132 / 199
領主編
128 領主編22 ゲール
しおりを挟む
ラーテル陸戦隊の隊長と一緒に所長ゲールを閉じ込めている部屋へと向かう。
研究所であるため牢屋や尋問室というものはなく、ゲールはただの施錠可能な倉庫に閉じ込められていた。
誘拐された人間を多数抱えていた割に、研究所には牢屋といった収容施設はなかった。
この研究所自体が外界から隔離された、ある意味脱出不能の監獄であったからだ。
宇宙空間にある小惑星を繰り抜いた研究所なんて外に逃げ出しようがない。
研究所に連れて来られるのも外へ出るのも、誘拐犯が用意した宇宙船を使うしかないという鉄壁の守り。
それに加えて所長のみが使うことが出来る各種防御機構が存在し、反乱など起こそうものなら簡単に制圧されてしまう。
その防御機構を制御している研究所の電脳を僕が乗っ取ったため、所長のゲールは簡単に捕まったのだ。
いまゲールを守るはずだった機能の全てがゲール本人を拘束するために使用されている。
ここからは逃げられないことをゲール自身が一番良く知っているだろう。
◇ ◇ ◇ ◇ ◆
ゲールの尋問が始まって、しばしの時間が経っている。
綺麗事では済まない。ラーテルの得意技を使う。
いくら甘い僕でも、今回だけは許せなかった。
「いいかげん吐いたらどうだ? 黒幕に義理立てしても良い事は何もないぞ?」
ラーテル陸戦隊隊長の尋問が続くが、ゲールは黙秘を続けて一言も喋らなかった。
ラーテルの技を前にして大した精神力だ。
だが、待て、何かおかしい。
声を上げないのは立派だが、この涙や苦痛に歪んだ顔はなんだ?
既に心は叫んでいるのに声だけ出ないような様子は?
「医療班! こいつの喉を調べろ」
医療班が簡易スキャナーでゲールの喉を調べる。
「声帯が破壊されています」
なるほど、さすがのラーテルでも喉を破壊された捕虜から情報は引き出せないわ。
「しまった。やられた!」
所長室にいたからと彼がゲールだなんてどうして確定出来る?
そもそもゲールが男かも女かも誰もわからないはずだ。
確かに名前入りの白衣を着ていたが、他人に着せることも可能だ。
このように身代わりを立て、声を出さないように細工するとは、ゲールはどれだけ狡猾なのだろうか。
「全スタッフの顔は撮影済みか?」
「はい。愛さんに送って素性を洗っているところです」
「この男の顔とここのスタッフの顔を比較しろ」
隊長が腕輪でゲールの顔を撮影し顔認証検索をかける。
人の顔は目と目の距離や鼻口耳のバランス等、変装しても同一人物と認証することが出来る。
僕の推理が合っているなら、スタッフの中に……。
「バカな……。こいつはスタッフのクローンです!」
隊長の叫びが上がる。
僕も隊長の腕輪から空間に投影されている仮想画面を覗く。
そこに映っていたのは年配のスタッフと目の前のゲールと思われた男の認証率90%の結果だった。
実は顔認証システムはもっと高度に発達していて双子も識別する。
人生経験の差、つまり紫外線による日焼けの違いが顔に出るのだ。
全く同じ外観でも紫外線フィルターを通したシミそばかすの分布は別人となる。
それが一卵性の双子でも10%の差として出てくるのだ。
「替え玉だったか。
ゲールを見つけろ。スタッフの精査を急がせろ……いや待て」
僕はあることを思い出した。
所長室付近で捕まったのは、この男だけではないこと。
誘拐から開放され家族に無事の連絡をいち早くしたいだろうに、それを断った人物の存在を。
『愛さん、帝国に登録されているゲールという名の研究者を検索してくれ』
『該当者ありません』
『キースAに確認、ゲールは男か?』
『しばらくお待ちください』
愛さんが確認に走る。
『女だそうです』
やはりそうか。彼がゲールじゃなく替え玉なことが確定した。
となると、まさか彼女が?
『アリソン=スコル=ヒーリーの年齢は?』
『22で誘拐され現在27になります』
見た目では年齢相当か。年齢では確認出来ないな。
『アリソン=スコル=ヒーリーの顔を検索。こちらに送れ』
『送ります。どうぞ』
何ということだ。それでヒーリー伯爵に連絡を取るなと……。
嘘を付く理由は1つしか無い。
「アリソン=スコル=ヒーリー、いや君がゲールだったんだね」
アリソンをラーテル陸戦隊が囲む。
アリソンはきょとんと僕達を見ている。
「ゲールは女だそうだ。
所長室の男は替え玉として仕立てあげられたスタッフのクローンだった」
隊長の言葉にアリソンは事態を悟った。
「やれやれ、もう少し時間が稼げると思っていたんだけどね」
「つまり、君がゲールだと認めるんだね?」
「うん。そうよ」
アリソンいやゲールは肩を竦めるとあっさり認めた。
「本物のアリソンはどこだ?」
「あなたはこんな時でもまず被害者のことを聞くのね」
「被害者か……。すると彼女はもう……」
「拉致生活に耐えられなくて自殺したわ」
「それも皆、君が招いたことだろ!」
「そうでもないんだ……」
ゲールは一瞬悲しそうな顔をすると淡々と話し始めた。
「ゲールはこの研究所代表のコードネームよ。
私も被害者であるのは間違いないわ。真・帝国って知ってるかしら?
帝国では反帝国と呼ばれている組織。私はそこの遺伝学者よ。
私も拉致されて研究をさせられていたの。
そしてある時、アリソンが連れて来られて自殺した……。
私はそれ以来、奴らに協力するふりをして私達研究者を守ろうとしたのよ」
「では、クローンに対する処置は本気で取り組んでくれるのか?
」
「それはもちろん。ただ、奴らに復讐するには、私はここに居てはいけない。
奴らの協力者で居続け寝首を掻かなければならない」
「そのため隠れ、逃げる準備をしていたのか」
「あなた方が星系を去ったらね」
僕は真・帝国側の皇子だと話すべきかを迷った。
そこまで彼女を信用していいのだろうかと。
だが一度喉を出かかった言葉を飲み込んだ。
彼女は僕達を騙そうとした。しかもクローンの身代わりにし命を軽く扱った。
スタッフがラーテルに尋問されても正体をバラさなかったのは、ラーテルよりゲールの方が怖いのだ。
こういった勘には従ったほうが良い。
どうせ知らせなくても同じだろうし、時が経ち信用出来ると判断したなら伝えればいいことだ。
「僕らは地球人誘拐の黒幕らと対立している。君にはこの研究所で出来る事で協力してもらいたい」
「わかったわ。正体もバレたし逃げられるわけがないわ」
「クローンの子達を人として扱う。これだけは絶対に守ってくれ」
「そのつもりよ」
僕は彼女の次の言葉を待ったが、自分の身代わりとなって拷問を受けたクローンを気遣う台詞は出てこなかった。
要警戒。監視しつつ技術を利用する。真・帝国にも問い合わせて正体を探ろう。
僕は騙されていることにも気付かない世間知らずな皇子を装って答える。
「研究所は君に一任する。クローンのことを頼むよ」
彼女の口元が一瞬ニヤけるのを僕は見逃さなかった。
研究所であるため牢屋や尋問室というものはなく、ゲールはただの施錠可能な倉庫に閉じ込められていた。
誘拐された人間を多数抱えていた割に、研究所には牢屋といった収容施設はなかった。
この研究所自体が外界から隔離された、ある意味脱出不能の監獄であったからだ。
宇宙空間にある小惑星を繰り抜いた研究所なんて外に逃げ出しようがない。
研究所に連れて来られるのも外へ出るのも、誘拐犯が用意した宇宙船を使うしかないという鉄壁の守り。
それに加えて所長のみが使うことが出来る各種防御機構が存在し、反乱など起こそうものなら簡単に制圧されてしまう。
その防御機構を制御している研究所の電脳を僕が乗っ取ったため、所長のゲールは簡単に捕まったのだ。
いまゲールを守るはずだった機能の全てがゲール本人を拘束するために使用されている。
ここからは逃げられないことをゲール自身が一番良く知っているだろう。
◇ ◇ ◇ ◇ ◆
ゲールの尋問が始まって、しばしの時間が経っている。
綺麗事では済まない。ラーテルの得意技を使う。
いくら甘い僕でも、今回だけは許せなかった。
「いいかげん吐いたらどうだ? 黒幕に義理立てしても良い事は何もないぞ?」
ラーテル陸戦隊隊長の尋問が続くが、ゲールは黙秘を続けて一言も喋らなかった。
ラーテルの技を前にして大した精神力だ。
だが、待て、何かおかしい。
声を上げないのは立派だが、この涙や苦痛に歪んだ顔はなんだ?
既に心は叫んでいるのに声だけ出ないような様子は?
「医療班! こいつの喉を調べろ」
医療班が簡易スキャナーでゲールの喉を調べる。
「声帯が破壊されています」
なるほど、さすがのラーテルでも喉を破壊された捕虜から情報は引き出せないわ。
「しまった。やられた!」
所長室にいたからと彼がゲールだなんてどうして確定出来る?
そもそもゲールが男かも女かも誰もわからないはずだ。
確かに名前入りの白衣を着ていたが、他人に着せることも可能だ。
このように身代わりを立て、声を出さないように細工するとは、ゲールはどれだけ狡猾なのだろうか。
「全スタッフの顔は撮影済みか?」
「はい。愛さんに送って素性を洗っているところです」
「この男の顔とここのスタッフの顔を比較しろ」
隊長が腕輪でゲールの顔を撮影し顔認証検索をかける。
人の顔は目と目の距離や鼻口耳のバランス等、変装しても同一人物と認証することが出来る。
僕の推理が合っているなら、スタッフの中に……。
「バカな……。こいつはスタッフのクローンです!」
隊長の叫びが上がる。
僕も隊長の腕輪から空間に投影されている仮想画面を覗く。
そこに映っていたのは年配のスタッフと目の前のゲールと思われた男の認証率90%の結果だった。
実は顔認証システムはもっと高度に発達していて双子も識別する。
人生経験の差、つまり紫外線による日焼けの違いが顔に出るのだ。
全く同じ外観でも紫外線フィルターを通したシミそばかすの分布は別人となる。
それが一卵性の双子でも10%の差として出てくるのだ。
「替え玉だったか。
ゲールを見つけろ。スタッフの精査を急がせろ……いや待て」
僕はあることを思い出した。
所長室付近で捕まったのは、この男だけではないこと。
誘拐から開放され家族に無事の連絡をいち早くしたいだろうに、それを断った人物の存在を。
『愛さん、帝国に登録されているゲールという名の研究者を検索してくれ』
『該当者ありません』
『キースAに確認、ゲールは男か?』
『しばらくお待ちください』
愛さんが確認に走る。
『女だそうです』
やはりそうか。彼がゲールじゃなく替え玉なことが確定した。
となると、まさか彼女が?
『アリソン=スコル=ヒーリーの年齢は?』
『22で誘拐され現在27になります』
見た目では年齢相当か。年齢では確認出来ないな。
『アリソン=スコル=ヒーリーの顔を検索。こちらに送れ』
『送ります。どうぞ』
何ということだ。それでヒーリー伯爵に連絡を取るなと……。
嘘を付く理由は1つしか無い。
「アリソン=スコル=ヒーリー、いや君がゲールだったんだね」
アリソンをラーテル陸戦隊が囲む。
アリソンはきょとんと僕達を見ている。
「ゲールは女だそうだ。
所長室の男は替え玉として仕立てあげられたスタッフのクローンだった」
隊長の言葉にアリソンは事態を悟った。
「やれやれ、もう少し時間が稼げると思っていたんだけどね」
「つまり、君がゲールだと認めるんだね?」
「うん。そうよ」
アリソンいやゲールは肩を竦めるとあっさり認めた。
「本物のアリソンはどこだ?」
「あなたはこんな時でもまず被害者のことを聞くのね」
「被害者か……。すると彼女はもう……」
「拉致生活に耐えられなくて自殺したわ」
「それも皆、君が招いたことだろ!」
「そうでもないんだ……」
ゲールは一瞬悲しそうな顔をすると淡々と話し始めた。
「ゲールはこの研究所代表のコードネームよ。
私も被害者であるのは間違いないわ。真・帝国って知ってるかしら?
帝国では反帝国と呼ばれている組織。私はそこの遺伝学者よ。
私も拉致されて研究をさせられていたの。
そしてある時、アリソンが連れて来られて自殺した……。
私はそれ以来、奴らに協力するふりをして私達研究者を守ろうとしたのよ」
「では、クローンに対する処置は本気で取り組んでくれるのか?
」
「それはもちろん。ただ、奴らに復讐するには、私はここに居てはいけない。
奴らの協力者で居続け寝首を掻かなければならない」
「そのため隠れ、逃げる準備をしていたのか」
「あなた方が星系を去ったらね」
僕は真・帝国側の皇子だと話すべきかを迷った。
そこまで彼女を信用していいのだろうかと。
だが一度喉を出かかった言葉を飲み込んだ。
彼女は僕達を騙そうとした。しかもクローンの身代わりにし命を軽く扱った。
スタッフがラーテルに尋問されても正体をバラさなかったのは、ラーテルよりゲールの方が怖いのだ。
こういった勘には従ったほうが良い。
どうせ知らせなくても同じだろうし、時が経ち信用出来ると判断したなら伝えればいいことだ。
「僕らは地球人誘拐の黒幕らと対立している。君にはこの研究所で出来る事で協力してもらいたい」
「わかったわ。正体もバレたし逃げられるわけがないわ」
「クローンの子達を人として扱う。これだけは絶対に守ってくれ」
「そのつもりよ」
僕は彼女の次の言葉を待ったが、自分の身代わりとなって拷問を受けたクローンを気遣う台詞は出てこなかった。
要警戒。監視しつつ技術を利用する。真・帝国にも問い合わせて正体を探ろう。
僕は騙されていることにも気付かない世間知らずな皇子を装って答える。
「研究所は君に一任する。クローンのことを頼むよ」
彼女の口元が一瞬ニヤけるのを僕は見逃さなかった。
0
あなたにおすすめの小説
神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします
夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。
アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。
いわゆる"神々の愛し子"というもの。
神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。
そういうことだ。
そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。
簡単でしょう?
えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか??
−−−−−−
新連載始まりました。
私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。
会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。
余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。
会話がわからない!となるよりは・・
試みですね。
誤字・脱字・文章修正 随時行います。
短編タグが長編に変更になることがございます。
*タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。
魔物に嫌われる「レベル0」の魔物使い。命懸けで仔犬を助けたら―実は神域クラスしかテイムできない規格外でした
たつき
ファンタジー
魔物使いでありながらスライム一匹従えられないカイルは、3年間尽くしたギルドを「無能」として追放される。 同世代のエリートたちに「魔物避けの道具」として危険な遺跡に連れ出され、最後は森の主(ヌシ)を前に囮として見捨てられた。
死を覚悟したカイルが崩落した壁の先で見つけたのは、今にも息絶えそうな一匹の白い仔犬。 「自分と同じように、理不尽に見捨てられたこの子だけは助けたい」 自分の命を顧みず、カイルが全魔力を込めて「テイム」を試みた瞬間、眠っていた真の才能が目覚める。
異世界きたのに、冒険者試験で詰みました。
アセチルサリチルさん
ファンタジー
【追放もざまぁも無双もない。あるのは借金と酒と笑いのみ!】
お父さん。お母さん。
あなたたちの可愛い息子は――
異世界で、冒険者になれませんでした。
冒険者ギルドでのステータス鑑定。
結果は「普通」でも、
固有スキルは字面最強の《時間停止》
……なのに。
筆記試験ではギルド創設以来の最低点。
そのまま養成所送りで学費は借金三十万。
異世界初日で、多重債務者です。
……なめてんのか、異世界。
ここで俺たちパーティのイカれたメンバーを紹介するぜ!
ケモミミ用スキルが初日で無駄になったバカ、タクヤ。
魔力制御が全くできない厄病神のバカ、リーシャ。
実は厨二病で呪い装備しか愛せないバカ、オルファ。
そして――スキルで時間を止めても動けないお茶目な俺、ユウヤ。
うーん! 前途多難!
これは――
最強でも無双でもない。
理不尽な世界で、借金と酒と事故にまみれながら、
なんだかんだで生き延びていく話。
追放? ざまぁ? 成り上がり?
そんなものはございません。
あるのは、
愛すべバカどもが織りなすハートフルな冒険譚のみ。
そんな異世界ギャグファンタジーがここに開幕!
【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
オッサン齢50過ぎにしてダンジョンデビューする【なろう100万PV、カクヨム20万PV突破】
山親爺大将
ファンタジー
剣崎鉄也、4年前にダンジョンが現れた現代日本で暮らす53歳のおっさんだ。
失われた20年世代で職を転々とし今は介護職に就いている。
そんな彼が交通事故にあった。
ファンタジーの世界ならここで転生出来るのだろうが、現実はそんなに甘く無い。
「どうしたものかな」
入院先の個室のベッドの上で、俺は途方に暮れていた。
今回の事故で腕に怪我をしてしまい、元の仕事には戻れなかった。
たまたま保険で個室代も出るというので個室にしてもらったけど、たいして蓄えもなく、退院したらすぐにでも働かないとならない。
そんな俺は交通事故で死を覚悟した時にひとつ強烈に後悔をした事があった。
『こんな事ならダンジョンに潜っておけばよかった』
である。
50過ぎのオッサンが何を言ってると思うかもしれないが、その年代はちょうど中学生くらいにファンタジーが流行り、高校生くらいにRPGやライトノベルが流行った世代である。
ファンタジー系ヲタクの先駆者のような年代だ。
俺もそちら側の人間だった。
年齢で完全に諦めていたが、今回のことで自分がどれくらい未練があったか理解した。
「冒険者、いや、探索者っていうんだっけ、やってみるか」
これは体力も衰え、知力も怪しくなってきて、ついでに運にも見放されたオッサンが無い知恵絞ってなんとか探索者としてやっていく物語である。
注意事項
50過ぎのオッサンが子供ほどに歳の離れた女の子に惚れたり、悶々としたりするシーンが出てきます。
あらかじめご了承の上読み進めてください。
注意事項2 作者はメンタル豆腐なので、耐えられないと思った感想の場合はブロック、削除等をして見ないという行動を起こします。お気を悪くする方もおるかと思います。予め謝罪しておきます。
注意事項3 お話と表紙はなんの関係もありません。
転生したらスキル転生って・・・!?
ノトア
ファンタジー
世界に危機が訪れて転生することに・・・。
〜あれ?ここは何処?〜
転生した場所は森の中・・・右も左も分からない状態ですが、天然?な女神にサポートされながらも何とか生きて行きます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
初めて書くので、誤字脱字や違和感はご了承ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる