29 / 70
第5章 フォース・オブ・ザ・デッド パートⅡ
その8
しおりを挟む
「ああ、そうだ。この世界は前の世界とは違うということを、オレに教えてくれたのを忘れたのか──?」
カケルが焦るキザムに対して言い聞かせるように言った。
「それは……たしかに、ぼくはそんなことを言ったけど……でも、それがなんだっていうんだよ……?」
キザムはまだカケルの言わんとしていることに気付けずにいた。
「ねえ、それって、この世界に『変化』が起きているっていうことが重要な問題なのかしら? つまり『バタフライエフェクト』が関係しているっていうことなの?」
傍らで黙って二人のやり取りを聞いていた沙世理が話に加わってきた。
「ええ、そうです。今までの世界と今回の世界は違うんです。だとしたら、ここでキザムが死んでも、確実にタイムループが起きるとは保障出来ないということです。もしもキザムが時間を巻き戻すために自ら死を選んだとしても、最悪な場合、キザムだけが死んで終わりということになりかねません。それこそ文字通り、無駄死に以外の何ものでもありません」
カケルの説明は理路整然としており、納得せざるをえなかった。しかし、頭ではそう分かっていても、気持ちは簡単に整理を付けることは出来なかった。
「それじゃ、ぼくはどうすればいいんだよ? ぼくのせいで流玲さんは死んだようなものなんだぞ……。ぼくが校庭に逃げるように伝えていれば、流玲さんは助かったのかもしれないのに……。ぼくのせいで……ぼくのせいで……」
キザムの心が再び絶望色に染まっていく。あのとき、なんで流玲に校庭に逃げるように言わなかったのか、悔やんでも悔やみきれない思いが胸を貫く。
「とにかく、これ以上ここに長居しているのは危険過ぎる。いつゾンビが襲ってくるか分からないからな。オレたちも一旦校庭に避難しよう。先のことを考えるのはそれからだ」
カケルがキザムの手を取り、その場に立たせようとする。
「なあ、カケル……。このまま流玲さんがいないままで、この世界は進んでいくってことなのか? もう二度と流玲さんには会えないってことなのか? 結局、ぼくはあの『大惨事』も防げなかったし、そればかりか、流玲さんも救えなかった……」
キザムはカケルの手を払いのけて、力なく床に座り込んだ。
「キザム……」
保健室が重たい空気に包まれた。だが、そこで意外な人物が救いの声をあげた。
「あの……ちょっといいですか……?」
おずおずとした声で発言をしたのは、今まで静かにイスに座り込んでいた慧子である。ようやく混乱から落ち着きを取り戻したらしい。
「どうしたの? 何か話したいことでもあるの?」
沙世理が気遣うように声を掛ける。
「あ、はい、もしかしたら、わたしが知っていることが役に立つかなと思って……。みなさんが話している内容は、正直よく理解出来なかったんですが、ただ、わたし──」
保健室に今いるメンバーの中で、慧子だけはタイムループの事情を知らないのだから、当たり前の反応といえた。
「いいわよ。話したいことがあったら、なんでも話してもらって構わないから」
沙世理が話の先を優しく促す。
「はい、それじゃ、話させてもらいますね。──あの、そちらの奥にいた人は……つまり、もう死んでいますけど……たぶん、流玲さんじゃないと思います……」
慧子の口から飛び出した衝撃的過ぎる発言を聞いて、キザムはもちろんのこと、カケルも沙世理も顔色を変えた。
「ど、ど、どういうことですか? そ、そ、それってどういう意味なんですか? だって、流玲さんは──」
キザムは地獄で仏に会ったような目で慧子の顔をじっと凝視した。
「キザム、落ち着くんだ! 今は慧子さんの話を冷静に聞こう」
カケルが場の空気を読んだように声を発した。
「──慧子さん、話を続けてくれるかい?」
「はい、分かりました……。つまりですね、わたしのことはさっき話したと思いますが──」
「この騒動が起きる前は、理科準備室にいたっていう話だったよね?」
「ええ、そうです。わたしは校内放送を聞いて一度廊下に出たんですけど、そのときに見たんです」
「見た? それってまさか──」
「ええ、流玲さんを見たんです」
慧子ははっきりとそう断言した。
「でも、どうして君は流玲さんのことを……?」
それでもカケルは細かい質問を続ける。
「わたしは生徒会の委員をやっているんです。だから、各クラスの委員長のことはだいたい知っているんです。特に流玲さんはキレイな人だからよく覚えていたんです」
「それで君は流玲さんをどこで見たんだい?」
「わたしが廊下に出たときに、ちょうど流玲さんは三階に向かって階段を上っていくところでした。あの後ろ姿は絶対に流玲さんで間違いないと思います」
流玲のことを話す慧子の表情に、うそ偽りは一切感じられない。皆の役に立ちたいという顔をしている。
「そうか、流玲さんは三階に向かったのか……。保健室が危険だと感じて三階に逃げたのかな? いや、三階に逃げるよりは、校庭に逃げた方が安全だと思うが……」
カケルが腕組みをして、しきりに首を捻って何事か考える素振りを見せる。
「カケル、今はそんなことはどうでもいいだろう! 流玲さんが生きている可能性が出てきたんだから! 流玲さんを捜し出して、本人に聞けばいいだけだよ!」
キザムは今すぐにでも保健室を飛び出して、流玲を捜しにいきたい気分だった。
「キザム、焦るな。まだ分からないことがひとつある。──それじゃ、保健室の奥で死んでいたのはいったい誰なんだよ?」
「それなら私が答えるわ。──おそらく、あの遺体は喜田藤くんだと思うわ」
沙世理が輪の中に一歩進み出てきた。
「喜田藤? それって誰なんですか?」
「仮病を使ってしょっちゅう保健室に休みに来る男子生徒よ。まったく、私も迂闊だったわ。あなたたちから流玲さんの話を聞いていたから、てっきりあの遺体も流玲さんだとばかり思い込んでしまったみたい」
沙世理がちらっと保健室の奥のスペースに悲しげな目を向けた。
「なるほど。そういうことだったのか」
カケルもようやく納得したらしい。
「でも、先生が勘違いしたのもしょうがないですよ。あの遺体の状態では男女の区別はまったく付かないし、そもそも生前の姿すら想像出来ないくらい酷い有様だから……」
キザムはカケルと沙世理の会話を聞きながら、喜田藤には申し訳ないけど、ゾンビに喰い殺されたのが流玲ではなくて本当に良かったと切に思った。
「一応、オレがもう一度遺体を確認してみます」
言うが早いか、カケルは閉ざされたカーテンをもう一度開けて、素早く保健室の奥に入っていく。一分もしないで戻ってきたとき、カケルの顔には安堵の色が浮いていた。
「切り裂かれた制服の一部が落ちていましたが、女子のものではなく、男子のものでした。それと、手の指も何本かあったので念のため確認しましたが、こちらも太くてごつい男の指でした」
つまり男女の区別が付くものは、それぐらいの物証しか残されていないということだ。それだけ喜田藤の肉体はゾンビに喰い散らかされたということでもあった。
「悪いわね、生徒のあなたに嫌な作業をやらせてしまって」
珍しく沙世理がカケルに優しい声を掛けた。
「いえ、オレも自分の目で確認した方が納得出来ますから」
「それで、これからあなたたちはどうするつもりなの?」
「もちろん、キザムと一緒に三階に向かいます」
カケルの言葉には一瞬の迷いもなかった。
「カケル……」
キザムはカケルがキザムの気持ちを理解したうえで発言したのだと察した。
「いいのか? 本当にいいいのか? ぼくはひとりで行くつもりだったんだけど……」
「キザム、ここまで来たら、オレも最後の最後まで付き合うよ」
「カケル……ありがとう……」
それ以上の言葉はもう出てこなかった。言葉にすると、今度は目から涙が溢れ落ちそうだったのである。
「分かったわ。二人は三階に向かうのね。流玲さんを見つけられるように祈っているわ。悪いけど、わたしたちは先に校庭に避難させてもらうことにするから」
沙世理が下した決断に、キザムも異論はなかった。これ以上自分の我がままに沙世理を付き合わせるわけにはいかない。それに今は慧子がいる。沙世理が教師として生徒を避難させるのは当然のことだ。
「先生、ここまでありがとうございました。無事に逃げて下さいね。日立野さんも流玲さんについての情報を教えてくれて、本当にありがとう」
キザムは沙世理と慧子に丁寧にお礼を言った。この二人がいなかったら、どうなっていたか分からない。二人に対しては感謝の気持ちでいっぱいだった。
窓の外から緊急車両のサイレン音が聞こえてきた。誰かが通報したのだろう。これでようやく混乱も収束に向かうかもしれない。もっともゾンビを前にしたとき、果たして警察や消防がどの程度役に立つか見当も付かないが、それでもこれ以上の犠牲者はもう出ないだろうと思った。
「カケル、行こう」
キザムはカケルに声を掛けた。
「ああ、分かった」
カケルが一回軽く頷いて答える。
二人はたった今逃げ出してきた地獄へと舞い戻るべく、再び保健室を出ていくことにした。
カケルが焦るキザムに対して言い聞かせるように言った。
「それは……たしかに、ぼくはそんなことを言ったけど……でも、それがなんだっていうんだよ……?」
キザムはまだカケルの言わんとしていることに気付けずにいた。
「ねえ、それって、この世界に『変化』が起きているっていうことが重要な問題なのかしら? つまり『バタフライエフェクト』が関係しているっていうことなの?」
傍らで黙って二人のやり取りを聞いていた沙世理が話に加わってきた。
「ええ、そうです。今までの世界と今回の世界は違うんです。だとしたら、ここでキザムが死んでも、確実にタイムループが起きるとは保障出来ないということです。もしもキザムが時間を巻き戻すために自ら死を選んだとしても、最悪な場合、キザムだけが死んで終わりということになりかねません。それこそ文字通り、無駄死に以外の何ものでもありません」
カケルの説明は理路整然としており、納得せざるをえなかった。しかし、頭ではそう分かっていても、気持ちは簡単に整理を付けることは出来なかった。
「それじゃ、ぼくはどうすればいいんだよ? ぼくのせいで流玲さんは死んだようなものなんだぞ……。ぼくが校庭に逃げるように伝えていれば、流玲さんは助かったのかもしれないのに……。ぼくのせいで……ぼくのせいで……」
キザムの心が再び絶望色に染まっていく。あのとき、なんで流玲に校庭に逃げるように言わなかったのか、悔やんでも悔やみきれない思いが胸を貫く。
「とにかく、これ以上ここに長居しているのは危険過ぎる。いつゾンビが襲ってくるか分からないからな。オレたちも一旦校庭に避難しよう。先のことを考えるのはそれからだ」
カケルがキザムの手を取り、その場に立たせようとする。
「なあ、カケル……。このまま流玲さんがいないままで、この世界は進んでいくってことなのか? もう二度と流玲さんには会えないってことなのか? 結局、ぼくはあの『大惨事』も防げなかったし、そればかりか、流玲さんも救えなかった……」
キザムはカケルの手を払いのけて、力なく床に座り込んだ。
「キザム……」
保健室が重たい空気に包まれた。だが、そこで意外な人物が救いの声をあげた。
「あの……ちょっといいですか……?」
おずおずとした声で発言をしたのは、今まで静かにイスに座り込んでいた慧子である。ようやく混乱から落ち着きを取り戻したらしい。
「どうしたの? 何か話したいことでもあるの?」
沙世理が気遣うように声を掛ける。
「あ、はい、もしかしたら、わたしが知っていることが役に立つかなと思って……。みなさんが話している内容は、正直よく理解出来なかったんですが、ただ、わたし──」
保健室に今いるメンバーの中で、慧子だけはタイムループの事情を知らないのだから、当たり前の反応といえた。
「いいわよ。話したいことがあったら、なんでも話してもらって構わないから」
沙世理が話の先を優しく促す。
「はい、それじゃ、話させてもらいますね。──あの、そちらの奥にいた人は……つまり、もう死んでいますけど……たぶん、流玲さんじゃないと思います……」
慧子の口から飛び出した衝撃的過ぎる発言を聞いて、キザムはもちろんのこと、カケルも沙世理も顔色を変えた。
「ど、ど、どういうことですか? そ、そ、それってどういう意味なんですか? だって、流玲さんは──」
キザムは地獄で仏に会ったような目で慧子の顔をじっと凝視した。
「キザム、落ち着くんだ! 今は慧子さんの話を冷静に聞こう」
カケルが場の空気を読んだように声を発した。
「──慧子さん、話を続けてくれるかい?」
「はい、分かりました……。つまりですね、わたしのことはさっき話したと思いますが──」
「この騒動が起きる前は、理科準備室にいたっていう話だったよね?」
「ええ、そうです。わたしは校内放送を聞いて一度廊下に出たんですけど、そのときに見たんです」
「見た? それってまさか──」
「ええ、流玲さんを見たんです」
慧子ははっきりとそう断言した。
「でも、どうして君は流玲さんのことを……?」
それでもカケルは細かい質問を続ける。
「わたしは生徒会の委員をやっているんです。だから、各クラスの委員長のことはだいたい知っているんです。特に流玲さんはキレイな人だからよく覚えていたんです」
「それで君は流玲さんをどこで見たんだい?」
「わたしが廊下に出たときに、ちょうど流玲さんは三階に向かって階段を上っていくところでした。あの後ろ姿は絶対に流玲さんで間違いないと思います」
流玲のことを話す慧子の表情に、うそ偽りは一切感じられない。皆の役に立ちたいという顔をしている。
「そうか、流玲さんは三階に向かったのか……。保健室が危険だと感じて三階に逃げたのかな? いや、三階に逃げるよりは、校庭に逃げた方が安全だと思うが……」
カケルが腕組みをして、しきりに首を捻って何事か考える素振りを見せる。
「カケル、今はそんなことはどうでもいいだろう! 流玲さんが生きている可能性が出てきたんだから! 流玲さんを捜し出して、本人に聞けばいいだけだよ!」
キザムは今すぐにでも保健室を飛び出して、流玲を捜しにいきたい気分だった。
「キザム、焦るな。まだ分からないことがひとつある。──それじゃ、保健室の奥で死んでいたのはいったい誰なんだよ?」
「それなら私が答えるわ。──おそらく、あの遺体は喜田藤くんだと思うわ」
沙世理が輪の中に一歩進み出てきた。
「喜田藤? それって誰なんですか?」
「仮病を使ってしょっちゅう保健室に休みに来る男子生徒よ。まったく、私も迂闊だったわ。あなたたちから流玲さんの話を聞いていたから、てっきりあの遺体も流玲さんだとばかり思い込んでしまったみたい」
沙世理がちらっと保健室の奥のスペースに悲しげな目を向けた。
「なるほど。そういうことだったのか」
カケルもようやく納得したらしい。
「でも、先生が勘違いしたのもしょうがないですよ。あの遺体の状態では男女の区別はまったく付かないし、そもそも生前の姿すら想像出来ないくらい酷い有様だから……」
キザムはカケルと沙世理の会話を聞きながら、喜田藤には申し訳ないけど、ゾンビに喰い殺されたのが流玲ではなくて本当に良かったと切に思った。
「一応、オレがもう一度遺体を確認してみます」
言うが早いか、カケルは閉ざされたカーテンをもう一度開けて、素早く保健室の奥に入っていく。一分もしないで戻ってきたとき、カケルの顔には安堵の色が浮いていた。
「切り裂かれた制服の一部が落ちていましたが、女子のものではなく、男子のものでした。それと、手の指も何本かあったので念のため確認しましたが、こちらも太くてごつい男の指でした」
つまり男女の区別が付くものは、それぐらいの物証しか残されていないということだ。それだけ喜田藤の肉体はゾンビに喰い散らかされたということでもあった。
「悪いわね、生徒のあなたに嫌な作業をやらせてしまって」
珍しく沙世理がカケルに優しい声を掛けた。
「いえ、オレも自分の目で確認した方が納得出来ますから」
「それで、これからあなたたちはどうするつもりなの?」
「もちろん、キザムと一緒に三階に向かいます」
カケルの言葉には一瞬の迷いもなかった。
「カケル……」
キザムはカケルがキザムの気持ちを理解したうえで発言したのだと察した。
「いいのか? 本当にいいいのか? ぼくはひとりで行くつもりだったんだけど……」
「キザム、ここまで来たら、オレも最後の最後まで付き合うよ」
「カケル……ありがとう……」
それ以上の言葉はもう出てこなかった。言葉にすると、今度は目から涙が溢れ落ちそうだったのである。
「分かったわ。二人は三階に向かうのね。流玲さんを見つけられるように祈っているわ。悪いけど、わたしたちは先に校庭に避難させてもらうことにするから」
沙世理が下した決断に、キザムも異論はなかった。これ以上自分の我がままに沙世理を付き合わせるわけにはいかない。それに今は慧子がいる。沙世理が教師として生徒を避難させるのは当然のことだ。
「先生、ここまでありがとうございました。無事に逃げて下さいね。日立野さんも流玲さんについての情報を教えてくれて、本当にありがとう」
キザムは沙世理と慧子に丁寧にお礼を言った。この二人がいなかったら、どうなっていたか分からない。二人に対しては感謝の気持ちでいっぱいだった。
窓の外から緊急車両のサイレン音が聞こえてきた。誰かが通報したのだろう。これでようやく混乱も収束に向かうかもしれない。もっともゾンビを前にしたとき、果たして警察や消防がどの程度役に立つか見当も付かないが、それでもこれ以上の犠牲者はもう出ないだろうと思った。
「カケル、行こう」
キザムはカケルに声を掛けた。
「ああ、分かった」
カケルが一回軽く頷いて答える。
二人はたった今逃げ出してきた地獄へと舞い戻るべく、再び保健室を出ていくことにした。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
皆さんは呪われました
禰津エソラ
ホラー
あなたは呪いたい相手はいますか?
お勧めの呪いがありますよ。
効果は絶大です。
ぜひ、試してみてください……
その呪いの因果は果てしなく絡みつく。呪いは誰のものになるのか。
最後に残るのは誰だ……
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
「魔物の討伐で拾われた少年――アイト・グレイモント」
(イェイソン・マヌエル・ジーン)
ファンタジー
魔物の討伐中に見つかった黄金の瞳の少年、アイト・グレイモント。
王宮で育てられながらも、本当の冒険を求める彼は7歳で旅に出る。
風の魔法を操り、師匠と幼なじみの少女リリアと共に世界を巡る中、古代の遺跡で隠された力に触れ——。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる