68 / 204
ガチャ屋開業編
068 カナタ、ダンジョンに行く2
しおりを挟む
お知らせ
67話において、鉱山ダンジョンを洞窟ダンジョンだと勘違いしてずっと記述していました。
鉱山ダンジョンが正解です。修正しました。読み直す必要はないです。
※修正を入れると未読のカウントが増えるみたいなのでお知らせを入れるようにしています。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
鉱山ダンジョンはグリーンバレーの北門から出て北西に向かい歩いて20分ほどの山にあった。
グリーンバレー自体がその山々の間にある谷に作られた鉱山街であり、街から目視出来るほど近い距離にその鉱山ダンジョンはあった。
元々は鉄鉱石を少量算出する鉱山だったのだが、20年ぐらい前に坑道がダンジョンに繋がってしまい鉱山は閉山、王命により管理管轄が冒険者ギルドに移った。
冒険者ギルドは冒険者を募って現地調査を開始。
主にゴーレムが出現するダンジョンだと判明し、そのドロップオーブによって希少金属が排出する鉱山ダンジョンという認識となった。
鉱山主だったグリューン子爵は、冒険者ギルドが扱うドロップ品の売り上げから一定量の税金が入ることで、鉱山を失っても余りある収入源を得ることが出来た。
管理をしなくても良く、労働力の経費が無いうえに収入があり、街では排出する金属を加工する産業も栄えてさらに税収も増える、まさに宝の山となった。
カナタたちは、鉱山ダンジョンの入り口にやって来ていた。
そこには、ギロチン式の、扉を上から落下させる形の門が設置されていた。
これは、ダンジョンから魔物が溢れるスタンピード対策であり、緊急時には重い扉のロックを解除し落下させて、門を閉鎖することになっていた。
「凄い門だね」
「これぐらいじゃないと、スタンピードを押さえられないということでしょうね」
カナタたちは門を見上げてポカーンと口を開けて話していた。
そこに男が話しかけて来る。
「こらこら、ここは子供の来るところじゃないぞ。
危ないから帰った帰った」
その男は、冒険者ギルドの職員で、鉱山ダンジョンの入り口の管理人だった。
ダンジョンへの入場は危険を伴うため、誰が何人が入っていて、誰が何人戻って来ているのか把握する必要があったのだ。
予定期間を超えて帰って来ないパーティーがあれば、救助パーティーを募って派遣することもあった。
「僕たちはDランクパーティーだから、大丈夫だよ?」
カナタたちは、カナタとニクがDランクでヨーコがFランクなため、パーティーランクはDランクを名乗れていた。
Fランクのヨーコが居ても引率にDランクのカナタとニクがいれば、鉱山ダンジョン入りは問題がなかった。
カナタが冒険者カードを見せると、男は驚いた顔をしたが納得したようだ。
「マジか。Dランクなら大丈夫なんだろうが、気を付けるんだぞ?
今日はどうするんだ? 何日潜るつもりだ?」
男は見た目7歳児のカナタを本気で心配していたようだ。
そして、本来の職務である冒険者管理のための質問をした。
「今日はお試しで日帰りの予定だよ」
「そうか、気を付けるんだぞ」
男は”カナタD、ニクD、ヨーコF、騎獣1匹日帰り”とメモを取るとカナタたちのダンジョン入りを認めた。
「俺は、この鉱山ダンジョンの管理人のハンスだ。
一応冒険者ギルドの職員だからな。
何か困ったことがあったら相談に乗るぞ」
「うん、ありがとう」
ハンスはカナタたちを心底心配しているようで、その気持ちはカナタもありがたかった。
カナタはハンスを良い人なんだろうと認識した。
鉱山ダンジョンの門は緊急時以外は開きっぱなしだ。
元々洞窟の先を鉱山として開発したため、入り口は二階建ての家ぐらいの広さで口を開けていた。
魔物の出入りを防ぐなら、人ひとりが出入り出来るぐらいに入り口を小さくすれば良いと思うのだが、なぜか入り口は広いままだった。
「さあ、入ろうか。準備はいい?」
「はい、マスター」
「わん」
「まかせて、【ライト】!」
カナタと2人と1匹はダンジョンに突入した。
そこは自然の洞窟で入り口は広く、先に行くほど狭くなっていた。
ヨーコが【ライト】を唱えたが、入り口付近には壁に照明の魔道具が設置されていて、【ライト】の魔法なしでも視界は確保されていた。
これは冒険者ギルドが設置しているもので、これも鉱山ダンジョンの管理業務の一部だった。
しかし、【ライト】の方が遥かに明るいため、ヨーコの魔法は無駄ではなかった。
カナタたちはニク、カナタ、シフォンとヨーコという1・1・2フォーメーションで進んで行った。
自然の洞窟を暫く進むと、その先には人の手で掘られた坑道が現れた。
ここからダンジョンは鉱山部分となる。
坑道は1人しか通れない狭さから横に2人並べるほどの広さ程度で狭かった。
いくつも枝分かれしているが、冒険者ギルドによって壁に道順が示されており、一本道で先へと進むことが出来た。
暫く進むと、ついに壁の質感が変わった。
自然の岩を掘った坑道から、人工物の壁になった感じだろうか。
広さも人が横に5人並べるほどのものになった。
まさにそこからが本当のダンジョンの内部だった。
「みんな、気を付けて。
横に広いから回り込まれるかもしれない」
ここから本格的に魔物が出て来るという危険と、道が広くなったことによる物理的な危険をカナタは皆に警告した。
「まずは1層目でダンジョンに慣れる。
ヨーコ、洞窟タイプのダンジョンでは火魔法は厳禁ね。
僕も風魔法中心でいく。
それじゃ、ニク頼むよ」
「わかった」
「わかりました。マスター」
「わん?」
シフォンが自分に指示がないと首を傾げて訊いて来る。
カナタはその可愛さにクスりと笑うと指示を出した。
「シフォンはヨーコを守って」
「わん!」
満足そうなシフォンに皆ほっこりするのだった。
暫く進むと、ついに魔物とエンカウントした。
「マスター、敵を視認しました。
マッドゴーレム1体が接近中です」
ニクの警戒網にマッドゴーレムが引っかかった。
マッドゴーレムとは、泥を主成分とした最も弱いゴーレムだ。
ガチャオーブからは陶器の材料になる粘土がドロップすることが多い。
これも産業には必要な材料なのだが、安すぎるあまり、倒さずスルーされることが多い。
ハズレオーブとしてカナタの元に来なかった理由がまさにそこにあった。
倒すのさえ面倒になるぐらい安い。
しかも、他の泥系魔物からは陶器の完成品そのものが出る。
安い粘土を得るために危険を冒してまで倒す価値がない。
動きが鈍いので、回避するのも簡単。
そうやって敬遠されるのがマッドゴーレムだった。
一般的なゴーレムの認識である肉石鉄銅銀金からマッドゴーレムの泥が省かれてしまうのもそういった理由だった。
「僕たちはダンジョン初心者だから、マッドゴーレムと戦ってみよう」
カナタは、そんなマッドゴーレムと戦うことを選んだ。
何事も最初があるので、いきなり強い魔物と戦うより良いと思ったのだ。
「はい。マスター」
「了解」
「わん」
全員が武器を構え準備を整え終えてマッドゴーレムを待ち構えた。
マッドゴーレムはこちらの存在を把握し、ズリズリと泥の道を造りながら近づいて来た。
その道となっている泥の分が減らないのは何故なのだろうとカナタが思っているうちに、マッドゴーレムは攻撃可能範囲に入っていた。
「【風刃】!」
ヨーコが【風刃】の魔法をマッドゴーレムに撃つ。
しかし、その魔法で切断された身体は、直ぐにくっついて再生した。
マッドゴーレムの身体は元々泥なので、切っても意味がないのだ。
「ご主人さま、エアーカッターが効かないわよ!?」
実はマッドゴーレムは、洞窟内禁じ手の火魔法が弱点だった。
焼いて身体の水分を飛ばしてしまうと身体が固まり崩れてしまう。
その火魔法が洞窟内では使えないので、ある意味厄介な相手になってしまうのだ。
「たしかコアを壊せば倒せるはず」
カナタが本の知識を披露するも、そのコアの位置がわからなかった。
それもそのはす、マッドゴーレムのコアは身体の中を移動しているので、狙うべき特定の場所などないのだ。
「コアってどこなの?」
ヨーコはもうお手上げという感じで魔法を諦め自衛用のナイフを構えた。
「そうだ。【魔力探知】【MAP】」
カナタは【魔力探知】と【MAP】を使い、マッドゴーレムのコアの位置を地図化した。
その地図にはリアルタイムでコアの位置が書き換えられており、それがカナタの目の前のマッドゴーレムに重なるようにAR表示されていた。
「見える!」
残念なことに、コアの位置がリアルタイムで移動するため、この情報を他人に伝える術がなかった。
口頭で伝えても、その瞬間にはコアは別の場所に移動している。
もし、この情報をパーティーメンバーで共有できれば、複数の魔物相手でも対処が楽になっただろう。
だが、今はカナタしかそれを目にすることが出来ない。
カナタ自身がマッドゴーレムを倒す必要があった。
カナタは鋼の剣+2を【ロッカー】にしまうと、ガチャから出て来た鋼の槍に持ち替えた。
そして一気にマッドゴーレムへと接近し的を絞ると槍でコアを突いた。
「えい!」
カナタはスキル【俊足】と【身体強化】、示威行動の時にスキルガチャで手に入れた【槍技】で見事マッドゴーレムを倒した。
ガチャ ポン! チャリン♪
マッドゴーレムはガチャオーブとDGをドロップした。
DGは銅貨3枚――30DG――で、ガチャオーブはNオーブのハズレオーブだった。
たぶん粘土が出るオーブだが、カナタが携帯ガチャ機に再装填すればHNオーブになるはず。
泥系のHNアイテムとはいったい何が出るのか、カナタは興味津々だった。
そうそう、カナタが示威行動を行った時に、消火のために水魔法スキルを手に入れる必要があり、スキルガチャを引きまくった。
そこで出たスキルが今回役に立っていた。
【槍技】以外にもスキルが増えているので現在のステータスを記しておく。
名前 :カナタ=ミル=ファーランド
種族 :人間 年齢:11才 性別:男
職業 :魔術師 (勇者)女神の加護により隠蔽中
レベル:10
体力 :300/300(100,000)呪いにより低下中
魔力 :51,000/51,000(1,000,000)呪いにより低下中
幸運 :65(+80+100(ガチャバカ一代補正分))呪いにより低下中
状態 :成長不良 (呪いの余波)
Nスキル:お財布 生活魔法 図鑑Lv.3 MAPLv.4 ロッカーLv.4
裁縫Lv.1new 料理Lv.1new 掘削Lv.1new 礼儀作法Lv.1new
HNスキル:魔力操作Lv.3 遠見Lv.1 剣技Lv.1 槍技Lv.1new 盾技Lv.1new
火魔法Lv.3 風魔法Lv.1 水魔法Lv.1new 土魔法Lv.1new
Rスキル:身体強化Lv.3 俊足Lv.2 金剛Lv.1new 回避Lv.1new
SRスキル:時空魔法Lv.5(7)呪いにより低下
付与魔法Lv.1new 錬金術Lv.1new 陣魔法Lv.1new
URスキル:魔力探知Lv.3
LRスキル:
GRスキル:携帯ガチャ機
称号:ガチャバカ一代 (勇者)女神の加護により隠蔽中
加護:女神ソフィアの加護(小)
取得魔法:回復(微小) 麻痺Lv.1
火球Lv.3 火壁Lv.3
水球Lv.1 水壁lv.1new 水刃Lv.1new 水竜斬滅Lv.1new
土壁Lv.1new 土槍Lv.1new
風壁Lv.1new 風刃Lv.1new 風槍Lv.1new
転移Lv.2 防壁Lv.1new 次元防壁Lv.1new
装備: 皮の鎧(小)
鋼の剣+2
所持品:→次ページ
所持金:1億625万4625DG(レベル10になったため1億DG解禁)
あの時、水魔法を手に入れるために、カナタは1回5000DGのスキルガチャを13回も引いている。
HNスキル1つを手に入れるために、RスキルやSRスキルまで手に入れてしまうのがカナタらしいところである。
このスキル獲得の異常さこそGRスキル【携帯ガチャ機】の恐ろしいところだった。
5000DG払えば、なんらかのスキルを1個手に入れられる。
今カナタが持っている1億DGを継ぎ込めば、20000個のスキル――重複はある――が手に入るのだ。
こんな能力は他にはどこにも存在していなかった。
教会で出来るガチャでさえ神様から授かった特別なオーブ――5歳10歳15歳の誕生日に授かる――を使う以外はスキル限定ガチャなど、あまりに高額すぎて出来はしないのだ。
そこには高額のお布施や手数料が乗り、手が出ないほど高額となっていた。
67話において、鉱山ダンジョンを洞窟ダンジョンだと勘違いしてずっと記述していました。
鉱山ダンジョンが正解です。修正しました。読み直す必要はないです。
※修正を入れると未読のカウントが増えるみたいなのでお知らせを入れるようにしています。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
鉱山ダンジョンはグリーンバレーの北門から出て北西に向かい歩いて20分ほどの山にあった。
グリーンバレー自体がその山々の間にある谷に作られた鉱山街であり、街から目視出来るほど近い距離にその鉱山ダンジョンはあった。
元々は鉄鉱石を少量算出する鉱山だったのだが、20年ぐらい前に坑道がダンジョンに繋がってしまい鉱山は閉山、王命により管理管轄が冒険者ギルドに移った。
冒険者ギルドは冒険者を募って現地調査を開始。
主にゴーレムが出現するダンジョンだと判明し、そのドロップオーブによって希少金属が排出する鉱山ダンジョンという認識となった。
鉱山主だったグリューン子爵は、冒険者ギルドが扱うドロップ品の売り上げから一定量の税金が入ることで、鉱山を失っても余りある収入源を得ることが出来た。
管理をしなくても良く、労働力の経費が無いうえに収入があり、街では排出する金属を加工する産業も栄えてさらに税収も増える、まさに宝の山となった。
カナタたちは、鉱山ダンジョンの入り口にやって来ていた。
そこには、ギロチン式の、扉を上から落下させる形の門が設置されていた。
これは、ダンジョンから魔物が溢れるスタンピード対策であり、緊急時には重い扉のロックを解除し落下させて、門を閉鎖することになっていた。
「凄い門だね」
「これぐらいじゃないと、スタンピードを押さえられないということでしょうね」
カナタたちは門を見上げてポカーンと口を開けて話していた。
そこに男が話しかけて来る。
「こらこら、ここは子供の来るところじゃないぞ。
危ないから帰った帰った」
その男は、冒険者ギルドの職員で、鉱山ダンジョンの入り口の管理人だった。
ダンジョンへの入場は危険を伴うため、誰が何人が入っていて、誰が何人戻って来ているのか把握する必要があったのだ。
予定期間を超えて帰って来ないパーティーがあれば、救助パーティーを募って派遣することもあった。
「僕たちはDランクパーティーだから、大丈夫だよ?」
カナタたちは、カナタとニクがDランクでヨーコがFランクなため、パーティーランクはDランクを名乗れていた。
Fランクのヨーコが居ても引率にDランクのカナタとニクがいれば、鉱山ダンジョン入りは問題がなかった。
カナタが冒険者カードを見せると、男は驚いた顔をしたが納得したようだ。
「マジか。Dランクなら大丈夫なんだろうが、気を付けるんだぞ?
今日はどうするんだ? 何日潜るつもりだ?」
男は見た目7歳児のカナタを本気で心配していたようだ。
そして、本来の職務である冒険者管理のための質問をした。
「今日はお試しで日帰りの予定だよ」
「そうか、気を付けるんだぞ」
男は”カナタD、ニクD、ヨーコF、騎獣1匹日帰り”とメモを取るとカナタたちのダンジョン入りを認めた。
「俺は、この鉱山ダンジョンの管理人のハンスだ。
一応冒険者ギルドの職員だからな。
何か困ったことがあったら相談に乗るぞ」
「うん、ありがとう」
ハンスはカナタたちを心底心配しているようで、その気持ちはカナタもありがたかった。
カナタはハンスを良い人なんだろうと認識した。
鉱山ダンジョンの門は緊急時以外は開きっぱなしだ。
元々洞窟の先を鉱山として開発したため、入り口は二階建ての家ぐらいの広さで口を開けていた。
魔物の出入りを防ぐなら、人ひとりが出入り出来るぐらいに入り口を小さくすれば良いと思うのだが、なぜか入り口は広いままだった。
「さあ、入ろうか。準備はいい?」
「はい、マスター」
「わん」
「まかせて、【ライト】!」
カナタと2人と1匹はダンジョンに突入した。
そこは自然の洞窟で入り口は広く、先に行くほど狭くなっていた。
ヨーコが【ライト】を唱えたが、入り口付近には壁に照明の魔道具が設置されていて、【ライト】の魔法なしでも視界は確保されていた。
これは冒険者ギルドが設置しているもので、これも鉱山ダンジョンの管理業務の一部だった。
しかし、【ライト】の方が遥かに明るいため、ヨーコの魔法は無駄ではなかった。
カナタたちはニク、カナタ、シフォンとヨーコという1・1・2フォーメーションで進んで行った。
自然の洞窟を暫く進むと、その先には人の手で掘られた坑道が現れた。
ここからダンジョンは鉱山部分となる。
坑道は1人しか通れない狭さから横に2人並べるほどの広さ程度で狭かった。
いくつも枝分かれしているが、冒険者ギルドによって壁に道順が示されており、一本道で先へと進むことが出来た。
暫く進むと、ついに壁の質感が変わった。
自然の岩を掘った坑道から、人工物の壁になった感じだろうか。
広さも人が横に5人並べるほどのものになった。
まさにそこからが本当のダンジョンの内部だった。
「みんな、気を付けて。
横に広いから回り込まれるかもしれない」
ここから本格的に魔物が出て来るという危険と、道が広くなったことによる物理的な危険をカナタは皆に警告した。
「まずは1層目でダンジョンに慣れる。
ヨーコ、洞窟タイプのダンジョンでは火魔法は厳禁ね。
僕も風魔法中心でいく。
それじゃ、ニク頼むよ」
「わかった」
「わかりました。マスター」
「わん?」
シフォンが自分に指示がないと首を傾げて訊いて来る。
カナタはその可愛さにクスりと笑うと指示を出した。
「シフォンはヨーコを守って」
「わん!」
満足そうなシフォンに皆ほっこりするのだった。
暫く進むと、ついに魔物とエンカウントした。
「マスター、敵を視認しました。
マッドゴーレム1体が接近中です」
ニクの警戒網にマッドゴーレムが引っかかった。
マッドゴーレムとは、泥を主成分とした最も弱いゴーレムだ。
ガチャオーブからは陶器の材料になる粘土がドロップすることが多い。
これも産業には必要な材料なのだが、安すぎるあまり、倒さずスルーされることが多い。
ハズレオーブとしてカナタの元に来なかった理由がまさにそこにあった。
倒すのさえ面倒になるぐらい安い。
しかも、他の泥系魔物からは陶器の完成品そのものが出る。
安い粘土を得るために危険を冒してまで倒す価値がない。
動きが鈍いので、回避するのも簡単。
そうやって敬遠されるのがマッドゴーレムだった。
一般的なゴーレムの認識である肉石鉄銅銀金からマッドゴーレムの泥が省かれてしまうのもそういった理由だった。
「僕たちはダンジョン初心者だから、マッドゴーレムと戦ってみよう」
カナタは、そんなマッドゴーレムと戦うことを選んだ。
何事も最初があるので、いきなり強い魔物と戦うより良いと思ったのだ。
「はい。マスター」
「了解」
「わん」
全員が武器を構え準備を整え終えてマッドゴーレムを待ち構えた。
マッドゴーレムはこちらの存在を把握し、ズリズリと泥の道を造りながら近づいて来た。
その道となっている泥の分が減らないのは何故なのだろうとカナタが思っているうちに、マッドゴーレムは攻撃可能範囲に入っていた。
「【風刃】!」
ヨーコが【風刃】の魔法をマッドゴーレムに撃つ。
しかし、その魔法で切断された身体は、直ぐにくっついて再生した。
マッドゴーレムの身体は元々泥なので、切っても意味がないのだ。
「ご主人さま、エアーカッターが効かないわよ!?」
実はマッドゴーレムは、洞窟内禁じ手の火魔法が弱点だった。
焼いて身体の水分を飛ばしてしまうと身体が固まり崩れてしまう。
その火魔法が洞窟内では使えないので、ある意味厄介な相手になってしまうのだ。
「たしかコアを壊せば倒せるはず」
カナタが本の知識を披露するも、そのコアの位置がわからなかった。
それもそのはす、マッドゴーレムのコアは身体の中を移動しているので、狙うべき特定の場所などないのだ。
「コアってどこなの?」
ヨーコはもうお手上げという感じで魔法を諦め自衛用のナイフを構えた。
「そうだ。【魔力探知】【MAP】」
カナタは【魔力探知】と【MAP】を使い、マッドゴーレムのコアの位置を地図化した。
その地図にはリアルタイムでコアの位置が書き換えられており、それがカナタの目の前のマッドゴーレムに重なるようにAR表示されていた。
「見える!」
残念なことに、コアの位置がリアルタイムで移動するため、この情報を他人に伝える術がなかった。
口頭で伝えても、その瞬間にはコアは別の場所に移動している。
もし、この情報をパーティーメンバーで共有できれば、複数の魔物相手でも対処が楽になっただろう。
だが、今はカナタしかそれを目にすることが出来ない。
カナタ自身がマッドゴーレムを倒す必要があった。
カナタは鋼の剣+2を【ロッカー】にしまうと、ガチャから出て来た鋼の槍に持ち替えた。
そして一気にマッドゴーレムへと接近し的を絞ると槍でコアを突いた。
「えい!」
カナタはスキル【俊足】と【身体強化】、示威行動の時にスキルガチャで手に入れた【槍技】で見事マッドゴーレムを倒した。
ガチャ ポン! チャリン♪
マッドゴーレムはガチャオーブとDGをドロップした。
DGは銅貨3枚――30DG――で、ガチャオーブはNオーブのハズレオーブだった。
たぶん粘土が出るオーブだが、カナタが携帯ガチャ機に再装填すればHNオーブになるはず。
泥系のHNアイテムとはいったい何が出るのか、カナタは興味津々だった。
そうそう、カナタが示威行動を行った時に、消火のために水魔法スキルを手に入れる必要があり、スキルガチャを引きまくった。
そこで出たスキルが今回役に立っていた。
【槍技】以外にもスキルが増えているので現在のステータスを記しておく。
名前 :カナタ=ミル=ファーランド
種族 :人間 年齢:11才 性別:男
職業 :魔術師 (勇者)女神の加護により隠蔽中
レベル:10
体力 :300/300(100,000)呪いにより低下中
魔力 :51,000/51,000(1,000,000)呪いにより低下中
幸運 :65(+80+100(ガチャバカ一代補正分))呪いにより低下中
状態 :成長不良 (呪いの余波)
Nスキル:お財布 生活魔法 図鑑Lv.3 MAPLv.4 ロッカーLv.4
裁縫Lv.1new 料理Lv.1new 掘削Lv.1new 礼儀作法Lv.1new
HNスキル:魔力操作Lv.3 遠見Lv.1 剣技Lv.1 槍技Lv.1new 盾技Lv.1new
火魔法Lv.3 風魔法Lv.1 水魔法Lv.1new 土魔法Lv.1new
Rスキル:身体強化Lv.3 俊足Lv.2 金剛Lv.1new 回避Lv.1new
SRスキル:時空魔法Lv.5(7)呪いにより低下
付与魔法Lv.1new 錬金術Lv.1new 陣魔法Lv.1new
URスキル:魔力探知Lv.3
LRスキル:
GRスキル:携帯ガチャ機
称号:ガチャバカ一代 (勇者)女神の加護により隠蔽中
加護:女神ソフィアの加護(小)
取得魔法:回復(微小) 麻痺Lv.1
火球Lv.3 火壁Lv.3
水球Lv.1 水壁lv.1new 水刃Lv.1new 水竜斬滅Lv.1new
土壁Lv.1new 土槍Lv.1new
風壁Lv.1new 風刃Lv.1new 風槍Lv.1new
転移Lv.2 防壁Lv.1new 次元防壁Lv.1new
装備: 皮の鎧(小)
鋼の剣+2
所持品:→次ページ
所持金:1億625万4625DG(レベル10になったため1億DG解禁)
あの時、水魔法を手に入れるために、カナタは1回5000DGのスキルガチャを13回も引いている。
HNスキル1つを手に入れるために、RスキルやSRスキルまで手に入れてしまうのがカナタらしいところである。
このスキル獲得の異常さこそGRスキル【携帯ガチャ機】の恐ろしいところだった。
5000DG払えば、なんらかのスキルを1個手に入れられる。
今カナタが持っている1億DGを継ぎ込めば、20000個のスキル――重複はある――が手に入るのだ。
こんな能力は他にはどこにも存在していなかった。
教会で出来るガチャでさえ神様から授かった特別なオーブ――5歳10歳15歳の誕生日に授かる――を使う以外はスキル限定ガチャなど、あまりに高額すぎて出来はしないのだ。
そこには高額のお布施や手数料が乗り、手が出ないほど高額となっていた。
0
あなたにおすすめの小説
魔物に嫌われる「レベル0」の魔物使い。命懸けで仔犬を助けたら―実は神域クラスしかテイムできない規格外でした
たつき
ファンタジー
魔物使いでありながらスライム一匹従えられないカイルは、3年間尽くしたギルドを「無能」として追放される。 同世代のエリートたちに「魔物避けの道具」として危険な遺跡に連れ出され、最後は森の主(ヌシ)を前に囮として見捨てられた。
死を覚悟したカイルが崩落した壁の先で見つけたのは、今にも息絶えそうな一匹の白い仔犬。 「自分と同じように、理不尽に見捨てられたこの子だけは助けたい」 自分の命を顧みず、カイルが全魔力を込めて「テイム」を試みた瞬間、眠っていた真の才能が目覚める。
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
無能勇者の黙示録~勝手に召喚されて勝手に追放されたので勝手に旅に出ます~
枯井戸
ファンタジー
力も強くない、足も速くない、魔法も使えないし、頭も大してよくない、どこにでもいるちょっとオタク趣味の主人公・東雲真緒が白雉国に勇者として転生する。
同期の勇者はそれぞれ力が強かったり、魔法が使えたり、回復ができたりと各々の才能を開花させ頭角を現していくのだが、真緒に与えられた才能は異世界転生モノでよく見る〝ステータスオープン〟のみだった。
仲間には使えないと蔑まれ、ギルドには落第勇者の烙印を押され、現地人には殺害されかけ、挙句の果てに大事な人を亡くし、見ず知らずの土地の最底辺で生きていくことになった真緒だったが、彼女はまだ〝ステータスオープン〟の可能性に気づいていないだけだった。
─────────────
※投稿時間は多少前後しますが毎日投稿は続けていくつもりです。
※タイトルは予告なしにガラリと変わる場合があるのでご了承ください。
※表紙は現在の主人公のイメージ図です。もしまた別の国へ行く場合、彼女の装いも変化するかもしれません。
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
家族転生 ~父、勇者 母、大魔導師 兄、宰相 姉、公爵夫人 弟、S級暗殺者 妹、宮廷薬師 ……俺、門番~
北条新九郎
ファンタジー
三好家は一家揃って全滅し、そして一家揃って異世界転生を果たしていた。
父は勇者として、母は大魔導師として異世界で名声を博し、現地人の期待に応えて魔王討伐に旅立つ。またその子供たちも兄は宰相、姉は公爵夫人、弟はS級暗殺者、妹は宮廷薬師として異世界を謳歌していた。
ただ、三好家第三子の神太郎だけは異世界において冴えない立場だった。
彼の職業は………………ただの門番である。
そして、そんな彼の目的はスローライフを送りつつ、異世界ハーレムを作ることだった。
二月から週二回更新になります。お気に入り・感想、宜しくお願いします。
ブラック企業でポイントを極めた俺、異世界で最強の農民になります
はぶさん
ファンタジー
ブラック企業で心をすり減らし過労死した俺が、異世界で手にしたのは『ポイント』を貯めてあらゆるものと交換できるスキルだった。
「今度こそ、誰にも搾取されないスローライフを送る!」
そう誓い、辺境の村で農業を始めたはずが、飢饉に苦しむ人々を見過ごせない。前世の知識とポイントで交換した現代の調味料で「奇跡のプリン」を生み出し、村を救った功績は、やがて王都の知るところとなる。
これは、ポイント稼ぎに執着する元社畜が、温かい食卓を夢見るうちに、うっかり世界の謎と巨大な悪意に立ち向かってしまう物語。最強農民の異世界改革、ここに開幕!
毎日二話更新できるよう頑張ります!
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる