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二章 聖女さん、新しい日常を謳歌します。
61 聖女さん達、事件の考察をする
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「把握していたって……それ一体どういう……」
ミカがやや動揺するようにそう言う。
まあ二人共正体隠して秘密裏に動いていて、だからこそ私達とも争いが勃発した訳で。
そりゃ把握なんてされていたら動揺の一つ位は当然すると思うよ。
そしてルカは言う。
「まああくまでしているようだったってだけで確定した訳じゃありません。言葉の綾や単純に俺の解釈違いって可能性も否定できませんから」
ただ、とルカは言う。
「それでも俺はアイツにこちらの行動を見透かされていると思った」
……多分ルカがこういう場でそこまで言うんだったら、本当にそう取れるような事を言っていたんだろうし、別の角度から考えるとその言葉の信憑性を上げる事ができるエピソードがある。
「確かにあの化物がルカの国でクーデターを起こした敵なら、国民のほぼ全員を洗脳するような事だってできるかもしれないね」
「ああ、それなら腑に落ちますね。さっきの説明聞いてて、そんな大規模に人を操ったりできるのかな? って思いましたから」
「俺やミカ様も最初はそう考えて、精々薄く暗示を掛けてうまく扇動されたんじゃないかと考えていた。だが確かにベルナールの言う通りだ。あの相手なら馬鹿げてはいるがシンプルに大規模な洗脳魔術を扱えるかもしれん」
ほんと馬鹿げているけどね。
「つまり今回の敵がアンタらの国の敵って可能性が高くなる訳か……それで、同じ事が起きている俺達の国の敵の可能性も大いにあるって訳だな」
「そういう事になると俺は考えている」
「……って事はボク達が今回止めた計画も、それぞれの国で起きてる事と関係があるってことなんすかね」
「おそらくな」
「だったら」
ルカの話を聞いて、ミカが言う。
「私達が逃げる時に、結界が良くない何かに変えられていったのって……もしかして今日の一件を起こすための下準備って事なのかな?」
「えーっと、つまりどういう事?」
この場で一番魔術について詳しくないであろうしーちゃんの問いにミカは答える。
「魔術には自分の体内だとか周囲だけで完結する物以外に、ある特定のポイントにそれぞれ基礎となる術式を設置して発動させる大規模な物もあります。例えば各国を守る聖女の結界なんかがそうですね」
「へーそうなんだ」
そう。
私が国に張っていた結界も、国中の色々な所に基礎を作って、一つの大きな自立型の魔術を発動させて維持してる。
それこそ国単位に効果をもたらす大きな術は、そういったやり方じゃないと無理。
「えーっとそれで下準備ってのは?」
「一国に張る結界規模の巨大な基礎を作って、その基礎を使って発動させる魔術の中心地があの地下だったかもしれないって事です」
「って事は……皆の国の結界が現在進行形でそんな風な物に変えられていってるって事!?」
「そういう事になってるんじゃないかなっていう……仮説です。あ。でも仮説だからあまり真に受けないでください」
少々自信なさげにそう言うミカ。
まああり得ない話じゃないよ。
同じ規模の事をやれって言われたら無理だけどさ、あの化物ならそれもできると思う。
だけど私達四人とルカは、ミカが語った仮説に対して乗っかる事ができない。
特に私が一番ね。
「悪いけど、多分それは違うかもしれない。結構良い線行ってると思うし、実際ありえる話だとは思うよ。それができる位、私達が戦っていた相手は異次元みたいな力を持っていた訳だし」
だけど。
「それだと私の国で何も起きていないのがおかしいと思うんだ」
「……え?」
「ああ、私人里離れた所に実家があったから、結界で隠蔽してまだそこに住んでるんだ」
「ボクんちに転移魔術の魔法陣を置いて、行き来してる感じっす」
「えぇ……だ、大丈夫なんですかそれ……」
「うん。もうかれこれ一週間近く経ってるけど、なんの問題も無いよ」
……そう、何の問題も無い。
「今日もお昼頃まで家に居たけど何も無かった。当然、私が張った結界に何か異常があった訳でもないし。私が家を出てから何かあったって可能性も全くないとは言わないけど、今回の一件の下準備に私を追放したんなら、もう何かが起きてないとおかしいと思う」
「……それなら私の仮説は外れって事ですかね」
「それこそ私が追放された理由が、本当に見て聴いた通りのアホな理由だったりしない限りはね」
「確かにそうだな。他国の王族を侮辱するような発言はしたくはないが、そこまでのアホがいるとは思えない」
「ま、滅茶苦茶アホだけどね。正直、ここまで皆が同じ条件で追放されてるって感じじゃなきゃ普通にアホがアホがやらかしたんだなって思うくらいには」
でも、皆がこんな事になっている以上、今となっては流石にそれは考えられなくて。
多分ハニートラップを絡めた洗脳魔術みたいなのを喰らってるんじゃないかなって思う。
皆の国も同じような感じで。
……え、あの馬鹿本当に洗脳とかされてる感じだよね?
それで私の後釜で来たエロいお姉さんが、連中の手先なんだよね?
流石に……そうだよね、うん。
ミカがやや動揺するようにそう言う。
まあ二人共正体隠して秘密裏に動いていて、だからこそ私達とも争いが勃発した訳で。
そりゃ把握なんてされていたら動揺の一つ位は当然すると思うよ。
そしてルカは言う。
「まああくまでしているようだったってだけで確定した訳じゃありません。言葉の綾や単純に俺の解釈違いって可能性も否定できませんから」
ただ、とルカは言う。
「それでも俺はアイツにこちらの行動を見透かされていると思った」
……多分ルカがこういう場でそこまで言うんだったら、本当にそう取れるような事を言っていたんだろうし、別の角度から考えるとその言葉の信憑性を上げる事ができるエピソードがある。
「確かにあの化物がルカの国でクーデターを起こした敵なら、国民のほぼ全員を洗脳するような事だってできるかもしれないね」
「ああ、それなら腑に落ちますね。さっきの説明聞いてて、そんな大規模に人を操ったりできるのかな? って思いましたから」
「俺やミカ様も最初はそう考えて、精々薄く暗示を掛けてうまく扇動されたんじゃないかと考えていた。だが確かにベルナールの言う通りだ。あの相手なら馬鹿げてはいるがシンプルに大規模な洗脳魔術を扱えるかもしれん」
ほんと馬鹿げているけどね。
「つまり今回の敵がアンタらの国の敵って可能性が高くなる訳か……それで、同じ事が起きている俺達の国の敵の可能性も大いにあるって訳だな」
「そういう事になると俺は考えている」
「……って事はボク達が今回止めた計画も、それぞれの国で起きてる事と関係があるってことなんすかね」
「おそらくな」
「だったら」
ルカの話を聞いて、ミカが言う。
「私達が逃げる時に、結界が良くない何かに変えられていったのって……もしかして今日の一件を起こすための下準備って事なのかな?」
「えーっと、つまりどういう事?」
この場で一番魔術について詳しくないであろうしーちゃんの問いにミカは答える。
「魔術には自分の体内だとか周囲だけで完結する物以外に、ある特定のポイントにそれぞれ基礎となる術式を設置して発動させる大規模な物もあります。例えば各国を守る聖女の結界なんかがそうですね」
「へーそうなんだ」
そう。
私が国に張っていた結界も、国中の色々な所に基礎を作って、一つの大きな自立型の魔術を発動させて維持してる。
それこそ国単位に効果をもたらす大きな術は、そういったやり方じゃないと無理。
「えーっとそれで下準備ってのは?」
「一国に張る結界規模の巨大な基礎を作って、その基礎を使って発動させる魔術の中心地があの地下だったかもしれないって事です」
「って事は……皆の国の結界が現在進行形でそんな風な物に変えられていってるって事!?」
「そういう事になってるんじゃないかなっていう……仮説です。あ。でも仮説だからあまり真に受けないでください」
少々自信なさげにそう言うミカ。
まああり得ない話じゃないよ。
同じ規模の事をやれって言われたら無理だけどさ、あの化物ならそれもできると思う。
だけど私達四人とルカは、ミカが語った仮説に対して乗っかる事ができない。
特に私が一番ね。
「悪いけど、多分それは違うかもしれない。結構良い線行ってると思うし、実際ありえる話だとは思うよ。それができる位、私達が戦っていた相手は異次元みたいな力を持っていた訳だし」
だけど。
「それだと私の国で何も起きていないのがおかしいと思うんだ」
「……え?」
「ああ、私人里離れた所に実家があったから、結界で隠蔽してまだそこに住んでるんだ」
「ボクんちに転移魔術の魔法陣を置いて、行き来してる感じっす」
「えぇ……だ、大丈夫なんですかそれ……」
「うん。もうかれこれ一週間近く経ってるけど、なんの問題も無いよ」
……そう、何の問題も無い。
「今日もお昼頃まで家に居たけど何も無かった。当然、私が張った結界に何か異常があった訳でもないし。私が家を出てから何かあったって可能性も全くないとは言わないけど、今回の一件の下準備に私を追放したんなら、もう何かが起きてないとおかしいと思う」
「……それなら私の仮説は外れって事ですかね」
「それこそ私が追放された理由が、本当に見て聴いた通りのアホな理由だったりしない限りはね」
「確かにそうだな。他国の王族を侮辱するような発言はしたくはないが、そこまでのアホがいるとは思えない」
「ま、滅茶苦茶アホだけどね。正直、ここまで皆が同じ条件で追放されてるって感じじゃなきゃ普通にアホがアホがやらかしたんだなって思うくらいには」
でも、皆がこんな事になっている以上、今となっては流石にそれは考えられなくて。
多分ハニートラップを絡めた洗脳魔術みたいなのを喰らってるんじゃないかなって思う。
皆の国も同じような感じで。
……え、あの馬鹿本当に洗脳とかされてる感じだよね?
それで私の後釜で来たエロいお姉さんが、連中の手先なんだよね?
流石に……そうだよね、うん。
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