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南部辺境遠征編
079 サキ、獣車のおかげで助かる
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カナタ一行はルルと盗賊6人を回収しに街道へと戻った。
幸い、ルルが魔物や盗賊に襲われることはなかった。
盗賊たちは、片足を焼かれていたため、歩くことも囲んでいる土壁を越えることも出来なかった。
傷口が焼かれていたため、傷口から血を失わないで済んだ。
もし垂れ流しだったなら、既にこの世にいなかったことだろう。
まあ、この6人の盗賊はオレンジタウンの冒険者ギルドで厳しい取り調べと、幸運でも犯罪奴隷の運命しかなかった。
尤も、片足の無い犯罪奴隷の使い道など、気分の悪くなる方面でしかないだろうが……。
「こいつ、俺の商隊の護衛についていた冒険者だ!」
ザイードが盗賊の1人を指さして叫ぶ。
今にも盗賊を殺しそうな雰囲気のザイードをサキが止める。
「待て、こいつは今はご主人さまの財産だ。
勝手に殺されては困るぞ。
それにこいつからは、オレンジタウンで暗躍している犯罪組織の情報を得なければならない。
こいつを殺すなら、あなたに犯罪組織の一味という疑いがかかるがよろしいか?」
サキが剣に手をかけて指摘するとザイードは押し黙った。
まさか本当に犯罪組織と繋がっているとは思わないが、この盗賊が殺されたなら、そこで情報が途絶え、犯罪組織を利することになっただろう。
短絡的な行動に出られなくて良かった。
ニクとサキで腕を縛った盗賊6人を馬車に乗せる。
全員の縄を繋いでいるので、1人が抜け駆けで逃げることは出来ないだろう。
ザイードが馬車が汚れることを嫌がったが、ニクもサキも気にせず強行した。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
暫く馬車を進めると、オレンジタウン北の城門に到着した。
昨日門を出て行ったばかりの馬車が戻って来たことに、門番が警戒を強める様子が伺える。
ザイードに説明させると面倒なので、ここはサキが説明することにした。
カナタを出さなかったのは、子供だと最初から侮られ面倒だからだ。
「盗賊に捕まっていた商人を救出した。
犯人に冒険者が含まれている。冒険者ギルドにも連絡をしてくれ」
その内容に門番が引っ込むと詰め所から衛兵が慌ただしく出て来た。
伝令が2人駆け出す。1人は走り、もう1人は馬を駆った。
走って行った者は冒険者ギルドへ、馬は領主への報告だろう。
「で、こいつらが盗賊か。他はどうした?」
詰め所から出て来た衛兵の階級が高そうな人――衛兵隊長だった――がサキに問いかける。
サキはカナタの方に視線を向け、リーダーは向こうだという態度をとった。
カナタは笑顔を引きつらせながら、【ロッカー】に盗賊の死体を持っているのは自分なので説明するのは自分しかいないかと諦めた。
「他の盗賊は全て討伐しました」
「はぁ? お前さん達がか?」
衛兵隊長は、子供と女性2人のパーティーに目をやると訝し気に眉を顰めた。
しかし、この3人の他には救助されたという商人が1人と、全員片足を失った状態で盗賊が6人いるだけだった。
「僕たちはこれでもDランクパーティーだからね。
僕の【ロッカー】に盗賊の死体が21体入っているけど確かめる?」
衛兵隊長はカナタの言葉に驚きつつも、死体を此処で出されることは遠慮した。
Dランクパーティーであれば、盗賊の討伐ぐらいは出来なくもないからだ。
しかし、未だに信用はしていないらしく、胡散臭そうにカナタたちを見ていた。
暫く待つと、冒険者ギルドから此処のギルドのギルドマスターがやって来た。
そしてカナタの冒険者カードから、カナタのパーティーが過去にもあの有名なダリル盗賊団を討伐したパーティーだと知る。
それからは衛兵隊長は手の平を返したような態度になりカナタたちに丁寧に接した。
簡単に調書がとられ、盗賊の死体を渡し、カナタたちは解放された。
ザイードとは商業ギルドで魔法契約を結んでから馬車を引き渡して別れた。
今後は商業ギルドが査定した販売益分を回収してカナタの口座に振り込んでくれる。
そして、ザイードは冒険者が盗賊の一味だったことを証言するために冒険者ギルドに連れていかれた。
「さあ、面倒事は終わりました。
当初の目的達成に戻りましょう!」
サキが勢いよく宣言する。
しかし、カナタは今日はここで泊まって、明日転移起点を探すつもりだった。
獣車を手に入れたので、有効活用する用意も必要だ。
「獣車を手に入れてしまったので、今日はここで泊まりだな。
騎獣が1羽加わったので、転移できる人数が足りない。
1人グラスヒルに戻らないとならない」
そのカナタの宣言に、サキは青い顔になる。
なぜなら、ここで帰ってしまっては、憧れのスイーツにありつけないからだ。
先程のサキの台詞である”当初の目的”はそもそもスイーツ巡りの事だった。
「サキには獣車の御者をしてもらわなければならない。
なので、ルル、悪いけどグラスヒルに戻ってもらう」
「仕方ない……。私には御者は出来ないから」
「その代わり、ここで思いっ切りスイーツを買ってお土産にするからね」
カナタは誰も不幸にならない方法を選択していた。
そこにはグラスヒルに残っている面々のことも含まれていた。
カナタはスイーツ店を廻ってスイーツを購入すると、獣車を止められる厩舎のある宿屋に部屋を取った。
獣車を預けて、宿屋の部屋に入ると、カナタたちは一度グラスヒルの屋敷に転移で帰った。
そして、ルルとお土産のスイーツを置いて、カナタ、ニク、サキでまたオレンジタウンに転移で戻って来た。
屋敷の方が寝心地は良いが、サキがまだスイーツを買い足りないというので、明日の朝にも買い出しをすることにしたのだった。
だが、その1泊がカナタたちを事件に巻き込むことになろとは知る由もなかった。
幸い、ルルが魔物や盗賊に襲われることはなかった。
盗賊たちは、片足を焼かれていたため、歩くことも囲んでいる土壁を越えることも出来なかった。
傷口が焼かれていたため、傷口から血を失わないで済んだ。
もし垂れ流しだったなら、既にこの世にいなかったことだろう。
まあ、この6人の盗賊はオレンジタウンの冒険者ギルドで厳しい取り調べと、幸運でも犯罪奴隷の運命しかなかった。
尤も、片足の無い犯罪奴隷の使い道など、気分の悪くなる方面でしかないだろうが……。
「こいつ、俺の商隊の護衛についていた冒険者だ!」
ザイードが盗賊の1人を指さして叫ぶ。
今にも盗賊を殺しそうな雰囲気のザイードをサキが止める。
「待て、こいつは今はご主人さまの財産だ。
勝手に殺されては困るぞ。
それにこいつからは、オレンジタウンで暗躍している犯罪組織の情報を得なければならない。
こいつを殺すなら、あなたに犯罪組織の一味という疑いがかかるがよろしいか?」
サキが剣に手をかけて指摘するとザイードは押し黙った。
まさか本当に犯罪組織と繋がっているとは思わないが、この盗賊が殺されたなら、そこで情報が途絶え、犯罪組織を利することになっただろう。
短絡的な行動に出られなくて良かった。
ニクとサキで腕を縛った盗賊6人を馬車に乗せる。
全員の縄を繋いでいるので、1人が抜け駆けで逃げることは出来ないだろう。
ザイードが馬車が汚れることを嫌がったが、ニクもサキも気にせず強行した。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
暫く馬車を進めると、オレンジタウン北の城門に到着した。
昨日門を出て行ったばかりの馬車が戻って来たことに、門番が警戒を強める様子が伺える。
ザイードに説明させると面倒なので、ここはサキが説明することにした。
カナタを出さなかったのは、子供だと最初から侮られ面倒だからだ。
「盗賊に捕まっていた商人を救出した。
犯人に冒険者が含まれている。冒険者ギルドにも連絡をしてくれ」
その内容に門番が引っ込むと詰め所から衛兵が慌ただしく出て来た。
伝令が2人駆け出す。1人は走り、もう1人は馬を駆った。
走って行った者は冒険者ギルドへ、馬は領主への報告だろう。
「で、こいつらが盗賊か。他はどうした?」
詰め所から出て来た衛兵の階級が高そうな人――衛兵隊長だった――がサキに問いかける。
サキはカナタの方に視線を向け、リーダーは向こうだという態度をとった。
カナタは笑顔を引きつらせながら、【ロッカー】に盗賊の死体を持っているのは自分なので説明するのは自分しかいないかと諦めた。
「他の盗賊は全て討伐しました」
「はぁ? お前さん達がか?」
衛兵隊長は、子供と女性2人のパーティーに目をやると訝し気に眉を顰めた。
しかし、この3人の他には救助されたという商人が1人と、全員片足を失った状態で盗賊が6人いるだけだった。
「僕たちはこれでもDランクパーティーだからね。
僕の【ロッカー】に盗賊の死体が21体入っているけど確かめる?」
衛兵隊長はカナタの言葉に驚きつつも、死体を此処で出されることは遠慮した。
Dランクパーティーであれば、盗賊の討伐ぐらいは出来なくもないからだ。
しかし、未だに信用はしていないらしく、胡散臭そうにカナタたちを見ていた。
暫く待つと、冒険者ギルドから此処のギルドのギルドマスターがやって来た。
そしてカナタの冒険者カードから、カナタのパーティーが過去にもあの有名なダリル盗賊団を討伐したパーティーだと知る。
それからは衛兵隊長は手の平を返したような態度になりカナタたちに丁寧に接した。
簡単に調書がとられ、盗賊の死体を渡し、カナタたちは解放された。
ザイードとは商業ギルドで魔法契約を結んでから馬車を引き渡して別れた。
今後は商業ギルドが査定した販売益分を回収してカナタの口座に振り込んでくれる。
そして、ザイードは冒険者が盗賊の一味だったことを証言するために冒険者ギルドに連れていかれた。
「さあ、面倒事は終わりました。
当初の目的達成に戻りましょう!」
サキが勢いよく宣言する。
しかし、カナタは今日はここで泊まって、明日転移起点を探すつもりだった。
獣車を手に入れたので、有効活用する用意も必要だ。
「獣車を手に入れてしまったので、今日はここで泊まりだな。
騎獣が1羽加わったので、転移できる人数が足りない。
1人グラスヒルに戻らないとならない」
そのカナタの宣言に、サキは青い顔になる。
なぜなら、ここで帰ってしまっては、憧れのスイーツにありつけないからだ。
先程のサキの台詞である”当初の目的”はそもそもスイーツ巡りの事だった。
「サキには獣車の御者をしてもらわなければならない。
なので、ルル、悪いけどグラスヒルに戻ってもらう」
「仕方ない……。私には御者は出来ないから」
「その代わり、ここで思いっ切りスイーツを買ってお土産にするからね」
カナタは誰も不幸にならない方法を選択していた。
そこにはグラスヒルに残っている面々のことも含まれていた。
カナタはスイーツ店を廻ってスイーツを購入すると、獣車を止められる厩舎のある宿屋に部屋を取った。
獣車を預けて、宿屋の部屋に入ると、カナタたちは一度グラスヒルの屋敷に転移で帰った。
そして、ルルとお土産のスイーツを置いて、カナタ、ニク、サキでまたオレンジタウンに転移で戻って来た。
屋敷の方が寝心地は良いが、サキがまだスイーツを買い足りないというので、明日の朝にも買い出しをすることにしたのだった。
だが、その1泊がカナタたちを事件に巻き込むことになろとは知る由もなかった。
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