玉の輿がしたいだけなのに!~毎度事件が起こる上に、興味のない平民魔法師団長から溺愛されるメイドの事件手帳~

高岩唯丑

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エキセントリック・メイドドリーム

エピローグ04

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「王直轄の調査隊を作りたい……そして、ベルをその隊長に、アリーンを技術補佐に」
「隊長?!」
「爵位の授与では?!」
 とりあえず爵位の件は予想通りだったから、私はアリーンの間抜けな表情を両手で押しのけて口を開く。
「私は獣人族ですよ?! それにメイドの仕事が」
「……獣人族が中枢の仕事において長を勤めた例はない、だが私は、この国を変えたい……差別をなくしたいのだ、その為の最初の取り組みとして、獣人族のベルを隊長にしたい……適正を考えた上だし、メイドの仕事に誇りがあるならそれを取り上げる気もない、調査隊の任務がない時はメイドとして働いて構わない」
 セブリアンの目は真剣そのものだった。獣人族の差別をなくすため。私はその言葉に少し光を感じる。もしかしたら。
「爵位の授与は?!」
 アリーンが再度声をあげる。もうないから。
「それも考えよう、アリーンには魔法師団長と技術補佐を兼任してもらわなければならないからな、その働きに対して報いなければ」
 セブリアンがそう言った瞬間、アリーンは「その任、承りました!」とのたまう。こいつ。
「やろうベル、差別を無くす為に」
 拳をグッと握り締めて、アリーンは私に顔を向ける。こいつ。

 私は考えた。王族を諦め別の貴族の所に雇われて、玉の輿を狙い続ける道もある。メイドドリームを追い続ける道も。でも、でもこれまで苦しんできた物を取り除ければ、メイドドリームなんて、愛玩動物の様な生き方以外にも、道を作れるかもしれない。そこまでの道は険しいかもしれないけど、やってみる価値はあるのかもしれない。
 私は顔をあげて、口を開く。

 メイドドリームが、ちょっと変わったメイドドリームに変わってしまったな。
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