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ガチャ屋開業編
041 ニク、店を壊す
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カナタたちが屋敷から屋根付き廊下を通って店舗まで戻ると、そこは破壊され入り口ドアが無くなったせいで対面する大通りが丸見えになっていた。
店内には棚の残骸とガラの悪そうな冒険者が5人横たわっていた。
その手前にはニクが廊下への出入口を守るように冒険者たちを見下ろして立っていた。
カナタは、それだけで全てを察した。
「まさかまた……」
この店は冒険者ギルドの斜向かいにあるため治安が良いはずの場所だった。
そんなギルドの目があるところにも強盗が来るのかとカナタは呆れた。
「ニク、これはいったい……」
「マスター、強盗を制圧しました」
ニクが短くカナタに報告する。
まあ、カナタもそうなんじゃないかと思っていたわけだが。
カナタたちは冒険者ギルドでギルドマスターと直々に面会していた様子を不特定多数に見られていた。
その応接室に貨幣袋が持ち込まれたのも見られていただろう。
街ではダリル盗賊団がレグザスに殲滅されたという噂が流れている。
つまり、カナタたちがそのお零れで大金を手にしている可能性が高い。
カナタたちは子供と若い女性3人だけのパーティーだ。
テンプレのフラグが立つには充分だった。
カナタは、先ほどニクに言った「強盗が来たらやっつけちゃってね」という冗談が現実となっていることに今更気付き、それが良かったのか悪かったのか破壊された店内を見ながら頭を抱えるのだった。
何しろ、ここは冒険者ギルドの斜向かいなので、ドアの無くなった外には今も野次馬が増え続けている。
強盗達を闇に葬って隠蔽するわけにはいかないのだ。
「はい、ちょっとごめんよ」
そこに顔を出したのはレグザスだった。
レグザスは店内に入って来ると、ぐちゃぐちゃになった店内を見まわして顔を顰めた。
倒れている冒険者5人に見覚えがあったのと、その倒した側がカナタたちだったからだ。
冒険者たちはこのグラスヒルのスラムを根城とする犯罪組織に関わる連中だった。
これは面倒なことになるなとレグザスは思った。
「で、何があった?」
レグザスがニクに問い質す。
この惨状を見るに、ニクが魔法で制圧したことは火を見るよりも明らかだった。
レグザスも盗賊討伐でニクの強さと魔法の威力を知っている。
それに対しニクがカナタの方を見て、視線で発言の許可を求める。
カナタが頷くとニクが状況を説明しだした。
「この5人がマスターの許可なく店舗に侵入して来ました。
私はこの連中が客である可能性を排除するため、この店舗が開店前だと説明し退去を要求しました。
しかし、この連中は退去命令に従わずドアを閉めると金銭を要求しました。
ここで商売をするなら金銭を払うのがルールだそうです。
私がそれを拒否すると、彼らは武器に手をかけたため、敵対勢力と断定し排除しました。以上」
それはカナタにした説明よりも長く丁寧だった。
カナタは、自分にもそう説明して欲しかったと思ったが、ここで言うと拗れそうなので黙ることにした。
「なるほど。見ヶ〆料の要求か。
武器を手にしたので自衛のために反撃。
立派な正当防衛だな」
レグザスは外の野次馬に聞こえるように大声で説明台詞を言った。
このグラスヒルでレグザスは領主おかかえの冒険者として有名だった。
つまりレグザスの裁定は領主の後ろ盾を前提としたものとなる。
この件は強盗まがいのならず者が反撃された自業自得、それで決着がついた。
ただし、壊された――というかニクがやった――店舗の修理代は相手の経済力が低いためにカナタは手にすることが出来なかった。
彼らは働いて弁償するなり自ら奴隷として身を売って金を作るなりが出来なかったからだ。
なぜなら、彼らはもう息をしていなかったのだ。
カナタのガチャ屋は購入1日目に営業が不可能となった。
ここでラノベ主人公ならば、自らの魔法で一瞬のうちに直すところだが、カナタにはそんな便利なスキルも魔法も無かった。
結局、サーナリアの実家であるウッドランド子爵家の伝手で大工を雇って直すことになったのだった。
店が直るまで、カナタは当分ウッドランド子爵家別邸にて居候を続けることになった。
サーナリアが小さくガッツポーズをしているところをカナタは見なかったことにした。
「冒険者ギルドへの引っ越し報告は、引っ越しが成立しなかったため取りやめとなりました。
サーナリア様への引っ越し報告も店が直るまで延期です。
ウッドランド子爵との面会は子爵ご到着次第となっています。
各金属インゴットの売買代金受け取りは明日を予定しています。
着替えの購入、バタバタして出来てません!」
ララが秘書のような面持ちでカナタに報告する。
「着替えは明日にでも買いに行こう。
店の制服はオーダーになるから早めにしないとね。
あと、ハズレオーブの仕入れもやっておきたい。
この街に来てからはまだ仕入れてないからね」
「わかりました。
ハズレオーブの購入を、インゴットの売買代金受け取り後にスケジュール設定します」
そのララのテキパキとした秘書然とした姿に、秘書用のビジネススーツと眼鏡を購入しないとと、カナタに知らないはずの知識が囁いた。
お金はまだあるので、ハズレオーブ購入は急ぐものではなかったのだが、ハズレオーブを買うことでカナタたちは有用な取引相手だと認識され、冒険者からの扱いが好転するのをカナタは少ない経験で気付いていたのだ。
「それでは、今日はサーナリア様との会食後自由時間となります」
「わかった」
秘書役が板について来たララだった。
ルルはその様子を猫のようにゴロゴロ寝ころびながら伺っていた。
ニクはカナタから制圧時の武器出力を抑えるように命じられ悩んでいた。
ニクは手加減という言葉を知らなかった。
店内には棚の残骸とガラの悪そうな冒険者が5人横たわっていた。
その手前にはニクが廊下への出入口を守るように冒険者たちを見下ろして立っていた。
カナタは、それだけで全てを察した。
「まさかまた……」
この店は冒険者ギルドの斜向かいにあるため治安が良いはずの場所だった。
そんなギルドの目があるところにも強盗が来るのかとカナタは呆れた。
「ニク、これはいったい……」
「マスター、強盗を制圧しました」
ニクが短くカナタに報告する。
まあ、カナタもそうなんじゃないかと思っていたわけだが。
カナタたちは冒険者ギルドでギルドマスターと直々に面会していた様子を不特定多数に見られていた。
その応接室に貨幣袋が持ち込まれたのも見られていただろう。
街ではダリル盗賊団がレグザスに殲滅されたという噂が流れている。
つまり、カナタたちがそのお零れで大金を手にしている可能性が高い。
カナタたちは子供と若い女性3人だけのパーティーだ。
テンプレのフラグが立つには充分だった。
カナタは、先ほどニクに言った「強盗が来たらやっつけちゃってね」という冗談が現実となっていることに今更気付き、それが良かったのか悪かったのか破壊された店内を見ながら頭を抱えるのだった。
何しろ、ここは冒険者ギルドの斜向かいなので、ドアの無くなった外には今も野次馬が増え続けている。
強盗達を闇に葬って隠蔽するわけにはいかないのだ。
「はい、ちょっとごめんよ」
そこに顔を出したのはレグザスだった。
レグザスは店内に入って来ると、ぐちゃぐちゃになった店内を見まわして顔を顰めた。
倒れている冒険者5人に見覚えがあったのと、その倒した側がカナタたちだったからだ。
冒険者たちはこのグラスヒルのスラムを根城とする犯罪組織に関わる連中だった。
これは面倒なことになるなとレグザスは思った。
「で、何があった?」
レグザスがニクに問い質す。
この惨状を見るに、ニクが魔法で制圧したことは火を見るよりも明らかだった。
レグザスも盗賊討伐でニクの強さと魔法の威力を知っている。
それに対しニクがカナタの方を見て、視線で発言の許可を求める。
カナタが頷くとニクが状況を説明しだした。
「この5人がマスターの許可なく店舗に侵入して来ました。
私はこの連中が客である可能性を排除するため、この店舗が開店前だと説明し退去を要求しました。
しかし、この連中は退去命令に従わずドアを閉めると金銭を要求しました。
ここで商売をするなら金銭を払うのがルールだそうです。
私がそれを拒否すると、彼らは武器に手をかけたため、敵対勢力と断定し排除しました。以上」
それはカナタにした説明よりも長く丁寧だった。
カナタは、自分にもそう説明して欲しかったと思ったが、ここで言うと拗れそうなので黙ることにした。
「なるほど。見ヶ〆料の要求か。
武器を手にしたので自衛のために反撃。
立派な正当防衛だな」
レグザスは外の野次馬に聞こえるように大声で説明台詞を言った。
このグラスヒルでレグザスは領主おかかえの冒険者として有名だった。
つまりレグザスの裁定は領主の後ろ盾を前提としたものとなる。
この件は強盗まがいのならず者が反撃された自業自得、それで決着がついた。
ただし、壊された――というかニクがやった――店舗の修理代は相手の経済力が低いためにカナタは手にすることが出来なかった。
彼らは働いて弁償するなり自ら奴隷として身を売って金を作るなりが出来なかったからだ。
なぜなら、彼らはもう息をしていなかったのだ。
カナタのガチャ屋は購入1日目に営業が不可能となった。
ここでラノベ主人公ならば、自らの魔法で一瞬のうちに直すところだが、カナタにはそんな便利なスキルも魔法も無かった。
結局、サーナリアの実家であるウッドランド子爵家の伝手で大工を雇って直すことになったのだった。
店が直るまで、カナタは当分ウッドランド子爵家別邸にて居候を続けることになった。
サーナリアが小さくガッツポーズをしているところをカナタは見なかったことにした。
「冒険者ギルドへの引っ越し報告は、引っ越しが成立しなかったため取りやめとなりました。
サーナリア様への引っ越し報告も店が直るまで延期です。
ウッドランド子爵との面会は子爵ご到着次第となっています。
各金属インゴットの売買代金受け取りは明日を予定しています。
着替えの購入、バタバタして出来てません!」
ララが秘書のような面持ちでカナタに報告する。
「着替えは明日にでも買いに行こう。
店の制服はオーダーになるから早めにしないとね。
あと、ハズレオーブの仕入れもやっておきたい。
この街に来てからはまだ仕入れてないからね」
「わかりました。
ハズレオーブの購入を、インゴットの売買代金受け取り後にスケジュール設定します」
そのララのテキパキとした秘書然とした姿に、秘書用のビジネススーツと眼鏡を購入しないとと、カナタに知らないはずの知識が囁いた。
お金はまだあるので、ハズレオーブ購入は急ぐものではなかったのだが、ハズレオーブを買うことでカナタたちは有用な取引相手だと認識され、冒険者からの扱いが好転するのをカナタは少ない経験で気付いていたのだ。
「それでは、今日はサーナリア様との会食後自由時間となります」
「わかった」
秘書役が板について来たララだった。
ルルはその様子を猫のようにゴロゴロ寝ころびながら伺っていた。
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