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第3章 サード・オブ・ザ・デッド
その3
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昼休み中の校内の廊下は、生徒たちの行き交う姿で溢れていた。この平穏な風景がずっと続けばいいのだが、残念ながら、キザムが止めなければあの『大惨事』は必ず起きてしまうはずである。
何の因果で自分がタイムループ現象に巻き込まれることになったのかまるで見当も付かないが、今はやるべきことに集中するときである。今さら泣き言を言っても始まらないのだ。
すべてが無事に済んだら、運命の女神様に皮肉のひとつでも言ってやればいいさ。
キザムはともすれば恐怖に萎えてしまいそうになる自分の気持ちを奮い立たせて、自らの意思で『大惨事』が起きる現場へと向かって歩いていく。
幸いなことに、今回は前回と違って一人きりではない。頼もしい助っ人がいる。チラッと視線を前に向ければ、先を歩く沙世理の背中が見える。その足取りに迷いは一切ない。
二人で力を合わせれば、なんとかなりそうな気がしてきた。
「このまま二階に上っていってもいいのかしら?」
沙世理が階段の前でキザムの方にくるっと振り向いてきて、確認の声を掛けてきた。
「はい、そのまま二階に向かってください。二階の廊下を重点的に見回るのが一番だと思うので」
キザムはあの『大惨事』が起きた瞬間に居合わせてはいない。保健室で横になっていたからである。でも、逃げ惑う生徒たちの姿と、二階で見たあの衝撃的な光景を組み合わせて考えれば、おのずとあの『大惨事』が最初に起きた場所は、二階のどこかだと限られてくる。
確実にここだと場所を特定することは出来ないが、二階にいる生徒たちに目を配って、いち早く異変を察知すれば、最悪な事態は防げると踏んでいた。
「それじゃ、二階に向かうわね」
沙世理が軽快に階段を上がっていく。生徒たちに人気のある沙世理は、すれ違う何人もの生徒たちから親しげに声を掛けられる。中には立ち止まって話し込む女子生徒もいた。
「先を急ぎましょう」
キザムは沙世理の脇を抜けて、先に階段を進んでいく。話に夢中になっている女子生徒には悪いが、なにせこちらは人の命が懸かっているのだ。立ち話で時間を無駄にしたくない。
「悪いわね、ちょっと用事があるの」
沙世理も早々に話を切り上げて、再び階段を上り始める。
二人はそろって二階の廊下に立った。そこには、日本中の高校で見られるような平和で長閑な昼休みの風景が広がっていた。
キザムが通う高校は、上から見ると『日』の字の形をしている。二つの棟を三本の廊下で結んだ造りである。廊下に沿って進んでいけば、自然にぐるっと一周出来る。
「二手に分かれた方がいい? それとも──」
「ぼくと一緒に行動してください。何かあったときには、二人でいた方が最善だと思うので」
沙世理の言葉の先を読んで、キザムは答えた。
二手に分かれれば広い範囲を警戒出来るが、一人であの『大惨事』を前にしたら為す術がない。だとしたら、例え非効率的であっても、一緒に行動した方が良いように思えたのである。
「それじゃ、周囲を警戒しながら進むとしましょうか」
そこで沙世理は手首に嵌めた腕時計に目をやった。
「午後の授業まであと20分弱ね」
「昼休みが終わる頃には、もう『大惨事』は起こっていました。だから昼休みが終わる前に、なんとかして原因を見つけて、『大惨事』になる前に止めないとならないです」
原因が分からない以上、『大惨事』の始まりを止めることは絶対に出来ない。でも『大惨事』の広がりを止めることは出来る。その為には、『大惨事』の端緒を絶対に見逃さないことだった。
「何かヒントみたいなことはないの?」
沙世理の言いたいことは分かった。ただ漠然と警戒するように言われても、何に警戒したらいいのか分からないのだろう。
「とにかく、ひとりひとりの生徒たちの動きに注意してください。最初に生徒の誰かが襲わ──」
そこまで言ったところで、キザムは慌てて口を噤んだ。生徒が死んだ生徒に襲われたという話は、まだ沙世理にはしていないのだ。
「おそらくですが、最初に生徒が『何らかの事態』に巻き込まれて怪我をするところから『大惨事』は始まると思うんです」
言い方を柔らかい表現に変えて沙世理に教えた。
「その生徒はなんで怪我をしちゃうのかな?」
頭が鋭い沙世理はキザムの失言を見逃さなかったらしい。際どい質問を投げ掛けてくる。
「それは……ぼくも見ていないので……なんとも、言えないんですが……」
キザムは沙世理の追及から逃れるように、少しだけ廊下を歩くスピードを早めた。
「まあ、いいわ。そのときが来れば、どうせ分かることだろうからね」
沙世理もそれ以上は詳しく訊いてこなかった。
ごめんなさい、沙世理先生……。たぶん、ぼくが今考えていることを言っても、きっと信じてはもらえないから……。
このときキザムの頭の中では、ぼんやりとではあったが、あの『大惨事』の原因についてひとつの仮説が思い浮かんでいた。しかし、余りにも内容が非現実的過ぎて、自分でも信じられないレベルだったので、口に出すことが憚れたのだ。
そうだよな。だって、現実の世界にゾン──。
キザムが胸の内でぼやいた、まさにその瞬間──。
廊下にガラスが砕け散る甲高い破砕音が響き渡っていった。
キザムは後ろを振り返り、そこで沙世理と視線がぶつかった。互いに声には出さずに、アイコンタクトだけで頷きあった。
「走るわよ! 今だけ廊下を走ることを許可するわ!」
沙世理は冗談混じりに言ったかと思うと、もう駆け出していた。すぐにキザムを追い抜いて、全速力で廊下を走って行く。
「えっ? すごい瞬発力! 沙世理先生、学生時代に陸上部にでも入っていたのかな?」
キザムも負けじと早足で廊下を駆けて行く。
廊下ですれ違う生徒たちの顔は、まだ平常そのものである。今日日の高校生はたかがガラスが割れたくらいで焦ることはないのだ。
廊下の先に異変はまだ感じられない。
先を行く沙世理の背中が視界から消えた。廊下を曲がったのだ。どうやらトラブルの出所は教室ではなかったらしい。
あそこを曲がったということは、棟と棟を結ぶ廊下に面してある、トイレかそれとも教科別の準備室でトラブルが起きたっていうことなのかな?
頭の中で校内の地図を思い浮かべながら廊下を曲がると、予想していた通りの光景に出くわした。
トイレの前に十人ほどの人だかりが出来ていた。何かを取り囲むようにしている。スカート姿の制服を見ると、集まっているのは女子生徒ばかりであるのが分かる。
普段から女子生徒と接するのがあまり得意ではないキザムだったが、この緊急時にそんなことは言っていられない。
「すみません、前に行かせてください。すみません、お願いします、そこを通してください」
頭を下げながら、人混みを掻き分けていく。
「ねえ、友里美、大丈夫……? ねえ、大丈夫なの……? 返事をしてよ!」
輪の中心から女子生徒の悲痛な声が聞こえてきた。
「安心して、この子は大丈夫だから。傷口にはしっかり応急手当を施したから平気よ。あなたの方こそ落ち着いて」
沙世理の声も聞こえる。
ようやく輪の中心までやってきたキザムは、廊下の床に仰向けで横たえられている女子生徒の姿を見つめた。この女子生徒が友里美らしい。顔は蒼ざめており、意識が朦朧としている風である。左手の二の腕あたりをピンクのハンカチでグルグル巻きにされていた。ハンカチの表面に赤い染みがはっきりと浮き上がっているのが見て取れる。幸い、他に怪我をしている箇所は見当たらない。
友里美の脇には、さきほど聞こえた声の主であろう別の女子生徒の姿があった。心配げな表情で床の上の友里美を見つめている。おそらく、仲の良い友人なのだろうと察せられた。
「──先生、すぐに保健室に運んだ方がいいです」
キザムは沙世理のそばに近付き、小さな声で早口で囁いた。集まっている他の生徒たちに聞かせたくなかったのである。
最初は、このトラブルが果たしてあの『大惨事』に結ぶ付くのかどうか分からなかった。もしかしたら、単純に割れたガラスで怪我をしただけの可能性だって考えられる。
だが、今ははっきりと断言出来るとキザムは考えていた。なぜならば──。
「──分かったわ」
沙世理はすぐに決断を下してくれた。その場で背を屈める。
「この子を保健室に運ぶから、誰かわたしが背負うのを手伝ってくれるかしら?」
周囲にいた何人かの女子生徒が買って出て、床の友里美を持ち上げると、沙世理の背中にもたれ掛けさせる。
「それじゃ、この子のことはわたしに任せて。昼休みもそろそろ終わるから、あなたたちは教室に戻りなさい」
沙世理が友里美を背負ったまま、すくっと立ち上がった。沙世理が運動部経験者というキザムの読みは、あながち間違っていなかったみたいだ。
「あっ、あたしも保健室まで一緒についていきます!」
友里美の友人が声をあげた。
「分かったわ。あなたにも話を聞きたいから、保健室まで一緒に付いてきて」
「はい、分かりました」
女子生徒と沙世理が廊下を歩き出していく。
キザムは二人のあとに付いていった。キザムの厳しい視線は、しかし背負われている友里美ではなく、友人の方に向けられていた。
友人の顔を見たとき、キザムはハッとしたのだ。見知った顔だったのである。もっとも、本人は気が付いていないだろう。なぜならば、キザムと友里美の友人が会ったのは、一回目のループ世界の中だったのだ。
倉野真知奈──それが友里美の友人の名前である。
この子がここにいるということは、間違いなく、このトラブルからあの『大惨事』は始まったとみていいんだよな。
キザムはそう確信していた。
何の因果で自分がタイムループ現象に巻き込まれることになったのかまるで見当も付かないが、今はやるべきことに集中するときである。今さら泣き言を言っても始まらないのだ。
すべてが無事に済んだら、運命の女神様に皮肉のひとつでも言ってやればいいさ。
キザムはともすれば恐怖に萎えてしまいそうになる自分の気持ちを奮い立たせて、自らの意思で『大惨事』が起きる現場へと向かって歩いていく。
幸いなことに、今回は前回と違って一人きりではない。頼もしい助っ人がいる。チラッと視線を前に向ければ、先を歩く沙世理の背中が見える。その足取りに迷いは一切ない。
二人で力を合わせれば、なんとかなりそうな気がしてきた。
「このまま二階に上っていってもいいのかしら?」
沙世理が階段の前でキザムの方にくるっと振り向いてきて、確認の声を掛けてきた。
「はい、そのまま二階に向かってください。二階の廊下を重点的に見回るのが一番だと思うので」
キザムはあの『大惨事』が起きた瞬間に居合わせてはいない。保健室で横になっていたからである。でも、逃げ惑う生徒たちの姿と、二階で見たあの衝撃的な光景を組み合わせて考えれば、おのずとあの『大惨事』が最初に起きた場所は、二階のどこかだと限られてくる。
確実にここだと場所を特定することは出来ないが、二階にいる生徒たちに目を配って、いち早く異変を察知すれば、最悪な事態は防げると踏んでいた。
「それじゃ、二階に向かうわね」
沙世理が軽快に階段を上がっていく。生徒たちに人気のある沙世理は、すれ違う何人もの生徒たちから親しげに声を掛けられる。中には立ち止まって話し込む女子生徒もいた。
「先を急ぎましょう」
キザムは沙世理の脇を抜けて、先に階段を進んでいく。話に夢中になっている女子生徒には悪いが、なにせこちらは人の命が懸かっているのだ。立ち話で時間を無駄にしたくない。
「悪いわね、ちょっと用事があるの」
沙世理も早々に話を切り上げて、再び階段を上り始める。
二人はそろって二階の廊下に立った。そこには、日本中の高校で見られるような平和で長閑な昼休みの風景が広がっていた。
キザムが通う高校は、上から見ると『日』の字の形をしている。二つの棟を三本の廊下で結んだ造りである。廊下に沿って進んでいけば、自然にぐるっと一周出来る。
「二手に分かれた方がいい? それとも──」
「ぼくと一緒に行動してください。何かあったときには、二人でいた方が最善だと思うので」
沙世理の言葉の先を読んで、キザムは答えた。
二手に分かれれば広い範囲を警戒出来るが、一人であの『大惨事』を前にしたら為す術がない。だとしたら、例え非効率的であっても、一緒に行動した方が良いように思えたのである。
「それじゃ、周囲を警戒しながら進むとしましょうか」
そこで沙世理は手首に嵌めた腕時計に目をやった。
「午後の授業まであと20分弱ね」
「昼休みが終わる頃には、もう『大惨事』は起こっていました。だから昼休みが終わる前に、なんとかして原因を見つけて、『大惨事』になる前に止めないとならないです」
原因が分からない以上、『大惨事』の始まりを止めることは絶対に出来ない。でも『大惨事』の広がりを止めることは出来る。その為には、『大惨事』の端緒を絶対に見逃さないことだった。
「何かヒントみたいなことはないの?」
沙世理の言いたいことは分かった。ただ漠然と警戒するように言われても、何に警戒したらいいのか分からないのだろう。
「とにかく、ひとりひとりの生徒たちの動きに注意してください。最初に生徒の誰かが襲わ──」
そこまで言ったところで、キザムは慌てて口を噤んだ。生徒が死んだ生徒に襲われたという話は、まだ沙世理にはしていないのだ。
「おそらくですが、最初に生徒が『何らかの事態』に巻き込まれて怪我をするところから『大惨事』は始まると思うんです」
言い方を柔らかい表現に変えて沙世理に教えた。
「その生徒はなんで怪我をしちゃうのかな?」
頭が鋭い沙世理はキザムの失言を見逃さなかったらしい。際どい質問を投げ掛けてくる。
「それは……ぼくも見ていないので……なんとも、言えないんですが……」
キザムは沙世理の追及から逃れるように、少しだけ廊下を歩くスピードを早めた。
「まあ、いいわ。そのときが来れば、どうせ分かることだろうからね」
沙世理もそれ以上は詳しく訊いてこなかった。
ごめんなさい、沙世理先生……。たぶん、ぼくが今考えていることを言っても、きっと信じてはもらえないから……。
このときキザムの頭の中では、ぼんやりとではあったが、あの『大惨事』の原因についてひとつの仮説が思い浮かんでいた。しかし、余りにも内容が非現実的過ぎて、自分でも信じられないレベルだったので、口に出すことが憚れたのだ。
そうだよな。だって、現実の世界にゾン──。
キザムが胸の内でぼやいた、まさにその瞬間──。
廊下にガラスが砕け散る甲高い破砕音が響き渡っていった。
キザムは後ろを振り返り、そこで沙世理と視線がぶつかった。互いに声には出さずに、アイコンタクトだけで頷きあった。
「走るわよ! 今だけ廊下を走ることを許可するわ!」
沙世理は冗談混じりに言ったかと思うと、もう駆け出していた。すぐにキザムを追い抜いて、全速力で廊下を走って行く。
「えっ? すごい瞬発力! 沙世理先生、学生時代に陸上部にでも入っていたのかな?」
キザムも負けじと早足で廊下を駆けて行く。
廊下ですれ違う生徒たちの顔は、まだ平常そのものである。今日日の高校生はたかがガラスが割れたくらいで焦ることはないのだ。
廊下の先に異変はまだ感じられない。
先を行く沙世理の背中が視界から消えた。廊下を曲がったのだ。どうやらトラブルの出所は教室ではなかったらしい。
あそこを曲がったということは、棟と棟を結ぶ廊下に面してある、トイレかそれとも教科別の準備室でトラブルが起きたっていうことなのかな?
頭の中で校内の地図を思い浮かべながら廊下を曲がると、予想していた通りの光景に出くわした。
トイレの前に十人ほどの人だかりが出来ていた。何かを取り囲むようにしている。スカート姿の制服を見ると、集まっているのは女子生徒ばかりであるのが分かる。
普段から女子生徒と接するのがあまり得意ではないキザムだったが、この緊急時にそんなことは言っていられない。
「すみません、前に行かせてください。すみません、お願いします、そこを通してください」
頭を下げながら、人混みを掻き分けていく。
「ねえ、友里美、大丈夫……? ねえ、大丈夫なの……? 返事をしてよ!」
輪の中心から女子生徒の悲痛な声が聞こえてきた。
「安心して、この子は大丈夫だから。傷口にはしっかり応急手当を施したから平気よ。あなたの方こそ落ち着いて」
沙世理の声も聞こえる。
ようやく輪の中心までやってきたキザムは、廊下の床に仰向けで横たえられている女子生徒の姿を見つめた。この女子生徒が友里美らしい。顔は蒼ざめており、意識が朦朧としている風である。左手の二の腕あたりをピンクのハンカチでグルグル巻きにされていた。ハンカチの表面に赤い染みがはっきりと浮き上がっているのが見て取れる。幸い、他に怪我をしている箇所は見当たらない。
友里美の脇には、さきほど聞こえた声の主であろう別の女子生徒の姿があった。心配げな表情で床の上の友里美を見つめている。おそらく、仲の良い友人なのだろうと察せられた。
「──先生、すぐに保健室に運んだ方がいいです」
キザムは沙世理のそばに近付き、小さな声で早口で囁いた。集まっている他の生徒たちに聞かせたくなかったのである。
最初は、このトラブルが果たしてあの『大惨事』に結ぶ付くのかどうか分からなかった。もしかしたら、単純に割れたガラスで怪我をしただけの可能性だって考えられる。
だが、今ははっきりと断言出来るとキザムは考えていた。なぜならば──。
「──分かったわ」
沙世理はすぐに決断を下してくれた。その場で背を屈める。
「この子を保健室に運ぶから、誰かわたしが背負うのを手伝ってくれるかしら?」
周囲にいた何人かの女子生徒が買って出て、床の友里美を持ち上げると、沙世理の背中にもたれ掛けさせる。
「それじゃ、この子のことはわたしに任せて。昼休みもそろそろ終わるから、あなたたちは教室に戻りなさい」
沙世理が友里美を背負ったまま、すくっと立ち上がった。沙世理が運動部経験者というキザムの読みは、あながち間違っていなかったみたいだ。
「あっ、あたしも保健室まで一緒についていきます!」
友里美の友人が声をあげた。
「分かったわ。あなたにも話を聞きたいから、保健室まで一緒に付いてきて」
「はい、分かりました」
女子生徒と沙世理が廊下を歩き出していく。
キザムは二人のあとに付いていった。キザムの厳しい視線は、しかし背負われている友里美ではなく、友人の方に向けられていた。
友人の顔を見たとき、キザムはハッとしたのだ。見知った顔だったのである。もっとも、本人は気が付いていないだろう。なぜならば、キザムと友里美の友人が会ったのは、一回目のループ世界の中だったのだ。
倉野真知奈──それが友里美の友人の名前である。
この子がここにいるということは、間違いなく、このトラブルからあの『大惨事』は始まったとみていいんだよな。
キザムはそう確信していた。
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