心障ニート狂想曲

F星人

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嫌いになった理由

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「あ、そうだ佐藤さとうさん」

 鞘師さやしさんが言った。

「次から和泉いずみさんにもカードキーを持ってもらうことって出来ますか?」

「おー、良いんじゃない? 一応、沢井さわいさんにも確認――」

 と、ここで沢井さんが奥の部屋から出てきた。

 白シャツに黒ズボン姿から、ベージュを基調とした私服に着替えていた。

 奥の部屋で着替えていたのだろう。

「丁度良かった」と佐藤さん。「沢井さん、もう和泉さんカードキー持っても良いですよね」

「ああ、良いんじゃない? 日本人なら大丈夫でしょう」

 沢井さんは軽く言った。

「じゃあお疲れ様」

 と、沢井さんはいそいそと事務所を出て行った。

「日本人なら大丈夫、か……」

 俺はつい、口にしていた。

 どういうことなんだろう……。

「ネパールの人が頻繁にカードキーを返却せずに帰っちゃうんですよ」

 鞘師さんは言った。

「えっ? 返却せずにって、そのまま家に持って帰るってことですか?」

「はい。だから沢井さんはネパールの人……というか、外国の人をあまり好きじゃないんですよ。なので日本人びいきするようなこと言うかもですが、悪気は無いので気にしないで下さいね」

 へえー、と俺は声を出した。

「ああ、もう3時ですね。和泉さん、今日はこれであがって下さい」

「え、アメニティーの補充は大丈夫ですか?」

 鞘師さんはニッコリ笑って、

「大丈夫ですよ、今日は僕がやっておきます。それに、3時過ぎたらこの事務所にウチの会社のネパール人や、F社の客室清掃の人たちもタイムカードを通しに来て混むんです」

「あー、その人たちは3時終わりってことですか?」

「はい。なので早くした方が良いですよ。めちゃくちゃ混むので」

「わ、分かりました」

 急かされて、俺は速やかにタイムカードを通した。

「じゃあ、お疲れ様です。お先に失礼します」

 俺が一礼すると、鞘師さんと佐藤さんと岸本きしもとさんが「お疲れ様でした」と声を揃えた。

 

 
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