父親が呪われているので家出してガチャ屋をすることにしました

北京犬(英)

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南部辺境遠征編

122 カナタ、追加で雇う

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お知らせ

 第103話でカナタがミスリルのショートソードを使用していましたが、95話でカナタが装備していたのはヒヒイロカネの刀でした。
作者の思い違いによる完全なミスです。すみません。
しかし、話の都合上はミスリルのショートソードである必要があるため、95話でミスリルのショートソードを装備したことに変更しました。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 カナタは工房に奴隷たちを連れて来ると、部位欠損のあるドワーフと錬金術師のヒナにエクストラポーションを与えて部位欠損を治した。
ラキスに与えたところを奴隷商には見られていたが、さすがにエクストラポーションを複数持っているなどとは知らせるわけにはいかなかったのだ。

 ラキスは奴隷商でエクストラポーションを使い、右腕を取り戻し涙を流していた。
そしてカナタへの忠誠を深めたのだった。
それと同じことがまた目の前で起こっていた。

「このゴンゾ、この御恩は一生忘れませぬ」

 まさか自分にまでエクストラポーションが用意されるとは思って居なかったドワーフ――名はゴンゾといった――は、感謝で涙を流した。
指導役と聞いていたので治してもらえるとは思っていなかったのだ。
その孫であるリリムもカナタに感謝し崇拝することとなった。

 一方、錬金術師のヒナは治してもらえたことを当然のこととして受け取り、カナタに粘着することを決意していた。

「ぐふふ。これは良いご主人さまを得たようです」

 ヒナは見た目は10代後半なのだが中身はプラス25ぐらいの精神なのだ。
この世界に0歳から転生しているので、その分年齢を重ねていた。
見た目よりも中身は駄目なおば……熟女だった。
だが仕事をしてくれる気になっているのは良いことだった。

 カナタは雇った奴隷10人を工房の宿舎に割り振った。
おいおい作業を任せられたらとカナタは思っていた。
だが、ゴンゾはそうではなかった。
カナタからの恩義に張り切って今日にも仕事を始めようとしていた。

「俺たちはこれを作れば良いのだな?」

 ゴンゾが早速、工房に置いてあった作りかけの音声通信機を弄り回していた。
カナタは筐体を金属と木で作っていたのだが、今後は全て木で行こうと思っていた。

「今後筐体は全て家具として作りたいと思ってるんだ。
なので家具や木工のスキル持ちを雇ったんだ」

「数は?」

 これはスキル持ちの数の事ではなく生産しなければならない数のことだった。
職人さんは得てして言葉が足りないことが多々あるのだ。

「とりあえず1000台の発注を受けている」

 カナタはその言外の言葉を察して正解を答えた。
その数にゴンゾは考え込むと呟いた。

「5人で1日3台が限度だな。
俺が1台半とリリムが半分、他の3人で1台だな」

 日産3台では全ての納入に1年かかってしまう。
いや、追加発注があればもっとかかるだろう。

「スキルを使っても?」

「カナタ様は、自分だといくつぐらい作れるんだ?」

「材料(魔宝石)があれば4台かな?」

 それも他のことをやった片手間の話である。
ゴンゾは呆れた顔になった。
それは筐体だけの話ではなく、中身の魔宝石から錬金術による配線作業まで含まれているのだから。
今、工房に置いてある音声通信機も、魔宝石不足で完成していないだけだった。

「あの奴隷商で売っていた他の女たちも雇った方が良いだろう」

 カナタは慌ててあの残った6人を雇いに奴隷商へと赴くのだった。
これで日産5台。ゴンゾによればそれでも足りないらしい。
そして重要な指摘がララから齎される。

「これだけ人数が増えると食事の用意もままなりませんよ?」

 今の段階でも工房の人数は16人となる。
炊事担当が必要だった。

「料理と清掃スキルのある奴隷を4人お願いします!」

 奴隷商が追加で奴隷を連れて来ると、当然の如くララが美人から選んだ。

「いや、そこは能力で選ぼう。
カリナみたいに料理の腕が良い人を選ぼうよ」

「スキルを持っていれば、そうそう差はありません。
カリナの料理が美味しいのは、むしろその料理のレシピに理由があります」

 カナタは知らなかった。
カナタの知らない知識によって齎されたレシピは、そのスキルを凌駕しカリナにも恩恵を与えていた。
そのことにカナタは気付いていおらず、カリナの腕が良いのだと思っていたのだ。
この世界では人によって味が違うということがスキルによってあまり起こり得ないのだった。
独自な味を作れるのはそれこそ料理スキルの上位スキルのみだったのだ。
このような奴隷商には、そんな王宮で雇われるようなレベルの料理人がりいるわけがなかった。

「知らなかったよ」

「ならばよろしいですね?」

 ララにとってはカナタこそが一番。
カナタの周囲に侍る女性は美人でなければならないと思い込んでいた。
そこにはオールオッケーなお手付き有りの思想が根強く存在していた。
だが、まだカナタは11歳である。
肉体は7歳と言っても良いぐらい小さい。
いったいララは何を望んでいるというのだろうか?
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