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アイドル編
065 アイドル編41 RP参戦1
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「RPに出たいだって?」
RPに出ると言い出した菜穂さんに、神澤社長が難色を示す。
「そう。私達、Cランクに上がったけど、戦闘力がCランクにしては低すぎるわ。
最初は相手が私達の戦い方を知らないから勝てただけで、今後は対応されて戦況はもっと厳しくなるわ。
そこで必要なのは戦力増強。最低でも1艦は戦艦にクラスチェンジしないとだめだわ」
菜穂さんが社長に詰め寄る。
その後ろでメンバー全員が圧をかけている。
腕組みして社長を睨みつけている美優が圧になっているかは疑問だが。
「しかし、そんな危険なことをアイドルにさせるわけにはいかんだろ。
俺にも親御さんから娘さんを預かった責任というものが……」
「RPでは撃沈されてもプレイヤーを守る転送回収システムが完備されているそうじゃない?」
「確かにそれはあるが、転送回収艦が撃沈されることもあるんだぞ? 100%安全とは言えない」
RPには転送回収システムというものがあった。
SFOでは艦は消耗品であり、お金さえあれば新たな艦を手に入れることは可能だった。
しかし、プレイヤーという人的資源を失うことは、その艦を構成する特殊DNAを失うということでもあり、プレイヤーを手厚く保護する機構が設けられていた。
それがプレイヤーの命を守ることを目的とした転送回収システムだった。
転送回収システムは艦が致命的な損傷を受けると認識した時にプレイヤーを転送し救うというシステムだった。
艦のコクピットは強固なCIC外殻に守られており、その内部が破壊される前にプレイヤーを転送することが出来るというものだった。
これはステーション内で頻繁に使われている移動手段である転送ポートと同じ原理の装置で、転送先が戦場を俯瞰する位置に配置された転送回収艦に設定されている。
不幸にも撃沈されてしまった艦のパイロットは転送回収艦に転送され戦場から離れることになる。
だが、この転送回収艦が撃沈されてしまうと、収納人数の多さから他の転送回収艦に転送する暇がなく、巻き込まれて帰らぬ人となることがあった。
「多少のリスクは仕方ないわ。無謀な戦いはしないと約束するわ」
「菜穂、おまえはRPに反対だと思ったんだけどな」
「そうね。晶羅ちゃんが居なければ、RPに出ようなんて思わなかったかもしれないわ。
晶羅ちゃんの力は本物だわ。私達も晶羅ちゃんと一緒ならAランク艦隊にもなれると思ってる。
そのためにはどうしても戦力増強の資金がいるの。
危険なまねはしないわ。だから晶羅ちゃんを護衛専任にすることにしたのよ」
「どうしてもRPに出るんだな?」
「社長が戦力増強のお金を出してくれるなら考え直すわよ?」
「ぐぬぬ……」
とうとう菜穂さんが社長を言い負かした。
「わかった。認めよう。
ただし条件がある。全て晶羅の指示に従うこと。
それが守れないなら、RPは認められない」
「わかったわ。晶羅ちゃんの指示に従う」
菜穂さんが勝ち誇る横で社長が僕に射るような視線を飛ばしてくる。
これはあれか。皆に怪我一つさせたら承知しないという圧力か。
「社長、任せといて。皆には怪我なんてさせないから」
「くれぐれも頼んだぞ。晶羅」
やっと社長許可をとり、いよいよ僕たちはRPに出ることになった。
◇ ◇ ◇ ◇ ◆
「何なの? これ」
「デブリ回収のRPだよ?」
「デブリ回収は解っているわ。初心者講習でも説明があったから」
「聞くとやるとでは全然違うんだよ? まずデブリ回収に慣れれば戦闘後の敵艦の回収にも役立つんだからね?
それに昨日襲撃があったばかりだから、今日は敵艦と戦うRPは開催されてないんだよ?」
僕の説明に菜穂さん、紗綾、美優の三人ががっかりしている。
相当気負って参加したようだ。
綾姫はRPに何度も参加しているから、こんなものだと思っていそうだ。
「ほら、昨日出来立てのデブリがあるから回収するよ」
僕は昨日参加したRPによるデブリの散開状況を電脳にシミュレーションさせていた。
これによりデブリが溜まっているであろう重点宙域を予測してある。
そこへと一番乗り出来れば、かなりのデブリが回収出来るはずだ。
中には敵艦の兵装とかお宝があるかもしれない。
僕らはデブリ回収の作法に則り、宙域の端から占有宣言をかける。
5艦で固まり、集中的に回収していく。
その中心には思った通り、昨日撃沈され高速で漂流していた戦艦の残骸がある。
実はこれ、僕が撃沈して撃墜権を指定したデブリだ。
優先回収権も残っているので、他の回収屋さんが手を付けられなかった物件なのだ。
そこを隠して皆に回収させようという作戦だ。
「ちょっと晶羅ちゃん(公の場所では通常きらら呼びです)、戦艦よ! 戦艦!」
「これ私たちの物にしていいの~?」
「撃墜権の権利者にマージンは取られるけど概ねそうだよ」
事情を知っている綾姫がジト目で見て来るが、僕の気持ちを汲んで余計なことは言わないようだ。
「艦体は美優と紗綾でえい航して。
他の細かいデブリは僕と菜穂さんと綾姫で回収するよ」
「ん」「わかった」
「「了解」」
こうしてブラッシュリップス初回収業は戦艦1の回収となった。
ヤラセだけどね。でも視聴者やファンを騙すヤラセじゃないから罪はないでしょ?
RPに出ると言い出した菜穂さんに、神澤社長が難色を示す。
「そう。私達、Cランクに上がったけど、戦闘力がCランクにしては低すぎるわ。
最初は相手が私達の戦い方を知らないから勝てただけで、今後は対応されて戦況はもっと厳しくなるわ。
そこで必要なのは戦力増強。最低でも1艦は戦艦にクラスチェンジしないとだめだわ」
菜穂さんが社長に詰め寄る。
その後ろでメンバー全員が圧をかけている。
腕組みして社長を睨みつけている美優が圧になっているかは疑問だが。
「しかし、そんな危険なことをアイドルにさせるわけにはいかんだろ。
俺にも親御さんから娘さんを預かった責任というものが……」
「RPでは撃沈されてもプレイヤーを守る転送回収システムが完備されているそうじゃない?」
「確かにそれはあるが、転送回収艦が撃沈されることもあるんだぞ? 100%安全とは言えない」
RPには転送回収システムというものがあった。
SFOでは艦は消耗品であり、お金さえあれば新たな艦を手に入れることは可能だった。
しかし、プレイヤーという人的資源を失うことは、その艦を構成する特殊DNAを失うということでもあり、プレイヤーを手厚く保護する機構が設けられていた。
それがプレイヤーの命を守ることを目的とした転送回収システムだった。
転送回収システムは艦が致命的な損傷を受けると認識した時にプレイヤーを転送し救うというシステムだった。
艦のコクピットは強固なCIC外殻に守られており、その内部が破壊される前にプレイヤーを転送することが出来るというものだった。
これはステーション内で頻繁に使われている移動手段である転送ポートと同じ原理の装置で、転送先が戦場を俯瞰する位置に配置された転送回収艦に設定されている。
不幸にも撃沈されてしまった艦のパイロットは転送回収艦に転送され戦場から離れることになる。
だが、この転送回収艦が撃沈されてしまうと、収納人数の多さから他の転送回収艦に転送する暇がなく、巻き込まれて帰らぬ人となることがあった。
「多少のリスクは仕方ないわ。無謀な戦いはしないと約束するわ」
「菜穂、おまえはRPに反対だと思ったんだけどな」
「そうね。晶羅ちゃんが居なければ、RPに出ようなんて思わなかったかもしれないわ。
晶羅ちゃんの力は本物だわ。私達も晶羅ちゃんと一緒ならAランク艦隊にもなれると思ってる。
そのためにはどうしても戦力増強の資金がいるの。
危険なまねはしないわ。だから晶羅ちゃんを護衛専任にすることにしたのよ」
「どうしてもRPに出るんだな?」
「社長が戦力増強のお金を出してくれるなら考え直すわよ?」
「ぐぬぬ……」
とうとう菜穂さんが社長を言い負かした。
「わかった。認めよう。
ただし条件がある。全て晶羅の指示に従うこと。
それが守れないなら、RPは認められない」
「わかったわ。晶羅ちゃんの指示に従う」
菜穂さんが勝ち誇る横で社長が僕に射るような視線を飛ばしてくる。
これはあれか。皆に怪我一つさせたら承知しないという圧力か。
「社長、任せといて。皆には怪我なんてさせないから」
「くれぐれも頼んだぞ。晶羅」
やっと社長許可をとり、いよいよ僕たちはRPに出ることになった。
◇ ◇ ◇ ◇ ◆
「何なの? これ」
「デブリ回収のRPだよ?」
「デブリ回収は解っているわ。初心者講習でも説明があったから」
「聞くとやるとでは全然違うんだよ? まずデブリ回収に慣れれば戦闘後の敵艦の回収にも役立つんだからね?
それに昨日襲撃があったばかりだから、今日は敵艦と戦うRPは開催されてないんだよ?」
僕の説明に菜穂さん、紗綾、美優の三人ががっかりしている。
相当気負って参加したようだ。
綾姫はRPに何度も参加しているから、こんなものだと思っていそうだ。
「ほら、昨日出来立てのデブリがあるから回収するよ」
僕は昨日参加したRPによるデブリの散開状況を電脳にシミュレーションさせていた。
これによりデブリが溜まっているであろう重点宙域を予測してある。
そこへと一番乗り出来れば、かなりのデブリが回収出来るはずだ。
中には敵艦の兵装とかお宝があるかもしれない。
僕らはデブリ回収の作法に則り、宙域の端から占有宣言をかける。
5艦で固まり、集中的に回収していく。
その中心には思った通り、昨日撃沈され高速で漂流していた戦艦の残骸がある。
実はこれ、僕が撃沈して撃墜権を指定したデブリだ。
優先回収権も残っているので、他の回収屋さんが手を付けられなかった物件なのだ。
そこを隠して皆に回収させようという作戦だ。
「ちょっと晶羅ちゃん(公の場所では通常きらら呼びです)、戦艦よ! 戦艦!」
「これ私たちの物にしていいの~?」
「撃墜権の権利者にマージンは取られるけど概ねそうだよ」
事情を知っている綾姫がジト目で見て来るが、僕の気持ちを汲んで余計なことは言わないようだ。
「艦体は美優と紗綾でえい航して。
他の細かいデブリは僕と菜穂さんと綾姫で回収するよ」
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