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ウルティア国戦役編
203 カナタ、獣を狩る3
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そこは迷宮の地下20階にある隠し部屋だった。
その入り口は39が把握しており、開閉スイッチを探ってすんなりと開けることが出来た。
入り口に侵入すると、回廊のような人が5人は横に並べるような洞窟を進み、その先に8m四方ほどの部屋が存在していた。
その入り口を潜ると、そこには一人の人影があった。
「黒「め」の97番、あなたこんな下層に降りられたの?」
組織のアジトに辿り着いた黒「ろ」の23番は、その場にいた黒「め」の97番に驚いた。
迷宮の20階に単独で降りて来るのは、そこそこ力のある冒険者でも難しいことだったからだ。
二人に面識はなかったのだが、この地の担当で「め」組といえば黒「め」の97番なので、彼がそうなのだろうと黒「ろ」の23番は判断していた。
そしてそれは間違いではなかった。
「俺が降りられたら不服なのか?」
黒「め」の97番は、「め」組が他の組から下に見られていることを肌身に感じていたため、挑発的な言動となっていた。
そんな黒「め」の97番を46はナンバー8を備え付けのベッドに下ろしながらギロリと一睨みした。
人狼型の46の眼力と恐ろしい姿に黒「め」の97番はそれ以上は押し黙るしかなかった。
「今はそんなことで争っている場合じゃないわ。
ナンバー8が重症よ。
このアジトには回復薬はないかしら?」
黒「め」の97番は不服に思いながらも、組織の幹部であるナンバー8が重症ともなれば、協力せざるを得なかった。
「ここにあるのは中級回復薬までだ」
そう言うと黒「め」の97番は備え付けの戸棚を顎でしゃくって示す。
彼は黒「ろ」の23番に対してはあくまでも敵対的だった。
黒「ろ」の23番は、溜め息を吐くと戸棚から中級回復薬の小瓶を取り出しナンバー8に飲ませる。
しかし、その薬はナンバー8にはあまり効いていないようだった。
「あまり効かないわね」
「わう! わうわう!」
46が何か言いたそうなのだが、残念なことにその吻部の形状のために人語が話せなかった。
46は、ナンバー8が人間と男型愛砢人形のハイブリッドであり、回復薬が効きずらいと言いたかったのだが……。
しかも同様に39と44も人語が話せず、伝える手段がなかった。
「まあ効かないまでも、死にはしないまでは回復したようね。
ほとぼりが冷めるまでここに居てもらって、本部に戻すしかないかしらね」
黒「ろ」の23番は、自分が一度「ろ」組に戻って本部に繋ぎをつけるべきかと悩むのだった。
下部組織の「組」には通信の魔導具が設置されており、そこで組織の指令を受けることになっていた。
つまり、黒「ろ」の23番は、個人で通信の魔導具を持っていないのだ。
本部に連絡をするためには、「ろ」組まで戻る必要があった。
「あ、それn……」
黒「め」の97番が、何か言いかけたが、「ろ」組の手柄になるのは嫌だったため口を噤んだ。
それが失策とも知らずに。
「仕方ない。私が「ろ」組に戻って本部と連絡をとります」
黒「ろ」の23番は、自らの帰還用で持っていた【転移】の魔導具で「ろ」組へと戻って行った。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
ニューのチームと15階で合流すると、その場でカナタは20階まで【転移】を使って戻った。
この間、20階で敵の様子を伺っていたマイとベータのチームは、敵に知られることなく攻略ルートを調べていた。
「反応は?」
「変わらず4です」
黒「ろ」の23番は、愛砢人形ではないため、砢システムの反応は出ていなかった。
その時、彼女のみが【転移】の魔導具でその場を離れていたのだが、それをマイたちが知る由もなかった。
マイたちが探知していたのは、あくまでも砢システムの反応だったからだ。
「ルートは?」
「確認済みです」
「では、これより敵を殲滅する! 行くぞ!」
「「「「「はい!」」」」」
カナタと21人の愛砢人形は敵の隠し部屋へと向かった。
しばらく迷宮内を進むと何の変哲もない壁の前でマイが皆を止めた。
「ここです」
マイが示したのは、なんの変哲もない壁だった。
しかし、それは偽装された隠し部屋へと続く洞窟の入り口だ。
「わかる?」
カナタがその入り口の開閉手段をマイに問う。
しかし、マイは首を振った。
シータならば易々と見つけられたのだろうが、それだけの能力を持つ存在は今はいなかった。
「ならば壊すしかないか……」
「お任せを」
イプシロンが強化外装の腕で思い切り壁を殴る。
強化外装は所謂パワードスーツだ。その腕力で壁に大穴があく。
「よし、突入! 5:1を心がけるんだ!」
しかし、そこはあまりに狭い空間だった。
カナタたちは入り口で渋滞してしまっていた。
その入り口は39が把握しており、開閉スイッチを探ってすんなりと開けることが出来た。
入り口に侵入すると、回廊のような人が5人は横に並べるような洞窟を進み、その先に8m四方ほどの部屋が存在していた。
その入り口を潜ると、そこには一人の人影があった。
「黒「め」の97番、あなたこんな下層に降りられたの?」
組織のアジトに辿り着いた黒「ろ」の23番は、その場にいた黒「め」の97番に驚いた。
迷宮の20階に単独で降りて来るのは、そこそこ力のある冒険者でも難しいことだったからだ。
二人に面識はなかったのだが、この地の担当で「め」組といえば黒「め」の97番なので、彼がそうなのだろうと黒「ろ」の23番は判断していた。
そしてそれは間違いではなかった。
「俺が降りられたら不服なのか?」
黒「め」の97番は、「め」組が他の組から下に見られていることを肌身に感じていたため、挑発的な言動となっていた。
そんな黒「め」の97番を46はナンバー8を備え付けのベッドに下ろしながらギロリと一睨みした。
人狼型の46の眼力と恐ろしい姿に黒「め」の97番はそれ以上は押し黙るしかなかった。
「今はそんなことで争っている場合じゃないわ。
ナンバー8が重症よ。
このアジトには回復薬はないかしら?」
黒「め」の97番は不服に思いながらも、組織の幹部であるナンバー8が重症ともなれば、協力せざるを得なかった。
「ここにあるのは中級回復薬までだ」
そう言うと黒「め」の97番は備え付けの戸棚を顎でしゃくって示す。
彼は黒「ろ」の23番に対してはあくまでも敵対的だった。
黒「ろ」の23番は、溜め息を吐くと戸棚から中級回復薬の小瓶を取り出しナンバー8に飲ませる。
しかし、その薬はナンバー8にはあまり効いていないようだった。
「あまり効かないわね」
「わう! わうわう!」
46が何か言いたそうなのだが、残念なことにその吻部の形状のために人語が話せなかった。
46は、ナンバー8が人間と男型愛砢人形のハイブリッドであり、回復薬が効きずらいと言いたかったのだが……。
しかも同様に39と44も人語が話せず、伝える手段がなかった。
「まあ効かないまでも、死にはしないまでは回復したようね。
ほとぼりが冷めるまでここに居てもらって、本部に戻すしかないかしらね」
黒「ろ」の23番は、自分が一度「ろ」組に戻って本部に繋ぎをつけるべきかと悩むのだった。
下部組織の「組」には通信の魔導具が設置されており、そこで組織の指令を受けることになっていた。
つまり、黒「ろ」の23番は、個人で通信の魔導具を持っていないのだ。
本部に連絡をするためには、「ろ」組まで戻る必要があった。
「あ、それn……」
黒「め」の97番が、何か言いかけたが、「ろ」組の手柄になるのは嫌だったため口を噤んだ。
それが失策とも知らずに。
「仕方ない。私が「ろ」組に戻って本部と連絡をとります」
黒「ろ」の23番は、自らの帰還用で持っていた【転移】の魔導具で「ろ」組へと戻って行った。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
ニューのチームと15階で合流すると、その場でカナタは20階まで【転移】を使って戻った。
この間、20階で敵の様子を伺っていたマイとベータのチームは、敵に知られることなく攻略ルートを調べていた。
「反応は?」
「変わらず4です」
黒「ろ」の23番は、愛砢人形ではないため、砢システムの反応は出ていなかった。
その時、彼女のみが【転移】の魔導具でその場を離れていたのだが、それをマイたちが知る由もなかった。
マイたちが探知していたのは、あくまでも砢システムの反応だったからだ。
「ルートは?」
「確認済みです」
「では、これより敵を殲滅する! 行くぞ!」
「「「「「はい!」」」」」
カナタと21人の愛砢人形は敵の隠し部屋へと向かった。
しばらく迷宮内を進むと何の変哲もない壁の前でマイが皆を止めた。
「ここです」
マイが示したのは、なんの変哲もない壁だった。
しかし、それは偽装された隠し部屋へと続く洞窟の入り口だ。
「わかる?」
カナタがその入り口の開閉手段をマイに問う。
しかし、マイは首を振った。
シータならば易々と見つけられたのだろうが、それだけの能力を持つ存在は今はいなかった。
「ならば壊すしかないか……」
「お任せを」
イプシロンが強化外装の腕で思い切り壁を殴る。
強化外装は所謂パワードスーツだ。その腕力で壁に大穴があく。
「よし、突入! 5:1を心がけるんだ!」
しかし、そこはあまりに狭い空間だった。
カナタたちは入り口で渋滞してしまっていた。
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