117 / 199
領主編
113 領主編7 領地経営2 惑星改造
しおりを挟む
防衛戦略会議の結果、アノイ星系のハブ次元跳躍門防衛に3領軍から3000×3、工場惑星の無人艦2万3000とSFOゲーマーのうちRP参加の地球軍3000の合計3万5000艦を配備。
当初の予定の倍どころか3倍に達する戦力を配備した。
これはビギニ門をアノイ門からしか行けない設定にしたため、アノイ門の防衛の重要度が増したためだ。
アノイ門の防衛がビギニ門の防衛に繋がるため重点的に防衛することとなったのだ。
工場惑星の無人艦5万は緊急派遣軍として自由に動けるようにしてあるが、常駐するのはアノイ星系であり、実質8万5000の戦力を有することになる。
ビギニ星系の超ハブ次元跳躍門防衛には工場惑星の無人艦15000艦を配備した。
ビギニ星系のステーションに残ったSFOゲーマー5000はVP専門として緊急事態以外は防衛には参加しない。
SFOはRPをするならアノイ星系、VP専門ならビギニ星系で活動としたのだ。
アノイ星系にいるSFOゲーマーでも、ヴァーチャル空間で行われるVPであれば次元通信ネットワークによりビギニ星系の艦隊ともプレイ出来るのでVPも全く支障なく参加できる。
獣人族の領地があるアノイ門グループの領地は3領軍の残存戦力7000×3が防衛、アキラ直轄領のタタラ門グループにはアクア3以外は代官の艦隊を含め各有人惑星へ無人艦含む3000×5を配備することとなった。
アクア3はアクア子爵の領軍2500に無人艦1000を加え合計3500を配備した。
そして領地運営会議ではアキラ直轄領(旧プリンス直轄領)のタタラ門グループにて重水素が採掘出来る惑星開発をすることに決定。
獣人領(旧辺境)のアノイ門グループではグループ内で経済が完結出来るように畜産2農業2鉱業1水産1を賄う惑星を開発することに決定。
工場惑星は基本的にはアノイ要塞に配備。星系グループ内を自由に周り次元跳躍を行って星系探査と次元跳躍門設置を行うこととなった。
食料と燃料はグループ間での輸送さえ確保出来れば今でもなんとか安定的に賄うことが出来る。
しかし今後の発展のために近隣星系を探査し支配星系を増やす予定だ。
このような支配星系の新規開発は帝国では自由に行える。
次元跳躍門も帝国に申請し有益と判断されれば設置してもらえる。
しかし、その費用は莫大で新規開発した星系の利権を帝国に渡さない限りほぼ不可能だった。
だが、僕は工場惑星というとんでもない生産施設がある。
この工場惑星が次元跳躍門を生産できてしまう。
つまり僕は帝国に利権を渡すことなく星系開発が出来るのだ。
支配星系を増やそうと考えるのも当然だろう。
会議は続く。
「とりあえず、今直ぐに動けるのはアノイ星系の開発だね。
アノイ2は気温が高いことを除けば居住可能惑星として使える。
これは恒星アノイと惑星アノイ2の間に遮蔽フィールドの傘を設置すれば最適な温度に調整可能だ。
そしてこの技術はグラウルα、βにも使える。傘を惑星グラウル側に設置すれば少なくとも夏の移動は必要なくなる。
冬対策も人工太陽の設置という手段が考えられるが、春と秋への影響の問題があって技術や運用絡みの部分でまだ検討中だ。
最重要案件として傘の製造を工場惑星に依頼してある。
その資材として工場惑星に物資を提供する鉱物惑星か鉱物性の小惑星が必要だ。
アノイ星系にそのような惑星か小惑星があるだろうか?」
惑星アノイ2は帝国直轄領だとプリンスには聞いていたんだが、あれはプリンスが自らの皇子という身分を隠すためについた嘘だった。
プリンスから受けていた情報はかなりの部分で嘘があった。
その嘘は帝国への報告にもあり、アノイ星系の惑星の数、惑星の種類、資源などの情報は隠匿されていた。
惑星アノイ2には帝国の調査団も来ていたはずだが、おそらくブレインハックによって嘘の情報を報告させていたのだろう。
そのため新たに星系を探査しところ、惑星はアノイ1からアノイ4までが岩石惑星、その外にガス惑星のアノイ5があることがわかった。
それらの情報は全てサポートAIの愛さんに集約され、帝国でも閲覧可能となっていた。
僕の質問に愛さんが答える。
「アノイ3は岩石惑星でハビタブルゾーンの位置にありますが、コアが冷えて固まったため磁場を喪失、大気が太陽風により剥がされてしまっています。
これはジェネシス・システムを使えばテラフォーミング可能で、磁場と大気さえ戻れば気温もそのままで適温になると思われます。
鉱物採掘で潰すより居住可能惑星として整備する方が最適でしょう」
「となるとハビタブルゾーンの外にあるアノイ1かアノイ4で鉱物採掘するのが良いかもしれないな」
「そこは軌道上から資源探査した結果、アノイ4が適任と思われます」
アノイ1はアノイ2より灼熱だから採掘作業的にも適さないしね。
「それならアノイ4の衛星軌道上に工場惑星を配置、アノイ4で採掘した資源をマスドライバーで打ち出せばいいね」
「はい」
「鉱山開発なら、牛族が最適です。彼らはタタラ星系への出稼ぎで慣れております」
ジョンからの提案で牛族にアノイ4の鉱山を任せることにした。
これでアノイ星系にも鉱業と工業が発展していくだろう。
「ガス惑星のアノイ5も重水素の採取が可能だな」
「重水素の採取は我ら犬族の出番でしょう。我らにお任せください」
惑星グラウルの重水素採取もケイン元皇子の下請けで犬族がやっていた。
アノイ5も犬族に任せで大丈夫だろう。
適材適所で2つの惑星開発を任せられたのは幸運だった。
「アノイ星系の開発計画は概ね決まったかな?
それでは仕事を割り振った各種族は予算を申請のうえ必要な機材の分配を工場惑星より受けてくれ。
必要な機材は工場惑星に発注可能にしておく。工場惑星の生産力なら直ぐ用意出来るだろう。
僕はアノイ3のテラフォーミングに向かう。
カプリース星系とレリック星系は資源探査をして報告、次の開発は両星系の予定だ。
近隣星系の観測もしておくように。
何か質問は?」
僕はみんなの顔を見回す。質問はなし。
「よし第一次開発、アノイ星系開発計画を始める。仕事にかかれ!」
◇ ◇ ◇ ◇ ◆
僕と護衛の神澤准男爵と護衛艦隊は惑星アノイ3にやって来た。
惑星アノイ3はハビタブルゾーンにあるもののコアが冷えたため磁場を失い空気が逃げた死の惑星だった。
「死の惑星というのはある意味テラフォーミングには最適だったな」
神澤準男爵がアノイ3の説明を聞いて安堵の声をあげる。
「うん、原始生物でも殺しちゃうのは気が引けるからね」
さすがに僕たちには生命を殺してリセットは抵抗がある。
ケイン元皇子がジェネシス・システムを用意した理由はアノイ2に使うつもりだったらしい。
気温が暑いなりに生態系が出来ている惑星をリセットしようと考えるのは、帝国人の考え方としては普通なのだろうか?
ケイン元皇子だけのものと考えたいところだが、僕らが接した帝国貴族の身勝手さを思い起こすと嫌な予感しかしない。
「で、晶羅、本当に俺が撃っていいんだな?」
「ジェネシス・システムを運んで来たのが社長の専用艦なんだからいいんじゃない?」
ジェネシス・システムはなぜか僕の専用艦の次元格納庫に入れられなかった。
次元格納庫の次元干渉能力とジェネシス・システムの次元干渉能力がお互いに悪影響を及ぼしているのだろうか。
ただし工場惑星の次元跳躍と次元跳躍門による転移は干渉がなく運搬が可能だ。
ジェネシス・システムは無から有を生み出す際に次元干渉により有を引っ張り出しているようだ。
このシステムは旧帝国の遥か昔から伝わるブラックボックスで、仕組みも何も解らないままに製造しているんだそうだ。
ジェネシス・システムの設定はアノイ3の地形起伏の状態により海洋惑星に決定した。
平地が少ないため高い山を島にした方が使いやすいという判断だ。
そして惑星の大きさから重力も1Gに設定し人が住める惑星とする。
まさに神の御業、天地創造装置だ。
「カウントダウンするよ。5・4・3・2・1」
「発射!」
神澤准男爵がジェネシス・システムを発射する。
ジェネシス・システムは全長1km、神澤艦の全長が830mだからどっちがメインかわからない状態だ。
ジェネシス・システムが停滞フィールドを纏ってアノイ3の赤道上に撃ち込まれると奇跡が起きた。
ジェネシス・システムを中心に惑星のプレートの薄い部分が溶けて火球と化す。
山岳部をそのまま残し、薄い部分から中心部までの岩石が溶けると、コアが対流し始めて磁場を発生させる。
プレートが冷えてくると何処かから湧き出した水により海が発生し惑星を飲み込んでいく。
次は空気が湧き出し大気が大地と海洋を厚く覆い雲が生成される。
磁場が強くなったことでオゾン層電離層も発生、有害太陽風も地上に届かないように排除された。
正味1時間で地球型居住可能惑星が出来てしまった。
大地には植物が、海には海洋生物の生態系まで出来ていた。
「社長、僕達は神になっちゃったよ」
「天地創造か、なんとも言えない気分だ」
僕達は奇跡を目にした。
次元干渉で無から有を発生させると聞いていたけど、それは神の奇跡そのものだった。
「これでアノイ3は海産物を資源とした惑星に生まれ変わったわけだ」
「これはとんでもない価値だぞ。晶羅、地球人を移住させる気はあるか?」
「確かに地球人は増えすぎて地球が狭くなってる」
この技術は地球の食料事情を一変させる。
下手な紛争など住む土地と充分な食料、文明的な豊かな生活があれば終わるだろう。
「でも今の地球人を恒星間種族にして大丈夫かな?」
だが、僕は地球人の欲が悪い結果に繋がる事を危惧してしまった。
帝国貴族を論ったけど、地球人にも似たような人達はいくらでもいる。
「宇宙に新たな火種を撒くことになるか……」
社長もある人達のことが頭を過ったようだ。
僕も同感だ。
「うん。自称自治会みたいな身勝手な人多いよね?」
「ああ、あいつらには星の世界は早過ぎるか」
僕は社長と顔を見合わせて笑ってしまった。
やるなら火星あたりを改造してそこで修行させるべきだろう。
そこにまでエゴを持ち込んだらその先は無しで。
それか厳正な面接の下で人選するか。
なんたって僕は超ハブ次元跳躍門の管理者だからね。
「社長、それと他にも気付いたよね?」
「ああ、ジェネシス・システムの武器転用のことだろ?」
神澤社長が顔を顰めて言う。
「うん。これ有人惑星に使ったら大量破壊兵器に早変わりだ」
追い詰められたらケイン元皇子あたりなら使いかねない。
「厳重な管理が必要だな」
「それと迎撃態勢も。道具は正しく使ってこそ便利なのに、人は違う悪い使い方をしたがりすぎる」
僕達の予感が将来現実化しないことを願わずにはいられなかった。
お知らせ
「111 領主編5 戦後処理」においてアノイ2が寒冷であるという表記がありましたが、灼熱の誤りでした。
公転軌道が内側のアノイ2が寒冷というのはおかしいですよね。
当初の予定の倍どころか3倍に達する戦力を配備した。
これはビギニ門をアノイ門からしか行けない設定にしたため、アノイ門の防衛の重要度が増したためだ。
アノイ門の防衛がビギニ門の防衛に繋がるため重点的に防衛することとなったのだ。
工場惑星の無人艦5万は緊急派遣軍として自由に動けるようにしてあるが、常駐するのはアノイ星系であり、実質8万5000の戦力を有することになる。
ビギニ星系の超ハブ次元跳躍門防衛には工場惑星の無人艦15000艦を配備した。
ビギニ星系のステーションに残ったSFOゲーマー5000はVP専門として緊急事態以外は防衛には参加しない。
SFOはRPをするならアノイ星系、VP専門ならビギニ星系で活動としたのだ。
アノイ星系にいるSFOゲーマーでも、ヴァーチャル空間で行われるVPであれば次元通信ネットワークによりビギニ星系の艦隊ともプレイ出来るのでVPも全く支障なく参加できる。
獣人族の領地があるアノイ門グループの領地は3領軍の残存戦力7000×3が防衛、アキラ直轄領のタタラ門グループにはアクア3以外は代官の艦隊を含め各有人惑星へ無人艦含む3000×5を配備することとなった。
アクア3はアクア子爵の領軍2500に無人艦1000を加え合計3500を配備した。
そして領地運営会議ではアキラ直轄領(旧プリンス直轄領)のタタラ門グループにて重水素が採掘出来る惑星開発をすることに決定。
獣人領(旧辺境)のアノイ門グループではグループ内で経済が完結出来るように畜産2農業2鉱業1水産1を賄う惑星を開発することに決定。
工場惑星は基本的にはアノイ要塞に配備。星系グループ内を自由に周り次元跳躍を行って星系探査と次元跳躍門設置を行うこととなった。
食料と燃料はグループ間での輸送さえ確保出来れば今でもなんとか安定的に賄うことが出来る。
しかし今後の発展のために近隣星系を探査し支配星系を増やす予定だ。
このような支配星系の新規開発は帝国では自由に行える。
次元跳躍門も帝国に申請し有益と判断されれば設置してもらえる。
しかし、その費用は莫大で新規開発した星系の利権を帝国に渡さない限りほぼ不可能だった。
だが、僕は工場惑星というとんでもない生産施設がある。
この工場惑星が次元跳躍門を生産できてしまう。
つまり僕は帝国に利権を渡すことなく星系開発が出来るのだ。
支配星系を増やそうと考えるのも当然だろう。
会議は続く。
「とりあえず、今直ぐに動けるのはアノイ星系の開発だね。
アノイ2は気温が高いことを除けば居住可能惑星として使える。
これは恒星アノイと惑星アノイ2の間に遮蔽フィールドの傘を設置すれば最適な温度に調整可能だ。
そしてこの技術はグラウルα、βにも使える。傘を惑星グラウル側に設置すれば少なくとも夏の移動は必要なくなる。
冬対策も人工太陽の設置という手段が考えられるが、春と秋への影響の問題があって技術や運用絡みの部分でまだ検討中だ。
最重要案件として傘の製造を工場惑星に依頼してある。
その資材として工場惑星に物資を提供する鉱物惑星か鉱物性の小惑星が必要だ。
アノイ星系にそのような惑星か小惑星があるだろうか?」
惑星アノイ2は帝国直轄領だとプリンスには聞いていたんだが、あれはプリンスが自らの皇子という身分を隠すためについた嘘だった。
プリンスから受けていた情報はかなりの部分で嘘があった。
その嘘は帝国への報告にもあり、アノイ星系の惑星の数、惑星の種類、資源などの情報は隠匿されていた。
惑星アノイ2には帝国の調査団も来ていたはずだが、おそらくブレインハックによって嘘の情報を報告させていたのだろう。
そのため新たに星系を探査しところ、惑星はアノイ1からアノイ4までが岩石惑星、その外にガス惑星のアノイ5があることがわかった。
それらの情報は全てサポートAIの愛さんに集約され、帝国でも閲覧可能となっていた。
僕の質問に愛さんが答える。
「アノイ3は岩石惑星でハビタブルゾーンの位置にありますが、コアが冷えて固まったため磁場を喪失、大気が太陽風により剥がされてしまっています。
これはジェネシス・システムを使えばテラフォーミング可能で、磁場と大気さえ戻れば気温もそのままで適温になると思われます。
鉱物採掘で潰すより居住可能惑星として整備する方が最適でしょう」
「となるとハビタブルゾーンの外にあるアノイ1かアノイ4で鉱物採掘するのが良いかもしれないな」
「そこは軌道上から資源探査した結果、アノイ4が適任と思われます」
アノイ1はアノイ2より灼熱だから採掘作業的にも適さないしね。
「それならアノイ4の衛星軌道上に工場惑星を配置、アノイ4で採掘した資源をマスドライバーで打ち出せばいいね」
「はい」
「鉱山開発なら、牛族が最適です。彼らはタタラ星系への出稼ぎで慣れております」
ジョンからの提案で牛族にアノイ4の鉱山を任せることにした。
これでアノイ星系にも鉱業と工業が発展していくだろう。
「ガス惑星のアノイ5も重水素の採取が可能だな」
「重水素の採取は我ら犬族の出番でしょう。我らにお任せください」
惑星グラウルの重水素採取もケイン元皇子の下請けで犬族がやっていた。
アノイ5も犬族に任せで大丈夫だろう。
適材適所で2つの惑星開発を任せられたのは幸運だった。
「アノイ星系の開発計画は概ね決まったかな?
それでは仕事を割り振った各種族は予算を申請のうえ必要な機材の分配を工場惑星より受けてくれ。
必要な機材は工場惑星に発注可能にしておく。工場惑星の生産力なら直ぐ用意出来るだろう。
僕はアノイ3のテラフォーミングに向かう。
カプリース星系とレリック星系は資源探査をして報告、次の開発は両星系の予定だ。
近隣星系の観測もしておくように。
何か質問は?」
僕はみんなの顔を見回す。質問はなし。
「よし第一次開発、アノイ星系開発計画を始める。仕事にかかれ!」
◇ ◇ ◇ ◇ ◆
僕と護衛の神澤准男爵と護衛艦隊は惑星アノイ3にやって来た。
惑星アノイ3はハビタブルゾーンにあるもののコアが冷えたため磁場を失い空気が逃げた死の惑星だった。
「死の惑星というのはある意味テラフォーミングには最適だったな」
神澤準男爵がアノイ3の説明を聞いて安堵の声をあげる。
「うん、原始生物でも殺しちゃうのは気が引けるからね」
さすがに僕たちには生命を殺してリセットは抵抗がある。
ケイン元皇子がジェネシス・システムを用意した理由はアノイ2に使うつもりだったらしい。
気温が暑いなりに生態系が出来ている惑星をリセットしようと考えるのは、帝国人の考え方としては普通なのだろうか?
ケイン元皇子だけのものと考えたいところだが、僕らが接した帝国貴族の身勝手さを思い起こすと嫌な予感しかしない。
「で、晶羅、本当に俺が撃っていいんだな?」
「ジェネシス・システムを運んで来たのが社長の専用艦なんだからいいんじゃない?」
ジェネシス・システムはなぜか僕の専用艦の次元格納庫に入れられなかった。
次元格納庫の次元干渉能力とジェネシス・システムの次元干渉能力がお互いに悪影響を及ぼしているのだろうか。
ただし工場惑星の次元跳躍と次元跳躍門による転移は干渉がなく運搬が可能だ。
ジェネシス・システムは無から有を生み出す際に次元干渉により有を引っ張り出しているようだ。
このシステムは旧帝国の遥か昔から伝わるブラックボックスで、仕組みも何も解らないままに製造しているんだそうだ。
ジェネシス・システムの設定はアノイ3の地形起伏の状態により海洋惑星に決定した。
平地が少ないため高い山を島にした方が使いやすいという判断だ。
そして惑星の大きさから重力も1Gに設定し人が住める惑星とする。
まさに神の御業、天地創造装置だ。
「カウントダウンするよ。5・4・3・2・1」
「発射!」
神澤准男爵がジェネシス・システムを発射する。
ジェネシス・システムは全長1km、神澤艦の全長が830mだからどっちがメインかわからない状態だ。
ジェネシス・システムが停滞フィールドを纏ってアノイ3の赤道上に撃ち込まれると奇跡が起きた。
ジェネシス・システムを中心に惑星のプレートの薄い部分が溶けて火球と化す。
山岳部をそのまま残し、薄い部分から中心部までの岩石が溶けると、コアが対流し始めて磁場を発生させる。
プレートが冷えてくると何処かから湧き出した水により海が発生し惑星を飲み込んでいく。
次は空気が湧き出し大気が大地と海洋を厚く覆い雲が生成される。
磁場が強くなったことでオゾン層電離層も発生、有害太陽風も地上に届かないように排除された。
正味1時間で地球型居住可能惑星が出来てしまった。
大地には植物が、海には海洋生物の生態系まで出来ていた。
「社長、僕達は神になっちゃったよ」
「天地創造か、なんとも言えない気分だ」
僕達は奇跡を目にした。
次元干渉で無から有を発生させると聞いていたけど、それは神の奇跡そのものだった。
「これでアノイ3は海産物を資源とした惑星に生まれ変わったわけだ」
「これはとんでもない価値だぞ。晶羅、地球人を移住させる気はあるか?」
「確かに地球人は増えすぎて地球が狭くなってる」
この技術は地球の食料事情を一変させる。
下手な紛争など住む土地と充分な食料、文明的な豊かな生活があれば終わるだろう。
「でも今の地球人を恒星間種族にして大丈夫かな?」
だが、僕は地球人の欲が悪い結果に繋がる事を危惧してしまった。
帝国貴族を論ったけど、地球人にも似たような人達はいくらでもいる。
「宇宙に新たな火種を撒くことになるか……」
社長もある人達のことが頭を過ったようだ。
僕も同感だ。
「うん。自称自治会みたいな身勝手な人多いよね?」
「ああ、あいつらには星の世界は早過ぎるか」
僕は社長と顔を見合わせて笑ってしまった。
やるなら火星あたりを改造してそこで修行させるべきだろう。
そこにまでエゴを持ち込んだらその先は無しで。
それか厳正な面接の下で人選するか。
なんたって僕は超ハブ次元跳躍門の管理者だからね。
「社長、それと他にも気付いたよね?」
「ああ、ジェネシス・システムの武器転用のことだろ?」
神澤社長が顔を顰めて言う。
「うん。これ有人惑星に使ったら大量破壊兵器に早変わりだ」
追い詰められたらケイン元皇子あたりなら使いかねない。
「厳重な管理が必要だな」
「それと迎撃態勢も。道具は正しく使ってこそ便利なのに、人は違う悪い使い方をしたがりすぎる」
僕達の予感が将来現実化しないことを願わずにはいられなかった。
お知らせ
「111 領主編5 戦後処理」においてアノイ2が寒冷であるという表記がありましたが、灼熱の誤りでした。
公転軌道が内側のアノイ2が寒冷というのはおかしいですよね。
0
あなたにおすすめの小説
神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします
夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。
アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。
いわゆる"神々の愛し子"というもの。
神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。
そういうことだ。
そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。
簡単でしょう?
えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか??
−−−−−−
新連載始まりました。
私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。
会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。
余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。
会話がわからない!となるよりは・・
試みですね。
誤字・脱字・文章修正 随時行います。
短編タグが長編に変更になることがございます。
*タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。
魔物に嫌われる「レベル0」の魔物使い。命懸けで仔犬を助けたら―実は神域クラスしかテイムできない規格外でした
たつき
ファンタジー
魔物使いでありながらスライム一匹従えられないカイルは、3年間尽くしたギルドを「無能」として追放される。 同世代のエリートたちに「魔物避けの道具」として危険な遺跡に連れ出され、最後は森の主(ヌシ)を前に囮として見捨てられた。
死を覚悟したカイルが崩落した壁の先で見つけたのは、今にも息絶えそうな一匹の白い仔犬。 「自分と同じように、理不尽に見捨てられたこの子だけは助けたい」 自分の命を顧みず、カイルが全魔力を込めて「テイム」を試みた瞬間、眠っていた真の才能が目覚める。
異世界きたのに、冒険者試験で詰みました。
アセチルサリチルさん
ファンタジー
【追放もざまぁも無双もない。あるのは借金と酒と笑いのみ!】
お父さん。お母さん。
あなたたちの可愛い息子は――
異世界で、冒険者になれませんでした。
冒険者ギルドでのステータス鑑定。
結果は「普通」でも、
固有スキルは字面最強の《時間停止》
……なのに。
筆記試験ではギルド創設以来の最低点。
そのまま養成所送りで学費は借金三十万。
異世界初日で、多重債務者です。
……なめてんのか、異世界。
ここで俺たちパーティのイカれたメンバーを紹介するぜ!
ケモミミ用スキルが初日で無駄になったバカ、タクヤ。
魔力制御が全くできない厄病神のバカ、リーシャ。
実は厨二病で呪い装備しか愛せないバカ、オルファ。
そして――スキルで時間を止めても動けないお茶目な俺、ユウヤ。
うーん! 前途多難!
これは――
最強でも無双でもない。
理不尽な世界で、借金と酒と事故にまみれながら、
なんだかんだで生き延びていく話。
追放? ざまぁ? 成り上がり?
そんなものはございません。
あるのは、
愛すべバカどもが織りなすハートフルな冒険譚のみ。
そんな異世界ギャグファンタジーがここに開幕!
【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
オッサン齢50過ぎにしてダンジョンデビューする【なろう100万PV、カクヨム20万PV突破】
山親爺大将
ファンタジー
剣崎鉄也、4年前にダンジョンが現れた現代日本で暮らす53歳のおっさんだ。
失われた20年世代で職を転々とし今は介護職に就いている。
そんな彼が交通事故にあった。
ファンタジーの世界ならここで転生出来るのだろうが、現実はそんなに甘く無い。
「どうしたものかな」
入院先の個室のベッドの上で、俺は途方に暮れていた。
今回の事故で腕に怪我をしてしまい、元の仕事には戻れなかった。
たまたま保険で個室代も出るというので個室にしてもらったけど、たいして蓄えもなく、退院したらすぐにでも働かないとならない。
そんな俺は交通事故で死を覚悟した時にひとつ強烈に後悔をした事があった。
『こんな事ならダンジョンに潜っておけばよかった』
である。
50過ぎのオッサンが何を言ってると思うかもしれないが、その年代はちょうど中学生くらいにファンタジーが流行り、高校生くらいにRPGやライトノベルが流行った世代である。
ファンタジー系ヲタクの先駆者のような年代だ。
俺もそちら側の人間だった。
年齢で完全に諦めていたが、今回のことで自分がどれくらい未練があったか理解した。
「冒険者、いや、探索者っていうんだっけ、やってみるか」
これは体力も衰え、知力も怪しくなってきて、ついでに運にも見放されたオッサンが無い知恵絞ってなんとか探索者としてやっていく物語である。
注意事項
50過ぎのオッサンが子供ほどに歳の離れた女の子に惚れたり、悶々としたりするシーンが出てきます。
あらかじめご了承の上読み進めてください。
注意事項2 作者はメンタル豆腐なので、耐えられないと思った感想の場合はブロック、削除等をして見ないという行動を起こします。お気を悪くする方もおるかと思います。予め謝罪しておきます。
注意事項3 お話と表紙はなんの関係もありません。
転生したらスキル転生って・・・!?
ノトア
ファンタジー
世界に危機が訪れて転生することに・・・。
〜あれ?ここは何処?〜
転生した場所は森の中・・・右も左も分からない状態ですが、天然?な女神にサポートされながらも何とか生きて行きます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
初めて書くので、誤字脱字や違和感はご了承ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる