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第三章
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「サワ様! 助けていただいてありがとうございます!」
先頭にいたゴブリンが開口一番にそう言った。
「あぁ、うん……ところで、私どこで君たちを助けたかな? 申し訳ない話だけど、全然、分からなくて」
「大丈夫です、恐らくそうだろうと思っていました、助けられたといっても……間接的という方が正しかもしれません」
ゴブリンが少し考えるようにそう言った。私は思い当たる節を口に出す。というかこれしかないだろう。
「もしかして、魔王軍のゴブリンを倒したから?」
「はい! そうです」
満面の笑みを浮かべて、ゴブリンが言う。後ろに控えていたゴブリンたちも、つられるように、顔をほころばせる。ゴブリンが続けた。
「あいつらに僕たちは、ずっと虐げられてきました、奴隷のように扱われて、逃げたくても逃げられず、毎日苦しくて、そうしていたら、サワ様があの洞窟で、やつらを倒してるのも見ました」
あの時、見られていたのか。気配に気づかなかった。変なスイッチ入ってたから。いや待てよ、見ていたという事は。
「ちょっと待ってね、よく考えたら、君たちに見張りは、ついてたの?」
奴隷のように扱われていたなら、誰かが逃げないように見張っていたのではないか。
「はい……慌ててどこかに行ってしまって、その隙に逃げられました」
私は頭を抱えて、その場に座り込む。やらかした。完全にやらかした。全部倒したと思って油断していた。見られていたのか。しかも、穏健派だけじゃない、魔王軍のゴブリンに。どこまで報告が行くかわからないけど、少なくとも、やつらをまとめているやつの耳には入ってしまった。
「くそぉう、失敗したぁ」
私は悔しさを地面を叩く事で、紛らわそうとする。そんな事で紛らわせられないが、やらずにはいられない。スローライフが、私のスローライフが、まだ始まってもいないけど。
「だ、大丈夫ですか?」
周りのモンスターたちが、心配そうに寄ってくる。私はその場でふらりと立ち上がると「大丈夫」とか細く声を出した。
「はぁ」
私は毎度、怒りで失敗している。私の起源たる感情であり、妖力の源たる感情だから、消し去る事は出来ないけど、ずっと抑え込んでいたのに。結局、同じような失敗をしたのだ。いや、まだマシな失敗の仕方だろうか。自分のための怒りじゃない、他人のための怒り。
「いや、まだ、希望は捨てないぞ」
まだ、大丈夫だ。上手くやれば、のんびりスローライフを過ごす事ができるはずだ。私が決意を新たにしていると、いきなり、リーヴェの「サワ! 大変よ!」という声が聞こえてきた。若干焦り気味の様な声な気がするが、たぶん私に会いたくて、焦っているに違いない。きっとそうだ。私は笑顔でリーヴェを迎える。
「やぁ、さっそく遊びに来たんだね! はは……」
先頭にいたゴブリンが開口一番にそう言った。
「あぁ、うん……ところで、私どこで君たちを助けたかな? 申し訳ない話だけど、全然、分からなくて」
「大丈夫です、恐らくそうだろうと思っていました、助けられたといっても……間接的という方が正しかもしれません」
ゴブリンが少し考えるようにそう言った。私は思い当たる節を口に出す。というかこれしかないだろう。
「もしかして、魔王軍のゴブリンを倒したから?」
「はい! そうです」
満面の笑みを浮かべて、ゴブリンが言う。後ろに控えていたゴブリンたちも、つられるように、顔をほころばせる。ゴブリンが続けた。
「あいつらに僕たちは、ずっと虐げられてきました、奴隷のように扱われて、逃げたくても逃げられず、毎日苦しくて、そうしていたら、サワ様があの洞窟で、やつらを倒してるのも見ました」
あの時、見られていたのか。気配に気づかなかった。変なスイッチ入ってたから。いや待てよ、見ていたという事は。
「ちょっと待ってね、よく考えたら、君たちに見張りは、ついてたの?」
奴隷のように扱われていたなら、誰かが逃げないように見張っていたのではないか。
「はい……慌ててどこかに行ってしまって、その隙に逃げられました」
私は頭を抱えて、その場に座り込む。やらかした。完全にやらかした。全部倒したと思って油断していた。見られていたのか。しかも、穏健派だけじゃない、魔王軍のゴブリンに。どこまで報告が行くかわからないけど、少なくとも、やつらをまとめているやつの耳には入ってしまった。
「くそぉう、失敗したぁ」
私は悔しさを地面を叩く事で、紛らわそうとする。そんな事で紛らわせられないが、やらずにはいられない。スローライフが、私のスローライフが、まだ始まってもいないけど。
「だ、大丈夫ですか?」
周りのモンスターたちが、心配そうに寄ってくる。私はその場でふらりと立ち上がると「大丈夫」とか細く声を出した。
「はぁ」
私は毎度、怒りで失敗している。私の起源たる感情であり、妖力の源たる感情だから、消し去る事は出来ないけど、ずっと抑え込んでいたのに。結局、同じような失敗をしたのだ。いや、まだマシな失敗の仕方だろうか。自分のための怒りじゃない、他人のための怒り。
「いや、まだ、希望は捨てないぞ」
まだ、大丈夫だ。上手くやれば、のんびりスローライフを過ごす事ができるはずだ。私が決意を新たにしていると、いきなり、リーヴェの「サワ! 大変よ!」という声が聞こえてきた。若干焦り気味の様な声な気がするが、たぶん私に会いたくて、焦っているに違いない。きっとそうだ。私は笑顔でリーヴェを迎える。
「やぁ、さっそく遊びに来たんだね! はは……」
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