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第7章 フォース・オブ・ザ・デッド パートⅣ
その1
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キザムはカケルを伴って四組の教室のドアを開けて中に入ると、待機していた生徒たちにこれからすべきことを伝えることにした。
「村咲生徒会長からの伝言がありますので、みなさんよく聞いてください。──先ほど悲鳴を聞いたかもしれませんが、この三階にも危険が迫ってきました。そこで、今からすぐに校庭に避難を始めるとのことです」
「おいおい、マジかよ……」
「やっぱり、さっきの悲鳴は三階だったんだ……」
「だったら、すぐにでも逃げようぜ」
生徒たちの間から口々に声が漏れてくる。今のところ、キザムの説明を不審がる様子は見受けられない。
「それから避難する前に、みなさんにひとつお願いがあります。力に自信がある生徒はイスと机を使って、三組の教室の前にバリケードを作ってください。──以上で生徒会長からの伝言は終わりです。では、ただちに行動に移ってください。ただし移動する際は、出来るだけ音をたてずにお願いします」
大半の生徒はキザムの話を聞いて速やかに移動を始めたが、数人の生徒たちが教室に居残り、キザムのことを不審げに見つめてきた。いきなりバリケードの話を聞かされて納得しかねているのが、その表情から読み取れた。キザム自身、自分で言っていて説得力に欠けるのは重々承知していた。しかしゾンビのことを話せない以上は、そう言い通すしかなかった。
教室内に居残っている生徒は、いわゆる悪ぶっている生徒たちで、この非常事態の状況をむしろ楽しんでいる風でさえあった。おそらく授業がなくなったので喜んでいるのだろう。彼らに身の危険が及ぶ可能性もあるので、ここは村咲に説得を頼むことにして、キザムは早々に五組の教室に移ることにした。今は長い時間を掛けて説得するだけの余裕はないのだ。どこかで切り上げないとならない。
次に五組の教室に入ると、先ほどした説明を繰り返した。五組の生徒の中にも首を傾げる様子を見せる生徒が何人かいたが、トラブルは起こらずに、結局、全員が速やかに移動を開始してくれたた。
「キザム、次の行動に移るぞ」
「うん、分かった」
キザムとカケルは廊下に出た。キザムと村咲の指示を受けた、見るからに運動が得意と思われる生徒たちが、イスや机を持って廊下をやってくる姿があった。これだけの人数がいれば、十分も掛からないうちにバリケードは完成しそうな感じだ。
防火シャッターに向かう生徒たちとバリケードを作る生徒たち。なるべく音はたてないようにと言ってあるが、これだけの大人数が一斉に行動していると、自然と音は出てしまう。音が出るということは、ゾンビに気付かれる可能性もそれだけ高くなるということでもある。
だが幸いにして、ゾンビに気付かれる前に、三組の教室の前にはバリケードが出来上がっていた。急場しのぎとはいえ、これで当分の間はゾンビ化した生徒が廊下に出てくるのを防ぐことが出来そうだった。
「よし、この分なら平気そうだね。ぼくたちも急いで防火シャッターに向かおう」
キザムの心にも少しだけ安心感が生まれた。バリケードの出来を確認すると、今度は防火シャッターに向かう。
防火シャッターの前にはもう人だかりが出来ていた。キザムは人の波を押しのけて、壁のスイッチを押した。ゆっくりと防火シャッターが持ち上がっていく。
床との間に隙間が出来たところで、カケルが屈みこんで、防火シャッターの反対側に危険がないか確認する。
「よし、オッケーだ。連中の姿はない」
安全だと分かったところで、キザムはそこにいる生徒全員に聞こえるように指示を出した。
「それじゃ、どんどん階段を降りて、校庭に避難してください」
生徒たちが我先にとまだ完全に上がりきっていない防火シャッターの下を潜って、次々に階段に向かっていく。
「カケル、ここはカケルに任せたから。ぼくは村咲さんの手伝いに行ってくるよ」
「悪いな。いつもならオレが行かなきゃならないのに、今の体調じゃかえって足手まといになりそうだからな」
「そんなことは気にしていないから」
キザムは防火シャッターの管理をカケルに任せて、村咲の元に急いだ。
廊下の先から大きな声が聞こえてきた。何事かと目をやると、村咲に詰め寄っている一人の女子生徒の姿があった。
「ねえ、これはどういういことなの? ちゃんと説明していよ! この教室の中には蔵口くんがいるのよ! 蔵口くんは怪我をしているんだよ! これじゃ、閉じ込めちゃうことになるでしょ!」
女子生徒は三組の教室をふさぐ形で出来上がったバリケードについて、物凄い剣幕で村咲に問い質している。反対に、村咲は困り顔を浮かべている。
もしかしたら、あの教室内にいた生徒の知り合いかもしれないな……。
すぐにキザムは事の真相に思い当たった。
「村咲生徒会長からの伝言がありますので、みなさんよく聞いてください。──先ほど悲鳴を聞いたかもしれませんが、この三階にも危険が迫ってきました。そこで、今からすぐに校庭に避難を始めるとのことです」
「おいおい、マジかよ……」
「やっぱり、さっきの悲鳴は三階だったんだ……」
「だったら、すぐにでも逃げようぜ」
生徒たちの間から口々に声が漏れてくる。今のところ、キザムの説明を不審がる様子は見受けられない。
「それから避難する前に、みなさんにひとつお願いがあります。力に自信がある生徒はイスと机を使って、三組の教室の前にバリケードを作ってください。──以上で生徒会長からの伝言は終わりです。では、ただちに行動に移ってください。ただし移動する際は、出来るだけ音をたてずにお願いします」
大半の生徒はキザムの話を聞いて速やかに移動を始めたが、数人の生徒たちが教室に居残り、キザムのことを不審げに見つめてきた。いきなりバリケードの話を聞かされて納得しかねているのが、その表情から読み取れた。キザム自身、自分で言っていて説得力に欠けるのは重々承知していた。しかしゾンビのことを話せない以上は、そう言い通すしかなかった。
教室内に居残っている生徒は、いわゆる悪ぶっている生徒たちで、この非常事態の状況をむしろ楽しんでいる風でさえあった。おそらく授業がなくなったので喜んでいるのだろう。彼らに身の危険が及ぶ可能性もあるので、ここは村咲に説得を頼むことにして、キザムは早々に五組の教室に移ることにした。今は長い時間を掛けて説得するだけの余裕はないのだ。どこかで切り上げないとならない。
次に五組の教室に入ると、先ほどした説明を繰り返した。五組の生徒の中にも首を傾げる様子を見せる生徒が何人かいたが、トラブルは起こらずに、結局、全員が速やかに移動を開始してくれたた。
「キザム、次の行動に移るぞ」
「うん、分かった」
キザムとカケルは廊下に出た。キザムと村咲の指示を受けた、見るからに運動が得意と思われる生徒たちが、イスや机を持って廊下をやってくる姿があった。これだけの人数がいれば、十分も掛からないうちにバリケードは完成しそうな感じだ。
防火シャッターに向かう生徒たちとバリケードを作る生徒たち。なるべく音はたてないようにと言ってあるが、これだけの大人数が一斉に行動していると、自然と音は出てしまう。音が出るということは、ゾンビに気付かれる可能性もそれだけ高くなるということでもある。
だが幸いにして、ゾンビに気付かれる前に、三組の教室の前にはバリケードが出来上がっていた。急場しのぎとはいえ、これで当分の間はゾンビ化した生徒が廊下に出てくるのを防ぐことが出来そうだった。
「よし、この分なら平気そうだね。ぼくたちも急いで防火シャッターに向かおう」
キザムの心にも少しだけ安心感が生まれた。バリケードの出来を確認すると、今度は防火シャッターに向かう。
防火シャッターの前にはもう人だかりが出来ていた。キザムは人の波を押しのけて、壁のスイッチを押した。ゆっくりと防火シャッターが持ち上がっていく。
床との間に隙間が出来たところで、カケルが屈みこんで、防火シャッターの反対側に危険がないか確認する。
「よし、オッケーだ。連中の姿はない」
安全だと分かったところで、キザムはそこにいる生徒全員に聞こえるように指示を出した。
「それじゃ、どんどん階段を降りて、校庭に避難してください」
生徒たちが我先にとまだ完全に上がりきっていない防火シャッターの下を潜って、次々に階段に向かっていく。
「カケル、ここはカケルに任せたから。ぼくは村咲さんの手伝いに行ってくるよ」
「悪いな。いつもならオレが行かなきゃならないのに、今の体調じゃかえって足手まといになりそうだからな」
「そんなことは気にしていないから」
キザムは防火シャッターの管理をカケルに任せて、村咲の元に急いだ。
廊下の先から大きな声が聞こえてきた。何事かと目をやると、村咲に詰め寄っている一人の女子生徒の姿があった。
「ねえ、これはどういういことなの? ちゃんと説明していよ! この教室の中には蔵口くんがいるのよ! 蔵口くんは怪我をしているんだよ! これじゃ、閉じ込めちゃうことになるでしょ!」
女子生徒は三組の教室をふさぐ形で出来上がったバリケードについて、物凄い剣幕で村咲に問い質している。反対に、村咲は困り顔を浮かべている。
もしかしたら、あの教室内にいた生徒の知り合いかもしれないな……。
すぐにキザムは事の真相に思い当たった。
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