玉の輿がしたいだけなのに!~毎度事件が起こる上に、興味のない平民魔法師団長から溺愛されるメイドの事件手帳~

高岩唯丑

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エキセントリック・メイドドリーム

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 私はセブリアンの自室の前に立って、一度深呼吸をする。もしかしたら犯人かもしれないという気持ちが、私を緊張させた。昨日の夜の事を聞いたら、消されてしまうのではとちょっと思う。私の様な卑しい上に平民使用人なら居なくなった事にしてしまえば、きっとみんな何も言わない。相手は王族なんだし。
 意を決して、私はセブリアンの自室のドアをノックする。中から反応は無い。少し安心してしまいながら、私は考える。何処かに行っているのだろうか。そういえば、エミラもいないと言っていた気がする。王様が殺されて、騎士団と魔法師団の調査が行われているし、部屋で大人しくしていてほしい物だ。
「セブリアン様はどこか好きな場所はあったかな」
 あんまり隙が無いから、そういうのは分かっていない。唯一好きな物が読書という事が、分かっているくらい。
「どうした? こんな所で」
 部屋の前でどうしようかと考えていると、突然声をかけられてそちらに顔を向ける。
「セブリアン様」
 少し苛立った声。それに表情も不機嫌な様子だった。私は怒られる前に、すぐ部屋の前から移動する。セブリアンがそれを見て、自室のドアに手をかけた。そういえばどういう理由で訪ねるか、考えていなかった。慌てて言い訳を考えていると、何も言わないでいる私にしびれを切らしたように、セブリアンの方が先に口を開く。
「まぁいい……ちょうどいいしな、中に入ってくれ」
 ちょうどいいとは、どういう事だろう。私は不思議に思いながら招き入れられた部屋に、セブリアンと一緒に入る。部屋に入ったセブリアンは、少し乱暴に椅子へと腰掛けた後ため息をつく。
「どう……されました?」
 怒られないかとびくびくしながら、恐る恐る理由を尋ねてみる。それに対してセブリアンは、懐から紙らしきものを取り出して、こちらに差し出してくる。
「字は読めるな? 読んでみてくれ」
 ちゃんと読めると私は少しムッとしつつ、差し出された物を受け取った。開いてみて、それが手紙という事に気付く。内容は「王殺害の犯人を見つける手掛かりがあります、シンクフォイル園の東屋へ来ていただけませんか」と短く書いてあった。シンクフォイル園とは、たぶんだけど城の南西にある庭園の事だろう。
「犯人の手掛かり?」
 それはすごい事だ。今それを聞いてきたのだろうか。私は少し期待を込めて、セブリアンを見る。
「あぁ、それで南西にある庭園に行ってきたが、誰も現れなかった」
 ため息まじりのセブリアンの声。誰も来なかったから、苛立った様子だったらしい。
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