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帝国内乱編
176 帝国内乱編14 絆
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side:クロウニ―星系 ニアヒューム化要塞艦司令室 レオナルド 三人称視点
「なんなんだ、あいつは!」
ロレンツォを葬り去ったと思った瞬間、謎の大型戦艦が現れ、レオナルドの放った要塞砲をバリアーで防いだ。
そして、目にも止まらぬ速度で宇宙空間を駆け抜けると、一瞬のうちに味方のニアフーム化要塞艦の弱点であるニアヒュームのコアを破壊して去って行った。
「くっ! 被害状況は!」
レオナルドは頭に怪我をして血を流していた。
ニアヒュームのコアを破壊したレールガンの直撃による振動で何かが落下し頭に当たったのだ。
「ニアヒューム沈黙!
要塞艦システム、ロック状態に戻りました。
戦闘不能です!」
レオナルドは役立たずになった要塞艦から意識を外し、搭載艦による現有残存戦力の掌握に努めた。
ラスティ星系で分捕った無人艦8万の支配も奪われ、さらに自らの艦隊の無人艦2万にまで敵の支配が及び無効化されていた。
今、こちらが動かせる艦隊は親衛艦隊9万のみ。
頼みのニアヒューム艦も19万弱が自衛モードに入っており動かなくなっていた。
自衛モードに入ったニアヒューム艦は攻撃を受ければ反撃するが積極的な攻勢には出ることが無かった。
敵艦――奪われた無人艦含む――から攻撃を受けると反撃するが、攻撃を受けなければ待機状態になってしまう。
「黒騎士のやつに騙されたわ!
ニアヒュームを制御出来ると言うから食客にしてやったのに、制御が完璧じゃねーのかよ!」
レオナルドは思い出す。
あの2人が転がり込んで来た時のことを。
圧倒的な性能を持つ特殊艦に乗り、帝国が相容れない天敵と呼ぶニアヒュームを制御出来るという売り込みだった。
レオナルドは隣の星系を支配しているロレンツォの存在が面白くなかった。
奴の支配星系は、元々はレオナルドが手塩をかけて育てた星系だった。
レオナルドが上位皇子とトラブルになった時に奪われ、帝国自治領となり、後にロレンツォに与えられたのだった。
そのロレンツォがニアヒューム対策で出撃中という好機に、こちらの星系にもニアヒュームを向かって来ているという状況。
格好のタイミングで現れた2人の口車に乗ったのは、彼らが実際にニアヒューム艦を引き連れていたからだった。
「奴らを利用したつもりで利用されてたのかもしれねーな」
レオナルドはギリリと奥歯を噛みしめた。
この時レオナルドは、頭に受けた傷のショックと強い怒りによってブレインハックの催眠状態から抜け出していた。
自分が騙されたという強い気持ちは、恨みとなりその矛先が黒騎士――プリンスとプリンセス――に向けられた。
「要塞砲に反応炉からエネルギーを直結しろ!
1発でいい。 奴らにぶち込んでやる!」
レオナルドの指示に配下が慌てて従う。
程なくして要塞砲の使用が可能になる。
だが、それはいつ暴走し爆発するかもしれない危険な行為だった。
丁度その時、隣のニアヒューム化要塞艦から黒騎士が出撃しアキラと対峙していた。
「くくく。俺は運が良いな。
同一射線上に獲物が固まっていやがる」
レオナルドは照準をつけると笑いながら要塞砲の引き金を引いた。
◇ ◇ ◇ ◇ ◆
side:クロウニ―星系 専用艦CIC アキラ視点
レオナルドが放った要塞砲の光条が近づいてくる。
ニアヒュームのコアを破壊したから要塞艦はシステムロック状態のはずなのにいったいどうして?
しかし、そんなことを考えている暇はなかった。
プリンス艦もカレン艦も侵食が追いつかない。侵食中のため彼らは自分の意志で回避行動も取れない。
姉貴を見捨てる? そんな決断は僕には出来なかった。
そんな僕の甘い所が命取りになる。シイナ様に言われた通りだ。
『緊急回避、次元跳躍準備完了しています。
タイムリミットまで20秒。 カウントダウン開始。』
「却下だ! 特殊艦を次元格納庫に格納出来ないか!?」
『敵性艦は格納出来ません』
僕は焦る。既に回避限界を迎えつつある。
カウントダウンが耳に響く。
「せめて盾になる艦を!」
盾として次元格納庫から搭載艦を展開するも焼け石に水だろう。
その時、懐かしい声が響いた。
『何やってんの、お兄ちゃん!』
楓の戦艦が要塞砲の射線を遮るように次元跳躍アウトしてくる。
『……めっ!』
楓艦に抱かれるようにへばりついた美優艦が次元格納庫から紗綾艦を放出する。
『全くもう、晶羅っちは駄目だな~。
なんでも1人でやろうとするんじゃないぞ』
紗綾艦が僕らの前に出ると相転移フィールドを展開し、要塞砲の光条を防ぐ。
危機一髪。要塞砲の光条は相転移フィールドによって無効化された。
続けて菜穂艦が美優艦の次元格納庫から出てくる。
『いつだってお姉さんを頼っていいのよ?』
菜穂艦がジャミングをかけ通信を乗っ取り、ブラッシュリップスの曲を強制的に全チャンネルに流す。
黒騎士の支配により徐々に制御を取り戻しつつあったニアヒューム艦が混乱し同士討ちを始める。
続けて綾姫艦が美優艦の次元格納庫から出てくる。
『教官が言ってた。
艦隊は1+1を3にも4にも出来るんだって。
私達を何だと思ってるの?』
『『『『『私達はブラッシュリップス艦隊よ(だぞ)(ん)』』』』』
『私達1人1人の力では何も出来なくても、全員が揃えば晶羅と同じ事だって出来ちゃうんだからね?』
僕の頼もしい仲間が助けに来てくれた。
「そうだった。僕はもうぼっちじゃなかったんだ」
綾姫艦が高速移動を始める。
レオナルドの要塞艦に向かって赤い光を引いて離れていくと対艦刀で要塞砲を破壊する。
あっと言う間に処理すると蒼い光を纏って帰って来た。
だが、急制動をかけて止まったと思ったら宇宙空間を漂い始めた。
『美優~。回収して。もう動けないよ』
『ん。 ほいっ』
綾姫艦の活動限界時間は短かった。
どうやら、彼女達の専用艦の能力は僕の高速戦艦の装備の劣化版のようだ。
楓艦は次元跳躍装置。加速装置(デチューン版)。
美優艦は次元格納庫。容量制限有り。
紗綾艦は相転移フィールドバリヤー。フィールドの大きさが小さい。
菜穂艦は電子戦装備。もしかすると僕の専用艦より強力?
綾姫艦はV-MAX。速度が多少劣り、活動時間が短い。
『その能力、どうやって手に入れたのさ?』
『楓は元から次元跳躍機関を持っていたけど、他の皆は急に融合フィールドに包まれちゃってさ。
融合が終わったらレベルアップしていたんだよ』
もしかして、僕と長く接触していたことが影響したのか?
『そんなことより、さっさと敵をやっつけるよ!』
『ダウンした綾姫の位置は晶羅が入って。
フォーメーションAで行くよ!』
『『『『おー』』』』
久しぶりにブラッシュリップス艦隊のオンステージだ。
『ちょっと! いまダブル晶羅になっちゃってるよ!』
晶羅の代役をしていた楓が叫ぶも皆に無視されていた。
ファンが見て無ければそこはどうでもいいんだよね。
まあ、この戦いは配信中止だけどね。
「なんなんだ、あいつは!」
ロレンツォを葬り去ったと思った瞬間、謎の大型戦艦が現れ、レオナルドの放った要塞砲をバリアーで防いだ。
そして、目にも止まらぬ速度で宇宙空間を駆け抜けると、一瞬のうちに味方のニアフーム化要塞艦の弱点であるニアヒュームのコアを破壊して去って行った。
「くっ! 被害状況は!」
レオナルドは頭に怪我をして血を流していた。
ニアヒュームのコアを破壊したレールガンの直撃による振動で何かが落下し頭に当たったのだ。
「ニアヒューム沈黙!
要塞艦システム、ロック状態に戻りました。
戦闘不能です!」
レオナルドは役立たずになった要塞艦から意識を外し、搭載艦による現有残存戦力の掌握に努めた。
ラスティ星系で分捕った無人艦8万の支配も奪われ、さらに自らの艦隊の無人艦2万にまで敵の支配が及び無効化されていた。
今、こちらが動かせる艦隊は親衛艦隊9万のみ。
頼みのニアヒューム艦も19万弱が自衛モードに入っており動かなくなっていた。
自衛モードに入ったニアヒューム艦は攻撃を受ければ反撃するが積極的な攻勢には出ることが無かった。
敵艦――奪われた無人艦含む――から攻撃を受けると反撃するが、攻撃を受けなければ待機状態になってしまう。
「黒騎士のやつに騙されたわ!
ニアヒュームを制御出来ると言うから食客にしてやったのに、制御が完璧じゃねーのかよ!」
レオナルドは思い出す。
あの2人が転がり込んで来た時のことを。
圧倒的な性能を持つ特殊艦に乗り、帝国が相容れない天敵と呼ぶニアヒュームを制御出来るという売り込みだった。
レオナルドは隣の星系を支配しているロレンツォの存在が面白くなかった。
奴の支配星系は、元々はレオナルドが手塩をかけて育てた星系だった。
レオナルドが上位皇子とトラブルになった時に奪われ、帝国自治領となり、後にロレンツォに与えられたのだった。
そのロレンツォがニアヒューム対策で出撃中という好機に、こちらの星系にもニアヒュームを向かって来ているという状況。
格好のタイミングで現れた2人の口車に乗ったのは、彼らが実際にニアヒューム艦を引き連れていたからだった。
「奴らを利用したつもりで利用されてたのかもしれねーな」
レオナルドはギリリと奥歯を噛みしめた。
この時レオナルドは、頭に受けた傷のショックと強い怒りによってブレインハックの催眠状態から抜け出していた。
自分が騙されたという強い気持ちは、恨みとなりその矛先が黒騎士――プリンスとプリンセス――に向けられた。
「要塞砲に反応炉からエネルギーを直結しろ!
1発でいい。 奴らにぶち込んでやる!」
レオナルドの指示に配下が慌てて従う。
程なくして要塞砲の使用が可能になる。
だが、それはいつ暴走し爆発するかもしれない危険な行為だった。
丁度その時、隣のニアヒューム化要塞艦から黒騎士が出撃しアキラと対峙していた。
「くくく。俺は運が良いな。
同一射線上に獲物が固まっていやがる」
レオナルドは照準をつけると笑いながら要塞砲の引き金を引いた。
◇ ◇ ◇ ◇ ◆
side:クロウニ―星系 専用艦CIC アキラ視点
レオナルドが放った要塞砲の光条が近づいてくる。
ニアヒュームのコアを破壊したから要塞艦はシステムロック状態のはずなのにいったいどうして?
しかし、そんなことを考えている暇はなかった。
プリンス艦もカレン艦も侵食が追いつかない。侵食中のため彼らは自分の意志で回避行動も取れない。
姉貴を見捨てる? そんな決断は僕には出来なかった。
そんな僕の甘い所が命取りになる。シイナ様に言われた通りだ。
『緊急回避、次元跳躍準備完了しています。
タイムリミットまで20秒。 カウントダウン開始。』
「却下だ! 特殊艦を次元格納庫に格納出来ないか!?」
『敵性艦は格納出来ません』
僕は焦る。既に回避限界を迎えつつある。
カウントダウンが耳に響く。
「せめて盾になる艦を!」
盾として次元格納庫から搭載艦を展開するも焼け石に水だろう。
その時、懐かしい声が響いた。
『何やってんの、お兄ちゃん!』
楓の戦艦が要塞砲の射線を遮るように次元跳躍アウトしてくる。
『……めっ!』
楓艦に抱かれるようにへばりついた美優艦が次元格納庫から紗綾艦を放出する。
『全くもう、晶羅っちは駄目だな~。
なんでも1人でやろうとするんじゃないぞ』
紗綾艦が僕らの前に出ると相転移フィールドを展開し、要塞砲の光条を防ぐ。
危機一髪。要塞砲の光条は相転移フィールドによって無効化された。
続けて菜穂艦が美優艦の次元格納庫から出てくる。
『いつだってお姉さんを頼っていいのよ?』
菜穂艦がジャミングをかけ通信を乗っ取り、ブラッシュリップスの曲を強制的に全チャンネルに流す。
黒騎士の支配により徐々に制御を取り戻しつつあったニアヒューム艦が混乱し同士討ちを始める。
続けて綾姫艦が美優艦の次元格納庫から出てくる。
『教官が言ってた。
艦隊は1+1を3にも4にも出来るんだって。
私達を何だと思ってるの?』
『『『『『私達はブラッシュリップス艦隊よ(だぞ)(ん)』』』』』
『私達1人1人の力では何も出来なくても、全員が揃えば晶羅と同じ事だって出来ちゃうんだからね?』
僕の頼もしい仲間が助けに来てくれた。
「そうだった。僕はもうぼっちじゃなかったんだ」
綾姫艦が高速移動を始める。
レオナルドの要塞艦に向かって赤い光を引いて離れていくと対艦刀で要塞砲を破壊する。
あっと言う間に処理すると蒼い光を纏って帰って来た。
だが、急制動をかけて止まったと思ったら宇宙空間を漂い始めた。
『美優~。回収して。もう動けないよ』
『ん。 ほいっ』
綾姫艦の活動限界時間は短かった。
どうやら、彼女達の専用艦の能力は僕の高速戦艦の装備の劣化版のようだ。
楓艦は次元跳躍装置。加速装置(デチューン版)。
美優艦は次元格納庫。容量制限有り。
紗綾艦は相転移フィールドバリヤー。フィールドの大きさが小さい。
菜穂艦は電子戦装備。もしかすると僕の専用艦より強力?
綾姫艦はV-MAX。速度が多少劣り、活動時間が短い。
『その能力、どうやって手に入れたのさ?』
『楓は元から次元跳躍機関を持っていたけど、他の皆は急に融合フィールドに包まれちゃってさ。
融合が終わったらレベルアップしていたんだよ』
もしかして、僕と長く接触していたことが影響したのか?
『そんなことより、さっさと敵をやっつけるよ!』
『ダウンした綾姫の位置は晶羅が入って。
フォーメーションAで行くよ!』
『『『『おー』』』』
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