

普通のその辺のナンパ野郎が泣き叫ぶくらいには。だが、男も組織の人間だ。このくらいなら耐えられる。

「保護者なんていらねええええええええええェェェェェェ!!出てけえええええええええええええェェェェェェ!!」

「ちょっ!?待って待って!!怖いから!その表情怖いから!あっ!引きずらないで!?外に出そうとしないで!?お願いだからあああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

男は大絶叫し、抵抗しながら思った。

(こうなること予想してたのにいいいぃ!上司がああぁぁぁ!権力がああああぁぁぁ!!!僕のせいじゃないのにいいぃ!!だから嫌だったんだあああああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!)




 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
数分後


男は抵抗しながらも事情を説明し、何とか少女を落ち着かせた。今、イスに座り向かい合っている。男は安堵の表情を浮かべる。
                
(ああぁ……。やっと落ち着いてくれた…もう、本当泣きたくなっちゃうよ…。はぁ…どんだけ狂暴なんだ……)

事実、少女は見た目に似合わず狂暴である。そして、自分主義だ。けして、ナルシストとかではない。単純に自分の生活を守るため、他人の犠牲を厭わない。男みたいな言葉使いは、完全に少女の個性である。綺麗な声をしているのにとても勿体ないとよく、言われていた。

「んで、まとめるとお前は命令で私の保護者になるように言われて、それが昨日の夜だと。そして私の合鍵を持って家に入り、それが朝の事、…これで合ってるか?」

少女が男を見る。男は頷いた。

「うん。大部おおざっぱだけど合ってるよ。多分君の監視と対象の監視も入っているだろうね。」

少女は眉間にシワを造り、不快そうにする。

「はぁ…。嫌なんだが。」

男は苦笑した。そして、首を横に振る。

「それはダメだろうね。それとも、大勢に監視されてプライベートがなくなるか、僕一人の監視ですみ最低限のプライベートを守れるか…。…さて、どっちがいいんだろうね。」

つまり、男の監視が嫌なら大勢で絶対に監視しますが、どっちがいいですか?と言うことである。どっちみち監視は免れない。少女もこの事がわかって答えた。

「……後者で。」 

男はニッコリと笑い、返答する。

「うん。じゃあ、決まりだね。」

少女は不満そうだ。

「決まったとしてお前、20代前後だろ?親は無理だと思うんだが。」

男は誰がどう見ても親には見えない。

「ん?ああ、親じゃなくて兄としてだから問題ない。まあ、だから今日から紅江海(こうえ かい)になる。君は、紅江輝夜だね。」

勿論、名前は二人とも偽名だ。本名はない。本名……かはわからないが、組織には番号がある。輝夜の番号は404588。海の番号は217581である。

輝夜と海は入学式に行くための準備を始めた。腰まである長い黒髪をとかし、髪は下ろしたまま。制服はブレザーで、上着は青色である。輝夜は制服に着替え、制服に武器を隠した。流石に拳銃は隠せないので、ナイフだけにする。投げナイフを5本。拳銃は鞄の中の一番見つけにくい所にいれる。
後カラコンを入れるのを忘れない。赤色の目は目立つので、外に行く時は黒目のカラコンを使う。

海は入学式の保護者として行く。普通にスーツを着て、拳銃を上着の裏に隠した。海は戦闘の専門ではないが、レベル75で初期数値は平均より高い。戦闘の専門の中でも、かなりの殺り手だ。ちなみに、輝夜は戦闘の専門だけあってレベル95である。

「さて、準備も出来たし高校に行くか。」

海は後で行く事になっている。
輝夜は高校に向かって歩き出した。
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みんなの感想(1件)

シルヴィー
2020.06.02 シルヴィー

初めまして
検索したらここにたどり着いたので読みました。

めちゃくちゃおもしろい。
だいぶ日が経ってるから、更新されないかもだけど、もしまた続きを書くなら読みたい

少女が兄という名の上司(?)を引きずり出そうとしてるのおもしろかった笑笑

解除

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