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南部辺境遠征編
088 カナタ、捕まる
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予定通りにルル、ヨーコ、レナをオレンジタウンに連れて行き、後をヨーコに任せると、カナタとニクはカンザスの宿屋に転移した。
レナは魔法系だがいかにも戦闘職に見えるので、この3人を襲おうなどという不届き者も現れないことだろう。
「さて、ララたちのためにカンザスミノタウロスの肉を買ってから先に進もうか」
グラスヒルの屋敷に帰ったとき、カナタがカンザスミノタウロスの肉が美味しかったとぽろりと言ってしまったせいで、カナタはカンザスミノタウロスの肉を仕入れるようにとララに厳命されていた。
奴隷から命令されるなどおかしいと思われるかもしれないが、カナタにとっては彼女たちは仲間という感覚であり、肉を強請られる口調が命令的であっても全く気にしていなかった。
むしろ寝たきりで友達のいなかったカナタにとっては、近しい間柄である所以だと思えて、逆に嬉しく思っていた。
宿屋を引き払い大通りを進むと、通りはカンザスミノタウロスを宣伝する幟でいっぱいだった。
カナタはその光景にデジャブを覚えたが、全く知らないはずの景色であり、気のせいだと思うことにした。
そもそもほとんど外出したことがないカナタがこの景色を知るはずか無かったからだ。
おそらくこれは多田野信が商店街で見た光景が脳裏に浮かんだのだと思われる。
カナタは大量の幟を立てた肉屋をみつけると、店主にカンザスミノタウロスを注文した。
「カンザスミノタウロスの肉があるなら、部位は問わずにあるだけ欲しい」
超大人買いだった。
店主は大喜びで肉を包み、カナタに渡した。
会計はギルドカードでキャッシュレスで行い、その金額に店主もほくほく顔になっていた。
店主は何か言い忘れていることがあると思ったが、開店以来最大の売り上げに浮かれて何を言おうとしたのか忘れてしまっていた。
「これなら、ララたちも満足してくれるだろ」
カナタは肉を【ロッカー】に入れ、その場を後にした。
その様子を見つめる姿に気付かないまま。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
一方、グラスヒルのガチャ屋では、トラブルが発生していた。
「やめてよ!」
ララの声が響く。
「ああ? 俺たちはこのオーブをギルドよりも高く買ってくれと言っただけだろう?」
男たちが、ララに対して高圧的な態度で迫る。
「だから、ここではオーブの買い取りはもうしていないと言ったでしょう!」
ララがきっぱりと買い取りを拒否しているにもかかわらず、男たちは納得がいかないとゴネる。
「俺たちは、ここで高くオーブを買ってもらえるというから、はるばる旅をして持って来てやったんだぞ?
それを買い取れないとは許せん。これは慰謝料を払ってもらうしかないな」
ララたちはこいつらに完全に舐められていた。
普段なら、いかにも戦闘職のサキかレナが護衛をしているので、ここまで酷い連中はいなかった。
だが、今日はララ、カリナ、キキョウ、ユキノの4人しか店にいない。
ララは店舗責任者だが、いかにも子供に見える。
カリナは、一番年上だが、華奢なお姉さんだ。
キキョウは見た目からお姫様で戦力外。
ユキノはこの中では護衛役なのだが、小柄であり護衛役だとは思われていなかった。
「ちょっとやめてよ!」
暴漢に手首を掴まれそうになったララが声を荒らげる。
男たちがついに暴行に及んだため、護衛役のユキノが動く。
ユキノはこれでも【隠密】のスキルを持っているので、一瞬のうちに移動して男の手首をとった。
「これ以上は許しません」
「ぐあー、痛てててて!」
男が声をあげたのを戦闘開始ととったのだろう、仲間たち3人が一斉に腰の剣に手をかけた。
「はい。そこまで」
ボカ、ドス、バキ、ゴキ!
男たち4人は、グラスヒルの冒険者に制圧されていた。
カナタのガチャ屋は冒険者ギルドの斜向かいにある。
ララが悲鳴を上げてから、暇な冒険者たちがいつでも止めに入れるように暴漢を囲んでいたのだ。
それに気付かなかったのが運の尽きだった。
男たち4人はそのまま衛兵詰め所に連行されて行った。
「うーん、やはり見た目は大事ね」
まさか冒険者ギルドの目の前で暴挙に及ぶおバカがいるとは思っていなかったララだが、自分たちが弱そうに見えるせいで犯罪を誘発したのかもと少し気になった。
ララはお店には目に見える抑止力が必要だと心にメモをとった。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
その頃カナタは、獣車に乗ってカンザスの南門から街を出ようとしていた。
「子供と戦闘職の女二人。間違いないな」
「ああ、通報通りだ」
門番が何やらひそひそと話をしていた。
どうやらカナタたちを待ち構えていたようだ。
「はい、そこの獣車止まって」
門番2人が槍を構えてカナタたちの行く手を遮った。
「君たちにはカンザスミノタウロス密輸出の嫌疑がかかっている。
一緒に来てもらおうか」
実はカンザスミノタウロスには輸出量規制というものがあった。
領主が特産品を外に持ち出されるよりも、ここまで食べに来て欲しいという政策をとっていたからだ。
これを知らない旅人が多いため、門では頻繁に取り締まりが行われていたのだ。
カナタたちは、大量に肉を買っているところを目撃され通報されていたのだった。
肉屋さんも輸出量規制を教えてくれればいいのに、初めての爆売れに気が動転していて忘れていたのだった。
レナは魔法系だがいかにも戦闘職に見えるので、この3人を襲おうなどという不届き者も現れないことだろう。
「さて、ララたちのためにカンザスミノタウロスの肉を買ってから先に進もうか」
グラスヒルの屋敷に帰ったとき、カナタがカンザスミノタウロスの肉が美味しかったとぽろりと言ってしまったせいで、カナタはカンザスミノタウロスの肉を仕入れるようにとララに厳命されていた。
奴隷から命令されるなどおかしいと思われるかもしれないが、カナタにとっては彼女たちは仲間という感覚であり、肉を強請られる口調が命令的であっても全く気にしていなかった。
むしろ寝たきりで友達のいなかったカナタにとっては、近しい間柄である所以だと思えて、逆に嬉しく思っていた。
宿屋を引き払い大通りを進むと、通りはカンザスミノタウロスを宣伝する幟でいっぱいだった。
カナタはその光景にデジャブを覚えたが、全く知らないはずの景色であり、気のせいだと思うことにした。
そもそもほとんど外出したことがないカナタがこの景色を知るはずか無かったからだ。
おそらくこれは多田野信が商店街で見た光景が脳裏に浮かんだのだと思われる。
カナタは大量の幟を立てた肉屋をみつけると、店主にカンザスミノタウロスを注文した。
「カンザスミノタウロスの肉があるなら、部位は問わずにあるだけ欲しい」
超大人買いだった。
店主は大喜びで肉を包み、カナタに渡した。
会計はギルドカードでキャッシュレスで行い、その金額に店主もほくほく顔になっていた。
店主は何か言い忘れていることがあると思ったが、開店以来最大の売り上げに浮かれて何を言おうとしたのか忘れてしまっていた。
「これなら、ララたちも満足してくれるだろ」
カナタは肉を【ロッカー】に入れ、その場を後にした。
その様子を見つめる姿に気付かないまま。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
一方、グラスヒルのガチャ屋では、トラブルが発生していた。
「やめてよ!」
ララの声が響く。
「ああ? 俺たちはこのオーブをギルドよりも高く買ってくれと言っただけだろう?」
男たちが、ララに対して高圧的な態度で迫る。
「だから、ここではオーブの買い取りはもうしていないと言ったでしょう!」
ララがきっぱりと買い取りを拒否しているにもかかわらず、男たちは納得がいかないとゴネる。
「俺たちは、ここで高くオーブを買ってもらえるというから、はるばる旅をして持って来てやったんだぞ?
それを買い取れないとは許せん。これは慰謝料を払ってもらうしかないな」
ララたちはこいつらに完全に舐められていた。
普段なら、いかにも戦闘職のサキかレナが護衛をしているので、ここまで酷い連中はいなかった。
だが、今日はララ、カリナ、キキョウ、ユキノの4人しか店にいない。
ララは店舗責任者だが、いかにも子供に見える。
カリナは、一番年上だが、華奢なお姉さんだ。
キキョウは見た目からお姫様で戦力外。
ユキノはこの中では護衛役なのだが、小柄であり護衛役だとは思われていなかった。
「ちょっとやめてよ!」
暴漢に手首を掴まれそうになったララが声を荒らげる。
男たちがついに暴行に及んだため、護衛役のユキノが動く。
ユキノはこれでも【隠密】のスキルを持っているので、一瞬のうちに移動して男の手首をとった。
「これ以上は許しません」
「ぐあー、痛てててて!」
男が声をあげたのを戦闘開始ととったのだろう、仲間たち3人が一斉に腰の剣に手をかけた。
「はい。そこまで」
ボカ、ドス、バキ、ゴキ!
男たち4人は、グラスヒルの冒険者に制圧されていた。
カナタのガチャ屋は冒険者ギルドの斜向かいにある。
ララが悲鳴を上げてから、暇な冒険者たちがいつでも止めに入れるように暴漢を囲んでいたのだ。
それに気付かなかったのが運の尽きだった。
男たち4人はそのまま衛兵詰め所に連行されて行った。
「うーん、やはり見た目は大事ね」
まさか冒険者ギルドの目の前で暴挙に及ぶおバカがいるとは思っていなかったララだが、自分たちが弱そうに見えるせいで犯罪を誘発したのかもと少し気になった。
ララはお店には目に見える抑止力が必要だと心にメモをとった。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
その頃カナタは、獣車に乗ってカンザスの南門から街を出ようとしていた。
「子供と戦闘職の女二人。間違いないな」
「ああ、通報通りだ」
門番が何やらひそひそと話をしていた。
どうやらカナタたちを待ち構えていたようだ。
「はい、そこの獣車止まって」
門番2人が槍を構えてカナタたちの行く手を遮った。
「君たちにはカンザスミノタウロス密輸出の嫌疑がかかっている。
一緒に来てもらおうか」
実はカンザスミノタウロスには輸出量規制というものがあった。
領主が特産品を外に持ち出されるよりも、ここまで食べに来て欲しいという政策をとっていたからだ。
これを知らない旅人が多いため、門では頻繁に取り締まりが行われていたのだ。
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