玉の輿がしたいだけなのに!~毎度事件が起こる上に、興味のない平民魔法師団長から溺愛されるメイドの事件手帳~

高岩唯丑

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エキセントリック・メイドドリーム

エピローグ03

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「あら、奇遇……アリーン様」
 現れたエルラが、アリーンの腕にしなだれかかる。
「や、やめたまえ」
「あら、ベルもいたの?」
 アリーンの抵抗を無視して、エルラが私に顔を向ける。
「いちゃいけないの?!」
 なんかアリーンは抵抗しているのだけど、少し鼻の下が伸びている気がして、イラッとして声が強くなってしまう。
「べつにぃ、アリーン様ぁ、こんな愛想の悪い猫なんかじゃなくて、私にしませんか、くぅぅん」
 エルラはそう言いながら、尻尾をビュンビュンと振って体を密着させる。愛想を振りまくのが上手い犬め。というかアリーンがエルラを押しのけようとしている感じに、いまいち本気さが感じられなくて、イラッとする。
 私は黙ってアリーンとエルラの間に入って、引き離した。それからアリーンの腕を引っ張って執務室の方に向かって進む。
「こっ、これは、僕を選んでくれるという事で良いのかね」
 嬉しそうな声をあげるので、私はアリーンを睨みつけて「うるさい」と一喝する。そういう事ではない。そういう事ではないのだ。
「……いなくなっちゃわない様に、しっかり掴んでないとダメよ」
 後ろからエルラの声が聞こえる。私が振り向くと、エルラは少し泣きそうな顔をしていた。
「……うるさい」


 やっとの事で執務室にたどり着いた私とアリーンは、並んでセブリアンに向かい合う。トールもその場にいた。
「まずは礼を言いたい……王と兄上の事件を解決してくれて、ありがとう」
 頭を下げたセブリアンの言葉を合図にする様に、トールも一緒に頭を下げる。さすがに王族に頭を下げられるのは困ってしまう。私とアリーンはほぼ同時に慌てだして、口を開いた。
「い、いや! 頭を上げてください! それほどの事は」
「そうです、ベルはあくまで下心から……」
 それは言わせる訳にいかない。私はすぐさまアリーンの頭をはたいて、言葉の続きを阻止する。そうしていると頭を上げたセブリアンが口を開いた。
「本当に感謝しているのだ、礼を受け取ってくれ」
「そうだよ、本当に感謝しているんだよ」
 続いて頭を上げて口を開いたトール。二人は真剣な表情をしていた。私は渋々頷く。それを見たセブリアンは満足げに頷いて、口を開いた。
「それで二人に一つ頼みたい事がある」
「頼み……ですか?」
 私の言葉にセブリアンは頷いて、考えを今初めて声に出すという感じで口を開く。
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