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ウルティア国戦役編
183 閑話、ミノ肉オーブ
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「おい、聞いたか?」
「ああ、聞いたが本当なのか?」
「なんだよ、儲け話か? 俺にも教えろよ」
グラスヒルのオークション会場に集った商人たちの間にある噂が広まっていた。
グラスヒルでは、エクストラポーションを始めとした希少アイテムから奴隷まで、合法的な商品を売るオークションが定期的に開催され賑わっていた。
グラスヒルは王国内外に通じる主要街道が交わる交通の要に存在し、このオークションには世界の珍しい品々が集まることで有名だった。
「これを見ろ」
「ん? ミノタウロスのHNアイテムオーブじゃないか。
それがどうしたんだ?」
ミノタウロスのHNアイテムオーブからは、ミノタウロスに関する素材や所持していた武器、そして最高に美味しいと言われるミノ肉が出て来る。
ミノ肉の確率はその中でもダントツに低く、滅多にお目にかかれるものでは無かった。
そのミノ肉が美味いからと、家畜との魔法融合によりそれに近い肉質の牛肉を生産し、儲けている領地があるぐらいだった。
そのミノタウロスのHNアイテムオーブを開いた結果は博打であり、よっぽどの【鑑定】スキル持ちでなければ中身を見極める事など出来なかった。
「なんと、これなんだが、全部最高級ミノ肉が出る」
「バカな! そんなことがあれば苦労しない」
「そうだ、俺でも鑑定ではミノ肉だったのにハズレる事があるんだぞ」
一般的な商人の幸運値は10前後であり、神のダイスによりたまにハズレを引くことがあるのだった。
「これは完全確定オーブなのだ」
「まさか、そんなはずが……」
「まあ、見ていろ、今開けて証明してやる。
おい!」
商人がある使用人を呼びつけた。
「この男にオーブを開けさせるとハズレばかり引きやがる。
調べたら幸運値が2しか無かったんだ」
「それは、こいつに開けさせたお前が悪い」
この世界では、幸運値が低ければアイテムオーブの中身がハズレ易いことが広く知られていた。
では、なぜ幸運値が低い使用人を使っているのか?
それは、幸運値が低くないと手に入らないアイテムが存在するからだった。
その商品がむしろ売れ筋だったりすることで、わざとハズレを引かせるのだ。
ハズレといえども売れることが正義。それが商人なのだ。
「なるほど、ハズレ専門の開け職人か」
「そうだ。こいつにこのミノタウロスのHNアイテムオーブを引かせる」
「何と勿体ないことを」
「いや、だから完全確定オーブなんだよ。これは!」
そう言われた商人は黙って結果を見るしかなかった。
「見ていろよ。最高級ミノタウロス肉のサーロインが出るぞ」
「肉の種類まで判っているのか!」
「おい、開けろ」
「へい」
HNアイテム 最高級ミノタウロス肉(サーロイン)
その肉は霜降りで脂は甘く
とんでもなく美味しいと言われている
王侯貴族が好み、金に糸目をつけないことで有名
「おいおい、幸運値2でハズレを引かないだと?」
「サーロインまでピタリじゃないか!
いったいどういったカラクリなんだ?」
「ふふふ、これは冒険者ギルドの斜向かいに店を構えるガチャ屋1号店のアイテムオーブだ。
わざわざ中身を指定してあって、その中身の整合率は100%だ」
「バカな、そんなことがあるのか?」
これはカナタが携帯ガチャ機で1UPしたガチャオーブで、カナタが【鑑定】Lv.5で中身を調べて中身を指定したものだった。
カナタは知らなかったのだが、このガチャオーブは中身がその時点で確定し固定されていたのだ。
誰が引いても結果はそのカナタの鑑定と同じになる。
究極の完全確定オーブだったのだ。
「これの利点はわかるよな?」
「ああ、鮮度そのままにどこまでも運ぶ事が出来る」
「良い事を聞いた。
しかし、こんな話を教えても良いのか?
お前の儲けが減るだけだろう?」
「それが、買い占めようにも、在庫がとんでもない量あるようなんだ」
「なんだって!」
「どうやら南部辺境伯の所から出たアイテムオーブらしいんだ。
それが万の単位であるらしい」
「まあ、全部がミノ肉ではないだろうが、とんでもない数というわけだな?」
「いくらだ! 俺は買うぞ」
「なんとミノ肉の市場価格の1割引きだ」
「お買い得じゃないか!」
「おい、今から仕入れに行くぞ!」
こうして王国どころか帝国や他の周辺国にもミノ肉のHNアイテムオーブが流通することになった。
売れ筋商品となったことで、カナタは安定的継続的に供給出来るようにと、フィールドダンジョンでミノタウロスのアイテムオーブを収集する専門チームを編成した。
これによりカンザス領のカンザスミノ肉は大幅に価値を下げ、全く売れなくなったという。
「ああ、聞いたが本当なのか?」
「なんだよ、儲け話か? 俺にも教えろよ」
グラスヒルのオークション会場に集った商人たちの間にある噂が広まっていた。
グラスヒルでは、エクストラポーションを始めとした希少アイテムから奴隷まで、合法的な商品を売るオークションが定期的に開催され賑わっていた。
グラスヒルは王国内外に通じる主要街道が交わる交通の要に存在し、このオークションには世界の珍しい品々が集まることで有名だった。
「これを見ろ」
「ん? ミノタウロスのHNアイテムオーブじゃないか。
それがどうしたんだ?」
ミノタウロスのHNアイテムオーブからは、ミノタウロスに関する素材や所持していた武器、そして最高に美味しいと言われるミノ肉が出て来る。
ミノ肉の確率はその中でもダントツに低く、滅多にお目にかかれるものでは無かった。
そのミノ肉が美味いからと、家畜との魔法融合によりそれに近い肉質の牛肉を生産し、儲けている領地があるぐらいだった。
そのミノタウロスのHNアイテムオーブを開いた結果は博打であり、よっぽどの【鑑定】スキル持ちでなければ中身を見極める事など出来なかった。
「なんと、これなんだが、全部最高級ミノ肉が出る」
「バカな! そんなことがあれば苦労しない」
「そうだ、俺でも鑑定ではミノ肉だったのにハズレる事があるんだぞ」
一般的な商人の幸運値は10前後であり、神のダイスによりたまにハズレを引くことがあるのだった。
「これは完全確定オーブなのだ」
「まさか、そんなはずが……」
「まあ、見ていろ、今開けて証明してやる。
おい!」
商人がある使用人を呼びつけた。
「この男にオーブを開けさせるとハズレばかり引きやがる。
調べたら幸運値が2しか無かったんだ」
「それは、こいつに開けさせたお前が悪い」
この世界では、幸運値が低ければアイテムオーブの中身がハズレ易いことが広く知られていた。
では、なぜ幸運値が低い使用人を使っているのか?
それは、幸運値が低くないと手に入らないアイテムが存在するからだった。
その商品がむしろ売れ筋だったりすることで、わざとハズレを引かせるのだ。
ハズレといえども売れることが正義。それが商人なのだ。
「なるほど、ハズレ専門の開け職人か」
「そうだ。こいつにこのミノタウロスのHNアイテムオーブを引かせる」
「何と勿体ないことを」
「いや、だから完全確定オーブなんだよ。これは!」
そう言われた商人は黙って結果を見るしかなかった。
「見ていろよ。最高級ミノタウロス肉のサーロインが出るぞ」
「肉の種類まで判っているのか!」
「おい、開けろ」
「へい」
HNアイテム 最高級ミノタウロス肉(サーロイン)
その肉は霜降りで脂は甘く
とんでもなく美味しいと言われている
王侯貴族が好み、金に糸目をつけないことで有名
「おいおい、幸運値2でハズレを引かないだと?」
「サーロインまでピタリじゃないか!
いったいどういったカラクリなんだ?」
「ふふふ、これは冒険者ギルドの斜向かいに店を構えるガチャ屋1号店のアイテムオーブだ。
わざわざ中身を指定してあって、その中身の整合率は100%だ」
「バカな、そんなことがあるのか?」
これはカナタが携帯ガチャ機で1UPしたガチャオーブで、カナタが【鑑定】Lv.5で中身を調べて中身を指定したものだった。
カナタは知らなかったのだが、このガチャオーブは中身がその時点で確定し固定されていたのだ。
誰が引いても結果はそのカナタの鑑定と同じになる。
究極の完全確定オーブだったのだ。
「これの利点はわかるよな?」
「ああ、鮮度そのままにどこまでも運ぶ事が出来る」
「良い事を聞いた。
しかし、こんな話を教えても良いのか?
お前の儲けが減るだけだろう?」
「それが、買い占めようにも、在庫がとんでもない量あるようなんだ」
「なんだって!」
「どうやら南部辺境伯の所から出たアイテムオーブらしいんだ。
それが万の単位であるらしい」
「まあ、全部がミノ肉ではないだろうが、とんでもない数というわけだな?」
「いくらだ! 俺は買うぞ」
「なんとミノ肉の市場価格の1割引きだ」
「お買い得じゃないか!」
「おい、今から仕入れに行くぞ!」
こうして王国どころか帝国や他の周辺国にもミノ肉のHNアイテムオーブが流通することになった。
売れ筋商品となったことで、カナタは安定的継続的に供給出来るようにと、フィールドダンジョンでミノタウロスのアイテムオーブを収集する専門チームを編成した。
これによりカンザス領のカンザスミノ肉は大幅に価値を下げ、全く売れなくなったという。
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