闘いの日々には、もうウンザリ!妖怪の王は、異世界でスローライフを目指す……が、ままならず!

高岩唯丑

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第一章

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「ところで、聞きそびれていましたが、お名前は?」
 スライムが先導する様に、私の前を進み始めながら、聞いてきた。
「爽姫だよ、君の名前は?」
 私は流れで名前を聞く。自己紹介をお互いしてしまったら、それなりに仲が良い事になってしまう。厄介事を断り辛くなってしまう。私は少し、ため息をつきながら、スライムの答えを待った。
「サワ・ヒメ様ですね……僕はスー、です」
「スー君ね」
 また変なところで区切られた。
「はい……ちなみにさっきの奴らは、魔王軍です」
 あぁ、聞いてもない事を話し始めた。やっぱり、積極的に巻き込もうとしている気がする。
「僕は穏健派で、あいつら、穏健派には問答無用で襲いかかってくるんですよ」
 スーは怒っているのか、進みながら、少し飛び跳ねている。
「やつらは本当に、物騒です、魔王軍は人間を滅ぼして、モンスターが世界を支配する事を望んでいる危ないやつらです」
「うわぁ、物騒」
 本当にやばいやつらの様だ。絶対に関わりたくない。
「でも僕らは、穏健派ですから、平和第一主義で生きています、人間とも共存できるならした方がいい」
「平和第一いいわ、戦いとかウンザリ、のんびり暮らしたい」
 私は少し強調して言った。戦いに巻き込まれるのはうんざりだ。私はのんびりスローライフを送りたいんだ。
「そう考えられるなら、サワ様は、穏健派ですね」
 スーは穏健派という言葉を強調して言う。魔王軍か、穏健派かと言われれば穏健派だけど、穏健派と行動を共にすると、否応なく、魔王軍に襲われる事になる。だからといって、魔王軍に入ったら、魔王軍からの攻撃は無くなるけど、たぶん、物騒な事を命じられて、断ったら、リンチとかそういう事だろう。中立派とかいないのだろうか。私はそんな事を考えながら、スーの言葉をスルーした。はっきりと穏健派ですとは言わない。わずかな抵抗。
「でもさぁ、人間と共存って難しいよね」
「そうです、魔王軍が人間に積極的に攻撃しているせいで、モンスターはすべて、危険な存在と、おそらく人間は思っています」
 そもそも人間とモンスターでは波長が合わないから、会話ができない。まぁ会話ができた所で、話を聞いてくれるかどうかわからない。穏健派と魔王軍を見分ける術が無いのだから、嘘と決めつけられるのがオチだろう。
「というか、穏健派って、結構立場が厳しいよね、人間からは魔王軍と思われて、攻撃されるし、魔王軍からは問答無用で攻撃される、平和を掲げてるから、戦わないって事だろうし」
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