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「辛かったね、アルネが生きていてくれて嬉しいよ」
「……ッ! 突然何を!」
アルネが顔を赤くして、後ろに飛び退く。照れているらしかった。こういう反応ができるという事は、心がまだ死んでいない証拠。それに可愛らしくて、なんだか心がほっこりする。
「何をニヤニヤしているんですか」
「別に何でもないよ」
私は、立ち止まってしまったアルネを置いていくように、先に歩を進めていく。しばらく後ろから唸り声の様な物が聞こえたけど、それからすぐに足音がして隣にアルネが並んだ。
「……僕は何とか逃げ出しましたが、逃げた所を見られてしまい追われています、何度か襲撃を受けた」
「それでそんな傷だらけで」
突然命を狙われた。それはとても辛い事だ。私も経験しているからわかる。
「同じ、だね……私達」
「そうですね」
私達は前を見たまま、そんな言葉を言い合う。なんというか自分の事情に巻き込んでしまう事を、ためらったからだ。その言葉の続きを口にするか迷ったからだ。でも一人は心細い。命を狙われて逃げ続けるなんて、辛すぎる。身を寄せ合っても罰は当たらないのではないか。
「一緒にさ、逃げない?」
私はついに口にした。さっき会ったばかりだけど、境遇が同じで助け合えると思った。いきなりすぎておかしな事かもしれないけど、こんな状態で人に頼って、誰が責められるか。
「二人とも命を狙われてて、刺客が来てる訳でしょ? お互いの刺客がもしかしたら衝突してくれるかもよ」
私は言い訳めいた事を捲し立てる。間違った事は言っていない。でも悪い場合、結託もありえる訳だけど、私はあえてそれを口にしない。卑怯かもしれないけど。
「そう……ですね」
アルネは一度何かを言おうとして口を開いた後、諦めたようにそう口にした。アルネだって、結託するかもしれないと考えただろう。それでもそれを口にしない。きっと心細いはずだから。ややあってアルネは言葉を発する。
「巻き込む訳にはと思う反面、やはり一人より心強いと思ってしまう、何よりサミュと僕は……」
アルネがそこまで言ったところで、近くの茂みが動くのが分かる。
「何?!」
私はすぐさま背中に隠す様にアルネの前に立つ。その私の行動にアルネが抗議する様に、声をあげた。
「ッ! 逆でしょう! 僕がサミュを守る、いっ」
私の後ろでアルネのうめき声が聞こえた。ケガが痛んだ声だろう。ケガしてるんだし、何より無理して大人ぶろうとしなくていいのに。私は少し笑ってしまう。
「ケガ人でしょ、お姉ちゃんに大人しく守られて!」
「なっ、子ども扱いしないでください!」
私の前に出てこようとするアルネを後ろ手に掴んで阻止しながら、私は音がした茂みを注視した。
「……ッ! 突然何を!」
アルネが顔を赤くして、後ろに飛び退く。照れているらしかった。こういう反応ができるという事は、心がまだ死んでいない証拠。それに可愛らしくて、なんだか心がほっこりする。
「何をニヤニヤしているんですか」
「別に何でもないよ」
私は、立ち止まってしまったアルネを置いていくように、先に歩を進めていく。しばらく後ろから唸り声の様な物が聞こえたけど、それからすぐに足音がして隣にアルネが並んだ。
「……僕は何とか逃げ出しましたが、逃げた所を見られてしまい追われています、何度か襲撃を受けた」
「それでそんな傷だらけで」
突然命を狙われた。それはとても辛い事だ。私も経験しているからわかる。
「同じ、だね……私達」
「そうですね」
私達は前を見たまま、そんな言葉を言い合う。なんというか自分の事情に巻き込んでしまう事を、ためらったからだ。その言葉の続きを口にするか迷ったからだ。でも一人は心細い。命を狙われて逃げ続けるなんて、辛すぎる。身を寄せ合っても罰は当たらないのではないか。
「一緒にさ、逃げない?」
私はついに口にした。さっき会ったばかりだけど、境遇が同じで助け合えると思った。いきなりすぎておかしな事かもしれないけど、こんな状態で人に頼って、誰が責められるか。
「二人とも命を狙われてて、刺客が来てる訳でしょ? お互いの刺客がもしかしたら衝突してくれるかもよ」
私は言い訳めいた事を捲し立てる。間違った事は言っていない。でも悪い場合、結託もありえる訳だけど、私はあえてそれを口にしない。卑怯かもしれないけど。
「そう……ですね」
アルネは一度何かを言おうとして口を開いた後、諦めたようにそう口にした。アルネだって、結託するかもしれないと考えただろう。それでもそれを口にしない。きっと心細いはずだから。ややあってアルネは言葉を発する。
「巻き込む訳にはと思う反面、やはり一人より心強いと思ってしまう、何よりサミュと僕は……」
アルネがそこまで言ったところで、近くの茂みが動くのが分かる。
「何?!」
私はすぐさま背中に隠す様にアルネの前に立つ。その私の行動にアルネが抗議する様に、声をあげた。
「ッ! 逆でしょう! 僕がサミュを守る、いっ」
私の後ろでアルネのうめき声が聞こえた。ケガが痛んだ声だろう。ケガしてるんだし、何より無理して大人ぶろうとしなくていいのに。私は少し笑ってしまう。
「ケガ人でしょ、お姉ちゃんに大人しく守られて!」
「なっ、子ども扱いしないでください!」
私の前に出てこようとするアルネを後ろ手に掴んで阻止しながら、私は音がした茂みを注視した。
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