父親が呪われているので家出してガチャ屋をすることにしました

北京犬(英)

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ウルティア国戦役編

171 カナタ、迷宮に潜る

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 翌日、カナタたちは予定通りシステムの反応を捜索するために迷宮へと向かうことにした。

「マスター、反応は依然として迷宮内です」

 そのシータの報告にカナタはあることに気付いて焦った。
シータは一晩中広域探査をし続けていたのではないかと。

「もしかして、一晩中監視してくれていたの?」

 シータはカナタが自分を心配してくれているのだと気付いた。
しかし、そのことで申し訳ない気持ちで一杯になった。
なぜなら、一晩中広域探査をし続けるなど、シータには寝ていても出来るのだから。

「はい。でも寝ながらも出来るので大丈夫ですよ?」

「そうなんだ。でも、ありがとう」

 カナタは謝罪の言葉より感謝の言葉を伝えようと常々思っていたのでお礼を言った。

「どういたしまして♡」

 シータは、そのカナタの姿勢に増々カナタを好きになったのだった。


 カナタは、ニク、ガンマ1、イプシロン、シータ、ミューとの6人で迷宮の出入口へとやって来た。
リュゼット、ラキス、ラムダ3、ラムダ4、ミュー2、ミュー3は迷宮の出入口を監視する監視組として残った。
彼女たち監視組は狙撃型のラムダ3とラムダ4の望遠機能で遠方から監視出来る位置に隠れているはずだった。

「全員、冒険者ギルドカードはあるか?
ここからはギルド会員以外は立ち入り禁止だ」

 冒険者ギルドの職員が迷宮の出入口に立ち、入場のチェックをしていた。
カナタは代表して全員分の冒険者ギルドカードを示した。

「Aランク! 坊主が?」

 ギルド職員が驚くのも無理はなかった。
カナタの見た目は7歳児にしか見えないのだから。
いや、冒険者ギルドカードに示された実年齢の11歳でも驚かれるのには変わりないか。
ギルド職員は、偽造不可能な冒険者ギルドカードを信じるしかないと思い直し態度を改めた。

「いや、失礼した。
Aランク冒険者2人の引率ならば、その他のランクは問わない。
入って良いぞ」

 ギルド職員は、混乱しつつも、Aランクともなれば特別な者しかなれないのだろう、ならば外観などどうでも良いと自分を納得させるのだった。

「どうも」

 カナタは苦笑いしつつ、こういったやり取りが今後もあるのだろうとゲンナリしつつ迷宮へと侵入した。

「ふう(今後はニクを代表にして後ろに隠れているか?)」

 カナタはそう思わざるを得なかった。
カナタが有名になれば、そのようなことは起きないのだろうが、有名になるとしがらみも増えるため、なるべく目立ちたくないとカナタは思っているのだ。
既にメルティーユ王国では有名になっているのだが、ここではカナタの知る由もなかった。

「シータ、反応は?」

 カナタはイプシロンの強化外装を【ロッカー】から出しつつシータに訊ねた。
さすがにイプシロンの強化外装は目立ちすぎるからだ。
迷宮の中に入るまでは隠すべきだとこのような措置となったのだ。

「詳細反応出ました。
地下15階層です。詳細地図作成完了。
案内いたします」

 シータが先頭に立って案内を始めた。
フォーメーションはシータ、ニク、ガンマ1、カナタ、ミュー、イプシロン+強化外装の順になった。
ニクとガンマ1、ミューとイプシロンは横並びだ。

 カナタたちは迷宮を驀進していた。
シータが魔物を遠隔地から探知して報告する。
前から来る魔物はニクとガンマ1に葬られた。
後ろから攻撃してくる魔物もミューとイプシロンに葬られた。
カナタは何もすることなく、シータの案内で迷宮を進んで行くだけだった。

「こんなに簡単に迷宮を突破して良いものだろうか?」

 カナタは15階層に到着してそう呟いた。
ここまでカナタは何も仕事をさせてもらっていなかったのだ。

「この先、どうやら隠し部屋のようです」

 シータの報告に全員で出入口の仕掛けを探すが、何もみつけることが出来なかった。
機械的な仕掛けではないのだろう。
となると魔法的な仕掛けということだろうか?

「漸く僕の出番が来たようだね」

 カナタは意気揚々と【魔力探知】をかけた。
すると壁の中に魔法陣が仕掛けれられていることに気付いた。
どうやらそこに何らかの符丁の魔力を流すことで扉が開くらしい。
カナタはその魔法陣を【陣魔法】のスキルで読んで、魔力符丁を調べ上げた。

「ほい」

シュッ!

 カナタが魔力符丁を流すと、扉は簡単に開いた。
その動きはまるでSF映画の宇宙船の扉のようだと、カナタの知らないはずの知識が囁いた。

 扉の先は迷宮内のごつごつとした岩肌のような質感とは違い、まるで建物の中のようにきっちりとした壁の廊下だった。

「シータ、人や魔物の反応は?」

「ありません。
罠の反応なし。警報装置の反応もありません。
依然としてシステム反応この先です」

 カナタも【魔力探知】で調べたが魔法的な罠もなかった。
つまり安心して進んで良いということだった。
暫く廊下を進むと部屋へとたどり着いた。

システム反応この中です」

「ニク、ミュー、防御態勢」

 カナタは中の愛砢人形ラブラドールが驚いて攻撃して来ても防げるようにと、ニクとミューに次元空間壁を展開するように命じた。

「シータ、鍵は?」

「開いてます」

 カナタは全員に目配せをすると扉に手をかけた。

シュッ!

 目の前の扉は、またしてもSF映画のようにスライドして開いた。
だが、その先で目にしたのは……。

「全員、見るな!」

 カナタの叫びは遅かった。
そこにあるおぞましい物体は、解体された愛砢人形ラブラドールの一部だった。

「ああ、ゼータ5!」

 ガンマ1は、そこに見知った機体の特徴を発見しくずおれた。
そこには確かにシステムが存在した。
しかし、それは愛砢人形ラブラドールから抜き出されたものでしかなかった。
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