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奴の家にまでたどり着いた。門は閉ざされている。私は門を払いのける。まるで御簾を払いのけた時のように簡単に門が粉々になった。
「なんだお前は! 怪物が! 怪物が侵入した!」
一人の兵がそう喚いた。それを聞いた兵たちが集まってくる。
「あぁ、うっとおしい」
私はうっとおしい虫を手で払う様に振った。それだけで、風が巻き起こり、兵士たちが切り刻まれていく。
「アイツはどこ」
私は家の中に歩を進めていった。壁を払いのけ、御簾を払いのけ、何人かの兵士やその家の者を払いのけた。そうしている内に、やっと目標の男を見つけた。
「あぁ、会いたかったよ」
「ひぃっ、化け物!」
「あらヒドイ、あんなに愛し合ったじゃない」
男は震えながら私の顔を見る。暗いときか、御簾越しでしか会っていないから、お互い顔が分からないのは当然だ。それでも愛があれば、分かるはず。私がこうしてあなたを見つけたように。
「たすけてぇ!」
男の隣にいた姫が金切り声をあげる。こいつが私の男を奪ったのか。
「なんて醜い声で鳴くの」
私は手を払う様に振る。風が起こり、姫は切り刻まれながら、壁にたたきつけられて、静かになった。
「ひぃっ」
「さぁ、そろそろ思い出した?」
「し、知らない、本当に、誰かと勘違いしていないか?!」
「あぁ、悲しい、辛い……私は爽姫、聞き覚えあるよね?」
男の顔が歪む。明らかに、思い当たる節があるようだ。男はガタガタと震えながら、床に頭を擦り付けた。
「すまなかった! この通りだ、許してくれ! 命だけは!」
ガタガタと震えながら、命乞いをする男に、私はとてもがっかりした。男らしくもない。結婚した姫を殺した私に一矢報いようともしない。ただ保身をする。
「醜い、あぁ醜い」
私はこんな奴に純潔と恋心を捧げたのか。思い出して、吐き気さえしてきた。呟かれた言葉の数々が急に陳腐に感じてきた。
「お願いだ! たす」
私は手を振り払って、風を起こし、男をバラバラにした。
「あぁ、何か言ってる最中だった? 我慢できなくて、ごめんね」
私はバラバラになった男と、傷だらけで事切れている姫を眺める。なんと惨い場面だろうか。しかもそれを私がやったのだ。
「あぁ、スッキリした」
自分の心はすでに、化け物とかしている。こんな事をして、罪悪感はないのだろうか。そう自問自答してみた。
「すごく清々しい」
心の底から、晴れやかな気分になっていた。もう戻れない。私はそんな事を思う。でも、それよりも沸き上がってくる言葉を吐き出したかった。
「はははははは! ざまぁみろ!」
「なんだお前は! 怪物が! 怪物が侵入した!」
一人の兵がそう喚いた。それを聞いた兵たちが集まってくる。
「あぁ、うっとおしい」
私はうっとおしい虫を手で払う様に振った。それだけで、風が巻き起こり、兵士たちが切り刻まれていく。
「アイツはどこ」
私は家の中に歩を進めていった。壁を払いのけ、御簾を払いのけ、何人かの兵士やその家の者を払いのけた。そうしている内に、やっと目標の男を見つけた。
「あぁ、会いたかったよ」
「ひぃっ、化け物!」
「あらヒドイ、あんなに愛し合ったじゃない」
男は震えながら私の顔を見る。暗いときか、御簾越しでしか会っていないから、お互い顔が分からないのは当然だ。それでも愛があれば、分かるはず。私がこうしてあなたを見つけたように。
「たすけてぇ!」
男の隣にいた姫が金切り声をあげる。こいつが私の男を奪ったのか。
「なんて醜い声で鳴くの」
私は手を払う様に振る。風が起こり、姫は切り刻まれながら、壁にたたきつけられて、静かになった。
「ひぃっ」
「さぁ、そろそろ思い出した?」
「し、知らない、本当に、誰かと勘違いしていないか?!」
「あぁ、悲しい、辛い……私は爽姫、聞き覚えあるよね?」
男の顔が歪む。明らかに、思い当たる節があるようだ。男はガタガタと震えながら、床に頭を擦り付けた。
「すまなかった! この通りだ、許してくれ! 命だけは!」
ガタガタと震えながら、命乞いをする男に、私はとてもがっかりした。男らしくもない。結婚した姫を殺した私に一矢報いようともしない。ただ保身をする。
「醜い、あぁ醜い」
私はこんな奴に純潔と恋心を捧げたのか。思い出して、吐き気さえしてきた。呟かれた言葉の数々が急に陳腐に感じてきた。
「お願いだ! たす」
私は手を振り払って、風を起こし、男をバラバラにした。
「あぁ、何か言ってる最中だった? 我慢できなくて、ごめんね」
私はバラバラになった男と、傷だらけで事切れている姫を眺める。なんと惨い場面だろうか。しかもそれを私がやったのだ。
「あぁ、スッキリした」
自分の心はすでに、化け物とかしている。こんな事をして、罪悪感はないのだろうか。そう自問自答してみた。
「すごく清々しい」
心の底から、晴れやかな気分になっていた。もう戻れない。私はそんな事を思う。でも、それよりも沸き上がってくる言葉を吐き出したかった。
「はははははは! ざまぁみろ!」
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