心障ニート狂想曲

F星人

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アメニティーの補充②

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「そして補充したら……というか、これから補充しにいくところは赤ペンか何かで『○』で囲って下さい」

「補充する前に、ですか?」

「はい。この1枚のアメニティー表を基に、他の人も補充作業を行いますので。補充がダブらないように補充しに行く前に赤丸で囲っておくのです」

「あ、そっか……。じゃあそれ、赤丸付けといて補充忘れたら大変ですね」

 そうなんですよ、と鞘師さやしさんは眉をひそめた。

「赤丸付けまくっといて、補充を忘れる人が居て……。勘弁してほしいですよ……」

「へ、へえ……」

 その人って、もしかしてリネンカウントをダラダラやってる人と同一人物か?

「まあそれはさておき……。補充する時は、アメニティーをリネン袋に入れたりして各々の階に持っていきます」

「リネン袋、ですか?」

「はい。ああ、そういえばまだ言ってませんでしたね」

 と、鞘師さんが向けた視線の先には、黄色い袋が置かれていた。

 その袋はとても頑丈な生地で作られていて、入り口は白い紐でギュッと閉じられるようになっている。

「……あれ? これってリネン室で見たような……」

「はい。使い終わったバスタオルとかのリネンを中に入れて、それをリネンを管理してる会社に送ってリネンを洗濯してもらうんですよ」

「そういうシステムだったんですね……」

「そのリネン袋は結構『余り』が出るんです。それをアメニティーの補充に使ったりします。中にトイレットペーパーや使い捨てスリッパを入れたりして補充作業をします」

 補充作業のための袋に使うってことか。

「補充する数が多いときは台車を使ってアメニティーが入った段ボールごと持って行っても良いですよ」

「あー、確かにその方が一気に補充出来ますしね」

「はい。まあ、補充作業も『慣れ』ですよ。最初は大変かもしれませんが、流れを覚えれば何てことないです」

「分かりました。とりあえず赤丸を付けたアメニティーの補充を忘れずにやります」

「そうですね。まずは少しずつやっていって下さい」

 時計の針が3時を回ろうとした時だった。

 事務所に誰かが入ってきた。

 

 
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