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領主編
129 領主編23 専用艦製造方法
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ゲルン星系の星系領主であるキャンベル伯爵によると、この研究所を運営しているのは帝都に本社を置く民間企業ということになっているそうだ。
バイオハザードを起こす危険がある研究施設のため、高度な隔離措置が必要ということで、研究所を設置する小惑星への補給や人員の移動もゲルン星系の惑星を一切介さずに行われているという。
黒幕の正体は所長のゲールでさえも知らされておらず、小惑星上の隔離施設という特殊な環境であり、補給という生命線を握られている立場上、上からの命令には従うしかなかったらしい。
しかし、今回のクローンの出荷はイレギュラーの緊急案件だったらしく、今までにないルートでの命令が来たということが発覚した。
僕はクローンが乗っていた専用艦も、この研究所で製造されているものと思っていた。
だが、ここはクローンを供給するためのみの施設であって、クローンが別の場所に移送され、そこで専用艦を受領し襲撃を強要されたという流れのようだ。
この移送先こそ新たな手がかりだった。
ダロン星系工業惑星ダロン4。
そここそがゲールに伝えられたクローンの移送先だった。
ダロン星系の星系領主は第8皇子ライオット。
プリンスやケインより上の立場を持つ皇子。ほぼ黒幕で間違いない。
だがこれが罠だった場合、要らぬ相手を敵に回すことになる。
襲撃してしまってから間違いでしたでは済まされない。
彼の地が偽造工作で中継地に選ばれただけだったら目も当てられない。
ここは正規ルートで問い合わせて返事を待つしか無い。
誘拐された地球人の違法クローン、そんなものが自分の星系を隠れ蓑に移送されたら、まともな皇子なら自分を嵌めた相手を許さないだろう。
そして僕は別の観点から黒幕を調べることを決めた。
クローン達が乗っていた専用艦の出処を調査するというものだ。
これがダロン星系産であれば黒幕は第8皇子ライオットだ。
僕は専用艦製造の工程とその地域差を調べあげることにした。
僕はまずステーションで行われている専用艦の製造工程を調べた。
ステーションでの流れは次の通り。
1.実力のあるゲーマーからSFO参加申請が出ると適性を調査して合格者をアブダクションする。
2.SFOの真実を知ったゲーマーの参加意思を確認。不参加なら記憶を消して帰還させる。
3.参加希望のゲーマーからDNAを採取する。
4.素体艦にゲーマーのDNAを注入する。
5.素体艦の電脳から部品のリクエストがあれば供給する。(無くても可。あれば製造日数が短縮される)
6.素体艦が素材とともに融合進化フィールドを形成し専用艦が完成する。
僕が知らない情報、素体艦というものが出て来た。
これは野良宇宙艦を製造していた工場惑星の電脳に聞くのが手っ取り早い。
『素体艦というのを知ってるか?』
『知っている。艦の幼生体のことだ。帝国では素体艦と呼ばれていると聞く』
『幼生体ということは生き物?』
『我は鉱物生命体だ。子を生すことこそ我の生存本能だ』
『その子をなんで帝国が持っているんだ?』
『おそらく我と同等の子を生せる鉱物生命体を帝国が支配しているのだ。その幼生体だろう』
『その幼生体にDNAを与えるとどうなる?』
『DNAに刻まれし高性能器官を、その幼生体は得ることになる』
『それが僕に与えられた護衛艦隊なわけ?』
『そうだ。我の子の中で最も優秀な、我と晶羅の子だ♡』
『あはは、それは置いといて。母親によって特徴は出る?』
『我々は皆同じではない。当然遺伝的特徴があるはずだ』
なるほど。となると子の特徴を調べれば母親を特定可能だろう。
帝国の全戦力を想定すると少なくとも複数の工場惑星が帝国の支配下にあるはず。
それを分類出来れば産地がわかるという目論見だ。
他にも融合進化で取り込んだ部品にも地域差があるはずだ。
母親と部品の差異を調べれば製造された場所を特定出来るかもしれない。
とりあえず僕はサンプルとなる母親の差異を調査することにした。
僕の専用艦をステーション製造艦のサンプルに。
アノイ要塞の3領軍の3艦をアノイ製造艦のサンプルに。
クローンの乗っていた専用艦を謎の製造所xのサンプル。
ケイン皇子軍との戦闘での鹵獲艦を謎の製造所aのサンプル。
第10皇子との戦闘での鹵獲艦を謎の製造所bのサンプル。
ギルバート伯爵の鹵獲専用艦を謎の製造所cのサンプルとした。
これを工場惑星が鉱物生物の遺伝子解析にかけ報告書を作成してくれた。
『鉱物生命体にも遺伝子があるの?』
『ある。鉱物生命体の精神を司る遺伝子、それを精神のDNAという』
『精神のDNA……』
『その精神のDNAこそが肉体――我にとっての鉱物が形成する姿――に影響するのだ』
難しい話は置いておこう。
まずケイン皇子軍と僕の専用艦は同じ母親系。これをA母親系とする。
まあ僕の専用艦はケイン皇子軍の元で製造されたから当然と言えば当然だ。
A母親系は当然ながらタタラ4の工場衛星が製造元だった。
ちなみにケイン元皇子と関係の深いダグラス伯爵も同じ系統で間違いない。
次に第10皇子とギルバート伯爵の専用艦が同じ系統。これをB母親系。
このB母親系はA母親系に非常に近い系統だそうだ。
アノイ要塞の3領軍のサンプルは3領軍とも同じ系統。これをC母親系。
これはA、B母親系とは全く違う系統。
そしてクローンの乗っていた専用艦はどれの系統でもないX母親系だった。
ちなみにブレインハック事件の時にケイン元皇子が使った謎艦も調べてもらっていたが、これもX母親系だった。
これはA、B母親系ともC母親系とも違う系統だそうだ。
このX母親系がダロン4の系統ならば限りなく黒となるだろう。
そもそもダロン4は工業惑星なので、そこに母親がいる可能性がある。
次に部品。簡単な武装、特に古くから装備されていた一般的なものは要塞艦の製造設備でも製造されている。
ステーションなんか艦載機を一から作り上げる能力がある。
その製造方法は……。工場惑星には見せたくない聞かせたくない方法だった。
おそらく母親の一部をクローン化した設備で、鉱物生物に材料を与え武装のDNAを転写、高エネルギーを与えることで鉱物が結晶化し武装を形作るという方法だった。
これまた工場惑星に遺伝子解析してもらった。
製造方法の事情は説明せずに完成品のみでの解析だ。
これもクローンの専用艦のみ別系統のX遺伝系だった。
X母親系の艦体にX遺伝系の武装を積んだ専用艦、これがダロン4製造の専用艦に合致すれば、黒幕は第8皇子で決まりだろう。
さてダロン4製造の専用艦なんてどうやって調べればいいんだろうか。
誰かに協力を願えば可能なんだろうか?
勝手に拿捕したら戦争行為になっちゃうよね?
手詰まりか……。
バイオハザードを起こす危険がある研究施設のため、高度な隔離措置が必要ということで、研究所を設置する小惑星への補給や人員の移動もゲルン星系の惑星を一切介さずに行われているという。
黒幕の正体は所長のゲールでさえも知らされておらず、小惑星上の隔離施設という特殊な環境であり、補給という生命線を握られている立場上、上からの命令には従うしかなかったらしい。
しかし、今回のクローンの出荷はイレギュラーの緊急案件だったらしく、今までにないルートでの命令が来たということが発覚した。
僕はクローンが乗っていた専用艦も、この研究所で製造されているものと思っていた。
だが、ここはクローンを供給するためのみの施設であって、クローンが別の場所に移送され、そこで専用艦を受領し襲撃を強要されたという流れのようだ。
この移送先こそ新たな手がかりだった。
ダロン星系工業惑星ダロン4。
そここそがゲールに伝えられたクローンの移送先だった。
ダロン星系の星系領主は第8皇子ライオット。
プリンスやケインより上の立場を持つ皇子。ほぼ黒幕で間違いない。
だがこれが罠だった場合、要らぬ相手を敵に回すことになる。
襲撃してしまってから間違いでしたでは済まされない。
彼の地が偽造工作で中継地に選ばれただけだったら目も当てられない。
ここは正規ルートで問い合わせて返事を待つしか無い。
誘拐された地球人の違法クローン、そんなものが自分の星系を隠れ蓑に移送されたら、まともな皇子なら自分を嵌めた相手を許さないだろう。
そして僕は別の観点から黒幕を調べることを決めた。
クローン達が乗っていた専用艦の出処を調査するというものだ。
これがダロン星系産であれば黒幕は第8皇子ライオットだ。
僕は専用艦製造の工程とその地域差を調べあげることにした。
僕はまずステーションで行われている専用艦の製造工程を調べた。
ステーションでの流れは次の通り。
1.実力のあるゲーマーからSFO参加申請が出ると適性を調査して合格者をアブダクションする。
2.SFOの真実を知ったゲーマーの参加意思を確認。不参加なら記憶を消して帰還させる。
3.参加希望のゲーマーからDNAを採取する。
4.素体艦にゲーマーのDNAを注入する。
5.素体艦の電脳から部品のリクエストがあれば供給する。(無くても可。あれば製造日数が短縮される)
6.素体艦が素材とともに融合進化フィールドを形成し専用艦が完成する。
僕が知らない情報、素体艦というものが出て来た。
これは野良宇宙艦を製造していた工場惑星の電脳に聞くのが手っ取り早い。
『素体艦というのを知ってるか?』
『知っている。艦の幼生体のことだ。帝国では素体艦と呼ばれていると聞く』
『幼生体ということは生き物?』
『我は鉱物生命体だ。子を生すことこそ我の生存本能だ』
『その子をなんで帝国が持っているんだ?』
『おそらく我と同等の子を生せる鉱物生命体を帝国が支配しているのだ。その幼生体だろう』
『その幼生体にDNAを与えるとどうなる?』
『DNAに刻まれし高性能器官を、その幼生体は得ることになる』
『それが僕に与えられた護衛艦隊なわけ?』
『そうだ。我の子の中で最も優秀な、我と晶羅の子だ♡』
『あはは、それは置いといて。母親によって特徴は出る?』
『我々は皆同じではない。当然遺伝的特徴があるはずだ』
なるほど。となると子の特徴を調べれば母親を特定可能だろう。
帝国の全戦力を想定すると少なくとも複数の工場惑星が帝国の支配下にあるはず。
それを分類出来れば産地がわかるという目論見だ。
他にも融合進化で取り込んだ部品にも地域差があるはずだ。
母親と部品の差異を調べれば製造された場所を特定出来るかもしれない。
とりあえず僕はサンプルとなる母親の差異を調査することにした。
僕の専用艦をステーション製造艦のサンプルに。
アノイ要塞の3領軍の3艦をアノイ製造艦のサンプルに。
クローンの乗っていた専用艦を謎の製造所xのサンプル。
ケイン皇子軍との戦闘での鹵獲艦を謎の製造所aのサンプル。
第10皇子との戦闘での鹵獲艦を謎の製造所bのサンプル。
ギルバート伯爵の鹵獲専用艦を謎の製造所cのサンプルとした。
これを工場惑星が鉱物生物の遺伝子解析にかけ報告書を作成してくれた。
『鉱物生命体にも遺伝子があるの?』
『ある。鉱物生命体の精神を司る遺伝子、それを精神のDNAという』
『精神のDNA……』
『その精神のDNAこそが肉体――我にとっての鉱物が形成する姿――に影響するのだ』
難しい話は置いておこう。
まずケイン皇子軍と僕の専用艦は同じ母親系。これをA母親系とする。
まあ僕の専用艦はケイン皇子軍の元で製造されたから当然と言えば当然だ。
A母親系は当然ながらタタラ4の工場衛星が製造元だった。
ちなみにケイン元皇子と関係の深いダグラス伯爵も同じ系統で間違いない。
次に第10皇子とギルバート伯爵の専用艦が同じ系統。これをB母親系。
このB母親系はA母親系に非常に近い系統だそうだ。
アノイ要塞の3領軍のサンプルは3領軍とも同じ系統。これをC母親系。
これはA、B母親系とは全く違う系統。
そしてクローンの乗っていた専用艦はどれの系統でもないX母親系だった。
ちなみにブレインハック事件の時にケイン元皇子が使った謎艦も調べてもらっていたが、これもX母親系だった。
これはA、B母親系ともC母親系とも違う系統だそうだ。
このX母親系がダロン4の系統ならば限りなく黒となるだろう。
そもそもダロン4は工業惑星なので、そこに母親がいる可能性がある。
次に部品。簡単な武装、特に古くから装備されていた一般的なものは要塞艦の製造設備でも製造されている。
ステーションなんか艦載機を一から作り上げる能力がある。
その製造方法は……。工場惑星には見せたくない聞かせたくない方法だった。
おそらく母親の一部をクローン化した設備で、鉱物生物に材料を与え武装のDNAを転写、高エネルギーを与えることで鉱物が結晶化し武装を形作るという方法だった。
これまた工場惑星に遺伝子解析してもらった。
製造方法の事情は説明せずに完成品のみでの解析だ。
これもクローンの専用艦のみ別系統のX遺伝系だった。
X母親系の艦体にX遺伝系の武装を積んだ専用艦、これがダロン4製造の専用艦に合致すれば、黒幕は第8皇子で決まりだろう。
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