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一章 聖女さん、追放されたので冒険者を始めます。
51 聖女さん達、四人集う
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「虚偽じゃない……え?」
「いやそう思う気持ちも分かるけど、とりあえず私達は本当に元聖女で、その私達と同じくらいの力を持ってるのは見ただけで分かったから……って本人不在で話進めるのはちょっとアレだ。ちょっと待ってて!」
そう言って私は二人とクライドさんを残して入り口付近で待っているシズクの元へ。
「あれ? もう話終わったんすか?」
「終わってないよ。途中で一旦抜けてきた」
そして私はシズクに確認してみる事にする。
「ねえ、受付嬢さん……いや、シズクって呼んでも良いかな」
「あ、いいっすけど……どうしたんすか急に」
「ちょっと親近感湧いて。受付嬢さんなんて他人行儀は違うかなって」
「親近感? いや、実を言うとボクも少し感じてたんすけど」
「それってもしかして、目の前の三人も追放された聖女だったりして? って感じかな?」
「ああ、そうっす。なんかボクと同じくらいの力を感じるなーって思って。そういう事聞いて来るって事はやっぱり三人共……って、えええええええええええええええええええええッ!?」
「確定……やっぱ完全に聖女追放ブーム来てるじゃん!」
「いやいやいや、ちょ、え? マジなんすか!?」
「マジな奴だよびっくりだよ! それでどう? 信用してくれるかな?」
「いや、皆さん位の力持ってて聖女って言われたらそりゃ信じるっすけど……ま、まさかとは思うっすけど、皆さんも記憶にないミスを突き付けられまくってクビになった感じだったり……は流石に無いっすよね?」
「三人共ほぼそんな感じ」
「うへえぇ!? じゃ、じゃあ後任の聖女が明らかに容姿の好みで選んだだろって言う感じのエロいお姉さんだったりってのは……」
「もう親近感爆上がりだよ」
「ま、ままま、マジっすか! 終わってるっすよ世界!」
テンション高めな反応を見せたシズクは、その後少し困惑気味な表情を浮かべて言う。
「なんすかね……此処まで親近感湧く相手に巡り合えたのって喜んでもいいんすかね? 俯瞰して見たら近年稀に見る最悪な事態な気がするんすけど!?」
「世界的には最悪だけど、私達個人は喜んでも良いんじゃないかな……多分」
「じゃ、じゃあそういう事にしとくっすよ……」
そしてそう言ったシズクは、まだ状況を呑み込み切れてなさそうな表情で言う。
「そ、それで、話抜け出してボクにそれを確認しに来たって事は、今そういう話でもしてんすか?」
「そ。そういう話してるんだ。強要はしないけど、良かったら一緒に来て」
「は、はいっす!」
そんなやり取りを交わした後、私達は二人とクライドさんが居る所へと足取りを向ける。
「あ、戻ってきましたよ」
「随分白熱してたな」
「そりゃやっぱり元聖女で、追放された理由まで私達と同じみたいなんだよ。そりゃ盛り上がっちゃうよ」
「どうも、同じ感じに追放された元聖女っす」
「うわー、やっぱりそうだったか……」
「そうじゃないかって予想はしてましたけど、いざ本当にそうだと軽くビビりますね」
「いやもうボクもびっくりしすぎて、まだ状況飲み込みきれてないっすよ」
で、そんなシズクと同様というかそれ以上に飲み込めて無い人が一人。
「……あれ? これ……もしかしてマジな雰囲気なのか?」
無茶苦茶困惑した表情でそう言うグライドさん。
いや、ほんとに……仕方ない反応だと思うよ。
「ま、まあ確かに聖女としての力をそのまま戦闘用の魔術で振るえりゃ、無茶苦茶な戦績も納得できるし……いや、でもなぁ……」
そうやってしばらく一人で悩んだ後、一応の結論を出せたらしく、グライドさんは言う。
「いくらなんでも考えなしでFランクの冒険者を今回の依頼に送り出す事は絶対にしねえとは思っていたが……お前が元聖女だから実力をある程度把握できたって仮定すると……一応真っ当な理由になるのか。正直状況飲み込めねえんだが……そういう事になるのか?」
「そ、そういう事になるっすね」
「そうか……」
そしてどこか遠い目でシズクを見てグライドさんは言う。
「お前……一体何やらかしたんだ?」
「な、なにもやらかしてねーっすよ!」
「でもお前、意外に勤務態度すげえ真面目だけど、それが意外に思える位アホな事たまにやらかすじゃねえか」
「そ、そんなにアホな事してたっすかボク!?」
「ほら、お前……三日前の夕方」
「あ……その節は大変ご迷惑をおかけしました」
な、何やらかしたんだろう……。
と、まあそれはともかく。
「多分何もやらかしてないと思うよ。というか聖女を解任されるなんて余程の能力不足か、国外追放じゃ済まない事をやらかすか……王様が余程のアホか。この三択位しか無い」
一応フォローを入れる事にした。
「その点シズクが能力不足って事は無いと思うし、普通に生きて此処に居る。ってなると私達三人と同じで王様が余程のアホだったってパターンになると思う」
「余程のアホって……」
「とりあえず私達四人共、後釜に美人でエロいお姉さんを用意されてた。しかも私が見るにそこまで実力無い人」
「それは……アホですね」
器用に私達には敬語を使って言うグライドさん。
「それが本当だとしたら……世も末だ」
「本当なんすよ残念ながら」
「……マジかぁ。えぇ……」
マジだよ。
意味分からないけどマジだよ残念ながら。
「いやそう思う気持ちも分かるけど、とりあえず私達は本当に元聖女で、その私達と同じくらいの力を持ってるのは見ただけで分かったから……って本人不在で話進めるのはちょっとアレだ。ちょっと待ってて!」
そう言って私は二人とクライドさんを残して入り口付近で待っているシズクの元へ。
「あれ? もう話終わったんすか?」
「終わってないよ。途中で一旦抜けてきた」
そして私はシズクに確認してみる事にする。
「ねえ、受付嬢さん……いや、シズクって呼んでも良いかな」
「あ、いいっすけど……どうしたんすか急に」
「ちょっと親近感湧いて。受付嬢さんなんて他人行儀は違うかなって」
「親近感? いや、実を言うとボクも少し感じてたんすけど」
「それってもしかして、目の前の三人も追放された聖女だったりして? って感じかな?」
「ああ、そうっす。なんかボクと同じくらいの力を感じるなーって思って。そういう事聞いて来るって事はやっぱり三人共……って、えええええええええええええええええええええッ!?」
「確定……やっぱ完全に聖女追放ブーム来てるじゃん!」
「いやいやいや、ちょ、え? マジなんすか!?」
「マジな奴だよびっくりだよ! それでどう? 信用してくれるかな?」
「いや、皆さん位の力持ってて聖女って言われたらそりゃ信じるっすけど……ま、まさかとは思うっすけど、皆さんも記憶にないミスを突き付けられまくってクビになった感じだったり……は流石に無いっすよね?」
「三人共ほぼそんな感じ」
「うへえぇ!? じゃ、じゃあ後任の聖女が明らかに容姿の好みで選んだだろって言う感じのエロいお姉さんだったりってのは……」
「もう親近感爆上がりだよ」
「ま、ままま、マジっすか! 終わってるっすよ世界!」
テンション高めな反応を見せたシズクは、その後少し困惑気味な表情を浮かべて言う。
「なんすかね……此処まで親近感湧く相手に巡り合えたのって喜んでもいいんすかね? 俯瞰して見たら近年稀に見る最悪な事態な気がするんすけど!?」
「世界的には最悪だけど、私達個人は喜んでも良いんじゃないかな……多分」
「じゃ、じゃあそういう事にしとくっすよ……」
そしてそう言ったシズクは、まだ状況を呑み込み切れてなさそうな表情で言う。
「そ、それで、話抜け出してボクにそれを確認しに来たって事は、今そういう話でもしてんすか?」
「そ。そういう話してるんだ。強要はしないけど、良かったら一緒に来て」
「は、はいっす!」
そんなやり取りを交わした後、私達は二人とクライドさんが居る所へと足取りを向ける。
「あ、戻ってきましたよ」
「随分白熱してたな」
「そりゃやっぱり元聖女で、追放された理由まで私達と同じみたいなんだよ。そりゃ盛り上がっちゃうよ」
「どうも、同じ感じに追放された元聖女っす」
「うわー、やっぱりそうだったか……」
「そうじゃないかって予想はしてましたけど、いざ本当にそうだと軽くビビりますね」
「いやもうボクもびっくりしすぎて、まだ状況飲み込みきれてないっすよ」
で、そんなシズクと同様というかそれ以上に飲み込めて無い人が一人。
「……あれ? これ……もしかしてマジな雰囲気なのか?」
無茶苦茶困惑した表情でそう言うグライドさん。
いや、ほんとに……仕方ない反応だと思うよ。
「ま、まあ確かに聖女としての力をそのまま戦闘用の魔術で振るえりゃ、無茶苦茶な戦績も納得できるし……いや、でもなぁ……」
そうやってしばらく一人で悩んだ後、一応の結論を出せたらしく、グライドさんは言う。
「いくらなんでも考えなしでFランクの冒険者を今回の依頼に送り出す事は絶対にしねえとは思っていたが……お前が元聖女だから実力をある程度把握できたって仮定すると……一応真っ当な理由になるのか。正直状況飲み込めねえんだが……そういう事になるのか?」
「そ、そういう事になるっすね」
「そうか……」
そしてどこか遠い目でシズクを見てグライドさんは言う。
「お前……一体何やらかしたんだ?」
「な、なにもやらかしてねーっすよ!」
「でもお前、意外に勤務態度すげえ真面目だけど、それが意外に思える位アホな事たまにやらかすじゃねえか」
「そ、そんなにアホな事してたっすかボク!?」
「ほら、お前……三日前の夕方」
「あ……その節は大変ご迷惑をおかけしました」
な、何やらかしたんだろう……。
と、まあそれはともかく。
「多分何もやらかしてないと思うよ。というか聖女を解任されるなんて余程の能力不足か、国外追放じゃ済まない事をやらかすか……王様が余程のアホか。この三択位しか無い」
一応フォローを入れる事にした。
「その点シズクが能力不足って事は無いと思うし、普通に生きて此処に居る。ってなると私達三人と同じで王様が余程のアホだったってパターンになると思う」
「余程のアホって……」
「とりあえず私達四人共、後釜に美人でエロいお姉さんを用意されてた。しかも私が見るにそこまで実力無い人」
「それは……アホですね」
器用に私達には敬語を使って言うグライドさん。
「それが本当だとしたら……世も末だ」
「本当なんすよ残念ながら」
「……マジかぁ。えぇ……」
マジだよ。
意味分からないけどマジだよ残念ながら。
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