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帝国内乱編
167 帝国内乱編5 毒を以て毒を制す
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side:ラスティ星系外縁2光年 アキラ視点
『やあ、ロレンツォ皇子。僕は第6皇子アキラだ。
ニアヒューム対策司令兼レオナルド討伐軍司令のカイル殿下からの命令書を持って来た。
今からそちらの宙域に次元跳躍アウトする。撃たないでくれよ?』
ロレンツォの艦隊が遊弋するラスティ星系外縁2光年の宙域の手前まで来ると僕は次元通信を送った。
戦闘態勢の艦隊の中に何の連絡もせずに次元跳躍アウトしたら撃たれても不思議じゃないからだ。
さすがに僕でも、皇帝の後ろに次元跳躍アウトして騒ぎになった前科があるから、そこで少しは学んだのだ。
『こちら第7皇子ロレンツォ、了解した。
援軍の到着を歓迎する』
ロレンツォから直ぐに返信があった。
これで安全は確保された。
僕は次元レーダーで詳細探査をするとロレンツォが乗っている要塞艦の正面に、僕の専用艦を次元跳躍アウトさせた。
『初めまして。第6皇子アキラです。
今回はニアヒューム対策司令補佐兼レオナルド討伐軍司令補佐としてお邪魔させてもらうよ』
僕はなるべくフレンドリーに自己紹介した後、司令補佐としての居住まいを正して命令を告げる。
『ニアヒューム対策司令兼レオナルド討伐軍司令であるカイル殿下からの命令を伝える。
ロレンツォ皇子のニアヒューム討伐軍は直ちに撤退。
そのままニアヒュームをラスティ星系を占拠しているレオナルドにぶつける。
ロレンツォ皇子は生き残った方の殲滅にあたれとのことだ。
これはカイル司令の命令であり、拒否は許されない』
ロレンツォに合流した僕はカイルからの命令書を電子命令書という形で渡した。
自らの星系にニアヒュームを侵攻させレオナルドとぶつけるという作戦を、ロレンツォ自らが選択したという形に僕はカイル共々したくなかったからだ。
この作戦はカイルによる強制だったという公式な記録を残すためでもある。
『わかりました。
カイル司令にはご配慮感謝いたしますとお伝え下さい』
ロレンツォはカイルの意を汲み感謝の言葉を述べた。
心の中ではラスティ星系の住民救出へと向かいたいだろうに、対ニアヒューム作戦を遂行するために踏みとどまった。
さらに、自星系にニアヒュームが侵攻することを作戦上必要であると理解し容認するのだ。
ロレンツォにとっては苦渋の選択だろう。
居ても立ってもいられないところをカイルの命令という形で縛ってもらった。
それを察して感謝出来るというのだからロレンツォも大した人物だ。
「僕も微力ながら助太刀するよ」
「ははは。100万殺しの異名を持つ君の助太刀が微力のわけがないだろ。
期待しているよ。アキラ皇子」
いつのまにそんな二つ名が……。「殺し」はやめて欲しいな。「殺し」は……。
ロレンツォ率いるニアヒューム討伐軍の戦力は要塞艦4と搭載艦11万5千艦+援軍の正規軍が要塞艦5と搭載艦13万艦。
対するニアヒュームはロレンツォ軍正面の小母艦級13と搭載艦11万艦に側面の小母艦級38と搭載艦38万艦だ。
このニアヒュームを推定要塞衛星1、艦船24万艦のレオナルド艦隊にぶつけてやる。
ラスティ3の住人が心配だが、総力戦の最中にまさか惑星に攻撃を仕掛ける暇は無いだろう。
まあ、戦いの様子は逐一次元レーダーで確認する。
惑星の住人が危なければ介入も辞さないつもりだ。
◇ ◇ ◇ ◇ ◆
side:ラスティ星系外縁1光年 アキラ視点
僕はロレンツォのニアヒューム討伐軍とともにラスティ星系から1光年の距離に移動した。
ニアヒュームの進路からはラスティ星系を挟んで反対側の位置になる。
つまり合流したニアヒュームからは2光年離れた位置になり、1回1光年しか次元跳躍出来ないニアヒュームからは奇襲を受けることが無い安全地帯だ。
ロレンツォ艦隊は要塞艦9に全艦艇が収容され、いつでもラスティ星系へ向け次元跳躍出来るように待機していた。
ラスティ星系の様子は次元レーダーにより逐一把握出来ている。
レオナルドとニアヒュームがぶつかり疲弊したところに乗り込み殲滅するのが僕達の作戦だ。
僕達はラスティ星系の様子を次元レーダーによって詳細に把握していた。
それを実況風に表現するとこうなる。
ニアヒュームの小母艦級が次元跳躍アウトしてくる。
と同時にそれを次元レーダーによって補足していたレオナルドは、ニアヒュームの小母艦級を要塞衛星の要塞砲で迎撃した。
ニアヒュームはそれを予測していたのか全ての小母艦級が同時に次元跳躍アウトする。
小母艦級1が要塞砲に撃破される中、その他小母艦級50から搭載艦が出撃する。
その数49万艦。大戦力だ。
どうやら撃たれやすい位置で囮となった小母艦級には搭載艦が無かったようだ。
小母艦級1を撃破したわりには当初の予想より搭載艦の数が多い。
レオナルドはニアヒュームに裏をかかれたということだろう。
要塞砲が次弾を発射する前に混戦となり激突する49万対24万。
これで要塞砲は発射できなくなると誰もが思った。
だが要塞砲が何のためらいもなく発射された。
レオナルドにとって部下や無人艦など敵を葬ることが出来るなら犠牲になっても構わないのだろう。
数を減らしていくニアヒュームとレオナルドの艦隊。
まさに泥沼の戦いだった。
レオナルドが躊躇なく要塞砲を撃つことと、ニアヒュームの小母艦級には要塞砲が無かったことが戦いを拮抗させているようだ。
ニアヒュームは要塞衛星を最大の脅威とみなし小母艦級に単縦陣をとらせ突っ込んでいく。
1艦、また1艦と小母艦級が要塞砲の餌食になるが、とうとう小母艦級が要塞衛星にたどり着く。
その刹那、小母艦級が自爆する。
爆煙が晴れると要塞衛星の要塞砲は使えなくなっていた。
だがニアヒュームの艦隊も要塞砲により数を減らしている。
しばらくの混戦の後、ついにレオナルドがニアヒュームを駆逐した。
レオナルドに残されたのは2万艦弱といったところだった。
これが僕達が次元レーダーの情報により把握したラスティ星系の戦いの様子だった。
ニアヒュームはレオナルドにより討たれ、レオナルドの艦隊はニアヒュームにより大幅に戦力を消耗したようだ。
『今がチャンスだ! 我らが星系を取り戻すぞ!』
ロレンツォの号令で僕達はラスティ星系に次元跳躍を開始する。
これでニアヒュームもレオナルドも殲滅出来るだろう。
◇ ◇ ◇ ◆ ◇
side:ラスティ星系 アキラ視点
僕はラスティ星系に次元跳躍アウトした。
僕の専用艦と要塞艦の次元跳躍機関の性能差で僕が先行してしまい単艦で敵前に出てしまう。
「しまった! 罠か!」
僕の目の前にはレオナルドとニアヒュームの艦隊が轡を並べこちらに砲口を向けていた。
そう、今まで次元レーダーで見せられていた情報は欺瞞情報だったのだ。
誰かが次元レーダーを妨害し、さも次元レーダーの探索結果ですよという風に偽の情報を返していたのだ。
レオナルド軍の先頭に黒い塗装の2艦の専用艦が浮かんでいた。
1艦は戦闘特化、1艦は電子戦特化の特殊艦に見えた。
あのブレインハック事件の時に襲って来た特殊艦に酷似している。
しまった。もっと良くあれを調べておくんだった。
「こいつか。こいつが偽情報を送って来ていたのか!」
僕は今まで見たことが無いその特殊艦の性能に戦慄を覚えた。
僕は連続次元跳躍で撤退を考えるも、クールタイム10分の待ち時間と、一緒に次元跳躍したロレンツォと討伐軍の事を思うとそうするわけにはいかなかった。
要塞艦は次の次元跳躍までのクールタイムが長く、早急な連続次元跳躍が出来ないのだ。
僕は迷わず反物質粒子砲をスタンバイし敵の中心に向け発射した。
少しでも敵を減らさなければ負ける。敵は49万+24万の73万艦もいるのだ。
こちらの戦力はロレンツォと正規軍の24万5千。それと僕の専用艦が次元格納庫に持つ無人艦2万だ。
だが無人艦はレオナルドに乗っ取られる危険がある。使えないかもしれない。
敵艦隊に向かう加速された反物質粒子、しかしその射線に小型艦が飛び込んでくる。
敵艦隊との中間で対消滅の大爆発を起こす反物質粒子。
なるほど、被害が出ない距離で先に爆発させてしまうのか。
まさか反物質粒子砲にこんな対処方法があるなんて……。
反物質粒子砲を無効化され、クールタイムにより次元跳躍の待ち時間10分を抱えた僕は窮地に立たされてしまった。
『やあ、ロレンツォ皇子。僕は第6皇子アキラだ。
ニアヒューム対策司令兼レオナルド討伐軍司令のカイル殿下からの命令書を持って来た。
今からそちらの宙域に次元跳躍アウトする。撃たないでくれよ?』
ロレンツォの艦隊が遊弋するラスティ星系外縁2光年の宙域の手前まで来ると僕は次元通信を送った。
戦闘態勢の艦隊の中に何の連絡もせずに次元跳躍アウトしたら撃たれても不思議じゃないからだ。
さすがに僕でも、皇帝の後ろに次元跳躍アウトして騒ぎになった前科があるから、そこで少しは学んだのだ。
『こちら第7皇子ロレンツォ、了解した。
援軍の到着を歓迎する』
ロレンツォから直ぐに返信があった。
これで安全は確保された。
僕は次元レーダーで詳細探査をするとロレンツォが乗っている要塞艦の正面に、僕の専用艦を次元跳躍アウトさせた。
『初めまして。第6皇子アキラです。
今回はニアヒューム対策司令補佐兼レオナルド討伐軍司令補佐としてお邪魔させてもらうよ』
僕はなるべくフレンドリーに自己紹介した後、司令補佐としての居住まいを正して命令を告げる。
『ニアヒューム対策司令兼レオナルド討伐軍司令であるカイル殿下からの命令を伝える。
ロレンツォ皇子のニアヒューム討伐軍は直ちに撤退。
そのままニアヒュームをラスティ星系を占拠しているレオナルドにぶつける。
ロレンツォ皇子は生き残った方の殲滅にあたれとのことだ。
これはカイル司令の命令であり、拒否は許されない』
ロレンツォに合流した僕はカイルからの命令書を電子命令書という形で渡した。
自らの星系にニアヒュームを侵攻させレオナルドとぶつけるという作戦を、ロレンツォ自らが選択したという形に僕はカイル共々したくなかったからだ。
この作戦はカイルによる強制だったという公式な記録を残すためでもある。
『わかりました。
カイル司令にはご配慮感謝いたしますとお伝え下さい』
ロレンツォはカイルの意を汲み感謝の言葉を述べた。
心の中ではラスティ星系の住民救出へと向かいたいだろうに、対ニアヒューム作戦を遂行するために踏みとどまった。
さらに、自星系にニアヒュームが侵攻することを作戦上必要であると理解し容認するのだ。
ロレンツォにとっては苦渋の選択だろう。
居ても立ってもいられないところをカイルの命令という形で縛ってもらった。
それを察して感謝出来るというのだからロレンツォも大した人物だ。
「僕も微力ながら助太刀するよ」
「ははは。100万殺しの異名を持つ君の助太刀が微力のわけがないだろ。
期待しているよ。アキラ皇子」
いつのまにそんな二つ名が……。「殺し」はやめて欲しいな。「殺し」は……。
ロレンツォ率いるニアヒューム討伐軍の戦力は要塞艦4と搭載艦11万5千艦+援軍の正規軍が要塞艦5と搭載艦13万艦。
対するニアヒュームはロレンツォ軍正面の小母艦級13と搭載艦11万艦に側面の小母艦級38と搭載艦38万艦だ。
このニアヒュームを推定要塞衛星1、艦船24万艦のレオナルド艦隊にぶつけてやる。
ラスティ3の住人が心配だが、総力戦の最中にまさか惑星に攻撃を仕掛ける暇は無いだろう。
まあ、戦いの様子は逐一次元レーダーで確認する。
惑星の住人が危なければ介入も辞さないつもりだ。
◇ ◇ ◇ ◇ ◆
side:ラスティ星系外縁1光年 アキラ視点
僕はロレンツォのニアヒューム討伐軍とともにラスティ星系から1光年の距離に移動した。
ニアヒュームの進路からはラスティ星系を挟んで反対側の位置になる。
つまり合流したニアヒュームからは2光年離れた位置になり、1回1光年しか次元跳躍出来ないニアヒュームからは奇襲を受けることが無い安全地帯だ。
ロレンツォ艦隊は要塞艦9に全艦艇が収容され、いつでもラスティ星系へ向け次元跳躍出来るように待機していた。
ラスティ星系の様子は次元レーダーにより逐一把握出来ている。
レオナルドとニアヒュームがぶつかり疲弊したところに乗り込み殲滅するのが僕達の作戦だ。
僕達はラスティ星系の様子を次元レーダーによって詳細に把握していた。
それを実況風に表現するとこうなる。
ニアヒュームの小母艦級が次元跳躍アウトしてくる。
と同時にそれを次元レーダーによって補足していたレオナルドは、ニアヒュームの小母艦級を要塞衛星の要塞砲で迎撃した。
ニアヒュームはそれを予測していたのか全ての小母艦級が同時に次元跳躍アウトする。
小母艦級1が要塞砲に撃破される中、その他小母艦級50から搭載艦が出撃する。
その数49万艦。大戦力だ。
どうやら撃たれやすい位置で囮となった小母艦級には搭載艦が無かったようだ。
小母艦級1を撃破したわりには当初の予想より搭載艦の数が多い。
レオナルドはニアヒュームに裏をかかれたということだろう。
要塞砲が次弾を発射する前に混戦となり激突する49万対24万。
これで要塞砲は発射できなくなると誰もが思った。
だが要塞砲が何のためらいもなく発射された。
レオナルドにとって部下や無人艦など敵を葬ることが出来るなら犠牲になっても構わないのだろう。
数を減らしていくニアヒュームとレオナルドの艦隊。
まさに泥沼の戦いだった。
レオナルドが躊躇なく要塞砲を撃つことと、ニアヒュームの小母艦級には要塞砲が無かったことが戦いを拮抗させているようだ。
ニアヒュームは要塞衛星を最大の脅威とみなし小母艦級に単縦陣をとらせ突っ込んでいく。
1艦、また1艦と小母艦級が要塞砲の餌食になるが、とうとう小母艦級が要塞衛星にたどり着く。
その刹那、小母艦級が自爆する。
爆煙が晴れると要塞衛星の要塞砲は使えなくなっていた。
だがニアヒュームの艦隊も要塞砲により数を減らしている。
しばらくの混戦の後、ついにレオナルドがニアヒュームを駆逐した。
レオナルドに残されたのは2万艦弱といったところだった。
これが僕達が次元レーダーの情報により把握したラスティ星系の戦いの様子だった。
ニアヒュームはレオナルドにより討たれ、レオナルドの艦隊はニアヒュームにより大幅に戦力を消耗したようだ。
『今がチャンスだ! 我らが星系を取り戻すぞ!』
ロレンツォの号令で僕達はラスティ星系に次元跳躍を開始する。
これでニアヒュームもレオナルドも殲滅出来るだろう。
◇ ◇ ◇ ◆ ◇
side:ラスティ星系 アキラ視点
僕はラスティ星系に次元跳躍アウトした。
僕の専用艦と要塞艦の次元跳躍機関の性能差で僕が先行してしまい単艦で敵前に出てしまう。
「しまった! 罠か!」
僕の目の前にはレオナルドとニアヒュームの艦隊が轡を並べこちらに砲口を向けていた。
そう、今まで次元レーダーで見せられていた情報は欺瞞情報だったのだ。
誰かが次元レーダーを妨害し、さも次元レーダーの探索結果ですよという風に偽の情報を返していたのだ。
レオナルド軍の先頭に黒い塗装の2艦の専用艦が浮かんでいた。
1艦は戦闘特化、1艦は電子戦特化の特殊艦に見えた。
あのブレインハック事件の時に襲って来た特殊艦に酷似している。
しまった。もっと良くあれを調べておくんだった。
「こいつか。こいつが偽情報を送って来ていたのか!」
僕は今まで見たことが無いその特殊艦の性能に戦慄を覚えた。
僕は連続次元跳躍で撤退を考えるも、クールタイム10分の待ち時間と、一緒に次元跳躍したロレンツォと討伐軍の事を思うとそうするわけにはいかなかった。
要塞艦は次の次元跳躍までのクールタイムが長く、早急な連続次元跳躍が出来ないのだ。
僕は迷わず反物質粒子砲をスタンバイし敵の中心に向け発射した。
少しでも敵を減らさなければ負ける。敵は49万+24万の73万艦もいるのだ。
こちらの戦力はロレンツォと正規軍の24万5千。それと僕の専用艦が次元格納庫に持つ無人艦2万だ。
だが無人艦はレオナルドに乗っ取られる危険がある。使えないかもしれない。
敵艦隊に向かう加速された反物質粒子、しかしその射線に小型艦が飛び込んでくる。
敵艦隊との中間で対消滅の大爆発を起こす反物質粒子。
なるほど、被害が出ない距離で先に爆発させてしまうのか。
まさか反物質粒子砲にこんな対処方法があるなんて……。
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