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二章 聖女さん、新しい日常を謳歌します。
62 聖女の親友、提案する
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ミカの仮説は否定したけれど、だからといって何か代わりの仮説を立てられた訳じゃ無くて。
その後はあまり建設的な話ができず、ただ時間だけが過ぎていく形になった。
それに何か仮説が立てられた所で仮説は仮説でしかなくて、結局その目で確かめないと答えは出てこなくて、その上で行動しないとなんの解決にもならない。
……だから考えた所で今すぐ私達にできる事は何もないんだよね。
「分かっているとは思うが、下手に動くなよ」
やや不毛気味になってきた会話の中で釘を刺すようにルカがそう言う。
「昨日まで自分達が想定していた規模の事件だった場合、お前らが徒党を組めば力押しで解決できたかもしれないが、今日争った連中がそうだったように、敵の戦力が想定以上に強大だ。無策で何の情報も無く飛び込むのは自殺行為だ」
「……分かってる」
最後に戦った奴と、ソイツが呼び出した飛竜は一切こっちに攻撃を加えてこなかったけど、果たして本当に殺す気で攻めてこられたらどうなっていたか分からない。
それにもし私達の居た国に戻って戦いになった場合、敵の戦力の規模も今日より厚いんじゃないかって思う。
そうなったら迂闊には手を出せないし、出そうとしてるならちょっと止めるよ。
「つまり皆が何かするにしてもある程度情報が集まってからって事だね。ああ、ウチにできる事あったら何でも言ってね」
「しーちゃん……」
そう言ってくれるしーちゃんの肩にポンと手を置き私は言う。
「色々と巻き込まれないように大人しくしてて……心臓がいくつあっても足りないから」
「えーっと……うん、善処します」
無理だろうなぁ……絶対何かあった時に当然のようにしーちゃんいそうだもん。
「とりあえず本来あり得ない事の筈だが、ベルナールは今だ元居た国の実家に済んでいるんだ。何かあったら情報共有を頼みたい」
そう言ってルカは戦闘中に突然刀を握っていたみたいに、いつのまにか紙とペンを取り出して何かを書き始め、やがてそのメモを私に手渡してくる。
「これは?」
「俺達が宿泊している宿の電話番号だ。何か分かったら俺に繋いでもらってくれ」
「了解」
「あ、どれどれボクも見せて貰って良いっすか? あ、じゃあミカを遊びに誘う時は此処に電話したら良いっすかね?」
「うん、じゃあそれで。ああ、じゃあシズクの連絡先も教えてよ。私からも連絡するかもしれないし……あ、あと私達が何か新しい情報を掴んだ時も連絡しないと駄目だし」
「そうっすね。あ、メモ用紙とペン借りて良いっすか?」
「構わないが」
そう言ってメモとペンを手渡すルカに私は言う。
「なんか平和的なやり取りがメインになりそうだね」
「良くも悪くもな」
私にできる事は経過観察で、ルカ達に出来る事があるのかも分からない訳だからね。本当に良くも悪くもそうなりそう。
と、そこでしーちゃんが手を上げる。
「えーっと、一つ良いか悪いかは分からないけど案を思いついたんだけど良いかな? 集めなきゃいけない情報を集める為の」
「……しーちゃん、何する気なの?」
「いやいや私は何もしないって。さっき釘刺されたばかりなのに目立つことはしないよ流石に」
そう言って苦笑いを浮かべた後しーちゃんは言う。
「此処の人達に協力してもらえば良いんじゃないかな?」
「此処の人達っていうと……マフィアさん達か?」
「そう」
一拍空けてからしーちゃんは言う。
「多分あっちゃん達は表立った行動しかできない。コソコソ何かをやっても本職の人達からすれば多分表も表って感じだよ……今回みたいにこそこそ何かを調べる感じだったらマコっちゃん達が適任でしょ」
「確かに適任かもしれませんね」
「俺達はそういうのは素人だからな」
だが、とステラが言う。
「協力してくれんのか? 調べて貰うのはこの国の事じゃねえし、そもそも此処の人達に協力するメリットなんてねえだろ」
「まあ普通に考えればそうだけど……うん、メリットはないよ。ただ、あの人達は結構そういうの度外視にして動くような人達だし」
それに、としーちゃんは言う。
「今回の件の時点で、あの人達からしても喧嘩売られたようなものでしょ」
……確かに。
島荒らされたような物だろうし。
「まあでも国内の事をどうこうする訳じゃないから、いつもと同じようにって訳には行かないだろうし、駄目元で相談してみるって感じ。それで駄目だって言われたら、まあそうだよねって話で……まあいつも面倒事ばかり持ち込んで申し訳ないとは思うけどさ」
そんな事を頼んで良い物なのかどうかは分からないけど、現状私達じゃ踏み込んだ事は調べられないのは確かで……事を前へと進めようと思ったらそうするしか無いのかな。
「ごめん、ちょっと嫌な役回り任せる感じになって」
「いいよ。ウチにはこんな事位しかできないし、それにこの話が通ったら大変なのはウチじゃないからさ」
……とにかく、そういう訳で。
今すぐ何かできる訳ではないけれど、一応問題解決に向けて一歩前進した感じだった。
その後はあまり建設的な話ができず、ただ時間だけが過ぎていく形になった。
それに何か仮説が立てられた所で仮説は仮説でしかなくて、結局その目で確かめないと答えは出てこなくて、その上で行動しないとなんの解決にもならない。
……だから考えた所で今すぐ私達にできる事は何もないんだよね。
「分かっているとは思うが、下手に動くなよ」
やや不毛気味になってきた会話の中で釘を刺すようにルカがそう言う。
「昨日まで自分達が想定していた規模の事件だった場合、お前らが徒党を組めば力押しで解決できたかもしれないが、今日争った連中がそうだったように、敵の戦力が想定以上に強大だ。無策で何の情報も無く飛び込むのは自殺行為だ」
「……分かってる」
最後に戦った奴と、ソイツが呼び出した飛竜は一切こっちに攻撃を加えてこなかったけど、果たして本当に殺す気で攻めてこられたらどうなっていたか分からない。
それにもし私達の居た国に戻って戦いになった場合、敵の戦力の規模も今日より厚いんじゃないかって思う。
そうなったら迂闊には手を出せないし、出そうとしてるならちょっと止めるよ。
「つまり皆が何かするにしてもある程度情報が集まってからって事だね。ああ、ウチにできる事あったら何でも言ってね」
「しーちゃん……」
そう言ってくれるしーちゃんの肩にポンと手を置き私は言う。
「色々と巻き込まれないように大人しくしてて……心臓がいくつあっても足りないから」
「えーっと……うん、善処します」
無理だろうなぁ……絶対何かあった時に当然のようにしーちゃんいそうだもん。
「とりあえず本来あり得ない事の筈だが、ベルナールは今だ元居た国の実家に済んでいるんだ。何かあったら情報共有を頼みたい」
そう言ってルカは戦闘中に突然刀を握っていたみたいに、いつのまにか紙とペンを取り出して何かを書き始め、やがてそのメモを私に手渡してくる。
「これは?」
「俺達が宿泊している宿の電話番号だ。何か分かったら俺に繋いでもらってくれ」
「了解」
「あ、どれどれボクも見せて貰って良いっすか? あ、じゃあミカを遊びに誘う時は此処に電話したら良いっすかね?」
「うん、じゃあそれで。ああ、じゃあシズクの連絡先も教えてよ。私からも連絡するかもしれないし……あ、あと私達が何か新しい情報を掴んだ時も連絡しないと駄目だし」
「そうっすね。あ、メモ用紙とペン借りて良いっすか?」
「構わないが」
そう言ってメモとペンを手渡すルカに私は言う。
「なんか平和的なやり取りがメインになりそうだね」
「良くも悪くもな」
私にできる事は経過観察で、ルカ達に出来る事があるのかも分からない訳だからね。本当に良くも悪くもそうなりそう。
と、そこでしーちゃんが手を上げる。
「えーっと、一つ良いか悪いかは分からないけど案を思いついたんだけど良いかな? 集めなきゃいけない情報を集める為の」
「……しーちゃん、何する気なの?」
「いやいや私は何もしないって。さっき釘刺されたばかりなのに目立つことはしないよ流石に」
そう言って苦笑いを浮かべた後しーちゃんは言う。
「此処の人達に協力してもらえば良いんじゃないかな?」
「此処の人達っていうと……マフィアさん達か?」
「そう」
一拍空けてからしーちゃんは言う。
「多分あっちゃん達は表立った行動しかできない。コソコソ何かをやっても本職の人達からすれば多分表も表って感じだよ……今回みたいにこそこそ何かを調べる感じだったらマコっちゃん達が適任でしょ」
「確かに適任かもしれませんね」
「俺達はそういうのは素人だからな」
だが、とステラが言う。
「協力してくれんのか? 調べて貰うのはこの国の事じゃねえし、そもそも此処の人達に協力するメリットなんてねえだろ」
「まあ普通に考えればそうだけど……うん、メリットはないよ。ただ、あの人達は結構そういうの度外視にして動くような人達だし」
それに、としーちゃんは言う。
「今回の件の時点で、あの人達からしても喧嘩売られたようなものでしょ」
……確かに。
島荒らされたような物だろうし。
「まあでも国内の事をどうこうする訳じゃないから、いつもと同じようにって訳には行かないだろうし、駄目元で相談してみるって感じ。それで駄目だって言われたら、まあそうだよねって話で……まあいつも面倒事ばかり持ち込んで申し訳ないとは思うけどさ」
そんな事を頼んで良い物なのかどうかは分からないけど、現状私達じゃ踏み込んだ事は調べられないのは確かで……事を前へと進めようと思ったらそうするしか無いのかな。
「ごめん、ちょっと嫌な役回り任せる感じになって」
「いいよ。ウチにはこんな事位しかできないし、それにこの話が通ったら大変なのはウチじゃないからさ」
……とにかく、そういう訳で。
今すぐ何かできる訳ではないけれど、一応問題解決に向けて一歩前進した感じだった。
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