父親が呪われているので家出してガチャ屋をすることにしました

北京犬(英)

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ガチャ屋開業編

050 カナタ、オークションに参加する3

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 オークションは続き、幸いこれまでカナタが欲しがるようの品が出品されることはなく、落札したくてウズウズしていたカナタも少し落ち着きを取り戻していた。

「さて、ここで前半のアイテムオークション最後の品です。
またもやエクストラポーションの出品です!
こちらはD氏による出品になります」

 なんとカナタではない他の冒険者によるエクストラポーションが壇上に上がった。

「おいおい今回はどうしたんだ?」

「まだ後半もあるんだろ?」

「当たりだ。今回は当たり回だ!」

 アイテムオークションは前半と後半に分けて行われることになっていた。
その中間に生き物オークションが入る。
これはアイテムの落札だけで資金を使い過ぎて生き物を買わないということにならないようにという措置だった。
生き物は維持にエサ代や管理費などのお金がかかる。
なるべく売り切りたいというのが主催者及び出品者の意向だった。
アイテムなら売れ残っても次があり、保管の経費もあまりかからない。
それがアイテムオークションを前半後半に分ける理由だった。
なので資金を使い切った後半の方がお買い得であると、それを最初から狙っている者もいた。
実際は狙った品が後半には出なかったり、後半狙い同士がぶつかって値が上がったりと、大した差はないのだが。

「それでは、300万DGから10万DGずつ上げて行きます。
310、320、330……510、520、530!
おっと530で全滅だ」

 最後まで札を揚げていた20番と16番が530万DGで同時に降りた。
16番は最初のエクストラポーションを620万DGで競り勝った人だった。
おそらくもう1つを520万で落とせば(620万+520万)/2で1つ570万になるという計算なのだろう。
後の方の落札の方が安く競り落とせるので、損切で落札しようとしたのだろう。
しかし、最後の530万に誰も札を揚げなかったため、オークションは変則ルールに突入する。

「最後の権利者は16番様と20番様です。
お二人だけが入札する権利があります。
では、529万DGから1万DGずつ値を下げて行きます。
先に札を揚げた方が今回の落札となります」

 オークショニアが16番と20番に説明をし確認の視線を飛ばす。
二人が納得したところで、オークショニアは529からカウントダウンを始めた。
これが521になるまで続き落札者が決まる。
ただし、521で二人同時に札が揚がった場合或いは誰も揚げなかった場合は落札不成立となる。
その下の位まで落として再度カウントダウンという事はしない。

「それでは開始します。
529、528、527、526、525!
決まりました。20番様落札です!」

 なんと20番が先に札を揚げて落札した。
もしかすると16番は予算オーバーで520万DG出すのがギリギリだったのかもしれない。
525万DGは今回出品されたエクストラポーションの最安値だった。
20番は今まではエクストラポーションに手を出さない商人だったようで、ホクホク顔で喜んでいた。
しかし、最安値で落札されたのがD氏による出品の方だとは、カナタはつくづく運が良かった。

「休憩を挟みまして、続けて生き物オークションを開催します。
その後、アイテムオークション後半もございますので、アイテム入札をされる方はしばらくお待ちいただくこととなります」

 アイテムオークション後半には、カナタが出品したエクストラポーションがまだ1つ残っている。
他にもカナタ出品の武器防具も控えている。
この順番は単純に抽選によるものなので、何の意図も働いていないのだが、エクストラポーションが6個以上――まだ他の人が出品しているかもしれない――が後半にも出るのは異例中の異例だった。
前半に出なければ後半に出る、前半に出れば後半は出ない、または1個も出ない、その程度の出品率なのがエクストラポーションだった。
カナタが、まだ8個持っているなんて知られたら命を狙われかねなかった。

 カナタは初めてのオークションで興奮していた。
自分が出品したエクストラポーションが高値で落札されるのも嬉しいが、もう既に借金分の売り上げは確保してしまい、余裕が出来たのも大きかった。

「サーナリア様、生き物オークションとは、どういった出品がされるのですか?」

 カナタはオークションで、どうのような生き物が扱われるかを知らなかったので、サーナリアに尋ねた。
カナタが行ったバックヤードはアイテム専門の場所で、会場を挟んで反対側が生き物の保管場所だったため気付かなかったのだ。
サーナリアは、どう説明しようかと一瞬考え少し躊躇して答えた。

「そうですわね……。
ペットとして飼われる珍しい動物とか、特殊技能スキルを持った奴隷とか。
異国から来た仕事目的の奴隷ですかしら……。
あ、もちろん合法な奴隷ですわ」

 サーナリアは、ペット・・・とか珍しい動物・・・・・とか特殊技能・・・・とか異国から・・・・とか仕事・・とか、他の用語の部分をオブラートに包んだ微妙に違う表現を選んで答えていた。
ここにオークションの闇の部分があったのだが、カナタは全く気付くことが出来なかった。


 休憩が終わり生き物オークションが開始された。

「最初の出品は珍しい騎獣だ!
テイマーによりテイムされたフェンリル、その子から幾代経ち、調教ペット化済みの騎獣、フェンリネルの子供だ」

 最初の出品は騎獣だった。
騎獣とは、乗用に調教された獣の総称だった。
馬系は当然のこと、鳥系、トカゲ系、そして犬猫のモフモフ系がいた。
このフェンリネルは、フェンリルの子を調教ペット化して大人しく品種改良された珍しい騎獣で希少価値があった。

「最低落札価格は500万DGから10万刻みで上げていきます。
それでは、510、520、530」

 カナタの目の前に愛らしいモフモフがいた。
白というより銀色の長い毛、大きさは騎獣の子なため既に50cmほどあったが、見た目は紛れもない子犬。
そのウルウルした子犬の目と目が合ってしまったカナタはついつい札を揚げてしまっていた。

「670、680、690、700!
はい、5番様落札です」

 カナタがモフモフを落札した。
モフモフの魅力に札を降ろすのを忘れていたと言った方が良いかもしれない。
フェンリネルの子としては少々高めの落札だった。
価値を知らないものにオークションで手を出してはいけないという典型だった。
あと、ペットを飼うときは家族と相談しましょう。
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