父親が呪われているので家出してガチャ屋をすることにしました

北京犬(英)

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ウルティア国戦役編

169 シータ、探る

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 一方、ガンマ1たち探索チームは、シータの索敵能力でシステムの所在地に迫っていた。

「こっちです」

「どうやら、ガンマ1たちが拠点としていた定宿ではないようだわ」

 そうなると、ゼータ5ではない可能性があった。
ガンマ1たちは何日あるかわからない待機期間を、組織から渡された少額の予算で遣り繰りしなければならなかった。
組織の命令で冒険者として目立つわけにもいかず、そこそこ注意を引かない程度の素材を採取してしのぐギリギリの生活を強いられていた。
なので、ゼータ5が帰って来ていたならば、定宿としている安宿にいるはずだったのだ。
つまりこのシステムの反応は他の愛砢人形ラブラドールのものということなのかもしれなかった。

「まあ、反応が2つあるんだから、最初から別チームの可能性があったんじゃないの?」

 ミューの言う事は尤もだが、そうなると組織の意図が読めず、むしろ危ぶまれた。
ガンマ1たちが失敗した場合の後始末部隊、そんな可能性もあった。

「シータ、私たちの反応を向こうから察知できないようにすることは可能かしら?」

「もうやってる」

 シータに抜かりはなかった。
ガンマ1から聞かされた組織の待遇を思ったら、組織に捕らわれるなどということがあってはならないとシータは切実に思っていた。
シータはカナタ以外がマスターになるなんて死んでも嫌だった。
そのために出来ることは既に最大限行っていた。
これもカナタの「自分の好きなことをするように」という命令あってのことだった。

 全員で警戒しつつシステムの所在地を目視できる場所までやって来た。

「まさか、この中ということ?」

 そこはこの街の主要産業である迷宮の入口だった。
迷宮は冒険者ギルドに委託されており、出入りはギルド職員により管理されていた。

「うん。間違いなくこの中。
おかしいと思ってた。これが迷宮の中の反応なんだ」

 迷宮の中のシステムの反応は、迷宮の入口そのものから出ているような感じだった。
これは迷宮内が別の時空間であるという特殊な事情のせいであり、これ以上特定しようと思ったら、中に入るしかなかった。

「迷宮の中は特別な空間。
中に入らないと詳細な場所は特定できない」

 シータにもこれ以上の外からの探索は不可能だった。

「これは、独断では動けないわね。
マスターに相談しましょう」

 ガンマ1も独断で動けるのはここまでと、カナタの指示を仰ぐことにした。
このあとガンマ1たちも日用品の買い物をしつつ宿に戻って行った。
一見時間を無駄にしているようだが、探索相手が迷宮から出て来れば好都合だし、出て来なければこれ以上ない所在の確定だった。

「さすがマスター。このような時のためにお小遣いもくれるなんて」

 カナタはガンマ1たちが組織からもらった予算の100倍以上のお小遣いを一人一人全員に渡していた。

「マスターは王国と国家事業の取引をしているから、とんでもない資産家だよ」

 この中ではカナタとの付き合いが比較的長いミューが得意そうに言う。

「マスターは優しいから好き」

 感情表現があまり上手くないシータもカナタを大好きで、わざわざその気持ちを口にした。
それをイプシロンが慈愛の目でみつめる。
カナタをマスターとした愛砢人形ラブラドールは、皆幸せそうだった。
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