9 / 10
09
しおりを挟む
そこから兵士が二人出てくる。装備からして、私の方の刺客ではない。偉そうな事を言ってしまったけど、私はそんなに強くない。護身術程度に魔法が使えるだけ。どうしたものか。こんなに強そうな二人を相手にどうすれば。
「お言葉に甘えて、後ろからサポートしましょう、試してみた事もありますし」
「え? 何を試すの?」
私が問いかけると、アルネはなぜだか照れているような声で返してくる。恥ずかしがる要素は無かった気がするけど。
「僕の力とサミュの力……その、おそらくかなり相性が良いんですよ」
自分と私が相性が良いという事を、口に出すのが恥ずかしかったらしい。少し可愛らしさを感じながら、私は「わかった」と返事する。正直刺客がにじり寄って来ていて、今にも襲いかかってきそうなのだ。有利に事が運ぶならやってみない手はない。
アルネが、何かの呪文を唱え始める。聞いた事がない物のはずなのに、私はなぜかその詠唱に心地よさを感じた。本来なら未知の物に、恐ろしさを感じそうな物なのに。
「夕闇の帳」
アルネがその言葉を発した瞬間、波紋が広がる様に暗いオーラの様な物が広がって、私達と刺客がいる場所だけが、包まれる。
「あっ、なにこれ」
詠唱に心地よさを感じたのもそうだけど、この空間の中にいるとなんだか調子が良くなる。心が弾む。
「大丈夫ですか?」
アルネの問いかけに、私は頷いて返す。それよりも異常な事が起こっていて、私はそこから目を離せずにいた。明らかに刺客たちは体調が悪そうというか、経っている事さえ難しそうに片膝を地面について、喘いでいる。どうしてだろう。私にはこんなに心地よく、調子が良くなる物なのに。
「夕闇の帳は呪いの力によって、相手を弱体化させる空間を作り出す呪術です、やっぱりあなたにとっては強化になる様だ」
なんだかよくわからなくていろいろ聞きたいところだけど、刺客たちはフラフラと立ち上がって、こちらに向かってきている。かなり足は遅いし、息も絶え絶え。私でも目で動きを追える。これなら護身術程度の魔法でも倒せそうだ。私は魔法弾を、刺客たちに向かってぶつける。
「うわ」
私が自分で撃った魔法弾に驚いてしまった。威力が格段に上がっている。刺客たちを吹っ飛ばしてしまった。これも夕闇の帳の効果だろうか。呆然としている私の手をアルネが掴むと「とりあえずここから離れましょう」と歩き出す。夕闇の帳が消え去って、少し名残惜しさを感じながら、アルネの後に続く。
「お言葉に甘えて、後ろからサポートしましょう、試してみた事もありますし」
「え? 何を試すの?」
私が問いかけると、アルネはなぜだか照れているような声で返してくる。恥ずかしがる要素は無かった気がするけど。
「僕の力とサミュの力……その、おそらくかなり相性が良いんですよ」
自分と私が相性が良いという事を、口に出すのが恥ずかしかったらしい。少し可愛らしさを感じながら、私は「わかった」と返事する。正直刺客がにじり寄って来ていて、今にも襲いかかってきそうなのだ。有利に事が運ぶならやってみない手はない。
アルネが、何かの呪文を唱え始める。聞いた事がない物のはずなのに、私はなぜかその詠唱に心地よさを感じた。本来なら未知の物に、恐ろしさを感じそうな物なのに。
「夕闇の帳」
アルネがその言葉を発した瞬間、波紋が広がる様に暗いオーラの様な物が広がって、私達と刺客がいる場所だけが、包まれる。
「あっ、なにこれ」
詠唱に心地よさを感じたのもそうだけど、この空間の中にいるとなんだか調子が良くなる。心が弾む。
「大丈夫ですか?」
アルネの問いかけに、私は頷いて返す。それよりも異常な事が起こっていて、私はそこから目を離せずにいた。明らかに刺客たちは体調が悪そうというか、経っている事さえ難しそうに片膝を地面について、喘いでいる。どうしてだろう。私にはこんなに心地よく、調子が良くなる物なのに。
「夕闇の帳は呪いの力によって、相手を弱体化させる空間を作り出す呪術です、やっぱりあなたにとっては強化になる様だ」
なんだかよくわからなくていろいろ聞きたいところだけど、刺客たちはフラフラと立ち上がって、こちらに向かってきている。かなり足は遅いし、息も絶え絶え。私でも目で動きを追える。これなら護身術程度の魔法でも倒せそうだ。私は魔法弾を、刺客たちに向かってぶつける。
「うわ」
私が自分で撃った魔法弾に驚いてしまった。威力が格段に上がっている。刺客たちを吹っ飛ばしてしまった。これも夕闇の帳の効果だろうか。呆然としている私の手をアルネが掴むと「とりあえずここから離れましょう」と歩き出す。夕闇の帳が消え去って、少し名残惜しさを感じながら、アルネの後に続く。
0
あなたにおすすめの小説
婚約破棄された際もらった慰謝料で田舎の土地を買い農家になった元貴族令嬢、野菜を買いにきたベジタリアン第三王子に求婚される
さら
恋愛
婚約破棄された元伯爵令嬢クラリス。
慰謝料代わりに受け取った金で田舎の小さな土地を買い、農業を始めることに。泥にまみれて種を撒き、水をやり、必死に生きる日々。貴族の煌びやかな日々は失ったけれど、土と共に過ごす穏やかな時間が、彼女に新しい幸せをくれる――はずだった。
だがある日、畑に現れたのは野菜好きで有名な第三王子レオニール。
「この野菜は……他とは違う。僕は、あなたが欲しい」
そう言って真剣な瞳で求婚してきて!?
王妃も兄王子たちも立ちはだかる。
「身分違いの恋」なんて笑われても、二人の気持ちは揺るがない。荒れ地を畑に変えるように、愛もまた努力で実を結ぶのか――。
五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~
放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」
大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。
生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。
しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。
「すまない。私は父としての責任を果たす」
かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。
だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。
これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。
国外追放ですか? 承りました。では、すぐに国外にテレポートします。
樋口紗夕
恋愛
公爵令嬢ヘレーネは王立魔法学園の卒業パーティーで第三王子ジークベルトから婚約破棄を宣言される。
ジークベルトの真実の愛の相手、男爵令嬢ルーシアへの嫌がらせが原因だ。
国外追放を言い渡したジークベルトに、ヘレーネは眉一つ動かさずに答えた。
「国外追放ですか? 承りました。では、すぐに国外にテレポートします」
転生したら、乙女ゲームの悪役令嬢だったので現実逃避を始めます
山見月あいまゆ
恋愛
私が前世を思い出したのは前世のことに興味を持った時だった
「えっ!前世って前の人生のことなの。私の前の人生はなんだろう?早く思い出したい」
そう思った時すべてを思い出した。
ここは乙女ゲームの世界
そして私は悪役令嬢セリーナ・グランチェスタ
私の人生の結末はハーッピーエンドなんて喜ばしいものじゃない
バットエンド処刑されて終わりなのだ
こんなことを思い出すなら前世を思い出したくなかった
さっき言ったこととは真逆のことを思うのだった…
貧乏伯爵家の妾腹の子として生まれましたが、何故か王子殿下の妻に選ばれました。
木山楽斗
恋愛
アルフェンド伯爵家の妾の子として生まれたエノフィアは、軟禁に近い状態で生活を送っていた。
伯爵家の人々は決して彼女を伯爵家の一員として認めず、彼女を閉じ込めていたのである。
そんな彼女は、ある日伯爵家から追放されることになった。アルフェンド伯爵家の財政は火の車であり、妾の子である彼女は切り捨てられることになったのだ。
しかし同時に、彼女を訪ねてくる人が人がいた。それは、王国の第三王子であるゼルーグである。
ゼルーグは、エノフィアを妻に迎えるつもりだった。
妾の子であり、伯爵家からも疎まれていた自分が何故、そんな疑問を覚えながらもエノフィアはゼルーグの話を聞くのだった。
婚約破棄宣言をされても、涙より先に笑いがこみあげました。
一ノ瀬和葉
恋愛
「――セシリア・エルディアとの婚約を、ここに破棄する!」
煌めくシャンデリアの下で、王太子リオネル殿下が声を張り上げた。
会場にいた貴族たちは一斉に息を呑み、舞踏の音楽さえ止まる。
……ああ、やっと来たか。
婚約破棄。断罪。悪役令嬢への審判。
ここで私は泣き崩れ、殿下に縋りつき、噂通りの醜態をさらす――
……はずだったのだろう。周囲の期待としては。
だが、残念。
私の胸に込みあげてきたのは、涙ではなく、笑いだった。
(だって……ようやく自由になれるんですもの)
その瞬間の私の顔を、誰も「悪役令嬢」とは呼べなかったはずだ。
なろう、カクヨム様でも投稿しています。
なろう日間20位 25000PV感謝です。
※ご都合注意。後日談の方を一部修正しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる