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ウルティア国戦役編
199 カナタ、失策を犯す
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謎の組織の獣のような愛砢人形が、ガンマ1から離れるのを目にして、カナタは一気にガンマ1の元へと【転移】した。
本来ならば増援の3人も一緒に連れて【転移】するべきなのだが、気が動転していてそのような判断を下す余裕がカナタにはなかった。
「ガンマ1! いま助ける! 【フルリカバー】」
カナタは【フルリカバー】の魔法をガンマ1に向けて唱えた。
その頭にはもう獣型の愛砢人形やナンバー8と称する謎の男のことなど消え失せていた。
何が何でもガンマ1を助ける、その気持ちだけでカナタは行動していた。
だが、この行動はあまりにも迂闊であり、自らの身を危険に晒す行為でしかなかった。
「39、あの子供を撃て!」
黒「ろ」の23番の命令が飛ぶ。
黒「ろ」の23番は、カナタこそが人形たちの主人であると看破したのだ。
ナンバー8から指揮権が移譲されていたため、人虎姿の39は迷わず命令に従う。
39が放った荷電粒子砲がカナタへと向かう。
カナタを守れるはずの防御型のゼータ5は未だ現場に到着しておらず、ニクも獣型愛砢人形を追撃している最中。
デルタもイオタもニューも向かっていたのは獣型愛砢人形の方向だった。
「マスター! きゃーーーっ!」
荷電粒子砲とカナタの間に一人の影が飛び込んで来た。
その影は倒れているガンマ1と、獣型に向かっていたイオタを除いて、この中で唯一加速装置を持ち、現場に一早く到着することが可能だったシータだ。
彼女は自らの身を盾にしてカナタを守ったのだ。
索敵型の彼女には次元空間壁など搭載されていなかった。
目の前で倒れて行くシータの姿は、カナタにショックを与えた。
自分の迂闊な行動のために、シータが傷ついてしまったのだと、その結果を目の当たりにすることでカナタは理解した。
「シーターーーー! 【フルリカバー】【フルリカバー】【フルリカバー】」
カナタの魔法も虚しく、黒焦げとなったシータの肉体は再生しなかった。
切り刻まれた肉体でさえ再生して見せたカナタの魔法が、シータには全く効かなかった。
その間、ニクとデルタが上空から獣型に荷電粒子砲を撃ち込んで牽制しつつ、ニクはカナタの前に降り立って次元空間壁を展開した。
ゼータ5もやっと現場に到着し、二重の次元空間壁を展開してカナタの守りを固めた。
一緒に到着したラムダ3も荷電粒子砲を獣型に撃ち込む。
「シータ、シータ、シーターーーーーーー!」
泣き叫ぶカナタの元にゼータ5と共に行動していたイータが到着した。
「マスター落ち着いて! 大丈夫、まだ砢システムが生きている!
新しい肉体を用意してあげればシータは蘇るわ!」
「! 本当に?」
「私を信じて」
イータはシータに縋り付き泣くカナタの頭をそっとその胸に抱きしめそう言った。
カナタを落ち着かせると、イータは優しく語り掛ける。
「シータを【ロッカー】に収納して。
新しい身体を作ってあげてからもう一度処置をするわよ」
「わかった。ガンマ1は?」
ガンマ1は【フルリカバー】が効いていたが、意識が無かった。
それを確認する間もなく、カナタは攻撃を受け、シータが倒れたのだ。
「ガンマ1は意識が無いわ。
でも、私を復活させられたマスターならば、同じことをすればいいだけでしょう?」
「そうか、そうだね」
カナタはガンマ1をガチャオーブ化して収納した。
カナタはイータから二人が助かると聞き、希望を見いだし立ち直った。
そして、このような惨状を招いてしまった自らの行動を恥じると同時に謎の組織の連中に対する怒りが沸々と沸き上がった。
「奴らは?」
「カルカイムの街の迷宮に入った」
カルカイムの街は特殊だった。
迷宮の上に出来た街であり、その入り口は街の中にあるのだ。
街の中心に迷宮入り口を囲む城壁があり、その周囲に街が形成され、その外に二重の城壁が廻っていた。
これは迷宮が氾濫した場合に街の中で食い止めるという特殊な防御形態だった。
そのうような形態となっているのは、カルカイムが首都に近い立地にあることに理由があった。
守るべきは主都であり、カルカイムの街の城壁は、謂わば魔物の氾濫を封じ込める檻なのだ。
そのため、ラムダ3の狙撃も、デルタの空爆も、カルカイムの街の中に獣型が侵入した時点で実行できなくなっていた。
人込みに紛れられてしまうと無関係の人たちを巻き込んでしまうため、威力の高い荷電粒子砲を撃てなくなってしまったのだ。
「そうか……。ニク、監視出来るな?」
「はい、マスター。ニューとゼータ5にラムダ3も連れてく」
獣型たちが魔導具で転移しなかったことで、彼らには転移で逃げるとう手段が残されていないのだろうとカナタは推測した。
となれば、迷宮の入口を監視すれば、奴らの逃亡を防げるはずだった。
ニクに監視を任せることで、カナタはこれからやらなければならないことに専念できる。
それは討伐のための戦力の増強とガンマ1とシータの復活だった。
「待ってて、必ず助ける!」
本来ならば増援の3人も一緒に連れて【転移】するべきなのだが、気が動転していてそのような判断を下す余裕がカナタにはなかった。
「ガンマ1! いま助ける! 【フルリカバー】」
カナタは【フルリカバー】の魔法をガンマ1に向けて唱えた。
その頭にはもう獣型の愛砢人形やナンバー8と称する謎の男のことなど消え失せていた。
何が何でもガンマ1を助ける、その気持ちだけでカナタは行動していた。
だが、この行動はあまりにも迂闊であり、自らの身を危険に晒す行為でしかなかった。
「39、あの子供を撃て!」
黒「ろ」の23番の命令が飛ぶ。
黒「ろ」の23番は、カナタこそが人形たちの主人であると看破したのだ。
ナンバー8から指揮権が移譲されていたため、人虎姿の39は迷わず命令に従う。
39が放った荷電粒子砲がカナタへと向かう。
カナタを守れるはずの防御型のゼータ5は未だ現場に到着しておらず、ニクも獣型愛砢人形を追撃している最中。
デルタもイオタもニューも向かっていたのは獣型愛砢人形の方向だった。
「マスター! きゃーーーっ!」
荷電粒子砲とカナタの間に一人の影が飛び込んで来た。
その影は倒れているガンマ1と、獣型に向かっていたイオタを除いて、この中で唯一加速装置を持ち、現場に一早く到着することが可能だったシータだ。
彼女は自らの身を盾にしてカナタを守ったのだ。
索敵型の彼女には次元空間壁など搭載されていなかった。
目の前で倒れて行くシータの姿は、カナタにショックを与えた。
自分の迂闊な行動のために、シータが傷ついてしまったのだと、その結果を目の当たりにすることでカナタは理解した。
「シーターーーー! 【フルリカバー】【フルリカバー】【フルリカバー】」
カナタの魔法も虚しく、黒焦げとなったシータの肉体は再生しなかった。
切り刻まれた肉体でさえ再生して見せたカナタの魔法が、シータには全く効かなかった。
その間、ニクとデルタが上空から獣型に荷電粒子砲を撃ち込んで牽制しつつ、ニクはカナタの前に降り立って次元空間壁を展開した。
ゼータ5もやっと現場に到着し、二重の次元空間壁を展開してカナタの守りを固めた。
一緒に到着したラムダ3も荷電粒子砲を獣型に撃ち込む。
「シータ、シータ、シーターーーーーーー!」
泣き叫ぶカナタの元にゼータ5と共に行動していたイータが到着した。
「マスター落ち着いて! 大丈夫、まだ砢システムが生きている!
新しい肉体を用意してあげればシータは蘇るわ!」
「! 本当に?」
「私を信じて」
イータはシータに縋り付き泣くカナタの頭をそっとその胸に抱きしめそう言った。
カナタを落ち着かせると、イータは優しく語り掛ける。
「シータを【ロッカー】に収納して。
新しい身体を作ってあげてからもう一度処置をするわよ」
「わかった。ガンマ1は?」
ガンマ1は【フルリカバー】が効いていたが、意識が無かった。
それを確認する間もなく、カナタは攻撃を受け、シータが倒れたのだ。
「ガンマ1は意識が無いわ。
でも、私を復活させられたマスターならば、同じことをすればいいだけでしょう?」
「そうか、そうだね」
カナタはガンマ1をガチャオーブ化して収納した。
カナタはイータから二人が助かると聞き、希望を見いだし立ち直った。
そして、このような惨状を招いてしまった自らの行動を恥じると同時に謎の組織の連中に対する怒りが沸々と沸き上がった。
「奴らは?」
「カルカイムの街の迷宮に入った」
カルカイムの街は特殊だった。
迷宮の上に出来た街であり、その入り口は街の中にあるのだ。
街の中心に迷宮入り口を囲む城壁があり、その周囲に街が形成され、その外に二重の城壁が廻っていた。
これは迷宮が氾濫した場合に街の中で食い止めるという特殊な防御形態だった。
そのうような形態となっているのは、カルカイムが首都に近い立地にあることに理由があった。
守るべきは主都であり、カルカイムの街の城壁は、謂わば魔物の氾濫を封じ込める檻なのだ。
そのため、ラムダ3の狙撃も、デルタの空爆も、カルカイムの街の中に獣型が侵入した時点で実行できなくなっていた。
人込みに紛れられてしまうと無関係の人たちを巻き込んでしまうため、威力の高い荷電粒子砲を撃てなくなってしまったのだ。
「そうか……。ニク、監視出来るな?」
「はい、マスター。ニューとゼータ5にラムダ3も連れてく」
獣型たちが魔導具で転移しなかったことで、彼らには転移で逃げるとう手段が残されていないのだろうとカナタは推測した。
となれば、迷宮の入口を監視すれば、奴らの逃亡を防げるはずだった。
ニクに監視を任せることで、カナタはこれからやらなければならないことに専念できる。
それは討伐のための戦力の増強とガンマ1とシータの復活だった。
「待ってて、必ず助ける!」
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