殺されそうになって逃げ出したら、美し過ぎるショタくんと出会いました。これから逃避行しながら溺愛したいと思います。

高岩唯丑

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「あなたからは途方もなく大きなアンデッドの力を感じます、言うなれば上位の上を行くアンデッド、そんなの聞いた事もありませんが」
「そんな」
 突然刺されただけでもとんでもない事なのに、その上アンデッドの上位よりも上に行く存在かもなんて。でも、国を脅かす夕闇の令嬢とかいう物になると預言されたから、刺されたんだ。その預言は当たっているという事なの。私はこの国を脅かす存在なの。
「いかなる理由でも、突然命を狙われるのは辛いですよね……心中お察しします」
 アルネが申し訳なさそうな表情を浮かべる。私はアルネに、こんな顔をさせてしまった事を悲しく思う。良くなかった。とりあえず、自分の問題は脇に置いておこう。
「あれ、アルネがアンデッドの力を感じ取れるという事は、もしかしてアルネもアンデッド?」
 それなら命を狙われている理由にもなりそうだ。でも私の問いかけにアルネは顔を横に振る。
「違います、僕は呪術師です、呪術に使う力はアンデッドの物と同じなので、分かるんです」
 呪術という聞き慣れない言葉に、私は首を傾げる。呪いという言葉を使っている以上は、そういう魔法なんだろうけど。
「でもどうして命を狙われているの? 人間なんでしょ?」
 私の言葉を聞いた瞬間、アルネの表情は暗くなる。あまりそういう顔をさせたくなかったけど、一緒に行動するなら聞いておかないといけない。私がアルネの言葉を待っていると、少し間をあけたアルネは少しずつ語り出した。
「僕の一族は呪術に秀でた一族です、昔からその土地の領主のために働いてきました」
 領主のために働く。呪いの術を使う人間が働くという事は、それはつまりそういう事なんだろう。邪魔者を排除するというような意味合い。アルネは私の考えを見通す様に、少し笑ってから口を開く。
「概ね想像通りだと思いますが、それも昔の話なんです、領主の代替わりで僕たちの存在はだんだん必要なくなってきました」
 そういうアクドイ事をする領主はいなくなって、呪術師一族は不要になってきた。なんとなくその先が、想像できてしまった。アルネは今度は険しい表情になって、頷く。
「それも想像通りだと思います、僕たちは切り捨てられた……僕たち一族郎党の虐殺が行われた」
 呪いなんて物を扱う一族だ。恐ろしくて、そういう判断に至ってしまったのだろう。
「ヒドイ、利用するだけ利用して、いらなくなったら殺すなんて」
 そこから逃げてきたという事だ。大事な人達を置いて、逃げるしかなかった。それはとてもつらかっただろう。居ても立ってもいられなくて、私はアルネの頬に手を添えて笑いかける。
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