11 / 30
一章 覚醒の日
ex やりたい事とやれる事
しおりを挟む
今回の追試の主役とも言える二人が合流したほぼ同時刻。
「良かったっすね大将。弟君無事追試突破出来て」
「これ程外れて嬉しい思惑ってのも無いでしょ」
「……まあな」
競技場を後にしながら取り巻きの男女の言葉に複雑な表情でそう返す大将と呼ばれた少年。
ユーリの兄、ロイド・レイザークの思惑は、予想だにしなかったイレギュラーによって外れる事となった。
ユーリが学園を辞めた後の根回しは全部無駄になった。
無駄になってくれたと言うべきなのかもしれない。
「アイツはずっと頑張っていたから。もし真っ当に報われる道があるなら、その道進んで貰った方が良いに決まっているだろ」
本人の前ではもう口が裂けても言えなくなってしまったけれど、そういう考えはずっと昔から変わらない。
頑張った人間は大なり小なり報われるべきだ。
そしてユーリは報われなければおかしい程の努力を積み重ねていた。
もし自分の読み通り、ユーリの劣化コピーの固有魔術が努力を積み重ねた結果なのだとすればようやく。
ほんとうにようやく報われてくれたようなもので、それを嬉しく思わない筈が無い……だとしても。
「だけどそれでも……俺がやって来た事が間違いだったとは思わない」
その考えが覆る事は無い。
ユーリの心を折る為に散々暴言や嫌がらせを続けてきた事は。
自己嫌悪で吐きそうになりながらも続けてきた行動は、きっと間違いなんかじゃない。
「今回ユーリがあれだけの力を手に出来たのは、ユーリと仲良くしてくれてるあの女子が居たからだ」
「確かアイリスさんだっけ?」
「そうだアイリスだ。で、ユーリが力を手に出来たのはあの子の頭ん中に人知を超えてんじゃないかって位強力な術式が存在したからだ。もっと言えば昨日ユーリに刻まれたスキルがそれを引き出す事ができる類いの力になったという事も大きいだろ」
アイリスという一年も一連の流れを聞く限り、その力を否定され続けてきたのだろう。
何故彼女が自分でその力を使わなかったのか。今日の様な形以外で分かりやすい証明ができなかったのかは分からないが、とにかく一人ではそれを証明できずにいた。
そしてユーリには魔術の才能が、目を背けたくなってしまう程に無い。
皆無だ。
本当に頑張ったなって声を掛けてやりたかった位には頑張り続けても、ようやく補欠合格に引っ掛かる位の成績しか残せない。
この学園では。
そしてこの先の魔術を専門とする職業を行う中では、何もできないに等しい力しか持ち合わせていない。
そんな一人では何もできない程度のポテンシャルが今日、偶然歯車が噛み合うように覚醒へと至らせた……そう、偶然だ。
「片側の条件を満たすだけでも奇跡みたいな確率だ。その二人が偶然同じ時代に生まれて同じ学園に入学して仲良くなる。人間がこの世界に何億人いると思ってんだ。天文学的な確率だよ」
あまりにも。あまりにも薄い。
「そんな天文学的確率にベットしねえと成功しないようなもんにアイツは人生掛けようとしてたんだ。それは誰かが何処かで止めてやらないといけない事だ。諭して駄目なら心を折ってでも……少しでも早くアイツに合った生き方に軌道修正してやらないと駄目だって思うだろ」
それはもしかすると自分勝手で傲慢な考えなのかもしれない。
だけどだとしても、その自己中心的な傲慢は貫かなければならないと思った。
「アイツは魔術以外は大体何でもできるし、できるようになる為の努力だってできる奴だ。すげえ奴なんだよ。まず間違いなくアイツが輝ける場所は此処じゃなかったし、否定も拒絶もされず肯定的にアイツを求めてくれる場所なんて山のようにある。そういう道にアイツを進ませたかった。お前らが聞いたら不快に思うかもしれねえけど、魔術師が他の人間より特別優れた存在って訳じゃねえんだからさ」
「それ聞いて不快になる連中は大将の派閥に居ないっすよ」
「そうそう。そういう連中と一緒にしないでよ」
「そりゃ悪かった。余計な心配だったな……まあとにかく、結果的に奇跡的にうまく行っただけだ。俺は自分の判断が間違いだったとは思わない。間違いだったと思わないから後悔だってしてない。ああそうだ。後悔なんてしていないんだ」
だから、と釘を刺すように言う。
「変な気は使うな。お前らどうせ碌でもない事考えてんだろ」
「い、いやそりゃ考えるっすよ! あと碌でもない事じゃねーっす!」
取り巻きの男子生徒が言う。
「だってほら、結局大将が嫌がらせをしてたのって、なんというか……やり方は賛否両論って感じっすけど、弟君の将来考えての事な訳じゃないっすか! だから、まあ……難しいかもしんねえっすけど、このままってのはあんまりっすよ!」
「そうよ! なんかこう……うまく仲直りとかできた方が……」
「それはマジで気持ちだけ受け取っとくよ」
そして一拍空けてからロイドは言う。
「俺がアイツの立場なら、関わって欲しくないって思うだろうからさ」
何をどうしても、自分がやって来た事を変えられる訳じゃない。
傷付けてきた事実が消える訳ではない。そんな人間がこれ以上関わるべきではない。
「あーくそ、せめてあのハゲに文句言いに行けてたら良かったんすけどね。それを期にうまく仲直りとか……」
「まさか突然新任の先生が出て来るなんて……ロイド飛び出す気満々だったのに」
「あーもういいからお前ら。はいこの話終わり。折角の休日だ。楽しいことを考えよう」
ロイドは無理矢理話を変える。
「ミコ。まっちゃん。これから時間空いてるか?」
「え、空いてるけど」
「空いてなきゃ着いて来てねーっすよ。で、どうしたんすか?」
「これからバスケでもしに行かないか? 他の連中も誘って」
遊びの誘いだ。
「私はいいけどまっちゃんは?」
「あー俺もいいっすね。丁度体動かしたかったし」
にしても、とまっちゃんことマイク・ウィルソンは言う。
「しかし大将ほんと好きっすねバスケ。割と普通に下手なのに」
「好きな気持ちとうまい下手は関係ねえだろ。夢見るのもそうだ。俺は昔から魔術で多くの人を助けるって夢と同じくらい、バスケで飯食ってくのも夢だった。下手だけどその位バスケが好きだよ俺は」
ただ、とロイドは言う。
「うまくやれないなら夢は夢で終わらせねえと。趣味の範囲で楽しんだり頑張ったりなんて事と、たった一度の人生を棒に振る事を混在しちゃいけねえってだけの話だ」
……結局、話を反らしたつもりが、脳裏にユーリの顔が浮かんでくる。
何度でも思う。
自分の考えは間違っていない。
きっと自分に立派な魔術師というもう一つの夢が無かったとしても、自分はきっとバスケットの夢を諦める。
それが諦めなければならない物だと何処かで理解して、辞めている筈だ。
ユーリが歩もうとしていたのは、魔術に関する夢が無かった場合の自分が、それでもバスケットにしがみ付いた場合の最悪な道。
成就はせず理解もされない。
ただただ人生を浪費していく、そんな最悪な選択だ。
だけど奇跡は起きた。
ユーリ・レイザークは魔術師として覚醒した。誰がなんと言おうとあれはユーリの力だ。
ユーリだけが凄かったわけでは無いが、ユーリだって凄かったのだ。
そして、そんな事が起きたのならば、挑戦したって罰は当たらない筈だ。
もう長らくまともなコミュニケーションを取っていなくて、弟が一体何を目指してそこまで頑張っているのかも分からないけれど。
分かってはやれていないけれど。
奇跡が起きてくれたなら、もう応援したっていい筈だ。
頑張れって思って良い筈だ。
どんなものかも分からない夢を、応援したっていい筈だ。
陰に隠れてにはなるけれど、それでも。
「「……」」
そしてミコとマイクは顔を合わせた後、ロイドに言う。
「よし! とにかく遊びに行くならさっさと行くっすよ! 貴重な休日なんすから!」
「小難しい事考えてないで、とにかくパーっとやりたい事やろう!」
「……そうだな」
そう、難しい事を色々と考えてきた。
今日までずっと、何年も。そういう事を考え続けてきた気がする。
だけど自然と笑ってそう言えた。
「行くか!」
今日はとても気分が良い。頑張っていた奴が報われたのだ。
(頑張れ、ユーリ)
まだ競技場内に居るであろう弟に向けて、心中でそう呟き。
長年弟に暴言や嫌がらせを繰り返してきた兄は、競技場から離れていった。
「良かったっすね大将。弟君無事追試突破出来て」
「これ程外れて嬉しい思惑ってのも無いでしょ」
「……まあな」
競技場を後にしながら取り巻きの男女の言葉に複雑な表情でそう返す大将と呼ばれた少年。
ユーリの兄、ロイド・レイザークの思惑は、予想だにしなかったイレギュラーによって外れる事となった。
ユーリが学園を辞めた後の根回しは全部無駄になった。
無駄になってくれたと言うべきなのかもしれない。
「アイツはずっと頑張っていたから。もし真っ当に報われる道があるなら、その道進んで貰った方が良いに決まっているだろ」
本人の前ではもう口が裂けても言えなくなってしまったけれど、そういう考えはずっと昔から変わらない。
頑張った人間は大なり小なり報われるべきだ。
そしてユーリは報われなければおかしい程の努力を積み重ねていた。
もし自分の読み通り、ユーリの劣化コピーの固有魔術が努力を積み重ねた結果なのだとすればようやく。
ほんとうにようやく報われてくれたようなもので、それを嬉しく思わない筈が無い……だとしても。
「だけどそれでも……俺がやって来た事が間違いだったとは思わない」
その考えが覆る事は無い。
ユーリの心を折る為に散々暴言や嫌がらせを続けてきた事は。
自己嫌悪で吐きそうになりながらも続けてきた行動は、きっと間違いなんかじゃない。
「今回ユーリがあれだけの力を手に出来たのは、ユーリと仲良くしてくれてるあの女子が居たからだ」
「確かアイリスさんだっけ?」
「そうだアイリスだ。で、ユーリが力を手に出来たのはあの子の頭ん中に人知を超えてんじゃないかって位強力な術式が存在したからだ。もっと言えば昨日ユーリに刻まれたスキルがそれを引き出す事ができる類いの力になったという事も大きいだろ」
アイリスという一年も一連の流れを聞く限り、その力を否定され続けてきたのだろう。
何故彼女が自分でその力を使わなかったのか。今日の様な形以外で分かりやすい証明ができなかったのかは分からないが、とにかく一人ではそれを証明できずにいた。
そしてユーリには魔術の才能が、目を背けたくなってしまう程に無い。
皆無だ。
本当に頑張ったなって声を掛けてやりたかった位には頑張り続けても、ようやく補欠合格に引っ掛かる位の成績しか残せない。
この学園では。
そしてこの先の魔術を専門とする職業を行う中では、何もできないに等しい力しか持ち合わせていない。
そんな一人では何もできない程度のポテンシャルが今日、偶然歯車が噛み合うように覚醒へと至らせた……そう、偶然だ。
「片側の条件を満たすだけでも奇跡みたいな確率だ。その二人が偶然同じ時代に生まれて同じ学園に入学して仲良くなる。人間がこの世界に何億人いると思ってんだ。天文学的な確率だよ」
あまりにも。あまりにも薄い。
「そんな天文学的確率にベットしねえと成功しないようなもんにアイツは人生掛けようとしてたんだ。それは誰かが何処かで止めてやらないといけない事だ。諭して駄目なら心を折ってでも……少しでも早くアイツに合った生き方に軌道修正してやらないと駄目だって思うだろ」
それはもしかすると自分勝手で傲慢な考えなのかもしれない。
だけどだとしても、その自己中心的な傲慢は貫かなければならないと思った。
「アイツは魔術以外は大体何でもできるし、できるようになる為の努力だってできる奴だ。すげえ奴なんだよ。まず間違いなくアイツが輝ける場所は此処じゃなかったし、否定も拒絶もされず肯定的にアイツを求めてくれる場所なんて山のようにある。そういう道にアイツを進ませたかった。お前らが聞いたら不快に思うかもしれねえけど、魔術師が他の人間より特別優れた存在って訳じゃねえんだからさ」
「それ聞いて不快になる連中は大将の派閥に居ないっすよ」
「そうそう。そういう連中と一緒にしないでよ」
「そりゃ悪かった。余計な心配だったな……まあとにかく、結果的に奇跡的にうまく行っただけだ。俺は自分の判断が間違いだったとは思わない。間違いだったと思わないから後悔だってしてない。ああそうだ。後悔なんてしていないんだ」
だから、と釘を刺すように言う。
「変な気は使うな。お前らどうせ碌でもない事考えてんだろ」
「い、いやそりゃ考えるっすよ! あと碌でもない事じゃねーっす!」
取り巻きの男子生徒が言う。
「だってほら、結局大将が嫌がらせをしてたのって、なんというか……やり方は賛否両論って感じっすけど、弟君の将来考えての事な訳じゃないっすか! だから、まあ……難しいかもしんねえっすけど、このままってのはあんまりっすよ!」
「そうよ! なんかこう……うまく仲直りとかできた方が……」
「それはマジで気持ちだけ受け取っとくよ」
そして一拍空けてからロイドは言う。
「俺がアイツの立場なら、関わって欲しくないって思うだろうからさ」
何をどうしても、自分がやって来た事を変えられる訳じゃない。
傷付けてきた事実が消える訳ではない。そんな人間がこれ以上関わるべきではない。
「あーくそ、せめてあのハゲに文句言いに行けてたら良かったんすけどね。それを期にうまく仲直りとか……」
「まさか突然新任の先生が出て来るなんて……ロイド飛び出す気満々だったのに」
「あーもういいからお前ら。はいこの話終わり。折角の休日だ。楽しいことを考えよう」
ロイドは無理矢理話を変える。
「ミコ。まっちゃん。これから時間空いてるか?」
「え、空いてるけど」
「空いてなきゃ着いて来てねーっすよ。で、どうしたんすか?」
「これからバスケでもしに行かないか? 他の連中も誘って」
遊びの誘いだ。
「私はいいけどまっちゃんは?」
「あー俺もいいっすね。丁度体動かしたかったし」
にしても、とまっちゃんことマイク・ウィルソンは言う。
「しかし大将ほんと好きっすねバスケ。割と普通に下手なのに」
「好きな気持ちとうまい下手は関係ねえだろ。夢見るのもそうだ。俺は昔から魔術で多くの人を助けるって夢と同じくらい、バスケで飯食ってくのも夢だった。下手だけどその位バスケが好きだよ俺は」
ただ、とロイドは言う。
「うまくやれないなら夢は夢で終わらせねえと。趣味の範囲で楽しんだり頑張ったりなんて事と、たった一度の人生を棒に振る事を混在しちゃいけねえってだけの話だ」
……結局、話を反らしたつもりが、脳裏にユーリの顔が浮かんでくる。
何度でも思う。
自分の考えは間違っていない。
きっと自分に立派な魔術師というもう一つの夢が無かったとしても、自分はきっとバスケットの夢を諦める。
それが諦めなければならない物だと何処かで理解して、辞めている筈だ。
ユーリが歩もうとしていたのは、魔術に関する夢が無かった場合の自分が、それでもバスケットにしがみ付いた場合の最悪な道。
成就はせず理解もされない。
ただただ人生を浪費していく、そんな最悪な選択だ。
だけど奇跡は起きた。
ユーリ・レイザークは魔術師として覚醒した。誰がなんと言おうとあれはユーリの力だ。
ユーリだけが凄かったわけでは無いが、ユーリだって凄かったのだ。
そして、そんな事が起きたのならば、挑戦したって罰は当たらない筈だ。
もう長らくまともなコミュニケーションを取っていなくて、弟が一体何を目指してそこまで頑張っているのかも分からないけれど。
分かってはやれていないけれど。
奇跡が起きてくれたなら、もう応援したっていい筈だ。
頑張れって思って良い筈だ。
どんなものかも分からない夢を、応援したっていい筈だ。
陰に隠れてにはなるけれど、それでも。
「「……」」
そしてミコとマイクは顔を合わせた後、ロイドに言う。
「よし! とにかく遊びに行くならさっさと行くっすよ! 貴重な休日なんすから!」
「小難しい事考えてないで、とにかくパーっとやりたい事やろう!」
「……そうだな」
そう、難しい事を色々と考えてきた。
今日までずっと、何年も。そういう事を考え続けてきた気がする。
だけど自然と笑ってそう言えた。
「行くか!」
今日はとても気分が良い。頑張っていた奴が報われたのだ。
(頑張れ、ユーリ)
まだ競技場内に居るであろう弟に向けて、心中でそう呟き。
長年弟に暴言や嫌がらせを繰り返してきた兄は、競技場から離れていった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
どうも、命中率0%の最弱村人です 〜隠しダンジョンを周回してたらレベル∞になったので、種族進化して『半神』目指そうと思います〜
サイダーボウイ
ファンタジー
この世界では15歳になって成人を迎えると『天恵の儀式』でジョブを授かる。
〈村人〉のジョブを授かったティムは、勇者一行が訪れるのを待つ村で妹とともに仲良く暮らしていた。
だがちょっとした出来事をきっかけにティムは村から追放を言い渡され、モンスターが棲息する森へと放り出されてしまう。
〈村人〉の固有スキルは【命中率0%】というデメリットしかない最弱スキルのため、ティムはスライムすらまともに倒せない。
危うく死にかけたティムは森の中をさまよっているうちにある隠しダンジョンを発見する。
『【煌世主の意志】を感知しました。EXスキル【オートスキップ】が覚醒します』
いきなり現れたウィンドウに驚きつつもティムは試しに【オートスキップ】を使ってみることに。
すると、いつの間にか自分のレベルが∞になって……。
これは、やがて【種族の支配者(キング・オブ・オーバーロード)】と呼ばれる男が、最弱の村人から最強種族の『半神』へと至り、世界を救ってしまうお話である。
身寄りのない少女を引き取ったら有能すぎて困る(困らない)
長根 志遥
ファンタジー
命令を受けて自らを暗殺に来た、身寄りのない不思議な少女エミリスを引き取ることにした伯爵家四男のアティアス。
彼女は彼と旅に出るため魔法の練習を始めると、才能を一気に開花させる。
他人と違う容姿と、底なしの胃袋、そして絶大な魔力。メイドだった彼女は家事も万能。
超有能物件に見えて、実は時々へっぽこな彼女は、様々な事件に巻き込まれつつも彼の役に立とうと奮闘する。
そして、伯爵家領地を巡る争いの果てに、彼女は自分が何者なのかを知る――。
◆
「……って、そんなに堅苦しく書いても誰も読んでくれませんよ? アティアス様ー」
「あらすじってそういうもんだろ?」
「ダメです! ここはもっとシンプルに書かないと本編を読んでくれません!」
「じゃあ、エミーならどんな感じで書くんだ?」
「……そうですねぇ。これはアティアス様が私とイチャイチャしながら、事件を強引に力で解決していくってお話ですよ、みなさん」
「ストレートすぎだろ、それ……」
「分かりやすくていいじゃないですかー。不幸な生い立ちの私が幸せになるところを、是非是非読んでみてくださいね(はーと)」
◆HOTランキング最高2位、お気に入り1400↑ ありがとうございます!
悪役顔のモブに転生しました。特に影響が無いようなので好きに生きます
竹桜
ファンタジー
ある部屋の中で男が画面に向かいながら、ゲームをしていた。
そのゲームは主人公の勇者が魔王を倒し、ヒロインと結ばれるというものだ。
そして、ヒロインは4人いる。
ヒロイン達は聖女、剣士、武闘家、魔法使いだ。
エンドのルートしては六種類ある。
バットエンドを抜かすと、ハッピーエンドが五種類あり、ハッピーエンドの四種類、ヒロインの中の誰か1人と結ばれる。
残りのハッピーエンドはハーレムエンドである。
大好きなゲームの十回目のエンディングを迎えた主人公はお腹が空いたので、ご飯を食べようと思い、台所に行こうとして、足を滑らせ、頭を強く打ってしまった。
そして、主人公は不幸にも死んでしまった。
次に、主人公が目覚めると大好きなゲームの中に転生していた。
だが、主人公はゲームの中で名前しか出てこない悪役顔のモブに転生してしまった。
主人公は大好きなゲームの中に転生したことを心の底から喜んだ。
そして、折角転生したから、この世界を好きに生きようと考えた。
【完結】実はチートの転生者、無能と言われるのに飽きて実力を解放する
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング1位獲得作品!!】
最強スキル『適応』を与えられた転生者ジャック・ストロングは16歳。
戦士になり、王国に潜む悪を倒すためのユピテル英才学園に入学して3ヶ月がたっていた。
目立たないために実力を隠していたジャックだが、学園長から次のテストで成績がよくないと退学だと脅され、ついに実力を解放していく。
ジャックのライバルとなる個性豊かな生徒たち、実力ある先生たちにも注目!!
彼らのハチャメチャ学園生活から目が離せない!!
※小説家になろう、カクヨム、エブリスタでも投稿中
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編
国外追放ですか? 承りました。では、すぐに国外にテレポートします。
樋口紗夕
恋愛
公爵令嬢ヘレーネは王立魔法学園の卒業パーティーで第三王子ジークベルトから婚約破棄を宣言される。
ジークベルトの真実の愛の相手、男爵令嬢ルーシアへの嫌がらせが原因だ。
国外追放を言い渡したジークベルトに、ヘレーネは眉一つ動かさずに答えた。
「国外追放ですか? 承りました。では、すぐに国外にテレポートします」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる